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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年12月12日

正しすぎる決断

「ドラゴンクエストIX」ニンテンドーDSで登場
YouTube ドラクエ9 TVCM第1弾
あまりにも正しすぎる決断ゆえに予想外でした。

  • 据置→携帯シフトが進んでいる。据置ゲーム機に未来は無い。
  • 国内のPS2市場が急速に縮小している。
  • ドラクエはファミコン世代=団塊ジュニアと共に歩んできた。この層が支持しているのはDS。
  • ファミコン世代の高年齢化にともない、腰をすえてRPGを遊ぶ時間が取れなくなっている。すきま時間に進めていくという点で携帯ゲーム機が有利。
  • 据置ゲーム機の競争のゆくえは読みづらい。ハードメーカーの競争にソフトメーカーが巻き込まれるべきではない。決着がついても、台数ベースで前世代を下回る可能性が高い。
  • 『どうぶつの森』のように据置から携帯に移行することで、「1家に1本」から「1人に1本」へ売上を拡大するチャンスがある。
  • ドラクエ8でオフライン型RPGの1つの完成を見たドラクエが次にネットワークを志向するのは自然。
  • 日本最大のオンラインゲームプラットフォームは今やDS(ライトユーザーの数、ボイスチャット標準、ローカル無線通信でネット環境が無くても近い遊び方が可能)。
  • 日本最高のクリエイターの1人(堀井雄二氏)がゲーム2.0と呼ばれる、昨今のゲームデザインの変化に疎いはずがなかった。
  • 日本で和製RPGを始めたのがドラクエなら、和製RPG2.0を始めるのもドラクエ。
  • プロセッサ性能至上主義が崩壊した。
  • 北米でも携帯ゲーム機市場が拡大していて、トップシェアはDS。
以上のように正しい理由はいくらでも挙げられます。圧倒的に正しい。しかし正直、スクウェアエニックスの経営陣にここまで正しい決断ができるとは思っていませんでした。ちょっとナメてました。ごめんなさい。って感じです。

この英断が国内のゲーム業界に与えるインパクトは大きいですね。
このブログを始め、じつに多くの人が「据置→携帯」シフトについて書いてきました。実際に市場が証明しました。けれども、まだ納得できていない業界人はいたわけです。しかしこの決断を前にしては、ぐうの音も出ないでしょう。

また「別に焦って決めなくても、1年ぐらいDSやって様子見しとこう」どころか、「あれ? このままずっとDSでもいいっすかね?」と選択肢が広がりました。ソフトメーカーの本気タイトルがDSで増えていく可能性がさらに高まりました。

据置ゲーム機への影響はある意味小さく、しかし絶大です。『ドラクエ』が特定のハードに発売されることで、シェア争いを左右する、という意味での影響はほぼ無くなりました。一方、『ドラクエ』が据置機から離脱することで、「ドラクエ本編がやりたいから、ゲーム機を買っている」というユーザーが据置機から離れていくでしょう。据置市場の縮小傾向に拍車がかかると思われます。

ぼかした言い方をせず、Wiiとの連動や移植の可能性をハッキリ否定したのも素晴らしいですね。据置ゲーム機の競争に巻き込まれたくないという表明であり、そんなくだらないことは勝手にやっていろ、という頼もしい発言です。まさに日本のソフトメーカーの鑑であり、万来の拍手を送りたい。

−−Wiiとの連動はあるのか?
和田 今回はニンテンドーDSの通信機能をフューチャーしている作品。Wiiとの連動はないと思います。また、新しい『ドラクエIX』のゲームデザインの面からも、ほかのハードへの移植などはありません。
 ハードごとにお客様は違います。新しいユーザー、お客様に喜んでいただきたいという思いで、今回ニンテンドーDSで『ドラクエIX』を発売することとなりました。


参考
FIFTH EDITION 「据置は死んだ。次いってみよう。」
国内における据置市場と携帯市場の比率の変化や、日米のゲーム機売上などのデータを引用しておられます。
GAME NEVER SLEEPS 「ドラクエのDS移籍から始まるRPG2.0元年」
要望に応えて書き足しました(笑

Posted by amanoudume at 19:00 個別リンク | Comments (19) | TrackBack(4)
ドラクエ9が携帯ゲーム機に
Excerpt: ひゃーっ。日本のゲーム史に残る大事件かもしれない。 ずっと据置ゲーム機で発売されてきた大作シリーズがついに携帯ゲーム機に移籍。
Weblog: 明明白白
Tracked: 2006年12月13日 20:26
携帯型ゲームに関する話題
Excerpt: 携帯型ゲームの主役となった1000万台のニンテンドーDS対400万台の高性能ソニーPSPの話題
Weblog: 携帯型ゲーム機に関する話題「ニンテンドーDS」対「ソニーPSP」
Tracked: 2006年12月16日 01:03
Wiiのストラップ1mmでも切れちゃうらしい
Excerpt: つきましては、お客様に安心してご使用いただくためにも、より強度のある1mmの「ひも」でのプレイをしていただきたく、お手数をお掛けしますが、お持ちのストラッ...
Weblog: Here There and Everywhere
Tracked: 2006年12月16日 18:03
ゲームの歴史は繰り返す?
Excerpt:  「SCEと任天堂の「いつか来た道」というエントリを読みました。  なかなか面白く読めました。ゲーム機の歴史をうまくまとめていると思います。  また、...
Weblog: ハイゲインソフトウェア開発日誌?
Tracked: 2006年12月17日 00:34

2006年12月03日

HDTV=PS3、SDTV=Wiiって誰が決めたの?

SCEも「プロセッサ性能至上主義の崩壊」に向けた体制へ
形式的には一応昇進ですが、そう受け取っている人は1人もいないんじゃないでしょうか。経営の実権を久多良木氏から切り離し、「ポスト久多良木体制」への布石を打ったという所でしょう。去年も書きましたが、正直、もっと早い段階でこうすべきだったと思います・・・・(下書きメモ:ソニーはどこへいくのか?)。まぁただ、久多良木氏の夢が詰まったPS3を発売する前では、久多良木氏も納得しなかったんでしょうし、ソニーにとって可能な、最速のスケジュールなのかもしれません。

久多良木氏が一線を退くというのは、端的にいえば、「プロセッサ性能至上主義の崩壊」を遅まきながらSCEも認めざるを得なかったという事です。「プロセッサ性能至上主義の崩壊」については、このブログでもずっと書いてきたことです。


魅力が一番わかりにくいゲーム機になってしまったPS3

しかしそうは言っても、PS3を作ってしまったのは事実で、今からタイムマシンで昔に戻ってやり直すことはできません。SCEはPS3で戦うしかありません。「ブルーレイディスクプレイヤー」「世界一のHDゲーム機」というアイデンティティーを貫くしかありません。今さらDVD対応に落としたり、SD対応に落とすわけにはいきませんし、HDDもあっさり捨てるのは難しいでしょう。

たとえゲーム業界が「ユーザーは映像よりも面白さを求めている」という風潮に変わっていたとしても、SCEだけはPS3から逃げられません。もっと没入感のあるゲームを遊びたいというユーザーと、映像表現を追求したゲームを作りたいというゲーム開発者に、PS3をアピールする他ありません。また、世間での認知度が低いブルーレイやHDゲームの映像の魅力を、広く訴えていかなければならないでしょう。

ある意味、DSによってゲーム業界の風潮をくつがえした任天堂と同じ事をしなければならないのです。任天堂はDSでもWiiでも、インターフェイスの変化による面白さの向上が伝えにくい事に自覚的でした。一方、SCEはグラフィックは見ればわかるんだから、みんな勝手にわかってくれるという考え方でした。それが実際どうだったかは、みなさんご承知の通りです。見ればわかるはずの魅力が伝わらない。今の日本では、PS3はWiiよりも魅力が伝わりにくいゲーム機になってしまいました。


楽観論はたぶん通用しない

HDTVが普及すれば・・・・という楽観論もありますが。
ARTIFACT:「おいでよ ハイデフの森」 Xbox360やPS3で胸をときめかせるためにはゲーム機本体より高い価格の環境が必要
HDTVが普及していない現在はWiiの方がいいと言われてるけど、HDTVが普及すればXBOX360やPS3のようなハイスペック路線が支持される、という論。まぁ「一端綺麗になった映像を見たら、元の映像には戻れなくなる」というのはわからなくもないんですが、積極的にキレイな映像を求めるかどうかはまた別の話ですからね。

例えば、DS Liteで遊んでいたら、今さら初期DSに戻りたくないのはわかります。DS Liteの魅力はいくつもありますが、明るい画面も支持される理由でしょう。しかし『脳トレ』を目当てに初代DSを買った一般ユーザーが、画面が明るくてキレイなPSPがいいと言い出して、PSPに飛びつき始めるでしょうか? 0人ではないかもしれませんが、市場動向を見る限り、ほとんどいなかったと言っていいでしょう。

画面がキレイだからイヤだという人はいません。ただし映像が最優先な人と最優先ではない人がいて、映像がより高精細化するにしたがって、最優先ではない人の比率が多くなっています。つまり「映像がキレイになるのは歓迎。でもソフトが揃っていて、軽快に動作して、値段もほとんど変わらないなら!」という人が多いわけです。1度見慣れた映像品質を捨てて、劣化した映像品質でガマンしたい人はほとんどいないでしょう。しかし映像品質の高いものと低いものがあった時、進んで映像品質の高いものを選ぶわけではないのです。

SDTVを持っている人がWiiを買って、それからHDTVを購入したとします。
では途端にWiiは要らない子になるのでしょうか? 「よーし、ボク、Wiiを窓から投げ捨てちゃって、HD対応のPS3とXBOX360を買うんだ。ソフト1本も持ってないけど、頑張って揃えよう」と言い出してお店に走るんでしょうか?(笑 なかなか愉快なジョークです。

一般層がそういう反応をするとは、とても想像できません。例えば、ドリキャスは標準で「ハイレゾ」ゲームが揃った初めてのゲーム機でした。しかし当時PS1が普及していたため、一般層は完全にスルーしました。「テレビの性能を使い切ってないローレゾなんて耐えられないよ! やっぱりハイレゾだね!」などと叫んで、お店に走った一般ユーザーがどれだけいましたか?

もちろんコアゲーマーの中には、そのような叫び声を上げた・・・・かどうかは知りませんが、ドリキャスを購入して、ハイレゾゲームを堪能した人もいらっしゃいます。まぁセガファンと呼ばれる、コアゲーマーの一部の人たちに限定されますが。

しかし一般ユーザーも、PS2が出れば、喜んで飛びつきました。要するに、一般ユーザーは「キレイな映像のPS」が欲しかったんであって、「キレイな映像のゲーム機」が欲しかったわけではないのです。高品質な映像の優先度が高い人と、高くない人の差がよく表れています。

Wiiが先に普及したら、その後HDTVが普及しようがしまいが、シェアは覆られないと思います。再び変動があるとすれば、次次世代機が出る頃でしょう。ゲーム機の寿命はたかだか5年ですからね。逆に、Wiiが普及していなければ、HDTVが普及した段階でPS3が伸びていくと思います。ボクが次世代ゲーム機戦争は短期決戦、1年戦争とくり返しているのも、そのためです。


SCEのやるべきことは「HDTV=PS3=ブルーレイ」

HDTVはかなり安くなっていて、売れ筋の32インチも10数万で買えます。いよいよ本格普及に入ろうとしています。今年の年末、来年の夏、来年の年末の3回のボーナス商戦で世帯普及率は飛躍的に伸びるでしょう。次世代ゲーム機の普及時期とHDTVの普及時期が重なるため、少しややこしい。

SCEはHDTVとPS3を一緒に買ってもらうような戦略を取るべきです。少なくとも、HDTVとPS3が関係あるものだということぐらいは、わかってもらわないとお話になりません。ここの読者は当然知ってるでしょう。でも一般の人はそんな事知らないわけですよ。HDTV買って、ついでに「CMやってるし。楽しそうだから」とWiiを買っていったりもするわけです。コアゲーマーの人からすれば、「HDTV=PS3、SDTV=Wii」の図式は絶対の定理なのかもしれませんが、一般の人からすれば、そんなの関係ありません。楽しそうな物を買うだけでしょう。

しかしSCEは、それでは困るわけです。HDTVを買ったら、家のPS2をPS3に買い換えるのが当然なんだ、という認識を浸透させなければいけません。例えば、ブラビアとPS3をセットで買ったら、割引が利くというキャンペーンもありでしょう(流通の違いがネックですが)。あるいは、ソニー以外のテレビメーカーともタイアップして、各社のHDTVのCM内にPS3を登場させてもらうという作戦もありでしょう(メーカーの垣根を越える交渉と宣伝費の供与が必要ですが)。考えられるあらゆる手段をもちいて、「HDTV=PS3=ブルーレイ」という図式をユーザーに浸透させなければいけません。

すげー大変だな、と思いますが、まあ頑張るのはSCEなんで。ソフトメーカー各社は程々につき合いつつ、基本は様子見でいいわけです。


補足: HDTVの恩恵はPS2やWiiにも

さて、一般ユーザーがHDTVを買ったとして、PS2で遊べないでしょうか? 何の問題もありません。PS2は大画面で十分に堪能できます。当たり前ですが、薄型液晶テレビは大画面になることにまずインパクトがあります。例えば、ボクなんかHDTVを買ってから一番稼動してるのはPS2です。画面がデカくなっただけで、3D映像は迫力が増し、2Dの美少女はよりかわいらしく見えます(笑

実際、Wiiを買うユーザーでも、一緒に薄型液晶テレビを買うと言っている人をブログで見かけます。大画面化することで、Wiiもまた恩恵を受けるからです。テレビを薄型化すると、奥行き方向のスペースの確保がしやすくなりますから、リモコンを振り回すWiiがより遊びやすくなります。また、体験ゲーム機としてみると、画面がある程度大きいほうがより一体感が得やすいと思います。

Posted by amanoudume at 06:14 個別リンク | Comments (8) | TrackBack(0)

2006年11月26日

次世代ゲーム機における日米の温度差

SCEが一番必死なのは日本市場

新清士のゲームスクランブル 「PS3発売で逆転した日米の力関係・水面下で何が交渉されたのか」
ちょっと煽りぎみの記事ですが、要は本当に言いたいのは最後の方の部分なんでしょうね。

日本とアメリカとの間の力関係を完全に逆転させる事態を引き起こそうとしている。北米企業が日本企業よりも、決定的に上位に立つ時代がついに到来した。E3から東京ゲームショウの間に、一般のユーザーには見えない「ミッドウェー海戦」が起きて、戦況が完全に逆転した。
この記事の結論に至るまでの根拠は大きく2つ。EAのPS3への姿勢の変化と、日米での本体同時発売ソフトの本数の差です。

しかしPS3が日本でのみ値下げしたことを忘れてはいけないでしょう。
E3での価格発表後、PS3は日本だけでなく、北米でも欧州でも高い、高いと言われていました。欧米のパブリッシャーが「Wii60」などと言い出した原因も、PS3の価格の高さにあります。こんなに高くては普及しない、あるいは普及に時間がかかる、と判断したわけです。大手ソフトメーカーからSCEへの圧力は、日欧米3地域すべてであったことです。にも関わらず、結局SCEは北米で本体を値下げせず、日本でのみ値下げしました。

PS3の値下げについては、PS3のビジネスモデルが「コンピュータエンターテイメント」からロイヤリティ依存の「ゲーム機」へ戻った、という分析がよく行われています(例えば後藤弘茂のWeekly海外ニュース:コンピュータからゲーム機へと揺り戻したPLAYSTATION 3)。それはまあいいのですが、新氏の記事ではあたかもそれが北米主導で起きたように読めますが、それなら北米で値下げが起きなければ、つじつまが合いません。PS3の方針転換には、日本のソフトメーカーの影響力がかなり大きかったと見るべきでしょう。

というのは、日欧米3地域の中でも最も旗色が悪いのは日本だからです。DSとPSPの競争が一番早く決着したのは日本でした。また、E3の価格発表で、PS3は急速に前評判を落とし、PS3叩きが連日行われる状態になりました。ソニーブランド崩壊が顕著なのも日本です。SCEはお膝元の日本が一番負けそうという悲惨な状態です。

発売日も無理をしてでも、11月11日に間に合わせ、日本先行発売を守りました。このスケジュールは日本で先に発売したいという、感情論以外の何物でもなく、戦略的にはマイナスとさえ言えます。正直、12月3日に延期して、しっかり出荷数を確保した方が良かったでしょう。8万台が30万台になっても行列はできたはずです。


ソフトメーカーが最も冷淡なのも日本

北米の同時発売ソフトが多く、日本の同時発売ソフトが少ないのは、別に日本のソフトメーカーの開発力が落ちたからではありません。理由は主に4つあります。

まず1つ、日本のソフトメーカーは軒並み、PS3へのやる気を低下させていました。当初PS3の本体価格が高かったことで、日本のソフトメーカーはPS3の普及に時間がかかると判断しました。そのためPS3向けのタイトルを優先して作る必要性を感じなかったのです。

東京ゲームショウでの値下げ発表はソフトメーカーの関心を引き上げましたが、あのタイミングでは遅すぎましたし、年内の出荷台数が少ないことも判明したため、発売日に無理に間に合わせる必要は無いという判断は覆りませんでした。実際、PS3の出荷台数が少ないため、同時発売のソフトの売上が悪い状態です。ソフトメーカーのやる気の無い判断は、結果論として正しかったと言えます。

次に、日本ではDSが市場的に成功しているため、「据置→携帯」シフトという見方が強まっています。そのため携帯と据置の開発ライン数の見直しが行われています。ソフトメーカー各社は携帯ゲーム市場の拡大に対応しなければなりません。例えば、スクウェアエニックスはDS向けのタイトルを大量に発表する一方で、PS3向けに『FF13』、Wii向けに『ドラクエソード』『FFCC』を発表したぐらいです。

第3に、日本でWiiの前人気が高いこともあり、ソフトメーカー各社がWii向けの開発ラインを増やしているからです。実際、日本において、Wiiの同時発売本数はPS3よりもはるかに多いです。『バイオハザード5』『無双』『FF13』『MGS4』『デビルメイクライ』といった、大手ソフトメーカーの一線級ソフトや大作はPS3やXBOX360向けに予定されているものの、こうしたソフトがハードのローンチに間に合わないのは北米もいっしょです。360向けの大作『Gears of War』はハード発売から1年で登場しています。日米の優劣はありません。

第4に、Unreal Engine採用タイトルの開発が遅れています。例えば、採用タイトルの1つ、コーエーの『フェイタル・イナーシャ』は同時発売を目指していたものの、発売延期されています。Unreal Engineはマルチプラットフォームとはいえ、前世代まではPCゲームでの採用が圧倒的に多かったため、コンシューマーゲーム機での開発に不慣れです。また、最初にPC上でエンジンを作りこんでから、各ゲーム機での最適化を行うため、実際にはエンジンがこなれるまでに時間がかかります。ゲーム機のローンチ近くに発売する予定のソフトで、これを採用する方がおかしい。

ナムコの『フレームシティ』が良い例でしょう。
『フレームシティ』に見るUnreal Engine3.0の現在

川島:UE3はやはりPC生まれなので,Epic Gamesは,とりあえずPCで動くレベルのものを形として作るんですね。それで,あとから「Xbox 360はマルチコアだよ,どうする? よし,マルチスレッド化だ」みたいなことになって(笑)
川島:(略)
 これだけの物量のゲームを比較的短期間に,しかもXbox 360本体と同時期に発売する。これができたのは,UE3,とくにUnreal Editorの力が大きいと思いますよ。
国森:いや,まだ,開発終わってないでしょ(笑)
『フレームシティ』は発売延期でもなく、PS3へのプラットフォーム変更でもなく、開発中止になったという点で極めて印象的です。このインタビューでは「Unreal Engineがあるから、ローンチに出せる」などと言っていますが、結果が出た今となっては・・・・。

けれども、被害者はナムコだけじゃありません。先に挙げたコーエーもしかり。被害にあったゲーム開発者、マネージャー、経営者は他にもいらっしゃいます。ゲーム業界では、数年前に「これからはゲームエンジンを買う時代! Unreal Engineを使えば、次世代ゲームも楽に作れます!」などと、ツボを売りつける怪しい宗教のような電波理論がばら撒かれたんですね。まぁそんなのに踊らされる方が悪いんですが。

ボクは以前はプログラマーだったんで、同業他社の知合いもプログラマーが多いんですが、全員が否定していました。技術者には自明のことがわからない文系経営者や文系マネージャーは、技術を知らないライターやアナリストに踊らされて、「よーし、パパ、Unreal Engine採用して、次世代機のローンチソフト揃えちゃうぞ」と張り切ったわけです。結果はみなさんご存知の通りです(笑

面白いですよね、欧米優位論って。ここ数年の欧米ゲーム開発優位論を簡単に示します。
まぁ誰がこんなことを言ったか、1人1人槍玉にあげて批判するつもりはありませんが。

   「日本のゲーム開発者は技術力が低い。海外のゲームエンジンを買えば、
   自社でエンジンを作りこまなくていいから、ローンチソフトも心配なし!」
           ↓          ↓          ↓
   (実際には、ゲームエンジンを買ってしまったため、融通がきかず、
   ローンチに間に合わない)
           ↓          ↓          ↓
   「日本製ゲームはハードのローンチに間に合わない。同時発売本数が
   少ない日本のゲーム開発力は危機的状況」

Unreal Engineって、壮大な釣りだったって結論でオーケーですか?
次世代機のローンチに間に合ったソフトは基本的にUnreal Engineを採用していません。PS2の時を思い返せば、どこの会社も1本目が終われば、ノウハウ、ツール、使いまわせるプログラムが溜まってくるので、2本目を作るのはさほど難しくなくなっていきました。今後、外部製のエンジンを買うメリットはぐっと低くなりました。

また自社製のエンジン開発に乗り出している企業も少なくありません。
実際、自社の技術者を信頼して、自社製エンジンを開発したカプコンは『デッドライジング』が大ヒットして、業績が上向いています。同じエンジンを使っている『ロストプラネット』も前評判は高いです。また、スクウェアエニックスも『FF13』の開発にあたり、ホワイトエンジンという自社製エンジンの開発を発表しています。大手で「公表」しているのは2社ですが、レベルの高い技術者を擁する企業としては当然の選択です。自社の技術者を信じずに安易な言葉を信じた企業と、自社の技術者をきちんと信頼した企業の明暗がハッキリしつつあります。


補足

そもそもEAは極めてビジネスライクな会社なので、交渉すればソフトは供給してくれるんですよ。北米で惨敗したGCにさえ、ソフト供給していたんですから。当時は、任天堂が土下座外交したと言われ、海外サイトではロイヤリティーが1ドル!?などという真偽不明の記事まで載りました。しかし逆に言えば、条件さえ揃えれば、ソフトは出してくれるんです。ビジネスライクですから。

一方、日本のゲーム会社はムードに流されやすいんです(笑 勝ちハードに雪崩を打って移っていくことが多いんですよ。DSとPSPも結局そうなったでしょう。そうなったらいくら条件交渉しても、まったく通じません。よく考えてみてください、EAはスポーツゲームをどこにでも供給します。しかし『FF13』や『MGS4』は違います。

想像してみてください。もし仮に『FF13』と『MGS4』が360とのマルチプラットフォームタイトルになったら、お膝元の日本でさえPS3はかなり危うくなります。『FF13』と『MGS4』が360に独占供給されたら、PS3は即死します(笑 それがゲームの世界の実情です。EAの影響力? 日本のゲーム会社の影響力が低下? どこの世界のファンタジーでしょう?

Posted by amanoudume at 18:06 個別リンク | Comments (17) | TrackBack(1)
ホーム/2006-11-27
Excerpt: おはようございます。朝からジャンジャン雨が降っております。フローリングの床から冷気が感じられ、そろそろ暖房を押し入れから出す時期だなと感じております。本日...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2006年11月27日 08:17

2006年11月15日

分裂するニーズ

次世代据置ゲーム機はどれも2バージョン以上発売される!?

Game Watch:ソニック・ソリューションズ、2007年下期発売予定の「Wii」新バージョンにDVD再生機能を提供
報じているサイトで若干の文面の違いがあるものの、どうやらDVD再生機能を備えたWiiが2007年後半に発売されるようです。2007年後半ってずいぶん間が空くなあとは思うものの、2バージョン出る事自体はさほど違和感がありません。最近のゲーム機では当たり前になってきたからです。

XBOX360はHDD無しのコアシステムとHDD有りの標準パックの2種類ありますし、PS3も20GBモデルと60GBモデルの2種類あります。また携帯ゲーム機でも、PSPは当初2パッケージあり、期間限定でギガパックが発売されました。2種類以上のパッケージが発売されるのはもはや珍しくありません。


ユーザーのニーズが多様化してきた

もともとゲーム機は「単一のモデルを数百万台、数千万台売る」というビジネスでした。それが崩れつつあります。シャープのツインファミコン、日立のハイサターン、松下のQなど、他メーカーから機能追加バージョンが発売されることはありましたし、ソニーのPSXのような例もあります。けれどもそうした、ある種キワモノの商品は必ずしも成功例として認識されていませんでした。なぜなら価格の高いバージョンは総じて不人気だったからです。

変化が起き始めたのはごく最近です。
PSPのギガパックが大好評で売り切れたこと。価格にうるさいと言われる北米市場で、XBOX360の価格の高いパッケージの方がよく売れたこと。先週発売されたPS3も、60GBの方に激しく人気が集中していました。60GB版が品切れにならなければ、もっと極端な売上比率になっていたと思います。

要は、ユーザーの幅が広がり、ニーズが多様化しているという事です。
かといって、あらゆるユーザーに同じ機能を提供しようとすると、ゲーム機に求められる性能や機能が向上しているので、コストが高くつきすぎます。

するとメーカーごとにどの機能を標準にし、どの機能をオプションにするか、選択に違いが出てきます。各社とも方針が異なっているからです。メディア再生の機能に違いがあるほか、3機種ともネットワーク機能は標準搭載していますが、内蔵ストレージの扱いが異なっています。


標準とオプションに見る各社の違い

簡単にまとめると以下のようになります。

    対戦  DL販売  映像配信  DVD再生  次世代DVD再生 
ソニー   ○  ○  ◎  ○  ◎
マイクロソフト   ○  △  ○  ○  △
任天堂   ○  ○  △  △  ×

対戦
どのハードもネットワーク機能を標準搭載しています。つまり最低でもオンライン対戦は標準でサポートされるという事です。基本的にはどのハードも同じ評価だと思います。立ち上げ時のオンライン対応ゲームの本数でいうと、Wiiが少ないのですが、しばらく様子を見たい所です。

DL販売(ダウンロード販売)
内蔵ストレージの有無はダウンロード販売に大きく関わります。
マイクロソフトだけ△にしてあるのは、内蔵ストレージを標準搭載していないからです。つまりマイクロソフトは、最低限、対戦だけサポートしておけばネットワークサービスは十分と考えているわけです。ダウンロード販売は少しリッチなユーザーのためのサービスと位置づけています。一方、ソニーはHDDを、任天堂はフラッシュメモリーを標準搭載していて、対戦以外の色々なネットワークサービスが必要と考えています。

映像配信
やはりPS3がダントツに高いです。ラインナップが極小とはいえ、ローンチ時から配信サイトを立ち上げていますし、HDDが標準搭載というのも大きいです。マイクロソフトも映像配信をスタートさせますが、HDDが標準搭載でないため、少し評価を落としました。Wiiは今の所なにも発表されていませんし、フラッシュメモリーの容量を考えると、映像配信には少々厳しいため、△としました。

DVD再生
PS3とXBOX360が標準で再生可能。Wiiは新バージョン(あるいは何らかのアタッチメント?)で対応するようですね。正直2007年後半の時点でDVD再生がゲーム機の販売にプラスになるかというと疑問ですが・・・・。ただ、DVDさえつけば、SD環境においては娯楽マシンとしての不足点はほぼ完全に無くなりますね。

次世代DVD再生
標準対応しているのはPS3だけです。PS2の時のような安物プレーヤーではなく、しっかりした機能と品質を備えているので、◎としています。XBOX360は外付けで対応しています。Wiiは対応するとは発表していませんし、普通に考えてしないでしょう。


まとめ
こうしてみると、PS3はあれもこれもやろうと欲張りすぎていますね。結果的に価格がはね上がって、ウルトラヘビーユーザー以外は手を出しにくいゲーム機になっています。コストダウンの速度が非常に重要になるといえるでしょう。

XBOX360は適当にコストを抑えながら、全方位を見ている感じです。よく言えば、手頃な値段であらゆることを満足させてもらえますが、悪くいえば中途半端に陥る危険性もあります。北米のコアゲーマーにとって一番お手頃感があるのは確かでしょう。

WiiはSDに特化していて、映像よりもゲーム機としての価格の安さやコミュニケーションを重視しています。HD環境が普及する前に、圧倒的なシェアを築けるかどうかがポイントでしょう。また、よりコミュニケーション性能の高いDSが最大のライバルになると思われます。

Posted by amanoudume at 18:11 個別リンク | Comments (11) | TrackBack(0)

2006年10月27日

人口ボリュームで考える大作路線の未来

エロ本編集者の憂鬱と希望 2006-10-23
団塊ジュニアとかぶるファミコン世代でも同じ事が言えるかもしれませんね。
ゲーム機に慣れ親しんだ最初の世代が団塊ジュニアであり、ファミコン世代です。そしてファミコン世代以上の人口ボリュームは、それ以降存在しません。つまり大雑把にいえば、国内のゲーム機戦争のゆくえは、ファミコン世代をどのハードが取り込むかで決まってきた、と言えます。最初の10年でファミコン世代の心にテレビゲーム文化が刻まれ、次の10年で任天堂を卒業したファミコン世代がソニーに移り、その次の10年で再び任天堂に戻ってきました。

任天堂からソニーにトップシェアが移ったのは、ファミコン世代が大学生になって任天堂から卒業したこと、余暇とそこそこの資金があったこと(PS時代の後期はクリアまでのプレイ時間が長いことが評価された)、SFC時代の象徴ともいえるスクウェアがPS陣営に移籍したことが要因です。DSで任天堂が成功したのは、タッチジェネレーションによるユーザー層拡大の成果はもちろん大きいものの、ハード台数の下支えとして、大作ゲームに疲れ、飽きてきたファミコン世代の携帯ゲーム機支持があったからです。ファミコン世代は『Newスーパーマリオ』の爆発的な売上にも大きく寄与しています。ファミコンミニ以降、任天堂がじわじわ任天堂ジェネレーションを引き戻してきた成果が発揮されたと見ることもできるでしょう。

リメイク『FF3』の成功を見ても、ファミコン世代マーケティングが今のゲーム市場できわめて効果的なことがわかります。そういう意味では、対象年齢を微妙に下げた『テイルズ・オブ・テンペスト』のキャラクターデザインはズレたマーケティングだったといえます。それ以前の問題で、えらい騒ぎになってるようですが・・・・。

このあたりは任天堂ハード=子供向けというイメージの根強さによるものでしょうね。『FF3』も最近のFFと比べれば主人公たちの年齢が低く見えますが、まぁファミコンの頃のFFはこんな感じだったので。DS版『FF12』のキャラデザも少し年齢が下がっています。これは、子供へのFF入門ソフトという位置づけなのか、ファミコン世代向けなのか、どちらと見るべきか。(開発者インタビューでは前者のようにコメントしていますが)

しかし懐古系の流れを除くと、まだファミコン世代の変化に対するマーケティングが十分とは言えません。現時点で明らかなのは

  • ファミコン世代に知名度のあるタイトル
  • PSPのような美麗さは不要だが、グラフィックもそれなりに質の高い仕上がり(DSとしては)
  • すぐに始めて、すぐに終われる
といった事です。

では新作はどうするんだ?
というと、全体として新しい大作は欧米市場を意識したものになっています。ファミコン世代が大作に疲れ始めているので、大作を買い支える層が乏しくなりつつあります。より若い世代は人口ボリュームでファミコン世代より小さいため、国内向けの大作は必然的に難しくなります。結果的に欧米のユーザーも含めたグローバル市場で採算を考えなければいけません。

国内市場はライトな作品、リメイク作品を携帯ゲーム機向けに投入しつつ、大作路線は日欧米すべてを計算に入れて開発を続ける。これが多くのゲーム会社にとってのスタンダードな開発戦略になります。DSの成功で見直されているのは、前者のライト路線です。

個人的に残念なのは、ファミコン世代の年齢上昇にともなって、作品をより大人向けにしようとするゲーム会社が意外と少ないことです。ストーリーを廃したライト路線か、ストーリーの質(傾向)は従来のままで世界市場を狙った大作路線の2つしかありません。

ボクには昨今のRPGをやる気力はほとんど残っていませんが、一方で大人向けのストーリーをインタラクティブなメディアで楽しみたいという欲求は持っています。ここは手つかずの領域だと思うのですが・・・・。ボクがストーリー系ゲームが売れなくなってきたという事実を述べながら、一方でライトノベル、アニメ、ノベルゲームといったストーリー系メディアの記事が増えている真意は、じつはそこにあります。


補足
現時点で出ている情報だけで判断してるので、勘違いの可能性も大ですが、『すばらしきこのせかい』が何となく引っかかっています。2画面の戦闘は微妙な気がしますし、RPGという形式の有効性も疑問なのですが、作品の内容にライトノベルの影響を感じるんですよね。ライトノベルの非ノベルゲームへの影響。そこだけがとても気になっています。

Posted by amanoudume at 03:17 個別リンク | Comments (8) | TrackBack(0)

2006年10月26日

ゲーム機のWebブラウザはどちらの文化圏に属するのか?

(今日は2本記事をアップしています)

絵文録ことのは:ケータイ文化圏とネット文化圏の深い溝
この記事を読んで。
ゲーム機のWebブラウザはどちらの文化圏に属するのでしょうね?
独自の第3の文化圏を作る状況はちょっと考えにくいです。
今までゲーム機のWebブラウザは、ケータイ文化圏に属するユーザーを狙っているようで、実際はネット文化圏に属したブラウザになっていたと思います。

例えば、ドリームキャストは購入層からしてマニアが多く、どちらかというとネット文化圏に属するユーザーが多そうなイメージがありました。PSPはいわずもがな。 DSブラウザもケータイ文化圏向けのようで、実際はネット文化圏のユーザーが珍しがって買っている状況だったと思います(それ以前に、これならケータイで見ればいいじゃないかと言われていましたね)。

PS3とWiiはどうなるか。

PS3はフルHD対応という事もあり、PCと比べてさほど遜色ないWeb閲覧が可能です。PSP同様、標準で無料でついてくるので、わざわざPCでWebを見ようとは思わない人にとっても訴求力はあるでしょう。
PS3がリビングに入り込めば、家族みんなでグーグルマッブを見たり、わいわい言いながらオンラインショッピングを楽しめます。問題はファミリー層に普及するほど安くないこと。せめてあと1万円、できれば2万円は下がらないと、この層への普及は難しい。

一方Wiiは始めからファミリー層を狙っていける価格帯です。
任天堂ブランドもファミリー層には安心感があり、この点ではPS3より断然有利。ただしWebブラウザが有料(期間限定で無料)な点がやや残念。ゲームのためにゲーム機を購入して、ついでにWebを見る人はある程度いるかもしれませんが、わざわざお金を払ってまでテレビでWebを見たいという人はグッと少なくなるでしょう。
もっとも利用者の数などを見て、無料期間を延長することは可能でしょうから、任天堂の方針しだいではさほど問題にならないかもしれません。

ただしSD解像度という点はやはり不利。 Webは基本的に縦長の解像度が重要なので、せめてHDは欲しい。
反面、インターフェースはリモコンがあるので、かなり有利。まあリビングでの使用や、「ケータイで見るには不便で、テレビで見たいけど、PCほど一度に文章が読めなくてもいい」二ーズは絞り込めるはず。
地図検索、簡単なオンラインショッビング、基本的な検索ができれば、とりあえず十分かもしれません。

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2006年10月23日

ゲーム業界に広がる「次世代機は様子見」論

広がる様子見ムード

普及台数で先行するXBOX360や、開発しやすく短期間で商品を投入しやすいWiiが短期間で巨大なシェアを築き上げるのか。それともPS3が追い上げて、長期戦で優位性を発揮していくのか。ソフトメーカー各社は頭が痛いところでしょう。

そんな中、ゲーム業界人の間に「次世代機は様子見」ムードが広がっています。普通ならいつまでも様子を見ているわけにはいきません。けれども先日書いたとおり、1年で決着がつくと予想されるため、1年ぐらいならDSで稼ぎつつ、じっくり次世代機の研究を進めればいいという判断は合理的です。

一部のネットユーザーはピラニア的な熱狂をもって、PS3批判を繰り返していますが、実際のところコアユーザーの大半は次世代機すべてを冷静(冷淡)に見ている状態でしょう。またライトユーザーも今の所DSに夢中で、次世代据置ゲーム機には無関心です。


長期戦になれば強いPS3

一方、業界人の間には、PS3は長期戦で有利になっていくハードという理解が浸透しつつあります。PS3の最大のネックは価格とサイズですが、どちらも時間と共に解決する要素です。また据置ゲーム市場が縮小しているといっても、PS2からの買い換えという需要はやはりそれなりにあります。
豪SCE重役が他社の次世代ゲーム機を「高価」とコメント/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム

PS3の価格が初めて発表された当時は否定的な観測が飛び交ったものだが、ここへきて、“PS3は長期的に優勢”という論調も定着しはじめている。
(この部分、人によって微妙に現状認識が違いますね。「長期的には優勢」と「長期戦なら有利」は意味が違います。ジーパラの記事は前者の認識。ボクは後者の認識。PS3は長期戦に持ち込めなければ脆いとボクは思います)

今年の年末商戦は出荷台数からいっても、XBOX360とWiiがPS3に勝ちます。しかし来年になれば、PS3は猛烈に追い上げてくるでしょう。XBOX360とWiiの課題は短期間でシェアを築き上げてPS3を大きく引き離すことです。「もう何をやってもPS3には誰も振り向かない」という状況になれば、どれだけ長期戦に強いハードでも無意味です。実際、DSとPSPの競争ではそうなりました。逆に短期間でそこまで差をつけられなければ、PS3が徐々に優位性を発揮し、結局トップシェアを握る可能性が高い。


日欧米の競争のゆくえは?

日本ではWiiがDSと同じようなヒットを生み出せるかどうかが焦点です。DSのタッチジェネレーションの成功を見れば、たしかにWiiでも同じようにライトユーザーを巻き込んだ大ヒットを起こすかもしれません。しかしヒットが出なければ、結局はユニークなリモコンのついたGC程度の認識で終わってしまうでしょう。そうなれば、(据置ゲーム機の市場が縮小するにしても)PS3がシェアを握るでしょう。

欧州ではXBOX360が不調なため、PS3があっさりシェアを握りそうです。ただ、価格の高さが災いして、最初の数ヶ月の売上はすごくても、すぐに止まってしまうかもしれません。実際、欧州のPSPはそういう動き方をして、DSに負けてしまいました。欧州は『Eye Toy』が200万台以上売れたり、『nintendogs』が300万本以上売れるなど、ユニークなハードやソフトに積極的なユーザーが多いマーケットです(ゲーマー人口が少なく、ゲームの固定観念が薄いからでしょう)。XBOX360とPS3が競争している間に、Wiiが何台売れるか? 少し興味深いところです。

北米は最も読みにくい状態です。XBOX360とPS3の大激突が当面の焦点。『MGS4』や『Halo3』が登場する来年末が本当の決戦でしょうね。Wiiについては『ゼルダ』を投入するので、出足はいいでしょう。しかしその後、コアゲーマー向けのタイトルが続くかというと不透明です。ソフトメーカー各社の大作を手がけるチームは、性能の高いプラットフォームで開発したがりますから、HD対応でない事が足を引っ張ると思います。

Wiiが北米のライトユーザーを取れるかは未知数です。市場の変化はまだゆるやか。DSが売れるようになったとはいっても、DS Liteの魅力で売れていて、キラータイトルで引っ張ったわけではないですし。ただ、チマチマしたタッチペンよりも、体感ゲームの方が北米のユーザーにはわかりやすく、その点ではDSよりもポテンシャルは高いといえそうです。

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2006年10月22日

ゲーマー大国の落とし穴

未来をつかめなかった北米ゲーム産業

2004年まで北米のゲーム市場は拡大を続けていました。ゲーム開発のレベルも上がってきて、ゲーム大国の座は日本からアメリカに移ったと真顔で語る業界人もいたほどです。もっともその幻想は、北米のゲーム市場の縮小や、E3の大幅縮小といった出来事によって、こっぱみじんに打ち砕かれました。

また、XBOX360が日本だけでなく、英国を除く欧州でも不調です。
欧米制覇の見込みは薄く、シェアを築き上げられるのはおそらく米国と英国に限定されるでしょう。そのため「世界市場を考えれば、XBOX360が有利」という論理は崩壊しつつあります。

次世代据置ゲーム機の時代になり、米国ゲーム産業はますます繁栄するはずでした。開発規模が大きくなることで、プロジェクト管理の得意な北米のゲーム開発チームが優位に立ち、日本のゲーム業界は世界市場でますます存在感を縮小していく・・・・。しかし現実はまったく逆です。
さて、どうしてこんな事になったのでしょう?


米国は「ゲーム大国」ではなく、「ゲーマー大国」

かつては日本にも、ハードが高く、対応ソフトが少ない時点でも積極的にゲーム機を購入するユーザーが多数いました。また欧米でゲーム機が発売されるまでに半年、1年のタイムラグがあり、日本のソフトメーカーは欧米のソフトメーカーよりも先行して開発し、日本のユーザー相手に開発資金を回収した状態で、欧米市場にソフトを投入することができました。

しかし日本では「ゲーム離れ」が進行し、最初はライトユーザーが離れていき、次いでゲーマー層の消費も落ち込んでいきました。新作ソフトの売れる期間はますます短くなり、長時間かかるゲームはマニアでも敬遠するようになりました。

2000年〜2005年、日本でゲーマー層の購買パワーが落ち込んでいた間、北米では購買意欲の高いゲーマー層がソフト市場を支えていました。その結果、北米では従来のゲームをより良く、より大規模に作る技術が発達しました。それは新清士氏のこの記事で言及されているとおりです。
「クリエイター」と「ディベロッパー」、日本のゲーム技術者の進む道は
単純にいって、日本では米国よりもクリエイターが多く、米国では日本よりもディベロッパー体質の開発チームが多いです。北米のゲーム産業は多数のゲーマー層に支えられ、「ゲーマー大国」に特化しました。しかしその結果、非「ゲーマー大国」からは乖離してしまいました。

米国ゲーマーに特化したゲーム機であるXBOX360が日本でも欧州(英国除く)でも不調なのが、その証拠です。日本はゲーム離れが進行していましたし、欧州はそもそもゲーマー層が多くない地域です。

欧州はゲーム機の普及が最も遅れている地域で、ゲーム人口が少ないんです。またゲームに対する固定観念が薄いから、ユニークなゲームが大ヒットする市場が存在します。PS2の『EYE TOY』は200万台以上売れていますし、『nintendogs』が300万本以上売れています。

世界的に見て米国ゲーム産業の影響力が限定的になっているのは、あまりにも「ゲーマー大国」に特化したせいです。ゲーマー大国に特化しすぎれば、非ゲーマー大国で存在感を失い、非ゲーマー大国に特化しすぎれば、ゲーマー大国でのシェア争いに不安が出ます。1つの潮流に特化しすぎることなく、バランスよく2つの潮流を制することが大切です。そしておそらく、それが可能なのは日本だと思います。

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2006年10月21日

冷静と熱狂のはざまで

いきなり閑話休題

タイトルと全然関係ありませんが、ソニーのBRAVIAのCMが大きな話題を呼んでいるようです。

また米国ではすでにPS3のCMが流れているらしく、その動画がYouTubeに上がっています。日本のWiiのCMと米国のPS3のCMは話題になってますが、米国のWiiのCMと日本のPS3のCM(流れてない)は話題になってません。なかなか面白い現象です。
PLAYSTATION3のCMがいい、いや偽者だったとしてもこれはいい。:[mi]みたいもん!
この映像は高級/高価/高性能なゲーム機に対する期待感を煽るCMとして、なかなか良くできています。少なくとも北米市場では、特に対XBOX360では良いCMでしょう。日本ではズレてますけども。(ソニーは北米市場と日本市場のズレに最も苦しんでいる企業の1つといえます。)


釣る気がなくても釣れてしまうピラニア

さて、最近マスメディアのソニー批判が吹き上がっています。またネット上でのPS3批判がややいきすぎているように感じます。ボクの見る所、東京ゲームショウでの値下げ発表以後、中立派の人はむしろ何も言わなくなり、アンチPS3派の人たちが活発になっています。何を焦っておられるのか、一言でもPS3の長所を書けば、コメント欄に押し寄せて荒らして去っていきます。別に釣るつもりはなかったのですが、「次世代ゲーム機戦争は1年戦争」という記事についたコメントの数々を見れば、その異様さが証明できます。記事の大意は完全無視で、PS3の優位点を徹底的に批判しちゃうぞ、という意志が脂ぎっています。

非常に残念なのは、いわゆる典型的な「ファンの集団押し寄せ」と同じ現象だという事です。要するにネットユーザーのサンプリングとしてはまったく無意味で、一部の熱狂的な人たちの声のやかましさを実感するだけ。ボクはネットユーザー全体の意見を知りたいので、そういう一部の人のデカい声が響く場はなるべく見ないことにしています。例えば、任天堂ファンの集まるNINTENDO INSIDEや、ソニーファンの多いTECHSIDE BBSに投稿されている意見は、どちらかに偏りがちだと認識しています。また最近では、はてなブックマークが任天堂ファン(あるいはアンチソニーファン)のコミュニティに偏りつつあり、あまり参考にしないようにしています。ちなみに申し訳ないが、うちのコメント欄もかなり偏りが酷く、アンチPS3派の意見はすべて無いものとみなしています。

興味深いのは、一部のネットユーザーがピラニア的な熱狂を発揮する一方、ゲーム開発者のブログがそれぞれ冷静(あるいは冷淡)な意見を表明していることです。

あれれさんの記事はどう読んでも、SCEが不利だという内容なのですが、脊髄反射的なレスがついています(笑。ここでも一言でもSCEの優位な点を書けば、そこにピラニアのように食いついてくる人の存在が確認できます。記事の大意は読まない。単語だけを追いかけるロボットのようです。とにかくPS3の長所は絶対に認めない、その存在をマジックで黒く塗りつぶしてやるとばかりの、熱狂的な行動です。

島国さんの記事はさらに一歩引いた、冷静な見解です。どのハードもユーザーのニーズから生まれていないという現状を鋭く指摘しておられます。


冷淡さが支配する次世代据置ゲーム機市場

ボクが思うに、基本的にゲーム業界人の大半は今回の据置ゲーム機の競争にひどく冷淡です。どこに賭けてもリスクがあり、仮に賭けに勝っても良くて現状維持、悪ければ大コケ。積極的に前に出る必要がどこにあるのでしょう? 実際、PS3向けのラインナップはおっかなびっくり小出しにしていますし、Wii向けのラインナップはDSに毛の生えたようなゲームが大半。東京ゲームショウではDSソフトが大量に並びました。DS市場の好調さの現れといえますが、それだけではなく、次世代据置ゲーム機に多大な先行投資をしたくないという「様子見」の思惑が強く感じられます。

マスメディアはソニー批判に興じているから、その材料として煽っていますし、一部のネットユーザーは熱心にアンチPS3ごっこをしています。しかし、はたしてそれが世の中の実情を表しているのでしょうか? ボクにはそうは思えません。

ライトユーザーはDS、DS、DSという状態です。DSの年末商戦のラインナップを見れば、次世代据置ゲーム機全滅もありえるほど。一方、コアなゲーマーの大半は「待ち」「様子見」の姿勢を強めています。要するに「冷めて」いるのが実情なんです。

いま騒いでいるのって、ソニーハードや任天堂ハードの熱心な支持者ぐらいのもの。あとは本当に買うのかどうかわからない、論評だけが好きな一部ブロガー。それがネットの実情じゃないかな。冷静な視点が必要でしょう。ボクからあえてコメントするなら、ソニーには「さっさと初期型PS2の水準(価格とサイズ)にしろ」、マイクロソフトには「ゲーマー向けという割には、洋ゲーマー向けが多すぎ。萌えゲーマーも楽しませろ」、任天堂には「リメンバー・ミクロ」という言葉をそれぞれ送りましょう。まー、勝手にしろよ、もう。

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2006年10月19日

次世代ゲーム機戦争は1年戦争

2006年10月の定点観測

いよいよ来月から年末商戦がスタートしますが、その前に現時点(2006年10月)における世界市場の情勢を再確認しておきましょう。ちょうどエンターブレインの浜村通信氏の講演がうまく現状をまとめています。

次世代ゲーム機争いはこうなる! エンターブレイン浜村弘一がセミナーで大胆予想
以前はソニー陣営に不利な話は意図的に話さなかった浜村氏も、最近は中立的なスタンスに回帰していて、それなりに信頼できる分析になっています。

  • 欧米市場でもDSがPSPを圧倒しつつある。
  • 欧米でも年末商戦の主役はDS Lite。
  • 欧米ではPS2もまだ健在。
  • XBOX360 は賛否両論。米英で売れているが、独仏ではいまいち。
  • 日本ではDSが圧倒的。
「グラフィック重視の北米ではPSPが勝つ」「欧米ではUMDが支持されている」「DSが売れたのは日本が特殊な市場だから」といった一部の業界人の戯言を一蹴する現実がここにあります。現実逃避はもういいんじゃないでしょうか?  「プロセッサ性能至上主義はまだ通用する。 PSPはDSに勝つ」などと真顔で言える人間が、地球上のどこにいますか? まぁもしかすると月とか火星とか木星あたりには、そういうマーケットが存在するのかもしれませんが。

しかしこういった事実も、以前からこのブログで書いてきたとおりの内容です。読者の方には今さらかもしれませんね。欧米でもDSがPSPを引き離している事は8月に紹介しました(欧米にも広がるプロセッサ性能至上主義の崩壊)。また、XBOX360がよく売れているのは米国と英国のみで、欧州のその他の国では芳しくない状況という事も9月に紹介しました(防衛戦を開始するソニーと欧米制覇が揺らぎ出したマイクロソフト)。

当時の記事に補足すると、DS Lite発売後のDSの北米での販売台数(NPD調べ)は、6月に59万3000台、7月に37万7000台、8月に27万8000台、9月に40万3000台となっています。これはどういう事かというと、DS Liteの勢いが単に買い替えによる初期需要ではなく、継続的なものだという事です。同期間でPSPは6月に22万1000台、7月に16万1000台、8月に14万6000台、9月に15万3000台です。ちなみにGBAは毎月PSPとほぼ同じ台数売れています。

いまだにGBAが強いものの、北米においてDSに主軸が移ってきたことがハッキリわかります。今年のゲームショウでは大量のDSソフトが発表されましたが、1年遅れで来年、北米で各社のDS向けラインナップが拡充してくると予想できます。


変わらざるを得ないメディア

浜村通信氏の語った内容は、すでにブログ等で共有化された認識にすぎません。
それでも以前に比べれば、かなり改善が見られます。商業メディアには、「ゆがんだ平等主義」があって、A陣営とB陣営のうち明らかにA陣営が優勢でも、A陣営もB陣営も同じぐらい頑張っているなどと報じることがあります。その結果、ネット上での常識とのズレが拡大し、一時期は半年いや1年近いズレがありました。

しかし今年になってから徐々に「ゆがんだ補正」が小さくなり、客観性の高い記事が増えてきたように思います。なぜかというと、一般メディアがゲーム系メディアよりも客観的な記事を書くようになったからです。ゲーム系メディアだけバイアスのかかった記事を載せていても無意味ですし、恥をかくだけです。もう1つはブログのような個人メディアを本当の意味で無視できなくなってきたからです。あまりにもズレた事はさすがに書けなくなってきたんですね。雑誌メディアも生き残るために必死です。


次世代ゲーム機戦争は短期決戦

今年の年末商戦は、PS3の出荷台数が限られるため、必然的に北米のXBOX360と日本のWiiに期待が集まっています。台数競争という点では勝負は決まっています。しかし来年になると、PS3が他機種を追い上げてくると思います。PSPも追い上げはかなりの物がありました。

日本において決定的だったのは、『nintendogs』『脳トレ』といったタッチジェネレーションズの発売です。そして誰の目にも明らかな差がついたのは、去年の年末商戦です。PSPの追い上げが足りなかったというより、DSの伸びが凄まじかったんですね。実際、PSPは400万台弱は売れているわけで、そんなに悪い数字ではありません(ハードの台数の割にソフトが売れないのは問題ですが)。

欧米でも追い上げはめざましかったんです。しかしある所で、急に鈍化しました。価格が高く、ある一定の層には爆発的に売れたものの、それ以外の層に広がらなかったからです。携帯ゲーム機ならではのキラータイトルに欠けたのも伸び悩んだ理由でしょう。

おそらくPS3も、来年になるとPSPのように猛追してくると思います。PS3は時間と共に優位になっていくハードです。生産体制が確立しますし、開発が難しくても徐々にこなれてきます(PS2もそうでした)。率直にいって、初期型のPS3はたぶん間に合わせ設計でしょうから、基盤設計の点でコストダウンの余地はいくらでもあるでしょうし、65nmのプロセスに切り替えれば、チップのコストも急減します。

またHDMI端子を備えた薄型テレビもだんだん普及していきます。WiiはSDですし、XBOX360はただのHDです。HDもフルHDも大して変わらないという方もいらっしゃいますが、今テレビメーカー各社はフルスペックハイビジョンを前面に押し出しています。世間の人たちにとって、「ただのHD」はまがい物のハイビジョン、かなり劣ったもの、古いものと認識される恐れがあります。真のHDゲーム機とまがい物のHDゲーム機という印象操作は、じつに容易です。

ボクがソニーの人間なら、フルHDの大型テレビが普及してきた時期を見計らって、「ハイビジョンテレビ用のゲーム機はPS3だけ」「PS2から買い換えるなら、ハイビジョン対応のPS3がお得」という印象を消費者に植えつけます。ソニー本社との連携という点でも、HD戦略は重要です。

個人的な意見を述べるなら、来年の年末商戦に向けて、PS3の新バージョンを仕上げるべきです。まずHDDをやめて、4GB(もしくは8GB)のフラッシュメモリーにする。そしてプロセッサは共に65nmに切り替える。電源もACアダプタとして筐体の外に出しても構わない。とにかくサイズを初期型PS2と同等にする。そして価格は税込3万9800円。これぐらいでなければ、PS2の買い替え需要は狙えません。

ボクが思うに、次世代据置ゲーム機の競争は短期決戦です。約1年(2度の年末商戦)で勝負がつくでしょう。それまでに勝負を決められたら、XBOX360とWiiの勝ち。それまで持ちこたえて、勝負できるバージョンを投入できればPS3の勝ち。じつにシンプルだと思います。

(DSとPSPも約1年で勝負がつきました。それを思い浮かべれば、どの時期が勝負の分かれ目かが予想できそうです。まぁまったく同じ推移をするとは限りませんけども)

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2006年10月17日

動き出したディベロッパーたち

日本のゲーム市場が拡大に転じたことや、次世代機が立ち上がりつつあることで、ディベロッパーの動きも活発になってきました。単純に仕事が増えているからです。そしてつい最近、開発スタジオに関する面白い動きがありました。1つはクローバースタジオの解散、もう1つはレベルファイブのパブリッシャー化です。

■GameWatch:カプコン、子会社「クローバースタジオ」を解散
クローバースタジオは硬派なクリエイターが揃っているというイメージがある一方で、最近ヒットを飛ばしていません。『ビューティフルジョー』『大神』『ゴッドハンド』等の新作にしても、コアゲーマーの評価が高い割にソフトの売上は今ひとつです。採算性の悪いスタジオを維持している余裕はカプコンにも無いでしょうから、解散の発表は意外でも何でもありません。

クローバースタジオ所属のクリエイターが辞めていたことも明らかになりましたが、解散が先に決まっていたのか、クリエイターの流出が引き金をひいたのか、その辺りの事情は不明です。

ただ、業績以外にも、三上氏、神谷氏、稲葉氏がカプコン(クローバースタジオ)から離れる理由はあったと思います。ゲーム系商業メディアはどこも書いていませんが、カプコンの内部がゴタゴタしていたのは公然の秘密です。カプコンはかつては数人の著名クリエイターが並列で、各開発部を率いていました。しかし色々あって、開発は稲船氏が掌握する体制になりました。その後、稲船氏と対等だった各開発部のリーダーの大半は、カプコンを離れて独立したり、分社に移っています。そのため、クローバースタジオの設立当時から、三上氏や神谷氏といったクリエイターの「追放先」「隔離場所」という黒い視点が業界内には存在しました。

そんなわけで、今回の解散はあまりポジティブな出来事ではありません。
しかし次世代機が立ち上がる時期は優秀な開発スタジオに資金が集まりやすいですから、クローバースタジオを辞めた人たちがより良い形でクリエイティブを継続する機会を得ることも可能でしょう。今後の動向に注目したいところです。


■レベルファイブ、パブリッシャー事業を開始
こちらは完全にポジティブなニュースです。
『ドラクエ8』の開発で一気に名前を売ったレベルファイブがDSに参入し、パブリッシャー事業を開始。第1弾として『レイトン教授と不思議な町』を発表しました。ゲーム会社が潰れるとか、買収されるというニュースばかりのゲーム業界で、ディベロッパーがパブリッシャーにランクアップしたのは喜ばしいこと。自己資金でゲームを開発して、自分たちの作品の権利を自分たちで握るのは、多くのディベロッパーにとって強い願望です。ここはひとつ、盛大な拍手を送りたいですね。

次世代ゲーム機では開発費が高騰しますから、ますますパブリッシャーになるのは難しくなります。そこで、次世代機の開発は従来どおりディベロッパーとしてこなして、最先端の技術をキャッチアップし、一方で開発費の低い携帯ゲーム機でパブリッシャー事業を始める。なかなか巧みなビジネスプランといえます。競争が激化する中、多くの開発スタジオが生き残る道を模索しています。半パブリッシャー化は、1つの模範モデルになりそうです。

ちょっと面白いのは、任天堂の営業本部長である波多野氏が来場して挨拶したこと。がっちり握手する写真が掲載されていますが、ずいぶんと親密さを積極的にアピールしていますね。ソフトメーカーの発表会に任天堂の役員がやってきて、こういうアピールをするのはめったにないこと。レベルファイルへの期待感が高いことの現れでしょうね。

また、レベルファイブといえば、(TFLOとドラクエ8を除けば)基本的にSCEの仕事をしてきたディベロッパーですし、率直にいってSCE陣営の開発スタジオの中では、数少ない頼みの綱です。象徴的な意味でも、今回の独立は大きい。ちゃんと空気を読んでますね。生き抜くためには嗅覚が非常に大切。今回の発表は、本当に色々な意味で、多くの開発スタジオにとって参考になる行動かもしれません。

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2006年09月28日

まったくその通り

アンリアルエンジンの中の人が、これからは1から技術開発なんてしないで、ミドルウェアを使って開発費をおさえて大作を作りましょう、デザインも賃金が安い国に外注すれば大丈夫、というような内容を講演。それはそれで、ごもっとな部分もあるわけですが・・・・。

しかし現場のゲーム開発者からすれば、強く違和感をおぼえる部分もあります。そのあたりを的確に指摘しているブログがいくつかありました。

外注を使って利益を出し続けるには、大量のタイトルを手掛けて、粗利が低くてもいいような、資金力が必要です。種銭がなきゃいくらリスクが低くても大きいリターンにならない。そういうのはパブリッシャーの仕事で、デベロッパーは本当にそれで良いのかと。

 どうしたって社内に開発技術のコアを蓄積していかなければ、この生き馬の目を抜く状況で生き残れるとは思えません。開発しない開発に何の意味があるのかという。
 コア技術だけは社内に残していかないと、開発会社としての価値がなくなっちゃうという。

このあたりの話はもっと突っ込んで書いたほうがいいんでしょうけど、時間無いので簡単に書くと、次の5年(開発費の高騰)に最適化しようとする努力が次の10年の絶望的な衰退を招きそうな気がします。

日本の家電メーカーが中国や韓国に生産拠点を移して、技術を全部持ってかれてしまった失敗に通じるような・・・・。今、日本のメーカーは戦略商品の生産を国内で行うようになっています。シャープの亀山工場の秘密主義なんかが良い例ですね。結局、海外への外注は一時しのぎの手段にすぎず、高付加価値化を図らなければ生き残れないことに気づいたんですね。日本のゲーム業界も、安易な外注作戦は10年後に後悔する羽目にならなきゃいいですけどね。

もう1つ、アニメの世界における京アニを引き合いに出してもいいかもしれません。あそこも韓国に仕事を出しているんですが、他社とはやり方が違いますよね。

日本国内の制作会社の多くが東京都内に集中しているため、地方プロダクションである同社が動画・仕上げの工程を国内の複数社に委託することは少なく、ほぼ自社と関連会社のアニメーションDoならびに韓国の提携スタジオであるAni Villageで編集・音響を除く全行程を賄っている。
仮に外注するにしても、自社の強みがどこかをよく見極めたうえで、強みを切り捨てない、維持する、むしろ強化する方向で行うべきでしょう。

しかしこういう現場の声は記事にならず、「欧米の会社のやり方が新しくて素晴らしくて正しい」的な記事は載るんですよね。偏向報道の極みです。まぁ欧米マンセー系ゲーム系ライターのやることだから仕方ないんですが。でも今の時代、少し救われるのは、現場の人間のブログがある点ですね。商業メディアの偏向フィルタが通さない、本当の実態、生の声をダイレクトに全世界に配信できます。ゲーム開発をしていない人間の書いたメディアの記事と、現場の開発者の書いた記事。ゲーム開発の現場の人間にとって、どちらがより強く心に響くか。語るまでもありません。

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2006年09月23日

日本のゲーム市場はユーザー本位でなければ生き残れない世界に

圧倒的なユーザーの声が実現したPS3の価格値下げ

ブラヴォーーーーーー!!!
まずはPS3の値下げをブラヴォー!と叫びつつ、両手で拍手したいですね。
価格が約1万3000円下がっただけでなく、HDMI端子が20GB版にもつくことで、HDMI狙いのユーザーにとっては実質2万円以上の大幅値下げになります。
後藤弘茂のWeekly海外ニュース 「PLAYSTATION 3 49,980円が意味するSCEの戦略転換」

久夛良木氏は「価格の決定は、最初、米国で決定し500ドルだろうと決めた。一部ではそんなに安くていいのかという人もいたが、日本では高いという声が治まらない。次にユーロで決定したのだが、490ユーロだろうと。他の通貨で決定して、そこから日本の価格を決定した。しかし価格が高ければ (結果的に売れなければ) 我々の夢も実現できない。なので、日本でも5万円を切る……49,980円とします」と発表。
SCEがPS3の価格を下げた最大の要因は、ユーザーの「高すぎる」という声があってこそ。E3以後、オンラインでオフラインであらゆる場所で「高い」と連呼し続けた数多くのブロガー、ユーザーが勝ち取った大きな成果といえるでしょう。ゲーム業界のメディア、ソフトメーカー、流通といった人たちの意見も当然影響したとは思いますが、まず第一にユーザーコミュニティが傲慢な価格づけを許さなかった事が大きい。

9月22日はユーザーコミュニティの勝利記念日として、日本ゲーム業界の歴史に刻まれた、と言っていい。たとえトップシェアを握る企業であっても、ユーザーの声にはひれ伏すしかない。ごく当たり前の真理が、全世界のゲーム業界人の前で証明されました。

久多良木氏にはどうせならツンデレ美少女風に「あ、あなたたちのために値下げしたんじゃないからねっ!」と言ってほしかった気もしますが、美少女ではありませんし、過去の発言を考えると、マジに受け取られる恐れもありますね(笑

思えば、久多良木氏はPSPの初期不良騒動を含めたいくつかの失敗の責任を取って、ソニー本社の副社長の座を失っています。 PS3が大惨敗すれば、SCEの社長の座も失いかねないわけで、ユーザーコミュニティを敵に回す恐ろしさが身にしみているはず。もしかすると今回の決断を下すにあたり、2度目の失脚はしたくないという思いが頭をよぎったのかもしれませんね。


ユーザーコミュニティが企業を導く

そういえば、スクウェアエニックスがDS向けのタイトルを大量に発表しました。まさしく怒涛のDSシフトです。特にDSの『FF12』は、まだイメージ映像が公開されたぐらいで、企画が始まってから日が浅いと思われます。なぜ急激にDSシフトが始まったのか、それは今の市場の勢いを考えれば当然と言えば当然なのですが、結局はユーザーがDSを支持し、プロセッサ性能至上主義とは異なる価値観を支持したからです。

社長が性能も大切と口にしたところで、実際にはユーザーコミュニティに導かれて、DSを圧倒的に支持しています。まぁそういう意味では、ツンデレっぽいわけですが、やはり美少女でないのが残念です(笑
と、冗談はさておいても、今の日本のゲーム市場は従来の常識が崩れていて、これまで力を持っていた企業でも、ユーザー本位でなければ生き残れなくなってきています。少なくとも、そういう危機感を経営者が実感し始めたのは確かでしょう。経営者は口々に「ユーザー」「ユーザー」と言うようになりました。

思えば、2〜3年前のゲーム業界では、「(ゲームが売れないのは続編ばかり買っている)ユーザーが悪い」とか「日本のユーザーは保守的」というような事を言って回る人たちが幅をきかせていました。しかし今、ゲーム業界を見渡して、そんな戯れ言を口にしている人間がどこにいますか? ネット上でそんな馬鹿発言をすれば、どうなるか。言うまでもありません。完全に駆逐されてはいないかもしれませんが、表面的にはかなり根絶されました。ぜひとも「絶滅」させていただきたい。ゲーム開発者も、流通も、メディアも、ユーザー本位でなければ生き残れない。そういう認識がより強く、浸透していくことを願います。

PSX→PSP→PS3と時間を経て、徐々に力を増してきたユーザーコミュニティは、まさに日本のゲーム業界の宝です。以前の記事(「日本人はもっと自分の感覚に自信を持っていい」)で書いたとおり、日本のユーザーの目線は非常に鋭く、世界最先端のゲーム感覚を持っています。その日本のユーザーに鍛えられることで、日本のゲーム企業は世界的な競争力を取り戻すことができます。

どうか皆さん、ユーザー本位でない企業を「絶滅」してあげてください。PS3が高ければ「PS3が高い」と言い、XBOX360が高ければ「XBOX360が高い」と言い、Wiiが高ければ「Wiiが高い」と言う。誰にはばかることも無く、大声で指摘し、ゲーム企業を正しい道に導いてあげてください。面白いものは「面白い」と、つまらないものは「つまらない」と、クソゲーは「クソゲー」と言えばいいことです。評論家ぶった人間に、あれこれへ理屈を並べられるいわれはありません。ユーザーが素直に欲求をぶつけることで成長する、それが娯楽産業というものです。

ともあれ、おめでたい。
9月22日は、日本の主要なゲーム企業が「ユーザー本位でなければ生き残れない」ことを痛感し、1ステップ成長した記念すべき日です。
ブラヴォー。ブラヴォー。ブラヴォー。

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2006年09月07日

あら、まあ。

生産体制が不安視されていたPS3が欧州での発売を2007年3月に延期しました。
Game Watch:SCEE、PS3の欧州での発売時期を2007年3月に延期 日本・北米では変更なし

同社はこの理由について、「ソニーグループ内で、ブルーレーザーダイオードの大量生産計画に遅れが出ており、PS3のための部品調達に悪影響が出ている」としている。
ソニーはこれまで全世界同時期発売を実現した事が1度も無いので、こういうことが起きても不思議はありませんね。昨日の記事で書いたように、欧州は当初の予想よりもXBOX360の勢いが無く、日米欧3地域の中で発売をズラして問題が無いのはたしかに欧州です。北米はXBOX360が脅威になっていますし、日本はWiiが徐々に期待感を増していますから、何としてでも年末商戦にPS3を投入したいのでしょう。

ソニー:PS3の欧州発売を延期、年内の出荷台数は世界で半減(5)

日米でも、発売日は11月で変更しないが、初期出荷台数は計画を大幅に下回る見通し。PS3の量産開始が、当初予定よりも1カ月遅れの9月末になるためで、初日に店頭に出回るのは、北米で40万台、日本では10万台。年内の出荷台数も約 200万台(うち日本が100万−120万台、北米が110万台前後)と、従来見込みの 400万台からの半減を余儀なくされる。
とはいえ、年内出荷数が半減したのはソフトメーカーにとって大きな衝撃でしょう。北米での発売日に40万台、年内100万台も少ない。去年のXBOX360並みの騒ぎを引き起こす可能性があります。しかし驚異的なのは日本。発売日に10万台とは・・・・。そんな事までXBOX360と同じでなくてもいいのに。

その後、週10万台程度は出荷するらしいですが、PS3発売時にタイトルを投入しようとしていたソフトメーカーにとっては、やや残念な年末になるかもしれません。ただでさえ、据置→携帯シフトが進んでいる日本の状況をさらに後押しする結果になりそうです。後世の歴史において「2006年は携帯ゲーム機が据置ゲーム機と逆転した年だった」と記録されるかもしれませんね。

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2006年09月06日

防衛戦を開始するソニーと欧米制覇が揺らぎ出したマイクロソフト

SCEJ、PS2本体の新モデル「SCPH-77000」を9月15日発売。価格は16,000円。機能は「SCPH-75000」と同等
正直遅すぎる値下げな気がしますが、ソニーの年末商戦の戦略が徐々に見えてきました。

PS3の立ち上げに不透明感が高まるなか、PSPでは『ジャンヌダルク』を始めとしたマニア向けタイトルをそろえ、莫大な普及台数をほこるPS2では、廉価モデルの発売と『みんなのテニス』の大規模展開でライト層の掘り起こしを図ります。言ってしまえば、ただの「防衛戦」なのですが、取るべき戦略としてはまぁ妥当なところでしょう。PS3向けのタイトルがそろい、本体価格を値下げできるようになるまで、時間を稼ぎたいのはよくわかります。

ソニーはこの年末商戦、日本のみならず、欧米市場でも同じような「防衛戦」を開始すると思われます。防衛戦というと、何となく印象が悪いですね。しかしトップシェアの企業の戦略として、特に間違っているわけではありません。また、ソニーには1つ朗報があります。

XBOX360の欧米制覇が揺らぎつつあるからです。北米でこそ順調に売れているものの、欧州ではハッキリ不調といえる売上が続いています。初代XBOXが最も奮闘した英国はともかく、他の国では低調なまま。例えば、フランスの週間販売を見てみると、本当にXBOX360という新ハードが発売されているのかどうかを疑いたくなるようなランキングになっています。

大雑把にいって、XBOX360は「欧米」で売れているのではなく、「米英」のみで売れているハードというのが適切です。初代もそんな感じでしたが、360はますます磨きがかかっています。日本で初代よりも不調になった事といい、英国以外の欧州諸国での不調といい、XBOX360はアメリカ(および腰ぎんちゃくの英国)と非アメリカで、人気の明暗がハッキリ分かれてしまったようです。単純にいえば、アメリカ臭が強すぎたという事なのかもしれませんが、なかなか興味深い動向だな、と思います。

XBOX360の欧州での出荷台数は、50万台(2005年第4四半期)→60万台(2006年第1四半期)→20万台(2006年第2四半期)と失速感が濃厚になっていて、欧州では北米に比べて大きなリードは稼げそうにありません。欧州はソニーにとって牙城ともいえるマーケットだけに、正直今の状態ではPS3が発売されれば、XBOX360はたちまち駆逐されかねません。

北米はともかく、欧米全体で見ると、E3時点で予想されたほど、XBOX360が圧倒的というわけでもないようです。はたしてマイクロソフトはソニーからシェアをごっそり奪えるのでしょうか? それともソニーがシェアを守りきるのでしょうか? 欧米全体での防衛戦の行方が少し混沌としてきました。

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2006年09月02日

「ゲームの外側」の遊びへの注目

CEDECの美少女ゲームについての講演がネットで話題

評論家の東浩紀氏のCEDECでの講演がネットで話題になっています。

率直にいって東氏の講演内容はつっこみ所がありますし、美少女ゲームというジャンルは今のゲーム開発論壇(?)のホットトピックからも外れています。それでもCEDECにおいて、美少女ゲームが真面目に取り上げられたのは良いことです。

個人的にノベルゲームに注目しているのは、まぁ大好きだからという理由は除いてですね(笑、以下のような理由からです。

  • 他のジャンルに比べると、個人〜数人で制作しやすく、1つのメディアとして成立しつつある。
  • 物語メディアとしてのゲームの1つの極点であり、「ストーリーとゲーム」というテーマを考える上で、欠かすことができない。
  • 『月姫』『ひぐらしのなく頃に』のような、ネット上の口コミで売れた有名作品が現れている。
  • 『ひぐらしのなく頃に』はライブ感をもったストーリーゲーム
  • ゲームの外に面白さの比重がある


「ゲームの外側」の遊びの見直しが始まっている

少し前の記事で『ひぐらしのなく頃に』と『脳トレ』を取り上げたのですが、ちょっと誤解を招いたかもしれません。

『脳トレ』の例と『ひぐらし』の例では、それぞれ目的も効用も異なっていますが、どちらもここ最近のゲームの潮流を体現しています。一度の連続プレイでクリアされないような、かつそれが自然にプレイヤーに受け入れられ、その構造が楽しさを提供する。非ストーリー系ゲームとストーリー系ゲームの両方で、具現形が生まれているのが興味深いですね。
非ストーリーゲームの『脳トレ』とストーリーゲームの『ひぐらし』、ライトユーザーに受け入れられた『脳トレ』とオタクにヒットした『ひぐらし』を同一視することはできません。けれども共通する部分もあるんじゃないか、とボクは考えています。

端的に言えば、「ゲームの外側」が遊びになっていることです。ファミコンブームの頃にはそれが当たり前だったんです。バグ技もクソゲーも娯楽になっていた時代です。昔のゲームが面白かっただけでなく、ゲームユーザー同士のコミュニティそのものが遊びだったんです。

表現力が進化するにつれて、作り手の関心が「ゲームの内部」を作りこむ事に向かっていきました。それはある時点までは、多くのユーザーに支持されていました。求心力の時代です。しかしある臨界点を越えてしまうと、だんだん付いていけない人が増えていきました。「ゲームの内側の遊び」と「ゲームの外側の遊び」のバランスが崩れてしまったんですね。今はその揺り戻しが起きているんです(参考:ゲームデザインの構造的変換を示す「遠心力」というキーワード(前編)ゲームデザインの構造的変換を示す「遠心力」というキーワード(後編))。

ボクはプロセッサ性能至上主義をよく槍玉にあげますが、もっと噛み砕いて言えば、「ゲームの内側を強化すればするほど、ユーザーは喜ぶし、増えるし、もっとお金を払ってくれる。だからゲームの内側を表現する能力にコストをかけよう。それが進化というものだ」という考え方です。その思想が説得力を持たなくなってきたのは、多くの人が、ゲームの外側を強化した方がいいんじゃないか、と感じ始めているからでしょう。プロセッサ性能至上主義の崩壊とは、要は「ゲームの外側の遊びを強化することに労力とお金をかけよう」という事です。

高性能路線だとハードの値段が高くなってしまうとか、ソフトの開発費が回収しきれないような額になる、なーんて事はじつは重要ではありません。ゲームの内側の遊びと外側の遊びのバランスが偏ってしまったことに根本の原因があるんです。


変化はあらゆる層で起きている

最近、「ライト層向けのゲームでは変化や革新が起きているが、マニア層向けのゲームは従来路線にしがみついていて、何の革新性も無い」というような論調が強くなってきています。その意見にボクはちょっと違和感を持っています。

実際には、ライトユーザー向けのソフトにも、オタク向けのソフトにも、両方で変化が起きています。しかしオタク層での変化はライト層ほど急激ではなく、変化が表面化するのが少し遅れていました。そのため「ライト向けは先進的で、オタク向けは保守的」という偏ったイメージが広がってしまったのでしょう。ボクは本当のイノベーションというものは、ライト層もオタク層もなく、あらゆる層に伝播するものだと思います。

今、PS2市場が縮小していますが、それでも売れているタイトルを見ると、マニア層の中で話題性を維持できるものが多いです。『メルティブラッド アクトァデンツァ』なんかはすごく顕著で、2D格闘ゲームで今時あれだけ売れるのは珍しいことです。『月姫』や『ひぐらし』のような同人発のソフトがコンシューマー市場に進出してきて、マニア層限定とはいえ、売れ始めているのは明らかな変化の現れです。そこら辺はもっと細かく論じたいのですが、とても乱暴にまとめると、要は「そのゲームでどれだけ語れるか? 語りやすいか?」ということが非常に大きな価値になっています。

以前、今のマニア向けゲームには、アニメオタクにおける涼宮ハルヒほど、話題を独り占めするようなソフトが見当たらない、と書きました。でも別に、永遠に無いというつもりはありません。今は無いけど、必ず出てくるはずだと確信しています。変化の兆候はすでにいくつか現れています。ボクはその1つ(あくまで「その1つ」)がノベルゲームだと考えています。

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2006年08月31日

かくして日はまた昇る

日本ゲーム業界代表の力強い宣言

日本市場は世界のゲーム市場のアンテナであり、日本のユーザーは世界のゲームユーザーの最先端を走っています。日本発のイノベーションが全世界に広がっています。そういう認識がゲーム業界に急速に浸透しています。

実際、スクウェアエニックスの和田社長がCESA会長として、力強い発言をしておられます。
素晴らしい。まずは大きな拍手を送りたい。これぞ、日本国内のゲームソフトメーカーの代表としてふさわしい言動だと思います。存在感の薄かった歴代会長とは次元が違う大きな責任を果たそうとしておられます(プロセッサ性能至上主義については優柔不断な態度を取っているものの、それ以外の点では、「さすが」の一語です)。

ITmedia News:E3の後継は東京に――スクエニ和田社長、ゲームショウの今後に言及

(E3)が来年から規模を大幅に縮小すると表明したことについて、スクウェア・エニックスの和田洋一社長は8月29日、「E3縮小後、ゲーム業界の精神的求心力は東京が持つべき、と産業界(ゲーム業界)では考えている。東京ゲームショウを世界のゲームの発信源にしたい」と語った。

和田洋一CESA会長基調講演「ゲーム産業は第2ステージへ」

和田氏は最後に「ゲーム産業はリードしているが故に、より大きな使命があるのかもしれない。通信インフラがこれだけ整備されている国は日本以外にない。その下にこれだけ均一して高性能な端末がぶらさがっている国もない。そしてそこに高度なコンテンツがこれだけ配信され、それを享受しているユーザーがこれだけいる国はない。これだけ進んだ環境の国は世界に日本しかない。その中で、最も進んだ産業はゲーム産業であるべきだ」と語り締めくくった。
ここ数年、ゆがんだデータに基づいた「日本ゲーム業界衰退論」が横行していましたからね。欧米マンセー主義者が知ったかぶって、日本のゲーム業界の未来は暗い真っ暗暗黒だなどと書き立てていました。残念ながらこの数年、日本のゲーム会社にとって厳しい時代が続いていたため、不安を煽る言説が力を持ちやすかったんですね。

しかし日本のゲーム市場が急回復し、日本発のイノベーションが欧米にも広がりつつある今、くだらない妄言は雲散霧消しつつあります。そうなると論理的な議論はできず、きわめて主観的な未来論、妄念を述べるしかありません。E3の縮小を受け、むしろ存在感を高めようとしてる東京ゲームショウに対して、「縮小だと思う」などと訳のわからない事をおっしゃる人も世の中にはいらっしゃいます。例えば、はてなブックマークにおけるRanTairyu氏のコメントがその1つです。おっ、そういえば、日本のゲーム業界の行く末を憂えたkanose氏のこの記事の続きをぜひ読みたいものです。

日本のゲーム業界は大きく前進しています。大多数のゲーム業界人も、大多数のユーザーも、いつまでも戯れ言につき合っているヒマはありません。時代をとらえた言葉、感性、意志だけが生き残っていきます。


日はまた昇る

ここ数年ずっと上り調子だった北米のゲーム市場が去年ついに縮小に転じました。パブリッシャー各社は赤字に苦しみ、北米ゲーム業界の権勢を象徴していた、世界最大のゲームショウE3は大幅に縮小。いまや、北米のゲームバブルは崩壊しつつあります。

その一方、日本のゲーム市場は急回復。DS路線は日本でまず大成功し、次に欧州で『nintendogs』『脳トレ』がブレイク。さらにDS Liteの投入によって、北米でも絶好調。自分たちの成長を頑なに信じ続け、成長は止まらないと主張していた欧米のパブリッシャーも続々とDS、Wiiへの注力を宣言。各社とも、従来路線のXBOX360と革新路線のWiiの2本柱である「Wii60」戦略に転換しています。

国内ではセガがセガトイズとゲームソフト部門の連携を強化し、これまでにない面白い動きを見せ始めていますし、スクウェアエニックスの旧エニックス側がDS路線で成功をおさめつつあります(『FF3』も実質的なプロデューサーは旧エニックス側。開発スタジオは最近のトルネコシリーズの実開発や、リメイクドラクエ5を手がけたマトリクス)。また、『カドゥケウス』を始め、DSの新しいソフトが欧米でも高い評価を得ています。

日本発のイノベーションが着実に欧米に広がっています。その事実が日本のゲーム会社の経営者、ソフト制作者を鼓舞して、さらに大胆なソフト開発につながっていくと思いますし、そうなることを期待します。欧米に先駆けて、プロセッサ性能至上主義から脱却した日本のゲーム会社のアドバンテージはおよそ1年弱。日本のゲーム業界が世界における存在感をさらに高めていくのか、欧米勢に追いつかれてしまうかは、これから1〜2年が勝負の分かれ目。動向に注目したいところです。

重要なポイントはいわゆるゲーム2.0です。
和田氏は今回もまたWeb2.0に言及。ユーザー参加型への本格的な転換を訴えました。オールドクリエイティブが衰退し、ニュークリエイティブが広がりつつあるという認識を、多くのゲーム業界人が共有するのは重要なことです。大勢のゲーム開発者がいち早く新しい変化に適応し、新しいソフト群を生み出していくこと。それが日本のゲーム業界の国際競争力につながるはずです。
そう、日はまた昇るのです。


補足

キャメロットのソフトバンク陣営への移籍や、テクモの「LieVo」発表など、このところ中堅開発スタジオや中堅企業がフットワーク軽く、Web2.0に取り組んでいます。
テクモ、Web 2.0ベースのオンラインゲームポータル「LieVo」を正式発表

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2006年08月13日

欧米にも広がるプロセッサ性能至上主義の崩壊

DSのもたらす変化が全世界を覆い尽くす

先月の記事でふれたように、DSが全世界でPSPを圧倒しつつあります。日本はご存知のとおり。欧州も『nintendogs』が爆発的にヒットして快調。GBA SPが強すぎた北米でも、DS Liteの発売後は一気にPSPを引き離しました。

また、『脳トレ』が日本で300万本、北米で60万本、欧州で50万本と、400万本を突破したようです(msn 任天堂:「脳トレ」、世界で400万本突破)。『脳トレ』『nintendogs』に代表される新機軸のソフトの成功は、日本だけの局所的な現象ではないことが証明されつつあります。

北米はゲーマー層が多いので、ゲーマーのゲーマーによるゲーマーのためのゲームソフトが十分売れる市場キャパシティがあります。ゲーム系ライターの人たちは、自分自身がゲーマーであるために、ついつい客観的な視点を失い、ゲーマー天国としてのアメリカを嬉々として語りがちです。しかし一方で、日本と同じようにごく普通のユーザーも数多くいるわけです。DSの一連の成功により、欧米マンセー主義者の語る「ゆがんだアメリカ像」とは異なる、本当の北米市場の姿が鮮明になりつつありますね。

EXAPON Becky!: EAがPSPとSCEの不甲斐無さに失望
ついにEAもPSPを見限って、DSへの注力を宣言しました。EAは赤字額が増加しているので、遅まきながら方針の間違いに気づいたようです。

「EAが今までPSPに注力してきたことは疑う余地がない。我々は技術にとらわれていたが、ユーザーはそれよりもゲームの楽しさを求めていることを証明した。注力すべきはゲームの楽しさであることを忘れてはならないと思い、EAはDS用ゲームに注力していくつもりだ。」
プロセッサ性能至上主義にとらわれていたEAも、ユーザー重視に方針転換。DSの路線を強く支持すると語りました。プロセッサ性能至上主義の崩壊は、いまや日本だけでなく、全世界的な現象と捉えて間違いないでしょう。

世の中には不思議な思想の人たちがいらっしゃって、「プロセッサ性能至上主義を否定するのは日本だけ。だからXBOX360のような高性能機を支持しない日本のゲーム会社は、欧米勢に取り残される。いずれ日本のゲーム市場は、技術に優れた欧米にシェアを奪われるだろう」などという妄想をまき散らしておられます。しかし現実はどうか? 欧米ゲーム業界最強のEA、PSPを強く支持していたEAが、自分たちの方針の過ちを認めて、日本発の新しい変化についていくと宣言したわけです。妄念の入る余地はどこにもありません(笑


Wiiへの支持が急速に高まる

もともと欧米勢は、PS3とXBOX360が覇権を争うと考えていて、GCで失墜した任天堂をスルー気味でした。Wiiを強く支持していたのは、親任天堂で知られる欧州のパブリッシャーUbiSoftぐらいでした。ところがE3後は、急激に方針を転換しています。

実際、ソフトは続々と集まっているようで、正式に発表されたリストではないようですが、海外サイトの1up.comでは27タイトルが揃うと報じています。
「過去最強?」強力な27タイトルロンチラインナップ―米国

E3後のこの急速な方向転換は、欧米のゲーム業界人がE3でどれほどWiiに興奮し、未来を感じたかを端的に表しています。E3会場に行った日本人は、同じ空気を肌で感じたわけで、当然この結果も予想していたのではないでしょうか。


一部の日本企業は競争力を失いつつある

しかし世界的な流れを理解しているのか、いないのか、微妙な発言をしている経営者もいらっしゃいます。インテルのCPUの発表会の席上で、「プロセッサ性能至上主義は崩壊している」と言えないのはわかります。が、ハード屋のいないところでは「これからはソフトの時代」と言い、プロセッサ屋の目の前では追従の微笑を浮かべる。そんな企業が「ゲーム機産業からゲーム産業へ」といったところで、いささかの説得力も持たないでしょう。

スクウェアエニックスの評価が下がったのは『ダージュ・オブ・ケルベロス』や『FF12』の内容が影響しているほか、やはりE3で『FF13』をPS3向けと発表したのが大きい。あれだけマルチプラットフォーム、マルチプラットフォームと連呼していて、結局はきわめて保守的なPS3オンリー。Wiiに向くソフトではないので、Wii向けに出す必要はありませんが、欧米市場を視野に入れれば、XBOX360への供給も発表すべきでした。言ってることとやってることが違っているから、どんどん影響力が低下しているんです。

旧スクウェアが業界内で一目置かれていたのは、『FF』という大作ソフトを抱えているだけでなく、その売上をもって積極的に影響力を発揮したからです。当時、増上慢をきわめていたお殿様企業・任天堂に天誅ならぬ人誅を加えた英断は、ゲーム業界の発展への大きな貢献でした。色々お騒がせなこともあったけれど、結果的にゲーム業界全体に大きな利益をもたらしたと思います。しかし最近は、そういう英断が見られません。

先の事などわからない、読めるわけがない、という小理屈はわかります。しかしその読めるはずのない未来を読んで、決断をくり返してきたからこそ、ファミコン時代、規模が小さい企業の集まりでも、全世界にゲームを広げることができたのです。選択と集中が競争力の源泉であり、決断こそが経営の責務。にもかかわらず、経営陣の予測能力の低下を合併やマルチプラットフォームという言い訳で補完しているのが現状でしょう。スクウェアエニックスは小回りの悪さを露呈していますし、バンダイナムコも合併以降、ちっとも良い話が聞こえてきません。スケール(規模)でも、スコープ(範囲)でも構いませんが、経営陣の視野の狭さや決断力を「下手な鉄砲も数撃ちゃ」戦略で補おうというのは感心しません。

ゲーム業界の発展のためにどういう英断が求められているのかは自明です。合理的なマネージメントの巧みな欧米企業に対して、日本企業が強みを発揮したのは、決断力、集中力があったからです。力を分散させないマネージメントが競争力につながりました。マルチプラットフォーム主義のEAでさえ、「Wii60」への重心シフトを早々と宣言している中、集中力でさえ欧米企業に劣るのであれば、末路など知れたものでしょう。

最後にYouTubeに投稿されたMADムービーを1つご紹介します。
Console Wars: Episode IV
他にもWii60ネタの動画がいくつも掲載されています。欧米のゲーム業界やゲームファンの動向を知る1つの情報として、参考になると思います。もちろんWii60という言葉を使っている人たちはゲーマーですから、それがすなわち北米ユーザー全体を代表するわけではありません。しかしPS3がゲーマーたちにさえ見捨てられつつあること、ユーザーの幅を広げようとするWiiがゲーマーたち「にも」支持されていることは、感じ取れると思います。

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2006年08月04日

足りないのはバクチ打ちの才能

去年書かなかったこと

去年、「成功しているソフト企業の共通点」という記事を書きましたが、このとき意図的に書かなかった共通点が1つあります。グーグル、アップル、任天堂いずれもハードとソフトを両方やっている会社だということです。

グーグルはインターネットOSを作り上げつつある、と言われますが、そのハードウェアはあの多数のサーバー群。ネットのあちら側にハードとソフトを両方持っていったのがグーグル。アップルはiPodにおいて、ハードで損をしてソフトで回収するというビジネスモデルの逆、すなわちソフトではもうけず、ハードであるiPodで利益を出すビジネスモデルを成功させました。任天堂は2画面やタッチパネル、マイクなど、ハードウェアのインターフェースを利用し、さらに新しい切り口のソフトを生み出すことで、新しいユーザーを獲得しました。WiFiコネクションにしても、ネットワークサービスではお金を取らず、あくまでソフトの売上やハードの拡販効果で回収するやり方です。

ここ数年の新しいビジネスを見ていて感じるのは、やはりモノを売る商売は強いな、ということ。新しいアイデアやコンセプトのビジネスはいくつもある中で、比較的うまくいっている、つまり利益を出せているのは、ハードを絡めたケースが多い。モノを買うという行為は、単にハードウェアを購入するという意味ではなく、その後ろにあるサービスを含めて買うという事を意味します。じゃあサービス単体だけ切り離して売れるかというと、とたんに色あせる。何だかんだいって、モノを買うという行為がユーザーにとっても一番わかりやすいメタファーなんでしょうね。


わかってるけど、やりきれない

そういう意味では、スクウェアエニックスの和田社長の分析は的確です。
「シェアのためのM&Aに意味はない」 (デジタルエンタメ天気予報):NBonline

こういう環境下で、意識してかき混ぜている人がいれば、いつ出るかは分からないけど、いつか何かが出てくるんですよね。ハードウエアに詰め込まれたそれらが、化学反応を起こりやすくする触媒になっているわけです。任天堂さんには、そういうカルチャーがあって、小ネタをいっぱい持っている。

すごく変なセンサーがいっぱいあるみたいですね。ああいう姿勢は本当に立派ですよね。任天堂さんやiPodの採っている戦略というのは、やっぱりハード発で新しい環境を整備するということですから、あの(モノをベースにしたアイデアを出すという)やり方は完全に正しいですよね。

ここ最近、和田社長に対して手厳しい批判の声も上がっていますが、やはり経営者としては優れた才覚を持っている人物だと思います。ただ、なかなか結果が出てきていないのも確か。あれだけ「オンライン、オンライン」言っていたのに、『FF11』以外のオンラインゲームが育たずにお寒い状況ですし。
スクウェア・エニックス、WIN「ファンタジーアース」運営をゲームポットに移管。アイテム課金へ移行
『フロントミッションオンライン』も、本音としては手放したいんじゃないでしょうか。自社タイトルがベースになってるので、さすがにみっともなくて出来ないだけで。

ここ数年のチャレンジの失敗が目立ち始めた一方で、学んだことも少なくないようです。今回のインタビューでも、理屈倒れのビジネス論は減ってきた印象を受けます。一時期は「ポリモーフィックコンテンツ」みたいな因果が逆になっている話ばかりでしたからね。

いまは戦略オプションをどう考えているか、戦略オプションを持った状態で談論風発の場をどう作るか、なんですよ。そこで何が出てくるかまでは保証できない。確率の問題ですねという話になってくる。確率の問題は、倒産しないように(笑)財務でコントロールする。そういうバランスなんだと思いますよ。
スマッシュヒットを飛ばしている任天堂さんだって、狙いすまして打ってきているわけじゃない。DSの「脳トレ」のヒットは狙ったわけじゃなくて偶然こうなったという側面もあると思いますよ。でも出るべくして出たソフトであり、起こるべくして起きたスマッシュヒットなんです。ここが難しいところです。
「確率論」という理解はかなり正しいものです。しかし同時に、この確率は平等ではないのも現実です。何度もヒットを飛ばす人はいますし、さまざまな芸風に挑んで成功させる人もいます。鼻が利く人って、やっぱりいるんですよね。ある程度は経験で補える部分もありますけど、個人のセンスの鋭さには及びません。ボクはこうやって毎日理屈を書き散らしてますけど、一方で理屈を信じてません。他人に説明するには理屈が必要なんですけど、理屈から何かが生まれるわけではありません。


ギャンブルなんだよね

例えば、DS(2画面ゲーム機)のアイデアは山内相談役の発案だったという有名な話があります。今でこそ、誰もが成功して当然というわけですが、発表当時は懐疑的なムードだったわけで。無駄な仕様、冗長な機能、という意見がネット上にも多数ありました。ところが今では、まぁ実話か2chの作り話かはわからないけど、おばあちゃんが「(PSPを見て)あれ、画面が1個しかないじゃない。旧型でしょ」とコメントするという話があるわけで(笑

理屈で説明をつけることはできますが、理屈から出てくるような発想じゃないでしょう、これは。本当に大きくヒットする物は、どこかで理屈を越えるような所があります。娯楽ってやっぱり最後の最後は、「勘」とか「好み」で決まっちゃう部分があって、100%という事は絶対に無いんですけど、でもヒット率の高い人、ホームラン率の多い人は存在するんですよね。

ギャンブルみたいなもんで。「運」はあるんだけど、それは大前提で、あらためて言うようなことじゃない。麻雀にしても強い弱いってあるでしょう。100パーセントの無い世界だから、強い人だって運が悪ければ負ける時は負けますけど、でも長いことやってると、やっぱり強い人はいるわけですね。だからボクは、ヒットの原因分析をするときに「運」を持ち出さないようにしています。「運」はもちろんあるんですけど、それは大前提としたうえで、ギャンブルの上手い下手に注目しているわけで。「運」といってしまうのは思考停止でしょう。

スクウェアエニックスの例でいえば、チーフクリエイティブ(バクチ打ちの才能)の不在が大きいです。今のスクウェアエニックスって、傍から見ると、相当「勘」が悪くなってますよね。打率悪すぎ。
マネージメントについても、掛け金の張り方というのは確実にあって。無制限に資金は無いので、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるではもちませんから。すると、鼻のいい人を集めるしかありません。社内で埋もれているのを見つけるか、まだ芽が出ていない若手を育てるか、外から連れてくるか。社内の場合は、前回の記事にかぶりますが、低予算でいくつも場をもうけて、何度も勝負させて、その結果、勝率の悪い人は外して、勝率のいい人に掛け金を張るしかありません。

まぁ娯楽の世界に100パーセントは無いとはいっても、ギャンブルに「必勝法」もどきがあるように、ある程度「必勝法」もどきは無くはないと思います。100パーセントではないけど、確率の高いやり方、あるいは確率の高そうなやり方ですね。その辺は今までにも少し書いたことがありますし、今後もたまにポツポツと書くつもりです。

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2006年07月25日

水をやり過ぎると、生えたばかりの芽をダメにしてしまう現象

過剰宣伝がマイナスの効果を生む?

先週末を振り返ると、『LocoRoco』(のプロモーション)が思ったよりも話題になってましたね。
7億で3万本という数字はやっぱりショッキングなんでしょうし、「これはひどい。」みたいなネタも上がってます。金かけて売れないのは、笑い話にされやすいですからね。広告費じゃなくて開発費の例ですが、シェンムーの70億円とか。
(今日現在、ネット上では早くも存在を忘れられて、『お料理ナビ』や『DSブラウザー』に話題が移っているように思えますが)

『LocoRoco』に始まった事ではありませんが、宣伝費のかけ過ぎがかえってマイナスの効果を生み出す、という認識がポツポツ出ていて、ゲーム業界にも健全な感覚をもった人たちが結構いるなあ、という印象を受けました。こういう(短期的には広告費が削られてしまう)事って、広告屋さんはふつう言わないですからね。なかなか理論化もされません。けれども企業側の認識として、しっかり持っておいた方がいいと思います。

水をやり過ぎると、生えたばかりの芽をダメにしてしまう現象について、最初に言及したのは忍さんかな?
背負わせる看板が重過ぎて不憫な「LocoRoco」|忍之閻魔帳

SCEが本作にかける意欲はハンパではなく、発売前後には、SCEの持つCM枠を全て「LocoRoco」に切り替え、春の戦略タイトルであった「カズオ」の2倍以上、「みんなのGOLF」「グランツーリスモ」並みのCMを投下して、PSPオリジナルのキラータイトルに育てたいとのこと。
(略)
正直、キラータイトルに据えるには荷が重いような気がする。「LocoRoco」に大規模なプロモーション展開は似合わない。こっそり発売され、口コミで話題になり、好きな人にだけ愛されるタイプの作品で良かったのではないか。(略)要するに「無理をさせると潰れてしまうぞ」ということである。
まぁSCEの担当がしゃべった一言一句をそのまま書いたわけではないのでしょうが、CMを投下して、キラータイトルを育てるという発想がそもそも前時代的だと思うのは、ボクだけでしょうか。テレビCMで可能なのはせいぜい認知を上げるぐらいですし、今は「知る」→「興味を持つ」の比率が大幅に落ちています。

こちらでも、同じことが言われています。
島国大和のド畜生 「ロコロコのプロモの話」

あと、一部で言われる「ゲームキラープロモ」(過大な期待をかけて逆にゲームの評価を下げる)ってのも実際あるとは思ってる。(評価が下がるだけで売り上げが下がるわけじゃないけど。採算分岐点が上がるので結果苦しい事にはなる。)
結果的に口コミが潰れて、長期的には売上にも影響が出そうな気がしないでもないのですが、この議論は危険か。「宣伝が足りなかったからゲームが売れなかった」ならぬ、「宣伝が多すぎたからゲームが売れなかった」って言い訳につながりますし。

『LocoRoco』は「知る」→「興味をもつ」の比率が極端に少ないソフトでした。
何と言ったらいいのか。マスプロモーションは、燃料がすでにある状態であちこちに火を放つ行為に似ています。燃料が少ない状態で、火をつけてもすぐに燃料を燃やし尽くして、すぐに火は消えちゃいますよね。本来ならジワジワと口コミで評判が広がって、中身の話(話題性の燃料)が増えていくはずだったのに、大量のプロモーションによって少量の燃料を使い果たしちゃったんじゃないかな。

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2006年06月28日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なコトその1
バンダイナムコホールディングスの株主総会で、元バンダイの高須武男社長が役員紹介の時にナムコの役員を飛ばした件や、ゲーム紹介のビデオでバンダイ系のゲームは映像が流れ、ナムコの『テイルズ』はパッケージ写真のみだった件など。

まこと:ナムコ側の役員を飛ばして紹介しやがった。
ななこ:!?
まこと:本来の順位では橘正裕(ナムコ)、早川正篤(バンダイ)、田中慶治(ナムコ)、仙田潤路(バンダイ)の順で紹介されるはずだった。しかし、いきなり早川正篤(バンダイ)を紹介したんだ。
ななこ:それは好ましくありませんね。
まこと:ここで順番が違いました、といって次に橘正裕(ナムコ)を紹介したわけだが、その後さらにすごいことが起こった。
ななこ:そ、それは!?
まこと:再び順番を飛ばし、仙田潤路(バンダイ)を紹介したんだ。そして、以上5名が常勤取締役として、と、話を終えようとした。
ななこ:……。
まこと:で、忘れてました、と言って田中慶治(ナムコ)を紹介。さらに、他3名、社外取締役を紹介した後、社外取締役2名も紹介せずに終わらせようという始末。バンダイの人じゃない奴は人間じゃない、って扱いだよな。
当然、その後、株主から旧ナムコを不当に低く扱っているのではないか、と問い詰める声が上がったようです。なんつーか、その、小学校のイジメですか? ゲーム業界の成熟度が満天下に示された微笑ましいイベントですね。

■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なコトその2
その名も『恋姫†無双 〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義』。
むしろ今まで出ていなかったことが驚きのような気がします。
「は、はわわ、ご主人様、敵が来ちゃいました!」としゃべる諸葛亮
暴虐の限りを尽くす冷血漢……という世間の評判とは裏腹に、内気でか弱い女の子な董卓。
天下無双の武人だが、その素顔は寂しがり屋で、屋敷には拾ってきた小動物が多数な呂布。

・・・・・・・。
何かこう、ボクの今まで気づき上げてきた歴史観がドンガラガッシャンと音を立てて崩れていきます。
吉川英治や横山光輝の三国志を読む前の小学生にぜひこのゲームをやらせてみたいという、黒い心が湧き上がるのを止められません。ああ、無性に間違った歴史を間違った方法で刷り込みたいっ!

まぁそのなんだ、ボクも三国志初体験はシンエイ動画版横山三国志だったんで、相当ねじまがった三国史観を持ってましたけどね! 興味さえ持てば、結局は正しい歴史を覚えるもんですよ。つまりコーエー、ありがとうってことかっ!

(大体さー、ボクもエロゲーって、父親に勧められて遊び始めたんですよ。当時98は高かったんで、家族の中で使ってるのが父親だけだとお寒いんですよね。で、「これならお前も楽しめるだろ」って。今ならYouTubeとか、あるんですけどね)

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2006年06月24日

結論はありません。ただの雑感です。

同人ゲーム、コンシューマー市場に続々と

続々とってのは言いすぎですね。すいません(笑
今年はTYPE-MOON関連作品が2本、PS2で発売されます。1本は同人ノベルゲーム『月姫』の2D格闘ゲームである『メルティブラッド アクトカデンツァ』。同人ゲーム→アーケード→PS2という流れをたどっています。8月に発売予定です。
Wikipedia 「メルティブラッド」

もう1本は1月からテレビアニメが放映されていた『Fate / stay night』。PS2版が年末に発売されます。PC美少女ゲームをゲーム機向けに移植する場合、別の会社が開発を担当することが多いんですが、原作を開発したTYPE-MOON自らが開発しています。

電撃オンライン:インタビュー『Fate/stay night for PS2』
おお、そういえば、TYPE-MOONがコンシューマ機のメディアに登場するのって、実は初めてですね。元コンパイルの竹内崇氏にしてみると、同人発でついにコンシューマ市場へ凱旋。

で、雑感

『Fate / stay night』が2004年1月発売、『Fate / hollow atraxia』が2005年10月。そしてPS2版が2006年年末。『Fate』が3年続いていることを考えると、移植は他所にまかせて、そろそろ新作を作ってほしいという気持ちが強いですね、正直。いや、まあ変な移植をされるのは悲しいんですけども。

それにしてもいつの間にか美少女ゲーム界は、1つ作品を出してから新作を出すまでの期間が長くなってますね。「大本の作品」→「ファンディスク発売」→「コンシューマ」→「アニメ化」といった流れが割と当たり前になっています。『Shuffle』なんて、続編的な外伝『Tick! Tack!』が出たと思ったら、今度は『Really? Really!』が出ますし。『CLANNAD』→『智代アフタ』、『斬魔大聖デモンベイン』→『機神飛翔デモンベイン』、『SchoolDays』→『SummerDays』。いくらでも例を挙げられます。

まー、新しいのを出しても人気が出るとは限りませんから、当たった作品の世界観とキャラクターでしばらく食っていきたいというのは、当然の判断ではあるんですけども。ちょっと腰が重くなってきている印象。まぁユーザーの側が支持しているのも確かなんですけどね。「終わらない世界が良い」という考え方がオタク向けコンテンツでは支配的なんでしょう。
(今年に入ってからのエントリーでは「ホントにそうかなあ?」と疑問を投げかけているわけですが)

美少女ゲームに限らず、RPGもそうなってますよね。スクウェアエニックスが『FF7』や『FF13』で展開している戦略はまさにそれですし。『ドラクエ』はともかく、『FF』についてはユーザー数を増やすよりも、濃い人を囲い込む方針を採っています。それは間違いではないんですが。ただ、10年前に坂口博信氏が『FF』を「映画」という方向に押し進めた時は、CGブームもあって、ユーザー数が大幅に増えたんですよね。300万本を優に超えるタイトルになったわけで。それが今では200万本を越えるぐらい。明らかに10年前に集めたユーザーの濃度と数を食い潰しているんですよね。ナムコの『テイルズ』の乱発ぶりも、必死な感じしかしませんしね・・・・。

うーん、いや、そうした手法は間違いではないんですけど、どうも違和感が。なんだろうな、例えばDSの大成功や、カジュアルゲームブームが良い例ですが、今はユーザーを増やそうというフェーズなんだと思うんですよ。ライトとかオタクとか関係無しに。濃い人たちを囲い込むという戦略がオタク向けコンテンツの常道になってしばらく経ちます。みんな同じ事をやっている中で、ユーザーに見抜かれたり、飽きられています。結局そのままではジリ貧です。

ここ数年当たり前だと思っていた手法を少し疑ってみるというのが必要じゃないですかね。「ライト対ヘビー」みたいな構図を批判する人たちがいて、でも実はその人たちが一番「ライト対ヘビー」という構図を信じてるんですよね。つまり「ライトユーザーは変化してるけど、ヘビーは変化してないんだよ。けっ」みたいな。ライトユーザーは数が多いからそっちに目がいくんですけど、現実にはヘビーユーザーも大きく変化してますからね。DS市場の急成長はライトユーザーの増加で説明がつくとしても、PS2市場の急激な縮小はヘビーユーザーの変化を考慮しないと説明できません。

オタクマーケットの変化を示すという点で、『ハルヒ』は良い例だったと思うんですが。それがピンと来てない人はまだまだ多そう。む。今回の記事、微妙に結論が出てませんね。まぁ脳内垂れ流し。「ただの雑感」です。

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2006年06月03日

神話の崩壊

「ライトユーザーには強いが、ゲーマーには弱いDS」という神話

また君か。「ゲーム系オタオタジャーゴン」
日本国内のゲーオタ系ブログの分類をしておられますが、納得できる部分が多いです。しかしこの分類を見ると、携帯ゲーム機のゲームを純粋に面白いと思っているゲーオタがどこにもいませんね。いや、本当にいないのかもしれませんが。ゲーオタという生き物は本質的には、ゲームの内部世界に埋没していく願望を持っているので、最近のライトゲーム路線にイマイチ乗れないのは自然な反応です。

(もちろんDS支持派というのはしっかりかっちり存在しますが、彼らの多くは任天堂ファンとして分類した方が良いでしょうね。ゲーオタといっても、重いゲームに付いていくのに疲れた人も増えてきているので、そういう人々をゲーオタと呼ぶべきかどうかはさておき、どこかに分類した方がいいかもしれませんが)

まぁDSが大人気といっても、ネット上のゲームマニアは自分たちの遊べるゲームが無いという不満をたびたび表明していました。例えば、「逆転裁判しか動いてない」とか。DSはライトユーザーには強いものの、ゲーマーには比較的弱めでした。実際、任天堂もそれは自覚していたのでしょう。ライトユーザーに加えて、ゲーマー層も引き込む努力が表面化していました。

WiFiコネクションは、ネットワークゲームの裾野を広げる意味があると同時に、集まって対戦ゲームをしにくい社会人・独身ゲーマーにアピールするサービスでした。さらに3月以降はソフトメーカーと協力して、『聖剣伝説』『ゼノサーガI・供戞愿軍伊盒供戮覆匹RPGをプッシュ。ファミ通にも、有名タイトルを並べただけの悪趣味な広告を掲載しました。
しかしほとんど効果はありませんでした。まぁ据置機のゲームを単純に持ってくるなら、やはりPSPの方が向いていますからね。


そして、神話は崩壊する

けれども『テトリスDS』からは少しムードが変わります。『どうぶつの森』で大量に参加したライトユーザー層にとって、WiFiで気軽に遊べるゲームは魅力的です。『マリオカート』よりもはるかにライトなゲームとして、『テトリスDS』は大ヒットしました。そしてライトユーザーが大きく動くと共に、マニア層も動き始めました。昔燃えたゲームだからという理由はあるでしょう。単純なゲームだから燃えるという理由もあるでしょう。WiFiコネクションの参加ユーザー数が巨大なこともあり、対戦相手に困らないのも大きいです(そこはXBOX Live!に対する明確な優位点)。

さらに『Newスーパーマリオ』が大ブレイクしました。去年の『ファミコンミニ・スーパーマリオ』再販、パルコのドット絵マリオ宣伝など、ありとあらゆる機会でドット絵のマリオを浸透させてきた成果ですし、昔スーマリを遊んだ人をうまく刺激した成果ですし、ライトユーザーがそろそろゲームを遊びたくなる頃にタイミング良くリリースした成果ですし、『マリオアドバンス』シリーズで2Dゲームを遊ぶ子供層を育ててきた成果です。そしてここでも再び、ライトユーザーが大きく動くと共に、マニア層も動いています。

『脳を鍛える大人のDSトレーニング』→『おいでよ!どうぶつの森』→『テトリスDS』→『Newスーパーマリオ』。ゲームらしくないゲームを入口に、徐々に軽いゲーム、歯ごたえのあるゲームへ、ライトユーザーを誘導していく流れが明快です。最初はまず、何でもいいからゲーム機にさわってもらう。そして抵抗感をなくした所で、みんなのコミュニケーションに使ってもらう。人の輪が広がったところで、気軽に楽しめるものを遊んでもらい、徐々にゲームらしいゲームに熱中してもらう。そこには、かつてのファミコンブームのように、人々がゲームに熱中し、ゲームを話題にする光景がよみがえりつつあります。

マニア層だけを狙った展開が不発に終わる一方で、ライトユーザーを取り込む展開の中で、ゲーマー層が少しずつ巻き込まれている点がとても興味深いです。8月24日にはいよいよ『FF3』が満を辞して発売されます。おそらく、ライトユーザーよりもゲーマー層をより多く引き込むでしょうね。ここまでくれば、ライトユーザーとゲーマーの両方がゲームを楽しめる世界になっているんじゃないか、と大いに期待します(しかし『FF3』は不安要因が無いわけでもないんですが)。


「ライト層にはライト向け、マニア層にはマニア向けマーケティング」の罠

さて、今回の記事はあえてマニア層の取り込みに焦点を当てて書きました。ふつうに書くなら、ライトユーザーの取り込みだけに絞ればいいわけです。では何故そうしなかったか。それは、「ライト層にはライト向け。マニア層にはマニア向けマーケティング」という従来のやり方が通用しなくなりつつあるからです。実際、有名タイトルを羅列してみせるという悪趣味な宣伝は効をなさず、ライトユーザーが大きく動く時にマニア層も一緒に巻き込まれていくという現象が起きています。「xxxはハイデフへ」という、タイトル名を羅列するだけの広報宣伝を行ったXBOX360が、初代よりも大きな失敗をしたことも、記憶に新しいところです。

「ライト層にはライト向け、マニア層にはマニア向け」というマーケティングは、従来なら当たり前のやり方です。ライト層を取り込むには、価格を低くして敷居を下げよう。マニア層はたくさんお金を払ってくれるから、プレミアム価格をつけよう。これは間違いではありません。浅く入っている人からは少しずつ、深くハマっている人からより多く取るのは理にかなっています。実際、多くの会社がこういうやり方をしています。

しかしその正しいマーケティングにひびが入ってきたというのがボクの印象です。
古い神話
    1.ライトユーザーはお金を出さないが、マニアはいくらでも出す
    2.1人のユーザーをマニア化するコストは高いので、拡大よりも囲い込み、維持が基本
    3.マニアは一般にコミュニケーション能力に欠ける
    4.マニアはコンテンツの深さを愛する
新しい神話
    1.お金を出さないマニアが増えてきた
    2.マニア層のメディアへの疑いが高まった
    3.コンテンツの深さよりも、コミュニケーション、ブーム、祭りを重視するようになった

メディアの記事や広告、企業の1次告知に対して、おそろしく疑り深くなっている割に、祭りに巻き込まれることに対しては無防備ともいえるほど大胆になっています。オタクが「巻き込まれやすい」というと、違和感をおぼえる人がいるかもしれませんが、大多数のオタクは別段、人の動きに鈍感なわけではありません。自分が関係しないと思った動きに対しておそろしく無反応になるだけで、少し関われるものであれば、簡単に参加していくのです。

企業の側は、釣りと祭り(に対するユーザーの反応)の違いに注意した方がいいでしょう。「ライト層にはライト層、マニア層にはマニア層」という割り切りすぎたマーケティングは、結果として維持したかったマニア層も減らしてしまうんじゃないか、と思うんですよ。

Posted by amanoudume at 21:07 個別リンク | Comments (6) | TrackBack(0)

2006年04月15日

メディアの論調が変わってきた

最近ゲームやってないなあ、ほんと。
という話もそろそろネタと化してきたというか、まぁどうせ仕事ではさわっているわけですし。
そんなことを書いている間に、低迷し続けていた国内市場がいよいよ復調。

ファミ通.com 「浜村弘一氏セミナー、"ゲーム産業の現状と展望"詳細リポート!」
携帯ゲーム機市場の大幅な伸長によって、前年比14.7%増の5717億円に回復。3年ぶりに5000億円台に浮上しました。とはいえ、ライトユーザーブームの恩恵は今のところ任天堂に集中していて、本数売上が約1572万本。2位のスクウェアエニックスでも約657万本でした。大多数のソフトメーカーにとっての目下のテーマは、市場の変化に急いで追随することでしょう。例えば、ナムコは右脳の達人シリーズを2月に1本、5月に1本と、続けざまに投入しようとしています。

誰の目にも明らかな現実と、メディアの論調の変化

DSの勢いに引っ張られて、メディアの論調も変化が見られるようになってきました。
これまでうちのブログで何度も書いてきたように、プロセッサ性能至上主義の時代は終わりつつあります(参考:携帯ゲーム機戦争は終わった)。

性能よりもインターフェースやコミュニケーション性能を重視したDSの大成功、そして性能と機能を追及しすぎたPS3の発売延期。いち早く高性能でスタートしたXBOX360の初代を下回る売上。こうした事例を目の当たりにして、プロセッサ性能至上主義の崩壊が多くの人たちの共通認識になったのですね。

1.読売オンライン:高性能よりも易しい操作好評…ゲーム機商戦は転換期

 超高性能が売り物のマイクロソフト(MS)の「Xbox360」や、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション」シリーズは販売が伸び悩む一方、性能面は抑えた任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」が、ヒット作ソフトに恵まれて好調な売れ行きだ。

 MSは6日に「Xbox360」のてこ入れ策を発表して巻き返しを図るが、高性能化こそが市場を拡大するというこれまでのゲーム機の“常識”は転換点にあるようだ。

2.日経ビジネスも久多良木氏の路線へ疑問を投げかけています。

★中鉢社長の元で改革を進めてるが、
中鉢改革前のソニーがSCE。
クタにPS3の開発状況を聞くとうるさいと怒鳴られる。

ソニー本体も実績があるだけに、クタにはあまり口出し出来ないようだ。
CELLは360より熱くなり、熱対策が大変。ソフトが書きにくい欠点。
今の所、外販の目処立たず。
サードは30万本売らないと黒字化出きず、
ソフト開発はするが、PS3と心中する気は無い。今の所タイトル不明。
PS3向けのソフト開発が出来るのが日本で5社。
海外入れても7から8社。
5000億投資済みだが、半導体部門の4−12月は308億の営業赤字。

3.大前研一のIT時評―PS3発売延期の真相

PS3がなぜこんな大事になってしまったのかというと、一言で言えば設計ミスだからです。
 スーパーコンピューターにも使われないような超高性能なチップとブルーレイ・ディスクという、いずれも未実証の技術を積んだことが原因です。たしかに、技術的には高水準ですが、果たしてゲームにそれほどの技術が必要なのか、ということです。あまりにも高度なものを設計しすぎて、結局世の中に出しにくくなってしまった感じですね。

4.浜村通信氏は、実際に開発に入っているPS3タイトルが少ないと指摘。レボリューションへの支持が高まっていると発言。

なお、ソフトに関しては「実際に開発に入っているタイトルは少ないようだ」(同)という。レボリューション(コードネーム)は、「もともとクリエイターには人気があったが、経営者には不人気だった。ところが、ニンテンドーDSのヒットで経営者にも人気が出てきた」(浜村)とのこと。

5.IT PLUS 「ゲームが開発できない」PS3の本当の問題

ゲーム開発の基本環境の整備が遅れている。そもそもプログラムを開発する上で必要なPS3用のコンパイラが最近まで提供されてこなかったのだ。コンパイラとは、プログラマが記述したプログラムをコンピュータが理解可能なものへと変換してくれるソフトである。昨年7月にSCEがコンパイラの専用企業、英SNシステムズを買収して開発し、対応しようとして来たが、リリースは遅れに遅れていた。遅れの原因は、PS3自身のハードウェアが持つあまりの複雑さにある。

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2006年04月01日

青い海は発見されると同時に赤く染まっていく

早くもレッドオーシャン化を迎えつつある脳を鍛えるゲーム市場

実用ゲームブームが拡大する中、脳を鍛えるゲームが急激に増えています。
去年の年末には
    ・インターチャネル 『七田式トレーニング 右脳鍛錬ウノタン DS』
    ・角川書店 『らき☆すた 萌えドリル』
が発売され、その後、2月9日にはナムコの『右脳の達人 爽解!まちがいミュージアム』。そしてこの春には
    ・3月30日 IEインスティテュート 『神林式脳力開発法 右脳キッズDS』
    ・3月30日 IEインスティテュート 『陰山英男のIQティーチャーDS』
    ・5月18日 バンダイナムコゲームス 『右脳の達人 ガンバれっトレーナー』
が続きますし、さらに夏以降、
    ・8月 IEインスティテュート 『英単語ターゲット1900DS』
    ・8月 IEインスティテュート 『中学英単語1800DS』
    ・9月 IEインスティテュート 『シカクいアタマをマルくする。』
と、かなりの勢いでソフトが出てきます。元々教育ソフトの資産をもち、GBAでもIQソフトを展開していたIEインスティテュートはここぞとばかりにソフトを投入します。他にも、PCソフトの資産をもつ会社なら、今のDSには参入しやすいでしょうね。

普通のゲーム会社の中ではナムコが活発にソフトを投入しています。ナムコは教育系ソフトの開発資産を持たないため、従来型のゲームに右脳トレーニングの要素をプラスアルファする構成を取っています。2画面+タッチパネルのゲーム機で間違い探しというのは素直な企画ですし、『ガンバレット』はアーケードで大人気だった光線銃ゲームです。遊びの比重が強いというのは、ナムコらしさを発揮する上で悪い選択ではありません。とはいえ、ぶっちゃけ無理やり右脳トレーニングを合体させている印象はぬぐえませんが・・・・。


スクウェアエニックスもシリアスゲームに参入したものの・・・・

スクウェア・エニックスと学研、シリアスゲーム事業で提携 専門の新会社「SGラボ」を設立
日本ではまだ、「シリアスゲーム」という言葉になじみの無い人が多いでしょう。簡単にいえば、ゲームを娯楽以外の用途に利用することや、娯楽以外の効果や目的をもったゲームのことです。脳を鍛えるゲームを中心に、実用ゲームブームが起きている現在、シリアスゲームに積極的に乗り出すのは納得できます。

しかし現実の市場ではスピードが重要です。ナムコが5月には2本目の右脳系ソフトをリリースする一方で、スクウェアエニックスはいまだに学研との提携を発表しただけ。具体的なソフトやサービスの発表はまったくありません。ちょっと鈍重すぎるのではないでしょうか? 「また仕組みだけ発表かよ・・・・」というのが率直な感想です。

それに、ここまでガッチリ組まなければならないことなのか? も疑問です。
シリアスゲームといえば、最近では任天堂のTouch Generations!が注目を集めましたが、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』では東北大学の川島教授と組み、『えいご漬け』ではパソコンソフトで実績のあるプラトーと組み、『楽引辞典』では三省堂と組みました。またセガも『脳トレポータブル』では川島教授、『アハ体験』では茂木健一郎博士と手を組んでいます。要するに、それぞれの企画ごとに最適な相手と手を組むやり方です。

スクウェアエニックスのように学研とガッチリ組んでしまうと、逆に束縛になりかねません。だいたい、いっしょに会社を作ったはいいけど、そんなにブームが長持ちするんでしょうかねえ・・・・。なんだかナムコの福祉事業と同じ結果になりそうな気がするんですが。

スクウェア・エニックス、テレビで楽しめる松下電器の「Tナビ」 チョコボなどが登場するカジュアルゲームなどを提供
「Tナビ」へのソフト供給についても、コンテンツが弱いのが気になります。旧スクウェアではファミリー向け(?)のキャラクターとしてチョコボを使うことが多かったものの、必ずしもうまくいっていたわけではありません。家庭のリビングへの進出という意味では、なぜドラクエを使わないのかが、よくわかりません。『スライム de リバーシ』じゃまずかったんですか? 15パズルもよりにもよって、失敗した『コードエイジコマンダーズ』の絵を使っていますし。

そもそも自社版権+軽いゲームというだけでは、単に従来路線でたくわえた資産を磨耗しているだけです。そんなものは新しいビジネスでもチャンレジでもありません。例えば、『脳トレ』や『あたま塾』が『マリオの脳トレ』や『マリオのあたま塾』だったなら、ゲーム業界の中であそこまで話題になることは無かったでしょう。

また、軽いゲームは開発コストが低いため、あっという間に競合が増える傾向にあります。実際、脳を鍛えるゲームは早くも市場にあふれ返りつつあります。つまり海が赤くなるスピードが恐ろしく早いんですね。すると、市場を埋め尽くす軽いゲームの中で、差別化ができる工夫や独自の付加価値が必要になります。韓国のオンラインゲーム会社はカジュアルゲームに積極的に取り組んでいますが、アイテム課金やアバターを中心にして利益を稼ぐ構造を取っているわけです。単純に軽いゲームを作っていけば、それでビジネスがうまく回るわけではありません。小遣い稼ぎではなく、ビジネスにするための戦略や構造が必要です。


弱点を露呈しつつあるスクウェアエニックス

スクウェアエニックスが軽いゲームを作るのはとても良いことでしょう。しかし厳しい見方をすると、現状ではソフトやサービスの内容についてのビジョンが無いまま、ビジネスの理屈と仕組みだけが先行し、空回りしているように見えます。もはや死語になりつつあるポリモーフィックコンテンツの時も、経営サイドの理論はご立派なものの、いざ世の中に出てきたのは『コードエイジコマンダーズ』。露骨なオタク狙いのはずのタイトルなのに、ひと目見てオタクが欲しがらない、スルーするような内容でした。

うーん・・・・なんていうか、最近のスクウェアエニックスは、ご立派なビジネスの仕組みと空っぽのコンテンツ、という印象です。どうしてこんな事になってしまうのか。
最大の理由はおそらくスクウェアエニックスにチーフ・クリエイティブ・オフィサーに当たる人物がいないからでしょう。経営サイドとクリエイティブサイドの橋渡しをし、個性あふれる開発者たちを説得でき、コンテンツ戦略の未来像を具体的に思い描ける人がいないんです。同じように感じるのはボクだけではないようで、あれれさんも昔の記事で、CCO(チーフクリエイティブオフィサー)の不在を指摘していました。

坂口博信氏がいなくなった穴はやはり大きいと言わざるを得ません。坂口氏はFFの映画の大失敗や、開発コストの増大など、経営者としては大いに問題がありました。しかしその一方で、CG映像制作への投資(→アドベントチルドレン)や、オンラインゲームへの投資(→FF11やオンラインゲーム事業)といった、現在のスクウェアのクリエイティブの方向性を決定づけましたし、それが今のスクウェアの利益を支えているのも事実です。

坂口氏退任後のスクウェアの経営課題は、膨れ上がった開発コストの低減でした。そのために開発のコントロールを強化するのは自然なことです。これは、スクウェアに限らず、数多くの会社で起こった変化です。PS1時代のクリエイターブームとは対照的に、PS2時代には良くも悪くもクリエイターがおとなしくならざるを得ませんでした。

それは当時のスクウェア、当時のゲーム業界にとって正しいことでした。経営サイドの努力が実り、スクウェアは経営を立て直し、エニックスと合併して、世界的なソフトメーカーとしての地位を固めました。そこまでは素晴らしい再建ぶりです。しかし新しいプラットフォームが次々と立ち上がり、ゲーム産業の未来が不透明感を増している現在、先見性のある経営とおとなしい開発という組み合わせで、はたして未来が切り開けるかというと怪しいものです。

例えば、このところ成功の続いている任天堂はトップの岩田氏は経営者でありながら同時にゲーム開発者です。また宮本茂氏が専務を務めるなど、経営陣にハード、ソフトの開発者が多く、経営サイドと開発サイドのバランスが取れています。確実に復調しつつあるセガも、サミーに経営の首根っこを押さえられたとはいえ、開発者出身の小口氏が社長を務めています。

必ずしもゲーム開発者が社長である必要はないと思います。けれども経営のロジックだけでは、やはり理屈倒れのコンテンツ戦略になりがちです。クリエイターの側からコンテンツ戦略を描ける人物が必要でしょう。スクウェアエニックスの新戦略の数々を見ると、チャレンジの裏で、クリエイター側からのコンテンツ戦略の提案の不在を感じさせられます。軽いゲームで絵がチープなのは問題ないのですが、残念ながらコンテンツがチープなのです。


補足

軽いゲームは開発コストが安く、海が赤くなるのが早いため、開発の方針決定にスピードが要求されます。また競合コンテンツがあっという間に増えていきますし、以下のブログのエントリーで指摘されているように、アジア圏の開発会社とのコスト競争にも晒されていきます。

島国大和のド畜生: ゲームの「現場」のジレンマ
pandonの日記 2006-03-25

結果として、「青い海に飛び込め!」という経営の勇気だけではなく、「儲かるとわかった途端、またたく間に赤く染まっていく海」の中で独自の付加価値を築き上げられるクリエイターの側のアイデアも必要になります。カジュアルゲーム市場の未来については、いずれまた書いてみたいと思います。

Posted by amanoudume at 23:22 個別リンク | Comments (6) | TrackBack(0)

2006年03月26日

ゲームソフトも本の売り方を見習ってもいい

ゲームソフトのダウンロード販売が当たり前になりつつある

ゲームソフトのダウンロード販売が次世代の販売チャンネルとして、急速に台頭しつつあります。

    ・SCEはPS3でHDDを前提にした開発を要請している。
    ・SCEはPSPのアプリのメモステ起動を容認する。
    ・マイクロソフトの携帯ゲーム機はHDDを搭載し、ダウンロード販売を
     前提にした物になる、と予想されている。

    ・欧米ではカジュアルゲーム市場が成長している。
    ・マイクロソフトはカジュアルゲーム市場の取り込みに積極的。
    ・任天堂のバーチャルコンソールにセガとハドソンが参入。

各プラットフォームホルダーの取り組みによって、ようやくメディアレスな時代が現実のものになりつつあります。10年前の予想(期待)に比べればかなり遅れたものの、それでも1つの「夢」が具現化しようとしています。今までは良いアイデアがあっても、「数千円の価値を作らなければならない」ために、数十個のゲームを寄せ集めたり、無駄なストーリーをつけたりと、本来の遊び以外の蛇足部分をたくさん作る羽目になり、本来作り手が楽しんでもらいたい部分以外を作るのに、ものすごく労力を使わなければいけませんでした。

健全なクリエイティブとライトウェイトな開発、低リスクな販売チャンネルが結びつき、ゲーム業界にとって大きな転換が起こることを強く期待します。フリーゲーム、同人ゲームでは、部分的には作家の名前でソフトが遊ばれ、買われています。ゲーム機向けゲームの世界でも、同じように作家の名前でソフトが買われる動きが広がったらいいな、と思います。


ゲームソフトの販売構造が変わりつつある

2005年、ゲームソフトの販売構造は大きく変わりました。DSのTouch Generations!の成功にともない、非常に長期間売れるソフトが市場に現れています。3月13日〜3月19日の週間販売データを見てみましょう。DSの『おいでよ どうぶつの森』、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』といったソフトがいまだに上位にきています。『やわらかあたま塾』、『だれでもアソビ大全』も根強い。またDSの本体同時発売ソフトだった『さわるメイドインワリオ』『スーパーマリオ64DS』がいまだに50位前後に位置しつづけています。

こうした長期販売傾向はなにも任天堂1社に限りません。バンダイの『たまごっちのプチプチおみせっち』は100万本を越えて、なお根強く売れていますし、ナムコの『右脳の達人 爽解!まちがいミュージアム』もあっさり圏外に消えていった『クイズ野郎』とは異なり、粘り強く売れています。(『クイズ野郎』は論外な出来でしたが、『まちがいミュージアム』はなかなか良い出来で、かなり惜しい。あと一歩練りこめばさらに高い売上水準に届いたろうに)

長期販売は、継続的なテレビCMの効果もありますが、それだけで説明できるものではありません。実際、DSの成功タイトルは電車の吊り広告、ソフトを体験できるスポットの増加、紀伊国屋を始めとする書店でのソフト販売、山手線の電車内の広報など、テレビCM以外の告知チャンネルが目立っています(例外は松嶋奈々子のCMぐらい)。


ソフトのパッケージの役割が変わりつつある

長期間売れているソフトの特徴の1つは、本を意識したパッケージデザインになっている点です。DSの『アナザーコード』で「さわれる推理小説が誕生!」という本の帯を模したパッケージが始まり、その後Touch Generations!の『脳を鍛える大人のDSトレーニング』『楽引辞典』『やわらかあたま塾』はすべて、同じように本の帯を模したパッケージになっています。また、ソフトの中に折込チラシが同封され、同じ客層をターゲットにした作品を紹介しています。これも、本の世界と似ています。例えば、文庫本を買うと、必ず折込チラシが入っています。

近年のゲームソフトのパッケージ、特にPS2のパッケージは良くも悪くもお高く止まっているものが増えていました。映画の看板のような劇画調というか、作品の格調高さや重厚な雰囲気を伝えるためのものになっていました。本の帯のようなわかりやすさは、年々なくなっていました。一方、本の世界では、重厚な雰囲気のハードカバーにも帯がついて、わかりやすいコピーが書かれています。

それもそのはず、当時のゲーム業界ではゲームソフトの初週販売依存度が高く、ゲームソフトは発売1〜2週間で勝負するものという認識が当たり前だったからです。発売直前に最大限に盛り上がるように広報計画を練ります。言葉は悪いですが、ある意味、売り逃げ型のビジネスモデルといえます。

ゲームソフトはある時期まで、ゲーム雑誌のレビューや特集記事、テレビCMによってソフトを売っていく世界でした。そのため、パッケージはゲームの世界観や雰囲気を表すことが第一とされ、裏面の説明にしてもゴチャゴチャ情報を詰め込むのが当たり前でした。その結果、ゲームショップの棚を見ても、「どれも同じに見える」「ユーザーがタイトルの名前を知っているのが前提」でした。本とは真逆の世界です。

しかし本のように比較的長期間売っていく場合には、店頭での販売が重要になります。本の世界ではよほどのことが無い限り、なかなかテレビCMなんて打ちません。基本的には本屋の店頭で勝負する世界です。パッケージ、帯、折込冊子、棚の並べ方、書店員のポップ、・・・・。こうした事の積み上げが売上につながります。長期販売を狙うソフトはどれも、本の売り方から非常に多くのことが学べるはずです。


ゲームメディアの役割も変わりつつある

2005年に起きたゲームメディアにとっての最大の衝撃はなんでしょうか?
それは、ミリオンを軽く突破し、現在は200万本を目前に控えた『脳を鍛える大人のDSトレーニング』がファミ通のクロスレビューを受けていないという事実です。ライトユーザー、ゲーマー、ゲーム業界人の間で、最も話題になったソフトを、ファミ通はカバーできなかったわけです。

ここ数年、ネット上ではファミ通のクロスレビューの威信は地に落ちていました。大手ソフトメーカーとクロスレビューの点数が癒着しているという疑念は定期的に話題になりますし、クロスレビューを参考にしている人は減っているといわれています。また多数発売されるiアプリのゲームをカバーしきれません。大手ソフトメーカーのiアプリは掲載されるものの、ダウンロード件数の多いフリーゲームは無視されています。そしてトドメとばかりに、ファミ通のクロスレビューを受けていないソフトがダブルミリオンに達しようとしています。

もはやファミ通のクロスレビューは実売にはほとんど影響せず、ゲーム開発者のプライドを満足させることと、2chあたりの煽り合いの材料にすぎないことが証明されてしまいました。もしも大手ソフトメーカーがファミ通へのクロスレビュー提出をやめてしまったとして、はたしてそれで売上が落ちるんでしょうかね? じつは全然落ちないかもしれませんし、かえっておかしな悪評が立ちにくくなる分、売上が上がるかもしれませんよ。

これも本の世界に近い現象。専門誌を買ってまで本を選ぼうとする人は希少ですし、雑誌のクロスレビューで本を買う人もまずいません。


そろそろ賞というものを見直したほうがいい

数年前にも1度書いたことですが、ゲーム業界の「賞」はユーザーにとってあまりに無意味すぎます。本の世界ではまず新人賞があって、作家がデビューするための入口の役割を果たしていますし、本好きにとって受賞作品は新しい作家と出会う良い機会になっています。また、芥川賞・直木賞は本の売上にダイレクトに結びつきますし、受賞作家は新聞連載を始め、仕事の機会が多くやってきます。賞というものが作家のステップアップとして機能しているわけです。

例えば、直木賞を受賞すると、その作家の作品はすぐに帯が差しかわり、「直木賞受賞作品!」であることが大々的にアピールされます。ゲーム業界ではこういう事は起こりません。ゲーム雑誌の片隅や、ゲーム系サイトの1ページを飾るだけで、ゲーム業界人のゲーム業界人によるゲーム業界人のための賞でしかありません。完全に「内輪受け」の世界です。

ボクはこういう賞なら不要だと思います。そんなものはただの文化気どりです。賞というものはクリエイターにとって「内輪受けの栄誉」ではなく、着実なステップアップにつながってほしい。そもそも賞というものがどれぐらいあるかというと、「東京ゲームショウのなんちゃら賞」「文化庁マルチメディアグランプリ賞」「Game Developers Choice Award」と、あとは海外のナントカ賞(ゲーム業界の自称アカデミー賞らしいよ)、プラットフォームホルダーのほにゃららプライズ。そんなところかな?

率直にいって、こういう「賞」はユーザーにとって、あまりにも無関係すぎます。
例えば、ついこの間「Game Developers Choice Awards」が発表され、『ワンダと巨像』が5部門で賞を獲得したほか、『nintendogs』がTechnology部門で受賞しています。他にも『みんな大好き塊魂』『おいでよ どうぶつの森』『バイオハザード4』など、日本勢の作品が何本もノミネートされています。

この賞は世界中のゲーム開発者が選んだ・・・・と言いたいところですが、それはさすがにウソで、IGDA(国際ゲーム開発者協会)メンバーのゲーム開発者が投票で選んだものです。日本ではIGDA加盟者がまだまだ少ないので、基本的には欧米のゲーム開発者が選んだ賞といえるでしょう。ボクも選んだ覚えは無いし、実際、日本だったらこうはならないだろうな、という結果になっています。
海外で評価されているという点では、意味があります。しかしそれがユーザーにとって、どんな関係があるのでしょうか? 興味を示している人がどれだけいるんでしょうか?

ボクはぜひとも、SCEには『ワンダと巨像』をもう一度テコ入れしてほしい。賞をきっかけに販売をテコ入れするのは、確かにゲーム業界では通常ありえません。しかし本の世界では当たり前のことです。今いろいろなことが変わりつつあるゲームの世界において、新しい一歩を踏み出してほしいですね。

そういえば、先日D3パブリッシャーの「SIMPLEシリーズ Awards 2006」が発表されましたが、いわゆる販売ランキングにはなかなか浮上してこないものの、息長く売れているソフトにスポットライトが当たる良い機会でした。しかしこの記事を読む人たちは、SIMPLEシリーズの客層と必ずしも一致しているわけではありません。賞を利用して、店頭においてさらなる販促を行ってもいいかもしれません。

とはいえ、たぶんそういうことをしても、まず売れないでしょう。そんなもんです。しかし何ごとも最初はそんなもんです。本の世界では『このミス』がかなり力を持っていますが、あれも最初からそうだったわけではありません。実際の販売につながったから、力をつけたんです。最近では全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」というものが出てきて、「本屋大賞」を獲った作品が売れたので、従来の伝統的な小説賞がビビったという話があります。本の世界では、いまだに賞を生かす、育てるということが機能しています。

賞というものは、制作者や業界人の内輪受けのためにあるものではなく、表面だけ他のメディアをなぞってもしょうがない。ユーザーに関心を持ってもらうことで大きく育っていきます。ゲーム会社ならびにメディア、流通が努力して初めて、生きた賞に育ちますし、結果的にそれが新しいチャンスを生み出すのです。ボクはなにも文化的な価値を訴えているわけではありません。そういう積み上げが今後の長期販売マーケットや、ダウンロード販売の時代に意味を持ってくる、と考えているのです。種まきですよ、種まき。しかしなかなか理解されないかもしれませんね・・・・。

Posted by amanoudume at 20:10 個別リンク | Comments (6) | TrackBack(2)
Valve、BioWare、MSなど業界の先駆者たちが語るデジタル流通の今後
Excerpt: Valve、BioWare、MSなど業界の先駆者たちが語るデジタル流通の今後【GAME Watch】 なんか変な論争。 アメリカの広大な地域での流...
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Tracked: 2006年03月27日 00:18
ホーム/2006-03-28
Excerpt: おはようございます。本日は曇りのち雨とのことで、公園の桜が散ってしまわないか心配です。また、今朝体重を量ったら400グラム理由もなく落ちていたので、ちょっ...
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Tracked: 2006年03月28日 08:09

2006年03月21日

Viva Pinataあるいはレア2.0か

北米のファミリー市場を取りにきたマイクロソフト

  ・米Microsoft、Rareの新作「Viva Pinata」を発表 2006年末に全世界で発売予定
  ・XNEWS Games -Viva Pinataについてシェーン・キム氏のインタビュー-
社内ブログではちょっとしか触れなかったのですが、このソフト、けっこう注目しています。
ぬいぐるみっぽい四角い毛(Fur)の質感がとてもユニークです。シェーダーの善用例。PS3的な絵作りとは方向性が異なるものの、次世代機という水準を満たし、明るくて楽しそうな雰囲気がよく出ている素敵な絵作りです。前世代機でしつこく毛(Fur)にこだわってきた1つの成果かもしれません。

日本で受ける造詣かといわれればたぶん受けないでしょう。けれども北米ではアニメも展開するようですし、コアゲーマー以外の市場を取る!というマイクロソフトの強い意気込みを感じます。初代XBOXの時は、お膝元の北米でさえ、ファミリー市場への進出が不十分でした。いよいよ本気で乗り出すつもりでしょう。ファミリー市場といえば任天堂ですが、ここ数年北米では退潮傾向が鮮明になっていますから、他陣営が「根こそぎ奪い」にきたら、厳しい結果になるかもしれませんね。まぁそれはそれで運命でしょう。


欧米のゲーム開発者の路線転換のきっかけになる?

『どうぶつの森』の影響を色濃く感じますが、元々レアは任天堂と蜜月関係にあった開発会社ですから、自然な影響でしょうね。それにしても、従来のレアの路線である3Dアクションゲーム、FPSとは方向性が大きく異なります。良くも悪くもマニアックだったレアが、このソフトをどう仕上げてくるのか、どれぐらいゲーム1.0っぽいのか2.0っぽいのか、興味深いです。

面白いのは『どうぶつの森』のフォロワーとも言えるタイトルが、日本ではなく欧米から生まれつつあることです。しかしよく考えてみれば、欧米ではすでに同じような傾向のゲームとして、ウィル・ライト氏の手がけた『シムズ』があります。海外において『シムズ』シリーズは大成功していますし、『シムズ』のフォロワーといえるタイトルも何本も出ています。また、MMORPGのような仮想世界での生活を楽しむゲームもかなり浸透しています。日本以上に、開発者がライフ(生活)ゲームを受け入れやすい、作りたがる土壌が存在したのかもしれません。

もっとも、PCゲームに詳しい人に言わせれば、なにを今さら・・・・ではあるのでしょう。PCでは伝統的に、シミュレーションゲームが数多く発売されていましたから。もっとも欧米のコンシューマ市場では、あまり成功例がなく、PCゲームの劣化移植がせいぜいでした。というのは、テレビの解像度がPCのディスプレイに比べて格段に低かったり、ゲーム機がネットワークに繋がっていなかったり、良い入力デバイスが無かったりしたためです。

次世代据置ゲーム機になると、こうした問題点のいくつかは改善されますから、PCで培ってきたその種のゲーム資産を活用できるようになるでしょうね。コンシューマーゲームの開発者にも、ゲームデザインの幅を広げようという動きが出てくるかもしれません。レアの『Viva Pinata』はその先触れになるのかも?

欧米のコンシューマーゲーム開発者にはいつまでも、映画版権とスポーツゲームとFPSばかりに目を向けていてほしかったんですがねえ。いつまでも好きなだけレッドオーシャンで泳いでいてくれよなー。欧米ではパブリッシャーの統廃合が進んだり、パブリッシャーが保守的な案件を好むようになったため、企画の自由度が低下していました。そこが日本勢のつけ込む隙だったんですけどね。ふーむ。


蛇足
日本でも、企画の自由度が上がってきた会社が元気ですよね。狭い意味でのゲームの縛りから脱した任天堂。『ムシキング』『おしゃれ魔女』やセガトイズ関連もふくめて全方位に「数撃ちゃ当たる」ができるようになってきたセガ。一方で、企画の自由度が低下している会社は危うげなムードになっています。何でもかんでも『無双』一色になっているコーエーや、予算を厳しく縛りすぎて企画の自由度が低下しつつあるコナミ、ナムコ。

Posted by amanoudume at 13:35 個別リンク | TrackBack(0)

2006年03月16日

そして現実に

Game Watch:「PS Business Briefing 2006 March」開催。久夛良木氏、PS3の11月上旬全世界同時発売を実現するための施策を説明
うちのブログでも去年の秋から「普通に考えたら出ない」と書いてきましたし、様々な人々が「春には出るわけない」と散々言っていたので、正直今さら感があります。特に目新しい情報は無いですね。
  ・11月上旬に全世界同時展開
  ・1ヶ月で100万台の生産体制にチャレンジ
  ・2007年3月までに600万台が目標
  ・HDDには標準対応。脱着式。標準搭載するかどうかは言及せず。ソフト側はHDD対応を前提としてほしい。
   2.5inchのシリアルATA規格の60GB
  ・次世代HDMIのサポート
  ・ネットワークはハード発売時期にあわせて導入したい

かなりXBOX360およびXBOX Live!を意識していますね。脱着式HDDへの標準対応を表明し、ネットワークサービスをハード発売と同時期にスタートというのは、XBOX360を連想させます。基本的にはXBOX360の映像をもっと綺麗にしたもので、その上でPSブランドとか、PSシリーズの互換性、といった付加価値がつくので、XBOX360には勝てる、という戦略なのでしょう。欧米市場の大きさを考えれば、対XBOX360を意識した内容もうなずけます。

一方、日本ではXBOX360が初代よりも厳しい状況ですから、事実上PS3とレボリューションの一騎打ちになります。とはいえ、この両ハードは目指している方向が明らかに違いますから、本当に一騎打ちになるのかどうか。
  土俵その1: PS3 対 アップル(リビング製品) 対 XBOX 360
  土俵その2: レボリューション 対 DS (対 従来型の据置ゲーム機)
という気がします、何となく。

PSPについては、ソフトのメモステ起動、GPS対応、テレビ電話機能、公式PS1エミュレータなど、色々と話題は打ち出したものの、どれも開始時期が秋以降と遅く、パンチが弱いのは否めません。携帯ゲーム機のシェア争いは事実上決着がついたため、今後PSP専用タイトルが増えにくいと予想されます。ソフトメーカーが離れていっても、コンテンツを維持できるようにするための施策、という印象ですね。
「ところで『GT Mobile』ってどうなったの?」という質問は禁句ですか?

Posted by amanoudume at 00:54 個別リンク | TrackBack(2)
3月15日のPS3&PSPの発表についてのまとめ
Excerpt: なんかどっかにいいまとめないかなぁ~と考えていたら 発表を伝えるまとめとしていいページをみつけました。
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2006年03月16日 07:15
ホーム/2006-03-16
Excerpt: おはようございます。昨日、家の前の公園で、桜の木がつぼみを膨らませているのを確認しました。花見は着実に近づいてますよ、みなさん。レジャーシートやその他の手...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2006年03月16日 08:22

2006年03月09日

PS3はDSに勝てるのか!?

ふと気がつくと、次世代据置ゲーム機対決ではなくて、ソニーの牙城(PS3) 対 任天堂の牙城(DS)のガチンコバトルの構図になってるような気がしないでもない今日この頃。

夕刊フジBLOG:DS絶好調も「任天堂独裁は避けたい」のホンネ

PS3の発売時期は今春の予定だが、米国最大手のソフトメーカー「エレクトロニック・アーツ(EA)」の幹部が「発売は秋」と発言したため業界内外が混乱、発売元のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は火消しに追われた。ただ、「EAが根拠もなく発言するはずがない。SCEからはそろそろ公式に何らかのアナウンスがあるのでは?」と関係者は言う。

だが、「発売時期がわかっても、すぐに参入するかどうかはわからない」と前出の幹部は言葉を濁す。理由は「ゲーム業界には上場会社も多く、回収の見込みが立たない状況でソフト開発に巨額の金を投資して失敗すれば、株主代表訴訟の危険性もある」からだ。その一方で、「スーパーファミコン全盛期のときのような、任天堂の“独裁状態”は避けたい。だから、PS3にはなんとか頑張ってほしいのだが」と本音もチラリ。

なんだか微妙に立ち位置のわからん記事だなあと思いますが、それはさておきゲーム業界に詳しくないメディアの間ではすでに「DS対PS3」の構図ができあがってるんでしょうかね? ていうか、PS3って大本命のはずだったのに、いつのまに「なんとか頑張ってほしい」と言われるポジションに落ちているんでしょうか?

PS3とDSはハードの台数シェア争いという点では直接競合しませんが、世間への認知度や、ふだんゲームをしない人をどれだけ巻き込めるかという点では競合関係にあると言えるかもしれません。確かに日本国内は「据置→携帯」シフトが鮮明になっています。しかし据置も、少なくとも今しばらくは盛り上がってもらわないと困ると思います。さすがに。

とはいえ、将来展望としては、ソフトメーカー各社は「据置ゲーム機中心時代」から、新しい時代への転換を図らなければいけないでしょうね。新しい時代には、据置ゲームの存在感が低下し、携帯ゲーム機、携帯電話、PCオンラインといったマルチプラットフォームの存在感が増大するでしょう。これはおそらく不可避の未来。けれども急激にこの変化が進むと、ソフトメーカー各社が対応しきれず、莫大な機会損失、投資損失が生まれる懸念があります。

その他のPS3とDS関連の記事はこんなところかな?
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

ZAKZAK:ソニー復活大勝負…年末商戦へPS3本格投入
えっと・・・・いつのまに「年末商戦」になってるんでしょうか?
まあ「新春」という言葉はありますけどね。ええ。

ITmedia +D Games:やっぱり運がよかったんだ、と思う
週間アクセスランキングのトップ10の記事のうち、8つをDSが占めてます。おそろしい認知度と注目度ですね。

Wired News:ニンテンドーDS対戦サービス、利用者100万人突破
XBOX Live!が100万人突破するのは1年8ヶ月かかりましたが、DSは4ヶ月弱で突破。有料のXBOX Liveと無料のWiFi Connectionを単純比較はできませんが、最近のネット界隈の考え方は「ユーザー数はパワー」ですし、無料のサービスを体験した人が増えれば、有料のXBOX Live!もいつまでも古い体質のままではいられないでしょうね。

探偵ファイル:あなたも新型PSを体験しよう
PS関連というか・・・・。

Posted by amanoudume at 23:21 個別リンク | Comments (2) | TrackBack(3)
ホーム/2006-03-09
Excerpt: まーるさんかく、しかーくー、まーるさんかく、しかーくー みっつのほしがー、あ〜ったとさー、うーちゅうのはてのー まーだむこー、まーだむこー、まーだむこーぉ...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2006年03月09日 08:25
ゲームはエンターテインメント
Excerpt: う〜ん、発熱地帯さんでも取り上げられていますが、 確かに夕刊フジBLOGの内容は何が言いたいのか 最後までよく分からないですね。 こういうメディ...
Weblog: 異色プログラマー日誌
Tracked: 2006年03月09日 22:11
DSvsPS3?
Excerpt: PS3はDSに勝てるのか!?(発熱地帯) ゲームはエンターテインメント(異色プロ...
Weblog: FLATLINE
Tracked: 2006年03月10日 17:21

2006年03月04日

「ゲームらしいゲーム」のレッドオーシャン化鮮明に

低迷するPS2続編ソフトたち

昨年末からソフト売上でDSソフトが目立ち始め、「ゲームらしくないゲーム」の盛り上がりが鮮明になっています。その一方、「ゲームらしいゲーム」の売上が明らかに低迷しています。先週発売の『戦国無双2』の初週販売数は前作の約半分でした。『新鬼武者』も前作の『鬼武者3』と比べて、初週販売数が半減していました。PS2続編ソフトの売上低下がますます顕著になっています。

シリーズが続編を重ねれば、徐々に飽きられてきてユーザーが減っていくのは仕方ないことかもしれません。けれどもここにきて、急激に大きく落ちこんでいます。9掛け、9掛けで落ちていたのが突然5掛けで落ちている感じです。

そんな中、『モンスターハンター2(ドス)』が前作、前々作をはるかに上回る好調なスタートを切りました。PSP版が売れたことが成功につながりました。ゲーム内容からいって、単純にテレビ画面で遊んでみたいという気持ちはよくわかりますし、連動要素もあります。


ユーザーの奪い合いが鮮明に?

さて、2月のソフト市場を見ていると、『鬼武者』と『無双』が共に売上を大きく落とし、『モンハン』が大幅に売上を伸ばしています。やや大雑把な分析ですが、『鬼武者』と『無双』に飽きたユーザーが『モンハン』に流れ込んでいるように思えます。なんつーか、カプコンとコーエーの間でユーザーの奪い合いをしている構図がわかりやすいですよね。コーエーは『戦国無双』で『鬼武者3』からお客をうばい、今度はカプコンが『モンハン』で『戦国無双2』のお客をうばい、ついでに『新鬼武者』のお客もうばってしまった、と。

  2004年2月頃: 『鬼武者3』 → 『戦国無双』
  2006年2月頃: 『戦国無双2』『新鬼武者』 → 『モンスターハンター2(ドス)』

ゲーム離れが進んでいるといっても、「ゲームぐらいしか趣味が無い」「時間があったらまずはゲーム」という人だって、まだまだいます。数百万人はいないかもしれませんが、たぶん数十万人はいます。そういうユーザーは年齢が上がっていくにつれて減少していますから、確実にジリ貧化は目に見えています。けれどもある日突然半分になるわけではありません。少しずつ減ってきたのが、ようやく無視できないレベルに達しただけなんですよね。

で、減少しつつあるゲーマー層を奪い合う競争がますます激化しているんですが、市場のキャパシティは昔ほどないので、タイトルごとの勝ち負けが非常にハッキリ出るようになってきました。ゲーマー人口はいきなり半減しませんが、あるタイトルの売上は突然半減することがあるんです。まさにレッドオーシャン。しかも各社が決算前にソフトを集中させるものだから、不必要に競争が激しくなっています。決算が不安な企業は、タイトルを乱発するから、他社どころか自社タイトル同士でのユーザーの奪い合いも苛烈を極めます。

まこなこ 「必死なコーエー」
特にコーエーはPS3に注力しているイメージがあるだけに、PS3が発売延期すれば、それだけ影響を受けるでしょうし、ご自慢のオンラインゲーム事業もそれほどうまくいっているようには見えません。『無双』で稼いでいるうちに、次のビジネスを掘り起こせるかどうか。タイムリミットは近いです。

Posted by amanoudume at 12:01 個別リンク | Comments (2) | TrackBack(1)
ゲームらしいゲーム
Excerpt: 「ゲームらしいゲーム」のレッドオーシャン化鮮明に:発熱地帯 DAKINIさんが言わんとしている事はわかるのですが、 「ゲームらしいゲーム」「ゲームらしくな...
Weblog: ボボ日
Tracked: 2006年03月08日 18:40

2006年02月22日

北米で続くゲーム市場の縮小

北米で続くゲーム市場の縮小

Gamasutra - U.S. Game Sales Down In January, Xbox 360 Sales Slow
北米のゲームソフト市場が前年比で5%縮小したようです。ここ数年拡大し続けてきた北米市場は去年の秋から前年度割れが起きていて、数年前の日本と同じようにゲーム市場の縮小現象が起こるのではないか?という懸念が強まっています。もっとも、基本的に北米のアナリストは非常に強気ですけども。

しかしソフトメーカーはそこまで楽観していないような印象を受けます。例えば、北米ゲーム産業の成長の象徴ともいえるEAにしても、従業員の5パーセントを解雇しました。次世代ゲーム機の立ち上がりも意外と遅い。XBOX360は1月に25万台と堅調なものの、去年からの累計が85万台と少なく、供給能力の低さが改善されたとは言いがたい状況です。

また、去年のE3では2006年3月と言っていたはずのPS3が今の所3月に出る気配を見せません。いつのまにか「春」と言い出しているのが面白いわけですけど、その春にしてもコーエーの松原氏から「春と言われてますが、凄い暑い春になるかもしれませんね(笑)」というコメントが出てきている状況。ちなみにEAの予想は10月以降のようです。

1つ明快なのは、次世代据置ゲーム市場の立ち上がりが当初の予想より遅れていること。先行投資した企業にとって、これは危険な兆候です。ハードの普及台数が少ない時期には、やはり売れるソフトの本数も限界があります。


安易な「北米ゲーム開発優位論」はフェードアウト

また、2005年の国内の市場の変化や、北米ゲーム市場の縮小を受けて、「日本先行論」が勢いを持ち始め、「北米ゲーム開発優位論」が急速に支持を失いつつあります。実際、日本のソフトメーカー各社は北米市場に切り込んだはいいものの、かなり痛い目を見ていますし、一方で国内を軽視しすぎてDSの大ブレイクに代表されるような国内市場の活性化の波に乗り遅れた企業も出ています。

最近調子がいいのは任天堂以外ではセガですが、その復活には『ムシキング』『おしゃれ魔女ラブ and ベリー』が大きな貢献をしています。「国内の市場はもう駄目だ。日本は捨てて北米へゴーだ!」「これからは北米、北米、北米。日本のゲーム開発者より北米のゲーム開発者!」という主張がいかに安易なものだったかが、具体的な数字に現れてきたわけです。今年からは少しバランスの取れた議論が行われるでしょうね。(参考:ゲームのマボロシ「日本先行論」

ここ数年、北米市場の成長と国内市場の縮小が続いたため、日本のゲーム開発者は良くも悪くも自信を失ってきました。そういう不安につけ込むかのように「北米ゲーム開発優位論」が悪い形で流布し、焦ったゲーム開発者が安易な北米受けを狙って、日米両方の市場で失敗するというケースも出てきました。日米のゲーム開発者はそれぞれお互いに学べる点があるはずです。一方、人々の不安につけ込んだ議論は常にチープです。チープな議論は復活にはほとんど役に立ちませんし、いざ市場が盛り上がってくれば、みんなの頭から忘れ去られてしまいます。


クリエイティブという面では尊敬できない部分が目立ち始めた

クリエイティブの面でも、北米のゲーム開発者による日本ゲームのパクリが問題化しつつあります。
有名なのは『直感ヒトフデ』で知られるミッチェルの『パズループ』がPupcap Gamesにパクられて、『Zuma』というタイトルで売られたばかりか、ゲーム・オブ・ザ・イヤーまで受賞した事件です。
    ・ウナム日月の乱筆乱文お許しください:Real Arcadeによる盗作問題で揺れた「瞬感パズループ」がDSで任天堂から発売。
    ・IGDA Japan chapter - ニュース:「Puzzloop versus Zuma」進展を見せないものの認知が進む Pupcapアイデア盗用問題

またゲーム界のアカデミー賞といえる「9th Annual Interactive Achievement Awards」が発表されましたが、『ギターフリークス』によく似た『Guiter Hero』が『nintendogs』と並んで、ゲームデザイン部門賞を受賞しています。
    ・ゲーム界のアカデミー賞「9th Annual Interactive Achievement Awards」が決定

ギターフリークスと同じと思われるかもしれないが、本作では5弦になっていたり、トレモロアームを使ったフィーチャーが搭載されているのが特徴だ。アメリカゲームメーカーによる日本産ゲームのアイディア盗用が問題になっている昨今だが、ただコンセプトを持ってきただけのゲームであれば、本作がここまで高評価を得られることは決してなかっただろう。
記者の方はできる限り冷静かつ公平に書こうと努力しておられますが、画面写真の下についたコメント「5弦あればゲーム性も異なっているということか……」に本音がチラリとうかがえます。

まぁゲーム業界というのは、良くも悪くも「売れれば正義」というところがあって、それがゲームを世界的な産業にしたのも確か。売れている北米ゲーム産業が正義、という行き過ぎた論調も、ある時期までは正しかったのかもしれません。しかし今や、繁栄は倣岸を通り越し、クリエイティブは安易なパクリになりました。もちろん、北米のゲーム開発者の大半は、クリエイティブな方々ですし、健全な議論のできる冷静さをもっていると思います。
今後は「日本先行論」と「北米ゲーム開発優位論」が不毛な論争をせずに、むしろお互いに冷静さを維持するための装置として機能することを期待します。

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2006年02月15日

任天堂、ゲームセミナーの作品を全国に配信

任天堂、「ニンテンドーDS カンファレンス! 2006.春」開催
任天堂が春商戦に向けての発表会を開催。DS Liteの実機を披露したほか、Operaと共同開発しているWEBブラウザ「ニンテンドーDSブラウザー」と「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮)」など、新しい商品ラインナップを発表しました。PSPのように本体に標準でつくわけではないものの、タッチペンと2画面でのWebブラウザは、なかなか面白い試みでしょうね。2画面とタッチパネルは他のデバイスに対してDSのもつ圧倒的な優位性ですから、それを活かしたWebブラウザを期待したいものです。

カンファレンスでの岩田社長の講演スライドと講演テキストは任天堂の公式サイトに掲載されています。その中でもなかなか興味深いのは、任天堂が3年前から実施している「任天堂ゲームセミナー」の作品を全国のニンテンドーWi-Fiステーションで配信することです。

PCなどのゲームコンテストであれば、サイト上に作品をアップしておけば、ユーザーに自由に落としてもらったり、意見を聞くことができましたが、ゲーム機では基本的にはそういう経路がありませんでした。できたとしても、特殊な開発キットをもったユーザーでしか実行できず、ゲーム機の最大のメリットである、ゲームユーザーが多い点を活かせませんでした。

ニンテンドーWi-Fiステーションは現在、全国に800箇所設置していて、自宅にネット環境の無いユーザーでもネット対戦が遊べるスポットになっています。また、ネット経由で試遊ソフトをアップデートできるため、体験版の差し替えが頻繁にできるようになったり、試遊回数の集計が可能になったようです。1月だけで114万回の試遊が行われている他、『おいでよ どうぶつの森』のデータ配信を実施したところ、2月2日〜2月13日間だけで47万件のダウンロードがあったそうです。

もはや1つの巨大な配信網といって差し支えないでしょうね。そこを使って、まだプロになっていない人の作品が配信されるのは、非常に面白い試みですし、非プロフェッショナルのゲーム制作者に新しい可能性の1つを提示したといえそうです。

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ニンテンドーDSにウェブブラウザとワンセグ受信カードが登場
Excerpt: DSの好調、DSLiteの発表で盛り上がる任天堂から、新たな発表あった。 ニンテンドーDSに新たな機能をを追加するパッケージが発売される。 2月1...
Weblog: トラックバックの犬
Tracked: 2006年02月16日 00:04

2006年02月03日

10年前の状況と似てきましたね

最近気になること

振り返ってみると、去年末あたりから『脳トレ』のゲームデザインについての言及が増えています。
ネット上でゲームデザインがきちんと評価されてないなあ・・・と嘆いたり、ポップ・コラムでついに『脳トレ』が紹介されたのを喜んだり、『えいご漬け』と『脳トレ』の違いの議論がコメント欄で盛り上がったり、欧米のゲーム業界で注目を集めていることに触れたり。

どうしてかというと、漠然とした危機感のようなものを感じていたからです。
それは何かというと・・・・、『脳トレ』が大ヒットして、みんなそれにならって、脳を鍛えるゲームや学習ゲーム、実用性の高いゲームを作り始めているけど、ちゃんとゲームデザインを分析できてるのかなあ、意外とできてないんじゃないか?ということ。世の中に出てきつつある、色々な会社の後追い商品を見て、そう感じたんです。ネット上で言及されていたのが、価格/ネーミング/宣伝手法といったマーケティング要素ばかりなのも気になってました。

『脳トレ』は実用性がクローズアップされがちですが、じつは実用ソフトの皮をかぶったゲームで、ゲームデザインが非常に良くできているわけです。それは「常識」とは言いませんが、「共通認識」ぐらいのものにはなっている、と勝手に思っていたんですよ。そんなこと、わざわざ書くまでもないし、当たり前だし、だからわざわざ誰も書かないんだって。ところが、ちょっと不安になってしまいました・・・・。

もちろん、わかってる人はちゃんとわかってるんですよ。話しても通じますし。ネットでも、例えば、毎日愛読させていただいているラヴフールのtakanabeさん。
ラヴフール 2006-02-02

脳トレが、実用ソフトの振りをした完璧なゲームの作法であるのに対し、えいご漬けはゲーム要素よりもドリル的な落としどころ。要するにあんまりゲームっぽくなく、DSでやる実用ソフトと言う感じだ。
(略)
脳トレが売れたことで、いろんな会社が似たようなゲームを出してくるけど、やっぱり気になるのは、実用性云々ではなく、脳トレがいかにゲームとしてちゃんとできていたかっていうのが、ライトユーザーの体感レベルの意見が聞きたい。
たぶん、大多数のゲーム開発者はわかってると思うんです。ただ、プロの世界で100%じゃないというのは、ちょっと論外なんですけど。まぁブームだからなあ・・・・。どこの会社もおそらく、ブームがさめるまでに、考える間もなく、早く作れ、早く出せって感じなんでしょうね。


10年前のライトユーザーブーム

去年の11月に「10年ぶりにライトユーザー市場が活性化してきた」「2005年は第2次ライトユーザーブーム元年だった」と書きました。クリスマス週前後のDSの空前の売上や、年が明けてからの品薄騒動を見ても、ひさしぶりにライトユーザーが戻ってきた、と断言していいでしょう。

10年前のライトユーザーバブルを起こしたのはSCEでした。『パラッパ』がミリオンを突破して、大変な勢いがありました。タイトルごとのクオリティの差は当時から激しかったものの、現在のSCEと比べれば、はるかに勢いがあり、売上が大きく、人気もブランドもありました。

当時、ボクはまだ今の会社にいなくて、アニメの人と一緒にゲームを作っていたり、アニメやゲームのシナリオを書いていたんですが、その時のおかしな空気はよくおぼえています。CD-ROMが本格的に普及したことや、ゲーム業界以外のクリエイターが作ったゲームが大ヒットした影響で、外の世界のクリエイター(映像クリエイター、アニメータ、小説家、・・・)が持てはやされていました。ゲーム会社も、ゲーム業界以外のクリエイターを公募したり、ファンドを設立しました。

「ゲーム業界の人間の感性ではダメ。ゲーム業界の外の感性がないと、ライトユーザーは捕まえられないんです」「ゲームなんて知らなくていいんです。知ってると新しい物を作れない。思いつくままに企画してください」なんて、いい年こいた大人たちが真顔で言っていたわけです。腐臭のただよう企画書でも、映像系のクリエイターの名前がつけば、大手ソフトメーカーのプロデューサーがやってきて、話を進めたり。今振り返ると、みんな脳みそゆだってましたね。


「ゲーム」にこだわる必要はないが、「面白さ」にはこだわった方がいい

状況はよく似ているわけです。「ゲーム業界の外の感性」が「ゲーム業界の外の実用性」になり、「ゲーム以外のクリエイター」が「ナントカ教授」になっただけで。ゲーム業界の外から色々な人がやってきて、ゲーム業界の外の「感性」や「実用性」をもたらしてくれて、ビジネスチャンスが広がるのはいいことです。多様なソフト制作者に多様なチャンスがある、それがより良いプラットフォームです。

しかしボクらの仕事というのは娯楽を作ることにあるわけです。狭い意味での「ゲーム作り」にこだわる必要はありませんが、「面白さ」にはこだわった方がいい。でなければ、結局ボクらは長持ちしません。実用品を作るなら、それを専業でやっている人たちには到底かないません。「面白さ」を商売にしているから、ボクらは食べていけるんです。ライトユーザーを引きつけるため、ゲーム業界の外の「感性」や「実用性」を取り込むのは基本的に良いことです。しかしそこに「面白さ」を足し合わせるのがボクらの仕事なんで。本業がおろそかになるのは怖いです。

10年前のバブルは、2〜3年で弾けてしまいました。バブルというとネガティブな表現ですが、勢いがあったからこそ出てきた物もあります。次の段階に進むためには、通らなければならないステージでしょう。しかし結果的に失った物もあります。例えば、ライトユーザーバブルの震源地だったSCEは、バブルが終わったら、すっかりダメになりました。ブランドも地に落ちました。それはなぜかと言うと、ボクは「ゲーム業界の外の感性」を「面白い」より優先したからだと思います。


うまく波を乗りこなしましょう

『脳トレ』は「ゲーム業界の外の実用性」と「面白さ」のバランスが非常に優れていました。けれども「実用性」に重きを置いたソフトが次々と世に出てくる中、おそらく「ゲーム業界の外の実用性」にかたよったソフトが市場にあふれかえると思います。DSに限らず、PSPでもゼンリンが地図ソフトを出すなど、実用系ソフトのブームは急速に広がっています。

これだけ勢いがあれば、ソフトは売れていきます。実用ソフト全体も売上が底上げされているでしょう。例えば、『えいご漬け』も発売週だけで、PC版の売上20万本を越える26万本を突破しました(電撃売上集計)。それだけの勢いがあります。ただ、10年前のライトユーザーバブルの時も、「ゲーム業界の外の感性」にかたよったソフトが勢いで売れていたわけです。

勢いがあるのは悪いことではないし、ソフトが売れるのは良いことです。正しいことです。後づけで色々な理論も出てきます。正しいことを正しく理論づけするのは、じつに簡単です。しかし正しいからこそ、ブレーキを踏めなくなってしまうんですね。最初は踏めるんです。しかし1年後、2年後にはどうか? 社内ブログでも、ほぼ同じ内容の記事を書いてるんですが、じつは波に乗った後のほうが生き残るのは難しいんですよね。うまく波を乗りこなしましょう。

Posted by amanoudume at 23:29 個別リンク | Comments (10) | TrackBack(2)
10年前と似た状況なのだそうだ
Excerpt: 以前http://d.hatena.ne.jp/Schuzak/20050916で書いたように、最近のゲームは時としてハイエンドよりもポータブル機のゲーム...
Weblog: Schuzak’s Blog
Tracked: 2006年02月03日 06:14
海苔の日 抹茶の日
Excerpt: 【その他】ガチャピンとムック禁断の関係 公式のフジテレビグッズって… ガチャピンとムック禁断の関係-続報 続報は、*2006年3月18日追加* ...
Weblog: 風の道 - 日記保管庫
Tracked: 2006年03月18日 08:25

2006年02月01日

欧米のゲーム業界でも話題になっている『脳トレ』

日本で大成功をおさめた『脳を鍛えるDSトレーニング』と『やわらかあたま塾』が北米でも展開されるようです。『脳トレ』は4月17日、『あたま塾』は5月30日。また、北米版の『脳トレ』には数独が入っているみたいです。
数独は新聞への掲載などをきっかけに、欧米で人気が盛り上がったパズル。欧米向けのアレンジとしては適切でしょうね。

一般ユーザーへの認知はこれからですが、欧米のゲーム業界では去年から話題になっています。健康のためのゲームというテーマに注目が集まりつつあり、その中で認知学習を促進するソフトとして『脳トレ』がよく話題になっているそうです。実際、ゲーム開発系ブログのLost Gardenでも、まったく新しいジャンルを切り拓いたソフトとして紹介しています。

Posted by amanoudume at 00:17 個別リンク | Comments (6) | TrackBack(0)

2006年01月28日

構想は素晴らしいものの、不安をぬぐえない技術プラットフォーム論

オンラインゲームでは技術プラットフォームが重要だが・・・・

ガンホー取締役開発本部長 堀誠一氏インタビュー
ガンホーの取締役開発本部長、堀誠一氏がプラットフォーム戦略について語っています。
この間、ガンホーとスクウェアエニックスを比較しましたが、こういう話をできる人がいるのがガンホーの優位点でしょうね。オンラインゲームでは、ハードの枠を越えたプラットフォームの重要性が増しています。
と言っても、やはり不安点はあるわけです。スクウェアエニックスに比べると、ガンホーはコンテンツ制作の能力やクオリティ管理の点で大きく見劣りがしますから、本当に良いプラットフォームになるかどうかは微妙です。

難しいんですよね。コンテンツ制作(アプリ)と技術プラットフォームのバランスは。
どれだけ優れた技術がベースにあって、きれいに汎用的に作られていても、いいコンテンツが揃わないとユーザーが増えないし、少なければ評価されません。
古参の読者ならご存知のとおり、ボクはミドルウェアの設計/実装をやっていて、それから企画系に転じた人間ですから、両方の立場と論理がわかるんですけど、そういう人って少ないですからね。

技術倒れのXBOX Live!

例えば、ゲーム機においても、マイクロソフトがXBOX Live!というプラットフォームを推進しています。しかしベースの技術は金がかかっているのに使い方がダメすぎで、とても残念なことになっています。XBOX360について、日本の360ユーザーやゲーム開発者はほとんど全員、口をそろえて「もっとXBOX Live!を生かすべき」「もっとXBOX Live!を売りにしたらいいのに」と言います。逆に言うと、現状が全然ダメということです。

広報戦略とアプリと技術プラットフォームの3者の意思疎通が取れていないように見えます。全員がバラバラに動いている感じです。
例をあげると、XBOX Live!のゴールドとシルバーの区別がわかりにくい。マッチングはゴールドのみと言いながら、シルバーでもマッチングできるタイトルがありますし、このタイトルがシルバーでもマッチングできるのかどうかという情報が公式サイトに載ってなかったりします。サポセンに電話してみても、お姉ちゃんもよくわかってない。「なんでお金を取ってるのかわからない。もう全員無料でゴールド会員でいいじゃないか」という意見はよく聞きます。

マッチングで金を取るというのも古いですよね。マッチングでも金を取って、アイテム販売でも金を取って。なんだかものすごくお金がかかる印象を受けるわけです。結局、マイクロソフトが無駄に金をかけすぎなんですよ。だから回収しようと思うと、課金、課金、課金……となってしまいます。
XBOX Live!に接続しようとすると、7桁の郵便番号を入れさせられたり。課金するならともかく、シルバー会員なのに、そこまで個人情報が必要なのか? よくわかんないですよね。不必要に個人情報を求められると、不安になります。あちこちに「うさん臭い」感じが漂っているわけです。

クラシックゲームをダウンロードして遊べるXBOX Live Arcadeは快適で素晴らしく、無料の体験版を遊んでいるだけでも、けっこう楽しめます。発売前にディスクゲームの体験版を落とせるのも、良い試みです。ただ、日本人になじみのあるタイトルがほとんど無く、広報もこういう利点をアピールできていません。


便利さの落とし穴にハマったXBOX Live!

ボイスチャットのようなXBOX Live!の機能がOSの中に入っていて、常に動いていて、ゲームアプリからはそれを呼び出せばいいだけ、というのは素晴らしいのですが、一方であんまり考えられてない。『リッジ6』ではマッチングを取っている間は、ボイスチャットで誰がしゃべったか表示されますが、レース中はさっぱりわかりません。要するに対応しただけなんですね。

これ、典型的な落とし穴なんですよね。
技術プラットフォームが便利になって、「苦労せずに使える」「何も考えずに使える」ようになると、何も考えてないような使い方やインターフェイスになってしまいます。実装コストがかかる場合は、アプリの側もコストに見合うだけのことをしようと、”自然と考える”から、こういうことは起きにくいんです。ボイスチャットを1から全部実装して、サーバーも準備しなければならない・・・・となったら、相当なコストですから、ゲーム開発者も色々と知恵をしぼって、うまく使おうとするでしょう。しかし簡単に使えるから、「ただ対応しただけ」のソフトばかりになるんです。

だからXBOX360のXBOX Live!は、発売同時の数本のタイトルがオンライン対応しているにも関わらず、全然話題になっていません。昨年末、たった2タイトルのWiFi Connectionのほうがはるかに大きな成功をおさめました。XBOX Live!というプラットフォームの技術は素晴らしいし、サードパーティにオンライン対応してもらうという方針も間違っていません。しかしその先が全然ダメ。連携も全然取れていません。

忘年会の時も話に出たんですけど、XBOX360は全体を通して見ている人が不在に思えます。
クオリティ管理がまるでできていません。 XBOX 関連ではJ・アラード氏が比較的まともに思えますが、技術だけの人なんで。開発プラットフォームは素晴らしい物になっているようですが、それだけです。内部事情は知りませんが、マイクロソフト・ゲームスタジオのエド・フリース氏がいなくなった影響はやっぱり大きかったのかな?


「理屈」と「コンテンツ」の話は難しい

・・・・と話が大きくそれて、ガンホーの話ではなくて、XBOX360もったいなさすぎ話になってしまいましたが、同じような不安感があります。もっとも堀氏は『グランディアオンライン』のプロデューサーもやっていて、コンテンツも見ているようですから、マイクロソフトほど情けないことにはならないとは思います。逆に言うと『グランディアオンライン』で、そこら辺の能力や体制が見えますね。大いに注目しています。

「理屈」と「コンテンツ」の話は難しい。
スクウェアエニックスの「ポリモーフィックコンテンツ」なんかも、理屈でしょう。
制作者は理屈で物を作れないということを実感として知ってるんですけど、そうじゃない人は知らないし、(理屈で作れないことが)許せないと思ってるわけですよ。後づけの理由のヒットじゃなくて、前づけの理由のヒットがほしい。

それって投資の論理ですよ。お金を潤滑に回していくためには、そういう「理屈」が必要なのはわかります。でも嘘なわけです。いや、ボクは嘘がダメだと言っているわけじゃない。嘘も方便ですから、それでお金を取ってきて、現場に制作費が下りてくるなら、好きに嘘をついてくれていい。しかし自分で信じちゃダメですよね。それでは宗教です。

Posted by amanoudume at 22:59 個別リンク | TrackBack(0)

2006年01月23日

『ダージュ・オブ・ケルベロス』への期待、急上昇

『ダージュ・オブ・ケルベロス』が予約好調らしい

もうすぐ発売される『ダージュ・オブ・ケルベロス Final Fantasy察戞DCFF7)の前人気が上がっているみたいですね。徐々に話題になっているのを感じます。アマゾンでも予約が伸びていて、現在1位にランクインしています。

『アドベントチルドレン』の人気っぷりからもわかりますが、『FF7』はFFシリーズで一番人気がありますからね。売上だけなら『FF8』がトップなんですが、出来がアレすぎて『9』からは売上が落ちてますし、『8』がよかったのもそれだけ『7』を遊んだ人の満足度が高かったからでしょう。

http://video.google.com/videoplay?docid=-7985073303233220183
Google Videoに『ダージュ・オブ・ケルベロス』のプロモーションムービーが上がっているようです。確かにこれは『FF7』ファンなら欲しくなる、ツボをつく良いムービーですな。PCだけでなく、iPodでも再生できる形式でダウンロード可能です。

オンライン対応しているのですが、PSBB Unitが必要で、薄型PS2の内臓ネットワークアダプタでは遊べません。商売を考えると微妙な仕様という気がしますが、過去の経緯を考えれば仕方ないんでしょうね。PS2のオンラインゲーム戦略についてのソニーの裏切りがなければ、日本のオンラインゲームの歴史は変わっていたと思います。

『FF11』以外、ろくなソフトが無かったプレイオンラインもここにきて、ソフトが拡充してきました。
    ●『ダージュ・オブ・ケルベロス』(マルチプレイヤーモード) 1月26日発売
    ●『フロントミッションオンライン』 昨年12月から正式サービス開始
    ●『ファンタジーアース』 現在βテスト中

ただ、客層がえらく偏ってるのは否めません。
元々PSBB Unitなんてマニアックなセットをベースにしていたこと、月額会費を基本としていること、旧スクウェアの客層がマニア層を中心としていたことが要因です。


スクウェアエニックスとガンホー

立ち位置としてはガンホーに近いと思いますし、おそらく最大の競争相手になるでしょうね。対応プラットフォームを増やしていくという方向性はどちらも似ています。ブランドパワーではスクウェアエニックスがずっと上ですが、オンライン戦略ではガンホーが1年以上先行しています。両社とも、目下の課題は、参加ユーザー総数を増やすこと。ジーモードを吸収して、カジュアルゲームを開発するラインを手に入れたガンホーが現時点では有利かな。「ガンホーモード」を始めとして、具体的にサービスの構成をビジョンニングできているという点で、ガンホーのほうが優れています。
参考:ガンホー代表取締役社長森下一喜氏インタビュー

プレイオンラインやCG映像制作など、今のスクウェアエニックスのソフト戦略を提示したのは坂口博信氏です。経営者としては大きな問題があったとはいえ、先見の明はありましたし、具体的に開発戦略を打ち出せる人物だったのも確かです。スクウェアエニックスはその空いた穴を埋められていない感じがあります。

例えば、現在のスクウェアエニックスの「ワンコンテンツ・マルチユース」という考え方は正しいものの、「ポリモーフィック・コンテンツ」構想はやはりというか・・・・第1弾の『コードエイジコマンダーズ』は爆死しました。あまりに予想通りすぎて、誰も話題にしないほどです。クリエイターなら誰が見てもダメなプロジェクトですよね。当たった原作を元にメディアミックスするのと比べて、どんなメリットがあるのかわかりにくい。同時に展開すればするほど、リスクは増大するわけです。同時展開というのも、うーん、短期決戦&焼き畑的な思想でしょう。

この手の話で成功したのって、バンダイの『.hack』ぐらいですよね。普通のメディアミックスはゲームを買わせて、アニメを買わせるわけですが、あれはパッケージの中にゲームとDVDを両方入れて、そのかわり物語を分割するというパッケージのアイデアがよかった。

Posted by amanoudume at 19:12 個別リンク | TrackBack(0)

2006年01月17日

ストーリー神話の崩壊を裏づける? アドベントチルドレンの大成功

アドベントチルドレンの成功が示す未来

FFシリーズで最も人気の高いFF7のその後を描いた映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』の出荷本数が100万本を突破したそうです。昔から「FFにはムービーだけ観られるモードがほしい」などといわれていましたが、まさしく「ムービーだけのFF」がこれだけ多大な販売を記録したことは興味深いです。

女性ユーザーを大量に取り込んでいる『キングダムハーツ2』を除いて、2005年はRPGの続編の売上が低下した象徴的な年でした。2005年の上半期にもっとも売れたRPGは『ロマンシングサガ』のリメイク作品でした。『アドベントチルドレン』の成功と、RPGのジャンルとしての衰退を合わせて考えると、「ストーリーを知るためだけに数十時間もゲームにつき合うのはイヤだ」というユーザーがかなり増えていると言っていいでしょう。またストーリーを追求しようとすればゲームが邪魔になり、ゲームを追及しようとすればストーリーが邪魔になる、という昔からの問題もあります(参考:ストーリー神話の崩壊とゲーム業界の「ストーリー病」

『アドベントチルドレン』と必ずしも同列に並べられないのですが、セガの『龍が如く』のプレストーリーを描いた実写版DVD『龍が如く 〜序章〜』が発表されました。次世代ゲーム機ではますます映像制作のコストが上がっていくため、制作したリソース(世界観、脚本、設定、CG素材など)をゲームだけでなく映像作品にも転用していくケースは今後増えていくと思います。

ゲームソフトと異なり、映像作品は色々なプラットフォームで動きます。例えばDVDはPS2、DVDプレイヤー、PCで動きます。次世代DVDのフォーマットが分裂したといっても、Blue-RayとHD-DVDの両対応することは、ゲームソフトのマルチプラットフォーム化に比べれば、格段に安い費用で可能です。また映像は放映権の販売など、マルチユースの融通がききやすいのも利点です。

連続もの低迷

こうしたユーザーの変化はゲームだけで起きているのではありません。週刊誌の部数低下や、連続ドラマの視聴率低下も見逃せない現象です。
ヤマカム 2006年01月05日(木)

マンガ雑誌と連ドラの不振について小学館の片寄聰執行役員は「次回に引いて引いて、という雑誌連載や連ドラの手法が、20代や30代になじまなくっている気がする。みんな、ガマンが嫌いになったのかな」。

FIFTH EDITION 「漫画、ドラマ、アニメが人気がなくなってきた件について」

ドラマは、全体でみると視聴率悪化に頭を悩ませていて
バラエティに押されつづけている。
バラエティの視聴率上位10傑が16〜20%の視聴率を取っているのに対し、
ドラマの視聴率10傑は8.6〜20%だった。

しかも、ドラマ界の顔といってよい
朝の連続TVドラマ小説は、このところ、視聴率の悪化が著しい。
1970年代は40パーセント以上、おしんに至っては50%という怪物的
視聴率をとっていたのに、ここ数年はよくて20%、ファイトに至っては
初回16%である。

つまり連続ものという形式がユーザーの感性や生活、視聴スタイルと合わなくなってきたわけです。単に忙しいということではないでしょうね。ユーザーにとって便利な環境がそろってきたのも大きいです。HDDビデオレコーダーの登場により、とりあえず撮りだめておいて、後でまとめて一気に観やすくなりました。Gyaoを始めとする動画配信サービスの急成長も、以前の放送分を好きな時に観られるからでしょう。もちろんiPod(iTMS)の影響もあるはずです。人間は一度便利なものを味わえば、元には戻れなくなります。ユーザーはより自由にコンテンツを楽しめる世界を味わえば、元には戻らないでしょう。

ゲームに限らず、コンテンツ産業では当分の間、ユーザーのスタイルと既存のビジネスモデルの溝を埋めることが最大の課題になるはずです。影響は販売だけに留まらず、制作の方向性にもかなりの影響を与えつつあると思います。

Posted by amanoudume at 20:54 個別リンク | TrackBack(1)
ホーム/2006-01-18
Excerpt: おはようございます。今朝は1時間ほど寝坊して、7時間も寝てしまいました。寝過ぎです; そして更新時間は短くなりまして…はい…えっと…少な目の更新となりまし...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2006年01月18日 08:09

2005年12月17日

ますます広がる日米の市場の温度差

新しい商品には緊張感がほしい

XBOX360の動向がなかなか面白い結果を示していますね。
北米ではたった数時間で数十万台のXBOX360が売り切れた一方、日本ではなかなか厳しいスタートを切り、一部の人々からは発売して数日で「惨敗」扱いされています。

日本で初週売上が低調だった最大の理由は『DOA4』が延期したせいでしょうが、仮に『DOA4』が間に合っていても、せいぜい初代XBOXと同程度の売上だったと思います。XBOX360を買った他の誰と話しても、「3月に延期して、日本の分を北米に回せばよかったのに」と言うのですが、マイクロソフトは日本戦略で大きな判断ミスをおかしました。

まぁファミ通のインタビューで、丸山氏は「3月までが長いローンチ」と語っていましたが、ソフト開発の状況がシビアで、本体の発売を3月に延期すべきだというのは日本側ではわかっていたのかもしれません。ただ、日欧米3地域同時に展開するという米国本社の方針には逆らえなかったんじゃないか、と思います。

発売を焦って失敗するというのは、去年のPSPもそうでした。ゲーム史上最大規模の初期不良騒動を引き起こし、その後のネット上のアンチソニーモードを決定付けたのは、わずか1年前のことです。ゲーム機メーカーの競争が激しくなるのはいいのですが、どうも最近はチキンレースの様相を呈していて、事故を起こしてユーザー、小売店、ソフトメーカーを派手に巻き込んでますね。

「驕り」「緩み」といえばそれまでですが、ゲーム機メーカーは「ゲームが黙っていても売れた時代」の感覚がまだまだ抜けていないのではないでしょうか。今の日本市場で新しいゲーム機を立ち上げるのに一体どれだけのエネルギーを必要とするのか。ちょっと甘く考えすぎでしょう。

任天堂にしても、ゲームボーイミクロは初週こそ好調だったものの、結局スーパーマリオ人気、ファミコン広報で売れただけで、その後はやや低い水準で推移しています。まぁ完全な新ハードであるPSP、XBOX360と同列に論じるわけにはいきませんが、「ファミコンIIコンバージョン」のフェイスプレートの件といい、DSの成功に油断した「驕り」「緩み」がゼロだったとは言いがたいでしょう。
    ●すーきー’s キングダム: ミクロユーザーをマジで舐めすぎ!! (*゚Д゚*)ゴルァ!!
    ●わぱのつれづれ日記: ゲームボーイミクロ用オリジナルフェイスプレート 「ファミコンIIコンバージョン」引き換え開始のご案内

話はゲーム機メーカーに限りません。ソフトメーカーにおいても同じ。年末の風物詩となりつつあるバグ騒ぎ。これも「驕り」「緩み」の表れでしょう。個人的な考えを述べれば、ハードでも、ソフトでも、新しい商品には「緊張感」がほしい。どれだけ全力を込めて作った自信があっても、本当に世の中に受け入れてもらえるかどうか、不安半分、期待半分で、発売前日の夜を眠れずに過ごす。新しい商品を世に出すというのは、そういうことでしょう。「売れて当然」という高ぶった気持ちが大半を占めるような商品は、決して新しいとは言えません。

ますます広がる日米の市場の温度差

しかし日本の悲惨な状況とは対照的に、北米ではXBOX360への熱狂は持続しています。実際、「日本で余ってるなら俺たちに売れよ」という声が。
    ●『日本ではXBox360 が売れ残っているらしい!』と報道する米国のメディア
    ●ABAの日誌: 余っているなら俺たちに売れよ360

日本での360ローンチの惨敗っぷりは海外にも伝わっているが
    Why not send fewer units to Japan so you can SEND THEM WHERE PEOPLE ARE WAITING IN LINE TO BUY THEM?
なら日本に送らないで俺たちに売れよ!っていう叫びが。本当にUSだと足りてないんだなあ。ここまで温度差があるのはすごい。

ネットが普及して、日本と海外の情報の伝播は早くなったものの、ムードや空気感というものは伝わらないんですよね。北米の熱狂は日本に伝わらないし、日本の低調なムードも北米には伝わりません。実際、初期不良騒動で大幅にイメージを落としたPSPにしても、北米では強烈なスタートダッシュでした。結局、ユーザーにしてみれば、海の向こうの話は所詮海の向こうの話でしかないんでしょうね。

そういう意味では、世界戦の状況はあまり変わっていません。ただ、日米の市場の違いがますます明確になったのは確かです。
うちのコメント欄にもいくつか投稿がありましたが、日本市場では「携帯機が伸び続けて、据置機は衰退する」という意見が日増しに強まっています。実際、DSは先週、実売30万台を超え、累計400万台を楽に突破し、年末年始で累計500万台もあり得るという勢いです。

また、名無しの芸能観察記「テレビでゲームする時代の終焉」で指摘されているとおり、1997年にはソフト市場全体の1割強にすぎなかった携帯ゲームが2004年には3割を超え、今年はさらに拡大して4割に近づきつつあります。

XBOX360の不調は、マイクロソフトのミスによるものが多いとはいえ、HDTVの普及がまだまだこれからなため、魅力が薄いという見解もあり、十分な説得力があります。また今時のゲーマーがゲーム機に出してもいいと考える価格は、それほど高くないでしょう。次世代据置ゲーム機は、現世代機ほどのスピードでは普及しないという見解が多いのも自然です。

一方、北米では11月の売上を見るとDSとPSPを足してもGBAに勝てない状況で、次世代携帯ゲーム機が盛り上がっているとは言えません。 XBOX360 の熱狂的な人気を見ても、「HDTV+次世代据置ゲーム機」への期待感は日本よりもはるかに高いといえます。 日本市場を重視しなくてすむ海外メーカーと違い、日本と海外を両方考慮しなければならない国内のソフトメーカーには非常に頭が痛い状況でしょう。しかしまぁ、日本が携帯ゲーム、北米が据置ゲームという構図は、ボクが以前から主張している「天下二分論」にも繋がります(シェア争いはこれからですが、市場動向という点では下地はできつつあります)。

それよりなにより、映画などのハイエンド・エンターテイメント(据置機)は最終的に米国が強く、日本はよりミニマムなエンターテイメント(携帯機)が強い、という構図がゲームの世界でも確立してしまう。これもまた文化的必然なのであろうか?という思いも少し。


補足: しかし少し慎重に見ていきましょう

とはいえ、現実の市場は少し慎重に見ていかなければならないものです。北米市場は9月以降、3ケ月連続で大幅な前年度割れを起こしています(9月は前年度比20%減、10月は24%減、11月は18%減)。11月についてはXBOX360の供給不足が主要因といえますが、PSPの失速などはアップルの iPodに食われたと分析できます。そしてポータブルを制したアップルは、来年はいよいよリビング向けの製品戦略を加速させると予想されています。
    ●デジモノに埋もれる日々: 「アップルの次の一手は何か?」だけで十分に話が弾む人たち
    ●デジモノに埋もれる日々: 遂に来るのか「ステレオラックiPod」 - MacWorld で何かがある?

北米の上流マーケットでは、来年末に「XBOX360 vs PS3 vs アップルのリビング向け新製品」の競争が起こる可能性があります。アップル次第では、北米の据置ゲーム機の未来にも変化が出てくるでしょう。

また、日本ではゲームに疲れたゲーマー層とライトユーザーを中心に「軽いゲーム」が好まれていて、DSソフト市場がにぎわっていますが、『nintendogs』『マリオカートDS』『おいでよどうぶつの森』と、据置機クラスの質と量を備えたソフトが要所要所で存在感を発揮している点は見逃せません。

新しいインターフェースを使ったミニゲーム集は最初の食いつきは良いものの、ユーザーが徐々に慣れてくれば、新鮮さは失われていきますし、2本目、3本目のソフトでは少し濃いものを遊びたくなるのは自然なことです。DSはミニゲームばっかりという見解は、まともに市場を見ていない人の早計な結論でしょう。
わずか1年の間に、市場の嗜好性にも変化が起きているわけです。プラットフォームごとの性格を分析するだけでは不十分で、ライフサイクルの中でユーザーの求める物の変化を考えなければ、マーケットを十分に理解することはできません。

Posted by amanoudume at 00:07 個別リンク | Comments (6) | TrackBack(0)

2005年11月23日

お金をかけずにゲームマニアでいられるようになった時代

マニアでさえゲームに飽きているのが現状

国内のゲーム市場の縮小が続いた結果、簡単にゲームから離れてしまう(と思われている)ライト層よりも、ヘビーゲーマー、マニア層を狙った方がいいのでは、というムードがゲーム業界に生まれていました。 2003年〜2004年、このブログの前身のBBSや、このブログのコメント欄でも、そのような意見がよく出ていました。
    「どうせゲームは続編や版権モノしか売れない」
    「日本のユーザーは保守的」
    「ゲームは所詮ブームだった。ゲームに付いてきてくれるマニア相手にしぼった方がいい」

ボクは当時からそういう論調には違和感をおぼえていました。その違和感は2004年秋にSCEが「スゴイゲーム」というプロモーションを打った時に、さらに大きくなりました。当時は「マニアでさえゲームに飽きているのが現状」という一文を書いたのですが、肌で感じたことではあっても、その現象をうまく説明できませんでした。
(常に”皮膚感覚”は理屈や理論に先行します)

しかしその後、国内のゲーム市場に大きな変化が現れました。
新規タイトルが売れるようになり、むしろ下手な続編よりもずっと売れていますし、商品寿命が短いのが当たり前だったゲーム市場で、驚異的なロングセラーを続けています。またゲーマーの間でも、濃厚なゲームから離れる動きが出てきました。

時間が無い、飽きてきた、ゲームでまで疲れたくない、買ったけど遊んでない積みゲーが増えすぎた・・・・。
話題が消費されるのが早くなり、一度買い逃したゲームは忘れてしまって結局買わない、という傾向が強くなりました。ゲーマー間で共通の話題が減ってきた、とも言われています。つまり「マニアだけはゲームを買ってくれる」という時代から、「マニアでさえゲームに飽きてきた、疲れた、買わない」という時代になってきました。

もちろんマニア層全員がそうなっているわけではなく、いまだに積極的にゲームを購入して、精力的にゲームをこなす人たちも存在しますが、その数は減っていて、市場における影響力が減退しているように見えます。
理由を挙げてみましょう。

    ●お金をかけずにゲームマニアでいられるようになった
    ●オンラインゲームの浸透
    ●ファミコン世代のゲーマー層の年齢が上昇し、時間や小遣いに余裕が無くなった
    ●ネットの浸透で話題の消費が早くなり、従来型のマニア向けマーティングが通用しなくなった
       (商品寿命が短命なので、発売直前に話題性を最大にしようという方法論)
    ●特に男性向けの市場において、嗜好の分散傾向が顕著になった
    ●さすがに続編に飽きてきた

お金をかけずにゲームマニアでいられるようになった

先日紹介した「下流社会」で語られていることですが、「中流」が消失し、「上流」と「下流」に分離しつつあります。そして従来の常識「オククやマニアはお金をたくさん使ってくれる」が崩れてしまったのではないでしょうか。

ARTIFACT 「オタク趣味は金をかけなくてもできるようになった」
90年代にオタク論が盛り上がった時には、オタクは声は大きいし、口うるさいけど、お金は使ってくれる人たちでした。それがオタクマーケティングの根幹を支えていた理屈でしたし、日本の一部のゲーム開発者が取り憑かれた妄念でした。

声は大きいし、口うるさいし、お金も使ってくれない人だけを一生懸命相手にしても仕方ないわけです。マニア層といっても、「お金を出す人」と「お金を出さない人」がいるということをハッキリ認識しておかないと痛い目を見ます。

タイトル数が少なくないこともあって、具体的な名前を挙げようとは思いませんが、妙に勘違いしたオククマーケティングに走ったゲームが出てきています。売れている間は「オタクに媚びない」みたいなことを公言していたのに、いざ売上が落ちてくると、大慌てで安易な萌え要素、エロ要素を入れて、それで時代の変化に追随したと思い込んでいる・・・・。いや、それ、もう終わってるから・・・・。すでに発売されて結果が出たものもあれば、春までに発売されてこれから結果が問われるものもあります。

(誤読する人はいないと思うのですが、ボクは別にマニア向けゲームを批判しているのではありません。ブームや市場動向を考えるなと書いているのでもありません。市場動向を気にするなら、”もっとちゃんと、もっと敏感に”気にしようよ、と書いているのです。)


与太話:2005年は第2次ライトユーザーブーム元年だった?

さあ、ここからは与太話です。
いきなり本題に入りますが、10年前のようにライトユーザーブームが再燃すると思いますか?
2005年の国内ゲーム市場における新規タイトルの成功はそれを感じさせるものがあります。DSのTouch Generationsの成功は誰の目にも明らかですが、「ゲームで勉強する」ことの認知度が高まり、PS2『漢字検定』なども動いているという話を耳にしました。また近年、シリアスゲームに注目が集まっているのも確かです。

なるほど、「ゲーム+実用性」という路線はうまくいっています。しかしそれだけにはとどまりません。
例えば、Touch Generations の第2期ソフトの1つ、『だれでもアソビ大全』がかなり好調です。発売2週で10万本を突破し、少なくとも年末年始の期間までは売れ続けそうな感じです。これは、実用とはちょっと違いますし、毎日トレーニングするタイプのゲームでもありませんし、価格は3800円と少し高めです。

この所、市場が「軽いゲーム」を求める傾向が強まっていることを考えても、単にDSの脳を鍛えるソフトがヒットしたという以上の、もっと広い動きなのではないか、と思えます。もちろん、現時点ではまだ十分な力強さはありません。さらなるヒット、さらなるさらなるヒットが続いて、説得力が生まれます。

思えば、10年前のライトユーザーブームは、SCEがPS1を引っさげてゲーム機ビジネスに参入し、大人のユーザーを市場に呼び戻そうとしたことがきっかけとなり、それに多くのソフトが続いて生まれたものです。2006年、ソフトメーカー各社がどういうソフト戦略を取ってくるか。またそれらのソフトがユーザーの支持を得るかどうか。それ次第でしょう。数年後に振り返った時、あるいは2005年は第2次ライトユーザーブーム元年として記憶されるのかもしれません。

そろそろ起き上がろうか

国内市場は、国内のソフトメーカーにとって強力な地盤です。長期的な戦略として、海外市場でのシェアを回復していくのは大切なんですが、やはりEAを始めとする欧米列強との競争は厳しく、1、2年でシェアを急伸するのは難しい状況です。
セガなどのソフトメーカーの中間決算を見ても、海外市場での苦戦がハッキリわかります。セガでいえば、国内の『ムシキング』のヒットが収益を支えています。スクウェアエニックスにしても、国内の『FF7 アドベントチルドレン』の売上が大きな貢献を果たしました。
輸出産業において、自国の市場が好調というのは世界的な競争で有利なんですね。

今年に入って国内の景気が上向いているのも、いい兆候です。株式市場では個人投資が活発で、バブルの再来とまで言われてます。もちろん「中流」→「上流/下流」の流れなど、バブル期とは状況がかなり違います。
しかし、ようやくいい風が吹きそうかな? という感じがします。10年に1度の風が近づいていると思います。Web2.0、ライトユーザーブーム、・・・・。チャンスは掴んでこそチャンスなので、掴まなければどうしようもありませんけどね。

なにしろここ数年、ゲーム業界はチャンスロスが多かった。
決算という会社の事情が優先され、年度末にタイトルが集中して、ボーナス商戦にタイトルを投入できなかったり、市場動向を見て始めたはずなのに、開発期間が長すぎてソフトが出る頃には完全に火が消えていたり。要は市場の変化に対して、フットワークが重いんですね。

やー、こんなこと書いといてなんですが、ボクはゲーム業界、特にゲーム機向けゲーム会社がとんでもないチャンスロスをしてしまうんじゃないか、という気がしてしょうがない。他の娯楽業界、サービス業界の人たちに、いいトコを持ってかれちゃうんじゃないか。今や、ゲームはゲームの世界だけで競争しているわけではありませんから。ゲーム会社には金が集まらなくても、ゲーム会社を買収する会社には金が集まる、というのが現状です。

まぁこういう事を書くと、必ずシニカルな批判が出てくるんですけどね。不景気→好景気、好景気→不景気の時って、なかなか信じてもらえない。おいおい、こんなにゲーム業界がヤバいのに、なに寝言いってんだよ!みたいな。

もう5年ぐらい前になりますが、ボクがネット上でゲームソフトの売上やマーケティングの話を書いていたら、「はぁ? バカか。ゲーム業界は最強。売れて当然」とか、「売上を気にするのはクリエイターじゃない」とか、「マーケティングとクリエイティブは相容れない」とか、怒る人たちがやってきました。聖域を汚すな、このクズがっ!みたいな感じで。

それから数年が経って、彼らは今どこへ行ったのでしょうか。ここ数年で、国内のゲーム会社がどう変わっていったか。それをよく知っているというのがボクの強みですかね。人に話しても誰にも信じてもらえない変化、そういう変化は一気にやってきて、本当にあっという間に変わっちゃうんです。

背中を丸めて「あー、ちっとも儲からないねー。開発費はかかるねえ。ゴホゴホ」なーんてやってれば、それで何かが解決しますか? 1度でいい、あなたの皮膚感覚を総動員して、もう1度市場の変化を感じてみたらどうでしょう? もちろんボクとは異なる見解になるかもしれません。しかしそうだとしても、あなたの思い込みを砕く、新しい発見は得られるかもしれません。

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2005年11月13日

「360」という歓声が全米を覆い尽くしている

XBOX360、予約

近所のゲームショップでXBOX360を予約してきました。
しかし最近全然ゲームやってないんで、たぶん1時間ぐらいしか触らないような気がしますが。箱から出さなかったらどうしよう(w

結局、「ローグギャラクシー」も買う予定からはずしたし、年末他に何を買おうかな・・・・。「ワンダ」はそのうち。
なんつーか、今年は「プロの作ったゲーム」と「インディーズゲーム」のプレイ時間の比率が逆転しそうな感じ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、別段、プロの作ったゲームの質が落ちてるんじゃないですよ。良く出来てると思います。思いますが、もうわざわざ時間を割いてまでチェックする必要性を感じなくなってきてます。「良く出来てるゲームの作り方はもうお互いわかってるんだしさー、そろそろ他のものを見せ合わないと」って感じ。

XBOX360に話を戻すと、日本では盛り上がってないですね。
まぁでも、「手に入らなかったら、かっこ悪いなー」と思って予約してきたわけですが。つーのも、何台出荷されるかよくわからないですし、FF11需要が意外とあるかもしれませんから。さすがに10万台ぐらいしか出荷されなかったら品切れになるでしょうし。

北米で高まるXBOX360への期待感

一方、北米ではXBOX360への期待感が高まっていますね。
年末商戦での売上でPS2を追い抜き、「Halo2」というキラータイトルを成功させたマイクロソフトは、その勢いをもって一気にXBOX360を立ち上げます。焦るソニーは、E3において経営者自らが「XBOX1.5」と連呼するなど、その怯えっぷりを全世界に知らしめました。
    ●ZAKZAK 「Xbox360」発売前にネット流出
    ●Punch Jump XBOX360は3ヶ月で300万台販売
    ●Punch Jump XBOX360の初回出荷台数は40万台

北米での次世代ゲーム機の競争、トップがマイクロソフトになるかソニーになるかは、人それぞれ意見は異なるでしょう。しかし(仮にソニーがトップを守るとしても)ソニーの北米でのシェア低下は避けられない、という見解がゲーム業界関係者の大多数を占めているはずです。現時点で、ソニーがPS3でもPS2の時と同等のシェアを維持する、と考えているゲーム業界関係者は、北米のことを何も知らないといっていいでしょう。

(XBOX360は量産開始がぎりぎりだったと言われていて、おそらく年内の出荷台数は初代XBOXを下回ると思います。初代XBOXより好調であるにも関わらず、出荷が間に合わずに実売台数では初代を下回る、という可能性が高いです)

「360」という歓声が全米を覆い尽くしている

XBOX360の影響はすでにゲーム市場にも現れています。北米のゲーム市場が9月に20%減、10月に24%減の前年割れを起こしました。その原因が「XBOX360発売前の買い控え」にあるという分析が出ています。
    ●次世代機待ちでビデオゲーム売上が減少
    ●Game Spot 10月のゲーム売上が24%低下

また、XBOX360の買い控えのため、PSPの販売が落ち込んでいる、という分析もあるようです。
北米においては、「日本の2月〜3月前半の状況」が長引き、PSPが累計販売台数でDSにかなり肉薄していました。月間販売台数でPSPがDSに勝っていました。しかし9月の月間販売台数では、どうやら再びDSがPSPに勝ったようです。ボクは以下のような分析をしていました。
    ・8月下旬に「nintendgos」が発売された
     (日本では「nintendogs」発売以降、DSが急伸し、勝負がついた)
    ・日本に比べて少し割高だったDSの価格が値下げされた
    ・PSPのメディアプレイヤー機能への需要が一段落しつつある

しかしXBOX360と(携帯ゲーム機にしては価格の高い)PSPの客層がかぶっているため、買い控えが起きている、という分析も、なるほど聞いてみればかなり納得がいきます。携帯機と据置機の違いがあるとはいえ、しょせん財布は1つです。

これは1つの重要な認識を与えてくれます。
それは、XBOXブランドはPSブランドを食うだけのパワーを持ちつつある、ということです。「PSP!PSP!PSP!」と連呼する声は徐々に小さくなり、「360!360!360!」という声にかき消されつつあります。

日本とはあまりに状況が違うので、冷静に受け止めるのは難しいかもしれませんが、よく耳をすましてみましょう。北米から何か聞こえてきませんか?
    360! 360! 360! 360! 360! 360! 360! 360! 360!
そう、360という声がハッキリ聞こえてきます。さあ、もう一度耳をすまして。
    360! 360! 360! 360! 360! 360! 360! 360! 360!
今や、「360」という歓声が全米を覆い尽くそうとしています。

これは、XBOXシリーズがPSシリーズを駆逐する第一歩となるでしょうか。
北米におけるトップの座から日本のゲーム機メーカーが蹴り落とされ、米国のゲーム機メーカーが王座に座る。そういう時代の先触れなのでしょうか。
さあ、全米は360だ! 歴史は変わりつつあります。

Posted by amanoudume at 10:11 個別リンク | Comments (11) | TrackBack(0)

2005年11月04日

ゲーム市場における「上流マーケティング」と「下流マーケティング」

本の紹介を1つ。
巡回中に見かけることが多かった、話題の本が『下流社会』(三浦展)。
ゲーム市場を分析する上でどれぐらい役に立つかは保証できませんが、一般論として押さえておくべきレベルの本でしょうね。

エロ本編集者の憂鬱と希望 10月30日

国民のほとんどが自分を中流と意識する1955年体制から、階層化の2005年体制へと移行し、消費の質が変わるというマーケティング本。これからは商品も上流マーケティングと下流マーケティングが必要になると主張するわけだ

内田樹の研究室 「下流生活者」たち

「下」の趣味として三浦さんが引く統計は次のようなものを挙げている。
パソコン・インターネット、AV機器、テレビゲーム、音楽コンサート鑑賞、スポーツ観戦。
どこか「下」なのか?ちょっと不思議に思えるチョイスである。
三浦さんはこれをこう解説する。
「パソコンというと『デジタルディヴァイド』と言われて、お金のある人は持てるが、お金のない人は持てず、よって所得によってパソコンを使えるかどうかに差がつき、ひいては情報格差がつく、という懸念があった。しかし、今やパソコンは接続料さえ払えば何でも手に入る最も安い娯楽となっており、低階層の男性の最も好むものになっているようである。(・・・)パソコンを所有し、それで楽しむという点では階層差はなく、むしろ趣味がパソコン・インターネットである者は『下』ほど多いというのもまた事実なのである。」

この本の要約とか感想は、優秀なブロガーの方々がすでにまとめていらっしゃいますから、今さらボクが書く必要もないと思います。
そこで、この本を読んで、ゲーム市場の場合はどうなのか?について考えたことを、グダグダと列挙してみます。
ただ、1つの記事としてまとまった文章を提示するつもりはなくて、キーワード列挙、メモ書きという形を取らせていただきます。

●TVゲームとパソコン(ネット)は共に、安価な娯楽、暇つぶしとして浸透している。
    逆に言えば、この2つは時間の奪い合いをしている。これは前提。

●ゲーム市場における「上流マーケティング」と「下流マーケティング」って何よ?

●そもそもゲーム市場における「上流マーケティング」はありえるのか?

   ○PSX以降の「ゲーム機を高い値段で売りたい」路線がうまくいっていない
      消費者は「ゲーム機はあくまでゲーム機」と捉えている
      「あれだけの機能、性能があれば、○万円でも安い」という論理が通じない
      PSPの値段、XBOX360の割高感、……。

   ○GTForceはあの値段で10万台以上売れた
      「GT」はブランドタイトル。個々のソフトにプレミアムを載せる方がわかりやすい。
      鉄騎コントローラも含めてよいかもしれない
      (たかが1〜2万円のコントローラを「上流」と位置づけていいの? 違う気もする。要検討)
      コントローラは付加価値がわかりやすい

   ○とはいえ、過剰な豪華版、限定版は危険 (これは「上流」マーケティングとは違うと思う)
      忍氏の「「粗大ゴミ」化するだけの限定版に存在意義無し」は良い指摘
      モッコスの事例を引くまでもなく・・・・。ファンは最も激しく愛してくれるが、最も怒る存在。

●「下流マーケティング」の方がわかりやすい

   ○中古市場
      中古市場の拡大
      ユーザーの求める「手頃な価格」とゲームの提供する価値が釣り合っていない
         →単純に「50時間遊べるから5000円出そう」ではない。
          どちらかといえば、「10時間でいいから、1000円にしてくれ」という感覚も考慮。
          価格と時間と価値とボリュームの4つのバランス。

   ○低価格ソフト
      安ければ単純に売れるわけではない(前提)
      ソフトやジャンルによって、値頃感というものがある。
      『地球防衛軍』は際立った
      Touch Generationsの影響で、ゲームで学習するという体験が認知された
         →『漢字検定』等の学習効果のあるソフトも売れている

   ○廉価版
      Best版の方が売れた、「もじぴったん」
         →パズルゲームの「手ごろな」価格は2000円〜4000円程度か
      Best化が早すぎる問題
         →良し悪しは市場が判断すること。
          ただしシリーズのブランド力を落とす危険性があり、売上動向は興味深い
         →開発コストのかかるPS3では、この傾向に拍車がかかるのではないか?

   ○無料ゲーム
      ネットゲームは実は無料で遊べる
      βテスト、フリーゲーム、アイテム課金型(ハンゲーム等)
      小中学生でも自宅のパソコンでネットに接続し無料ゲームを遊んでいる
      「ネットゲームは敷居が高い」はPCでは急速に過去の戯言になっている
      参考:デジモノに埋もれる日々「一般向けにはもっとカンタンなモノを」のそのウソホント?

Posted by amanoudume at 20:32 個別リンク | TrackBack(2)
ゲーム市場 下流マーケティング
Excerpt: 11月4日発熱地帯さんからの引用です。http://amanoudume.s41.xrea.com/>●TVゲームとパソコン(ネット)は共に、安価な娯楽、...
Weblog: 44Aのブログ
Tracked: 2005年11月05日 13:34
新刊漫画感想11月前半
Excerpt: 私は若者圧倒的弱者、搾取論は遠くない未来において時間(←基本的に何でも解決するマジックワード!)が解決すると思っています。
Weblog: 冬枯れの街
Tracked: 2005年11月16日 00:40

2005年10月05日

携帯ゲーム機戦争は終わった

そして圧倒的な普及が始まる

任天堂がDSの今後についての発表会「ニンテンドーDS カンファレンス2005秋」を開催しました。すでに日本国内で、出荷360万台、実売300万台以上を達成したと、現状を報告。そして、Wi-Fiコネクションの詳細のほか、年末〜来年にかけて発売が予定されている多数のソフトラインナップが一挙に発表されました。
    ●ニンテンドーDS カンファレンス 2005秋 任天堂(任天堂公式)
    ●「ニンテンドーDS カンファレンス 2005秋」開催
    ●任天堂とバッファローが「ニンテンドーWi-Fiコネクション」で提携
    ●【任天堂カンファレンス】ニンテンドーDSのタイトルラインアップが発表!
    ●『FF III』が2006年にニンテンドーDSで復活!
    ●DSでリアル映像!? 坂口氏『ASH』制作発表
    ●コーエー『真・三國無双DS』などDS版4作品の制作発表

Wi-Fiコネクションは、店頭1000箇所のほか、全国展開されている無線LANサービス「FREESPOT」3000箇所でも利用可能。もちろん自宅に無線LAN環境があれば、自宅で利用可能。さらに自宅に無線LAN環境のないユーザーのため、「ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ」を発売するそうです。WindowsXPのPCにこのUSBコネクタを差し込んで、付属ソフトを実行すれば、Wi-Fi接続が可能になるというものです。

ソフトラインナップはまさに圧倒的の一言。Touch Generation第2弾のほか、多数の新作ソフトが並んでいます。坂口博信氏の手がける「ASH」もついに発表。DSにはまったくの新作が大成功する土壌がありますから、独立したクリエイターの方の活躍が期待されます。
すでに任天堂は「新作ソフトは売れないのが当たり前」という常識を破壊していますが、「ユーザーは作家の名前では買わない」という常識もまた破壊してほしいものです。
サードパーティのソフトも充実。大量の新作発表がありました。さらにスクウェアエニックスが「FF3」のほか、「マリオバスケ3on3」を発表。またこれまで様子見モードだったコーエーも、一気に4タイトルを投入。日本国内のソフトメーカー各社から絶大な支持が集まっています。

9月はPSPの第2のローンチなるも・・・・

SCEは9月を「第2のローンチ」として位置づけていたようです。新色である白PSPを発売するほか、「ウイイレ」というPS2のキラータイトルがPSPで発売されるからです。また9月は、任天堂がGBAの高級機種のミクロを発売するため、DSの広報展開がどうしても弱くなる時期でした。

そうした「反攻」の好条件がそろっていたにもかかわらず、結局PSPはDSの週間販売台数を1度も抜けませんでした。話題性の点では、たしかにミクロが目立ち、DSの話題が少なくなりましたが、ミクロはPSPの「第2のローンチ」も一瞬で吹き飛ばしてしまいました。またDSは「たまごっち」や「逆転裁判」といった人気作が発売されたほか、「敬老の日」に「DSトレーニング」がさらに売れ、販売台数が好調でした。

もちろんSCEも、まだPSPで何らかの展開は続けるつもりでしょう。しかしスクウェアエニックスを始め、国内のソフトメーカー各社がどのハードをより強く支持しているかは、もはや明白でしょう。PSPが国内300万台を実売で突破するのはいつのことでしょう? また、ワンダースワンを越える日はくるのでしょうか? 両ハードの発売から1年たたずして、携帯ゲーム機戦争は終わりました。

インターフェース性能 VS プロセッサ性能

携帯電話ゲームの市場が成長した結果、携帯ゲーム機メーカーは必然的に携帯電話を意識せざるを得なくなっています。その結果、任天堂もソニーも共に「携帯電話ではできないこと」を自社のゲーム機に取り入れました。

任天堂はインターフェースで差別化を図りました。元々、携帯電話はインターフェースがゲーム向きではなく、全般的に操作性は悪いですし、複雑な操作のゲームもほとんどありません。ゲーム機はインターフェースが統一されているのが最大の利点ですから、新しいインターフェース(タッチパネル)を標準搭載するのは理にかなった発想です。携帯電話でもごく一部の機種ではタッチパネルを搭載していますが、台数ボリュームが無いため、特化したアプリケーションが数多くうまれる状況ではありません。(専用機戦略がうまくいく例

一方ソニーはプロセッサ性能で携帯電話を圧倒しようとしました。これは非常に久多良木氏らしい発想です。しかし、そもそもPSシリーズはつねに「同世代のゲーム機の中では最高性能ではない」んですよね。PS1よりもN64のほうが性能が上でしたし、PS2よりもXBOXのほうが性能が上でした。久多良木氏が常々プロセッサ性能にこだわっているのは、インテル型のビジネスを志向していたからで、PSシリーズの成功要因は「プロセッサ性能」ではないんですね。自分の得意分野を見誤っていては、どうにもなりません。

実際、プロセッサ性能にこだわった結果、PSPは多くの失敗をおかしました。開発費が従来の携帯ゲーム機にくらべて高騰し、日本での発売時期に生産が間に合わず、携帯デバイスでは重要なバッテリーの持ち時間ではGBAやDSと比べるべくもありません。

終わる「プロセッサ性能至上主義」

そもそも久多良木氏が好きなインテルにしても、今や、いわゆる「プロセッサ性能至上主義」から方針転換しています。確かに久多良木氏のセンスは、ある部分では優れています。実際、CPUアーキテクチャのトレンドとして、マルチコアを予見し、プロセッサ業界をリーディングしました。しかし肝心要の付加価値の源泉がどこか? すばらしいユーザー体験はなにか?という視点では、目が曇ることが多いように思いますね。

    ●Intelがクロック至上主義に決別、IDFで次世代アーキテクチャー披露へ
    ●元麻布春男の週刊PCホットライン 「IDFに見るIntelの新しい進路」
インテルは無線(WiFi、WiMAX)や消費電力というファクターを重視する方針に転換しています。インテルもマルチコア路線に転じるものの、単純な性能向上を求めてのものではありません。そこがPSPやPS3とは決定的に異なる点。333MHzで設計したプロセッサを222MHzで動かす羽目になるような思想とは、根本から違います。
またインテルはChannel Platforms Groupを立ち上げて、新興市場でのPC(およびインテルCPU)の普及に取り組みますし、Digital Health Groupを立ち上げて、医療分野にも進出します。古い時代のインテル、過去の亡霊を模範とした久多良木氏のプロセッサ戦略は、いったいどこへ向かうのでしょうか? そちらの方角にはすでにインテルはいないのです。誰もいない、誰も集まらない世界を思う存分、疾走していただきたい。

ムーアの法則が続いた結果、なにが起きたか?

ムーアの法則によって半導体が進化を続けていった結果、大多数のユーザーにとって必要十分な機能が満足されて、競争のルールが変わる、という現象が最近あちこちで起きています。

その1つが「チープ革命」です。
ウェブ社会[本当の大変化]はこれから始まる

もともとは「半導体性能は一年半で二倍になる」というシンプルな法則だったものが、現在は広義に「あらゆるIT関連製品のコストは、年率三〇%から四〇%で下落していく」という意味に転じた。新しい製品分野が登場してすぐは「こんな機能もほしい」「もっと高い性能を」「より使いやすく」という顧客ニーズが多いから、製品価格が下落するのではなく、同じ価格の製品の機能・性能・使いやすさが向上していく。しかしその製品分野が十分成熟し、顧客にとって「必要十分」の機能が準備されると、一気に価格下落が急となる。

そしてもう1つの変化が「プロセッサ性能至上主義」の崩壊です。
アップルのiPodを例に取りましょう。iPodは競合他社の製品と比べて「プロセッサ性能」が高いわけではありません。むしろ低いといっていいでしょう。液晶についても、他社製品がカラーなのに、iPod miniは白黒でした。
またアップルは他社と比べると、カスタムチップを好まない傾向にあります。チップを1から設計していたのでは、製品開発が長くなり、短いサイクルで商品を送り出しにくくなるからです(使わないわけではありません)。

しかしユーザーはアップルを選んだのです。
「白黒の液晶のiPodminiなんてダメ。カラー液晶じゃなきゃ」「ソニーはプロセッサ技術が高いから、ウォークマンのスタミナ性は圧倒的。技術力の低いアップルの製品には魅力が無い」などという人が、はたして存在するでしょうか?

アップルは、iTunes、シンプルなインターフェース、デザインといった、プロセッサ性能以外の付加価値で勝負して成功をおさめました。「プロセッサ性能」「液晶性能」にこだわらないので、他社よりも低コストで済み、同時に新しい付加価値を作り出したため、高いブランド価値と利益の出せる価格を両立させることができました。
その結果、他社よりもお得な価格で出しても、十分な利益が出せるのです。iPod mini と iPod Shuffleまではこういう流れでした。そしてnano に至っては、台数ボリュームというトップメーカーならではの低コスト要因がプラスされました。

旧来の競争では、ムーアの法則どおりの性能上昇曲線にしたがい、製品は性能と機能を強化すべきでした。しかしムーアの法則が長く続き、ユーザーの「必要十分」を満たしたとき、ムーアの法則どおりの性能上昇曲線に従う必要はなくなったのです。あえてスローカーブを描くという戦略が成り立つようになったのです。

いま目の前で起こっている変化

それにしても、この1年のマーケットの変化はすさまじいものがあります。昨年末、DSとPSPのどちらが優勢か?という議論が盛んでした。PSPがDSを凌駕するという意見もあれば、DSがPSPを凌駕するという意見もあ
りました。しかし、ここまで短期間で決着がつくと予想していた人はそう多くなかったと思います。

ゲーム業界始まって以来の史上最大の初期不良騒動、PSPの初期出荷不足といったSCEの失敗も大きいものの、それだけではないでしょう。やはりマーケットの変化が一番の要因だと思います。この変化については、過去の記事でもふれていますので、興味をお持ちの方はご一読ください。
    ●そして「新規ソフトが売れない」は死語になった
    ●成功しているソフト企業の共通点

Posted by amanoudume at 19:20 個別リンク | TrackBack(5)
Wi−Fiコネクションに勝算あり!
Excerpt: Wi−Fiコネクションという言葉だけが独り歩きし、その詳細についてはこれまで発表されていませんでしたが、本日の任天堂カンファレンスでWi−Fiコ ネクションの概要が正式に発表されました。
Weblog: 避けられぬ関係 〜テレビゲームのある生活〜
Tracked: 2005年10月05日 14:05
ホーム/2005-10-06
Excerpt: 昨日やっと釈迦ハピタン食べました。あの粉の量ったら(゚Д゚;)マジヤバス。 食べた後、指についたハピタン粉をもったいないのでペロペロする…あぁ至福の一時。 でもその後指のニオイを嗅ぐとツバ臭いので注意しましょう。 業務連絡:あ!そうそう、凪ぃへ > 関西ロ...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年10月05日 23:01
携帯ゲーム機のこれから―――次なる戦場は北米市場
Excerpt: 「携帯ゲーム機戦争は終わった」 昨日のニンテンドーDSカンファレスでそう確信した業界人も多いだろう。 確かにPSP陣営はと言えば、新色セラミックホワイトは話題にも上らず ソフトもウイイレだけが細々と売れているに過ぎない。 だが、北米市場ではどうだろ...
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Excerpt: さていまさらの話題でもあるんですが・・・・ SCEIが出したPSP、そして任天堂がだしたNintendoDS。 ほぼ同時期に発売していたために、据え置き機よりも直接的な対決となってました。 結果としては・・・・1年と持ちませんでしたねPSP。 年末の発売予定をみて...
Weblog: かいるうの日常
Tracked: 2005年10月06日 16:03
[ゲーム][企画ネタ] ニンテンドーDS Conference! 2005.秋
Excerpt: (http://www.nintendo.co.jp/ds/dsconference/index.html) 改めて公式発表を受けるまでもなく、ニンテンドーDSとソニーPSPの決着は付きましたな。この二機種が発売される前に、○。○通からゲーム製作会社に 「どちらに魅力があって、最終的にどちらが勝つと思うか」という...
Weblog: 異能生存体きこりの日記
Tracked: 2005年10月06日 17:41

2005年10月01日

ゲーム機メーカー3社は「次の10年」の負け組になるのか?

読売オンライン 「ゲーム機依存から脱却、ネット事業の収益強化」
スクウェアエニックスの和田社長が、ゲーム機依存の体質をあらため、携帯電話とPC向けのオンラインゲームにシフトしていくと宣言しました。和田社長はかねてから「オンラインゲーム」「マルチプラットフォーム」を掲げていますし、ドラクエのマルチプラットフォーム化も示唆したことがあります。

オンラインゲームに最適なプラットフォームは今後もPCと携帯電話

ここ数年、オンラインゲームにとって最適なプラットフォームはPCと携帯電話でした。しかもこれから数年、その状況に変化はありません。次世代据置ゲーム機はいずれもオンライン機能を標準装備しますが、いずれも不完全です。
XBOX360はもっともオンラインゲーム性能が高いハードですが、日本以外の地域ではHDDが標準搭載されません。レボリューションは内臓メディアを標準搭載しているものの、512MBという容量はMMORPG向きとはいいがたい。PS3はオンラインゲームへの方針も不明確、内臓メディアもなし、かつてのPSBBは大失敗、という最悪のプラットフォーム。

また、いずれのプラットフォームも、中国市場での浸透率が低い状態です。中国市場での展開は始めていても、大きな成功をおさめているとは言いがたい。少なくともあと5年は、PCが最大のゲームプラットフォームでしょう。
(ところで正直、ボクはゲーム機メーカーの対中政策はどれもダメだと思っています。まだ中国はスポット型のビジネスが中心。昔の日本でも、ゲーム産業はアーケード(スポット型)から誕生し、「アーケードゲームが家でも遊べる」という付加価値によって、テレビゲーム機が家庭内に浸透していきました。昔はおもちゃの店頭で、ファミコンを1分10円とかで遊べましたよね。ボクはいずれのゲーム機メーカーも、「ファミコン」成功後の論理で動いていて、原点を忘れているような気がしてなりません。とりあえず手元にあるものを売ろう、という発想では、いつまでたっても普及は望めないでしょう。)

5年早かった「映画」と「プレイオンライン」

したがってオンラインゲームを経営の柱にしつつあるスクウェアエニックスがゲーム機離れを起こすのは自然な判断です。スクウェアエニックスは組込み向けのUIエンジンを手がけるUI Evolutionの買収をしていて、セットトップボックスのインターフェースを制作しています。ゲームで培ったノウハウをゲーム機以外の領域に適用した好例といえます。
    ○ブロードバンドWatch プロバイダーを問わない映像配信サービス「オンデマンドTV」
    ○Life is beautiful 「ゲーム・デザイナーのユーザー・インターフェイスへのこだわり」

またスクウェアエニックスはCG映像の分野でも、大きな成果をあげました。「FF7 アドベントチルドレン」の販売が初週42万本。消化率は93%を越え、売り切れ店が続出。予想を大幅にこえる大成功といえます。フルCG映画「ファイナルファンタジー」は大失敗しましたが、まさに執念というか、「継続は力なり」という言葉どおりでしょう。
    ○ジーパラ 「売り切れ店続出!?『FF VII AC』の初回販売本数は42万本!」
    ○まこなこ 「FF7 AC」が売れているらしい
    ○伊藤計劃:第弐位相 「アドベントチルドレン」 (成功の理由は美男美女を描いたこと)

坂口博信氏がスクウェアに在籍していた頃、次のステップとして「映画」と「プレイオンライン」を掲げていました。どちらも失敗し、坂口氏は経営責任を取ってスクウェアを離れることになりましたが、方向性そのものは間違っていなかったと思います。ただ、いかんせん早すぎました。5年早かった。しかもスクウェアは短期間に過剰投資しすぎました。

またプラットフォームとして「ゲーム機」を重視したのも失敗でした。当時ジャンプと組んで、漫画のダウンロード配信を立ち上げようとしていましたが、今まさに携帯電話でそれが実現しているわけです。携帯電話での電子書籍市場が急成長しています。

1つだけ今のスクウェアに問題点があるとすると、「FF11」のような大作オンラインゲームはあるものの、提供するオンラインゲームのバリエーションが少なく、ハンゲームのような位置づけのサービスもありません。ターゲットユーザーをマニア層に限定しすぎています。「いたスト」にドラクエ、FFの世界観を融合させて売上を大きく伸ばしたように、ドラクエ、FFの世界観をつかった軽いゲームを積極的に展開したほうがいいでしょう。有力な自社版権を抱えているのが強みですから、ネットゲームのライト層を獲得する戦略を進めるべきです。

例えば、大作MMORPG中心だった韓国のNCSoftはミドルユーザー、ライトユーザーを獲得する路線を打ち出し、ポータルサイトの運営を始めます。またセガがオンラインゲームとコミュニティサービスを提供するポータルサイト「SEGA link」を開始しています。

あと10年もすれば、ゲーム機ビジネスは消えてなくなる

このブログや社内ブログなど、あらゆる機会をとらえて主張していることですが、ボクはあと10年もすれば、ロイヤリティを始めとする「ゲーム機ビジネス」というものは消えてなくなる、と思います。ゲーム機というハードウェア製品そのものが無くなることはないでしょうが、ロイヤリティなどの「ファミコン」ビジネスはなくなるでしょう。ゲーム機メーカーも、ソフトメーカーも、いつまでもそういう古臭いビジネスに依存していれば衰退は目に見えていて、そろそろ「次」というものに向かわなければいけません。
    ○狭くなりすぎた「ゲーム機」ビジネス
    ○次世代で加速するマルチプラットフォーム
    ○ゲームクリエイターは次世代ゲーム機の夢を見るか?

いまやゲーム機の世界は「かつての欧州」のようなもの。3人の王様が争っていて、領土の奪い合いに夢中になっているものの、目端の利く連中は新天地をめざして旅立っています。旧大陸から新大陸をめざして大移動した者が、次の繁栄を築くのでしょう。もちろん「欧州の王様」も、それぞれのやり方で、新大陸を始めとした「新領土」は開拓するでしょう。ソニーは家電との融合やプロセッサ性能で、マイクロソフトはXBOX Live!で、任天堂は新しいインターフェイスで。

しかし新大陸に植民地を確保していた欧州勢も、結局は新大陸に軸足を移した移民たち(アメリカ)には勝てなくなりました。おそらくゲーム機(のロイヤリティビジネスやそこで動くソフト)を捨てるということを決断できるメーカーとできないメーカーで、10年後の勝敗が分かれるのでしょう。

いよいよ次世代ゲーム機戦争が始まります。どこがシェアを伸ばし、どこがシェアを縮小するのか。いろいろな人がさまざまな意見を持っているでしょう。もちろんボクも天下二分論のように意見を持っています。しかし、しょせん「旧大陸の戦争」の話にすぎません。それなりに意味はありますが、大きな意味はありません。
別の見方をすれば、ソニー、マイクロソフト、任天堂の3社はあと5年間も「旧大陸の戦争」に力を注がねばならず、かなりのリソースをそこに奪われるわけです。

「次の10年」という長期的な視野で見れば、「5年も出遅れる」という点でマイナスであり、ゲーム機メーカー3社は「10年後の負け組」になりつつあります。ソフトメーカーにとって、この5年間は10年を制すための貴重な期間となるでしょう。2度にわたる世界大戦で、世界の覇権は欧州から米国に移りました。ゲーム機メーカーの競争の激化に巻きこまれ、無駄に消耗していくもよし、距離を置いて力をたくわえるもよし。10年後笑っているのはいったい誰でしょう?
さあいよいよ「次の10年」が始まろうとしています。それでは、10年後の未来に乾杯!

Posted by amanoudume at 17:58 個別リンク | Comments (1) | TrackBack(2)
FF?? AC
Excerpt: 発熱地帯さんで 「ゲーム機メーカー3社は「次の10年」の負け組になるのか?」 という記事が挙がっています。 その中で またスクウェアエニックスはCG映像の分野でも、大きな成果をあげました。 「FF7 アドベントチルドレン」の販売が初週42万本。 消化率は9...
Weblog: 異色プログラマー日誌
Tracked: 2005年10月02日 14:01
ホーム/2005-10-03
Excerpt: 昨日は暑かったっすね;もう10月なのに30度ってどうよ。 終末は伊豆下田でのんびり過ごしました。下田海中博物館は小さかったけど、イルカ・アシカショーがなかなかでした。八景島より水槽は小さいものの、芸は見 事なもんでしたよ。アシカ君やイルカ君の健気さに、ちょっ...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年10月02日 22:26

2005年09月28日

個人サイトに伸びる新商売の魔の手?

9月25日の連邦さんの日記で、気になる記述が。

しかし言えるのは「もうPSPいいや」。
いま現在、当方の元に各所から情報がダダ漏れているけど、個人サイトに幾ばくかの金を支払って「P−TV」の広報が行われているそうで。

別にソレはかまわないが、あからさまに「変」。

コンテンツの動画をみて「結構なお時間」を消費、その後「コメントを書いたりして」時間を消費、普通にみてない気配全開なので「何か不格好」。

まぁ、そんなPSPが存在し、世の中には「クリーン」な所には「金」が面白い形で入るわけでございますよ。


ネットの個人ブログは口コミメディアではありますが、それを直接買収するような行為はいかがなものでしょうね。結局、そういうことを行っている事実もまた、口コミメディアに流れていくのではないでしょうか。

ボクらはマスコミがお金をもらって露骨な記事を書いた場合、「提灯」と呼ぶことを知っています。
また、携帯オーディオプレイヤーの販売ランキングからソニーのウォークマンが消え、アップルのiPodが1位〜10位を独占した週、唐突にiPod nanoのレビュー記事が掲載され、人気の秘密を探るといいながら、マイナス点を強調する不自然なBCNランキングをなんと呼ぶか知っています。はてなブックマークのコメント
見てみましょう。「微妙な記事」「提灯」という言葉が並んでいますね。
ところで個人ブログがお金をもらって、不自然きわまりない露骨な持ち上げ記事を書いた場合、なんと呼ぶべきでしょうか?

Posted by amanoudume at 10:52 個別リンク | TrackBack(3)
ホーム/2005-09-29
Excerpt: 今更ですが、GBAでキングダム・ハーツをやってます。イマイチ戦闘が理解できてません; まだドラクエ8も未クリアのままなのに。。。どんだけクリアに時間かかってんだよヽ(;´Д`)ノ さあ、眩しいほどの朝日を浴びながら、今朝の更新いってみよう。 個人サイトに伸びる...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年09月28日 22:26
SCEが個人ブログを買収!?
Excerpt: 発熱地帯さんによると 「PSP」向け動画ダウンロードサービス「P-TV」のコメントが買収されている可能性があるそうです。 これが事実ならなんかえらいことになりそうなんですが・・・
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2005年09月29日 03:45
アレックス・ウィッパーファース『ブランド・ハイジャック 〜 マーケティングしないマーケティング』
Excerpt: ISBN:4822244768 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244768/    あの、「Napster(ナップスター)」のマーケティング担当者が書いた 今時のマーケティングについての本だそうです。 書店で見かけて、チラリ立ち読みしたけどまだ読んでません。  blogやネット...
Weblog: workshop PCエンジンおしゃれ計画
Tracked: 2005年10月09日 18:36

2005年09月17日

未来は近いのか、遠いのか。

E3とかゲームショウみたいなイベントがあると、ゲーム系サイトやブログへのアクセスが増えるんですよね。そういう時こそ、何か気のきいたことでも書けばいいんでしょうが、うーん、今回は特に無いな。東京ゲームショウの話題としては、ネットを軽く周回したかぎり、「MGS4」の映像公開とレボリューションのコントローラ発表の2つが話題性トップかな。XBOX360、発売が一番近いのに、一番話題が無いってどういうことよ? 本当にいいのか、それで? ではPS3とXBOX360についてそれぞれ簡単に雑感を。

PS3は来年3月に「出る」ことはない、「出ちゃう」ことはある

まずはPS3。公開された映像はE3+αで、「MGS4」が無かったら寒かったかも。ただ、相変わらずXBOX360より一段上の映像世界を提示できている点は良いですね。そういう所ははずさないのがSCE。PS2でシェアを守りきったのも、そうやって節目節目で、最低限のポイントを満たしていたからです。
(「MGS4」の動きはみんな誉めてますね、さすが。)

もっともこの時期にプレイアブルが0本という時点で、今年度中(来年3月)に発売するという話にまったくリアリティーがありません。普通に考えたら出るわけないですね。ただ「普通に考えたら出るわけない」PSPを出しちゃった実績があるので、「出しちゃう」可能性はゼロではないです。ハードの生産体制やソフトの完成度に
関わりなく、ソニーグループの決算の都合で決まるのでしょう。

んー、ただ、PSPは「出しちゃって」失敗したわけですから、さすがに同じ失敗は繰り返さないと思うんですけどね。PSPの欧米での出だしが日本より良かったのも、きちんと時間を取ったためにソフトが揃っていたからです。FF12が3月発売ということもあって、来年5月、あるいは夏に延期するのが妥当な線でしょう。出るか出ないかでいえば、出ない。出しちゃうか出しちゃわないかでいえば、出しちゃうかも。まあそんなところですか。

XBOX360の目標はPS3発売前に50万台
一方XBOX360ですが、まず最初に2点誉めときます。 日本ではHDDを標準搭載したこと。これは良い判断です。もう1つ、北米での発売日をサンクスギビングに間に合わせたこと。生産が間に合わずに12月発売になるのでは?という話も流れていましたが、何とか間に合ったようです。これはPS3との北米でのシェア争いで、重要な1勝でしょう。ていうか、ぶっちゃけ、北米だけ年内発売で、日欧は来年発売でよかったんじゃないの。その分、北米に台数をまわしたほうがたくさんリードを稼げるわけですしね。

で、価格と同時発売のラインナップですが、どちらもダメでしょう。HDD標準搭載で4万円を切るのが安いとかどうとか言ってますが、ゲーム機として今どき4万円近い値段は高すぎです。この2年ほどで、マニア層の財布は手
堅くなっています。「スパロボ」ぐらい強力なタイトルはまだ維持できていますが、マニア向けのタイトルのうち、かなりの数のタイトルが売上を落としています。少し前は「マニアなら買ってくれる」時代でしたが、今は「マニアでさえ買わない」時代です。PS2が出た頃や、初代XBOXが出た頃とは、状況が違います。

同時発売のラインナップも、初代XBOXよりはずいぶんマシですが、貧弱。予定ラインナップを見れば、「アーマードコア4」「天誅」などフロムソフトウェアから総計4タイトルの供給を受けていますし、がんばってはいるんですが。単純に発売までの時間が足りないんでしょう。同時発売のソフトのグラフィックも、もうちょっと時間をかけられたらなあ・・・・という感じ。

まあXBOX360の日本での最終目標は300万〜600万台程度だと思います。本当の勝負は北米市場でしょう。日本ではセガハードぐらいの台数で、北米で勝った分を合計して、全世界合計でPS3に勝つというシナリオでしょう。序盤戦、日本では、PS3発売前に100万台積み上げられたら理想ですが、まず無理でしょうね。PS3発売前に50万台というのがとりあえずの目標。つまり年内20万台、それから1ヶ月に10万台売って、来年3月までに50万台に届けば、ひとまずオーケー。目標台数が低いと思われるかもしれませんが、あの価格ではそんなに簡単ではありません。

また最後に、初代XBOXは初期不良への対応が悪く、大失敗したことをマイクロソフトには忘れないでいただきたい。どんな製品であれ、多少の初期不良は存在します。隠蔽しない、迅速に対応する、という基本を大切にしてください。初代XBOX、そしてPSPと、初期不良への対応を誤ったハードは日本では成功しない、という法則が確立しました。ゲーム機メーカー各社にとって、良い教訓となったと信じます。

なかなか立ち上がらない次世代ゲーム機

全体的な印象としては、次世代ゲーム機の立ち上がりはゆるやかなんじゃないか、と。ソフト開発も手間がかかるでしょうし、現行機の時ほどのペースで立ち上がるとはちょっと思えません。発売時の価格がいくらであれ、普及価格は3万円以下でしょう。ソフトメーカー各社は、立ち上げ期→普及期までの期間が長くなることを想定(覚悟)しておかなければならないでしょう。次世代機向けのソフトと現世代機向けのソフトの比率は、判断が難しいところです。ソフト開発に手間がかかることもあり、映像面で「これぞ次世代」という感じのソフトは来年中に出てくるでしょうが、ゲーム性という点で次世代を感じさせるゲームが出てくるのはもしかすると再来年になっちゃうんじゃないかな、と思います。

Posted by amanoudume at 10:54 個別リンク | TrackBack(2)
ソニーについてちょっと考えてみた
Excerpt: ソニーが事業リストラをするらしい。 http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D1501J%2015092005&g=S1&d=20050916 事業の集中と選択を進めるのは、不調の会社にとって定石。 まして出井前会長のもと??
Weblog: トラックバックの犬
Tracked: 2005年09月17日 16:55
続・PS3の発売日予想
Excerpt: 発熱地帯 「未来は近いのか、遠いのか。」PS3の発売日に対しては、DAKINIさんは一貫して、FF12と発売日が近いのはマイナスでしかないから、 5月、乃至はそれ以降と書いています。一方、僕は「PS3の発売日予想」でも書いた通り、3月21日(火)大安を強く推してきました。ネッ.
Weblog: ゲームのマボロシ
Tracked: 2005年09月18日 04:28

2005年08月29日

ドッツの成功とコラブームから学ぶこと そして極論としての「クリエイターの終焉」

ドッツの成功

トミーのドッツが流行っているようですね。
    ○はてなダイアリー ドッツとは
    ○.Sドッツ@2ちゃんねるおもちゃ板 @Wiki
功した最大の要因は、ファミコン世代の懐かしがる気持ちをうまく刺激したことでしょうし、ネットの画像掲示板での盛り上がりも大きいでしょう。しかし、そ
れだけが成功の要因ではないと思います。
レゴのような創作系おもちゃとして見てみます。
ドッツは本質的に2次元で、ブロック遊びとしてはレゴよりも簡単です。表現の自由度が狭くなる反面、誰でも時間さえかければ組み立てられます。ちょっとし
た作品をくみ上げるとけっこう大きくなってしまうレゴと違い、あまり場所を取らず、机の上に気軽に置ける大きさなのも、大人にとってはありがたい点です。
また何よりも、お手本(ファミコンのドット絵)がある、という点が大きいです。
創作系で一番敷居が高いのは、1からデザインを起こす所です。
そこが取り払われているため、いろんな人が参加しやすくなりました。ドットゲームの過去の膨大な資産があるため、「どのキャラを、どのドット絵を、再現す
るか?」という部分で、個性を発揮する余地は十分あります。デザインはセンス(頭と心)が必要ですが、大抵の人は手(手間)は動かせます。
クリエイティビティーの部分を薄くして敷居を下げることで、参加者が増えて盛り上がった好例だと思います。ボクが最近、興味を持っているのは、この「薄い
クリエイティビティー」です。というのは、弱い力を集めて大きな力に変換できる「元気玉」の時代には、これまで見過ごされてきたそこにビジネスチャンスが
あると考えているからです。

密度化したクリエイティビティー

こうした「薄い創作」「薄いクリエイティビティー」は他にも例があります。
最近、漫画のコラージュが流行ってます。元々「ジョジョ」「ドラゴンボール」「北斗の拳」といったジャンプ作品のコラージュはかなりの数作られていましたが、「デスノート」コラのブームで飛躍的に大きくなりました。いまや、大量のコラが毎日生み出されています。
ラノベさくら デスノート板
人における「二次創作」とも趣が違い、より即興性、ネタ性が強くなっているのが特徴です(江戸時代あたりの川柳に近いノリなのかな?とも思いますが)。
従来の「二次創作」は同人誌をベースにしていました。逆にいうと、紙に印刷して本にするぐらいには重い、濃いクリエイティビティーが求められましたし、敷
居も高かったわけです。今はネットがあるので、もっと軽い、薄いクリエイティビティーでいい。1冊の本にならないボリュームでも全然オーケーです。何人か
に書いてもらって、1冊にする必要もありません。
またデジタル制作ツールが普及したこともあって、加工/編集がやりやすくなったのも大きいです。絵が描けなくても、カット&ペーストはできるという人は大
勢います。ツールの普及のおかげで、「完全な創作」が非常に活発になりましたが、その数倍〜数十倍の規模で、より薄い創作、より軽い創作、敷居の低いクリ
エイティビティーが広がっているのです。
こういう時代には、旧時代的な「クリエイターと受け手」という構造、あるいはその変形である「クリエイター(+二次クリエイター)と受け手」という構造は
崩れてきます。
ここからはクリエイター、ここからは非クリエイターという区分があいまいになり、「濃い」とか「薄い」とかいう密度の問題になるのです。薄いクリエイティ
ビティーを行う人に対して、適切な言葉はまだ定義されていませんが、ネット上では「職人」と呼ばれるケースが多いように思います。

21世紀のコンテンツビジネス

前回の記事
は、専業でなくても、創作できる時代になってきた、と書きました。というのは、クリエイティビティーに対する報酬の仕組みが多様化してきたためです。その
結果、クリエイティビティーを集積し、対価を与える仕組みとして、会社が説得力を持たなくなりつつあります。少なくとも、会社だけが独占的にその機能を提
供する時代ではなくなったのです。
しかしそこでいう「創作」「クリエイティビティー」とは「完全な創作」のことでした。薄いクリエイティビティーを集積する仕組みは、最初から会社には存在
しません。
また従来、創作系のツールは「完全創作」にフォーカスして作られてきました。深い機能をたくさん用意しておけば、きっと誰かが使いこなしてくれる、という
設計です。しかし本当にそうなのか?という疑問がわいてきます。一定以上の濃度のクリエイティビティーはそれで集まるでしょう。しかしその数十倍の範囲に
広がる、より薄いクリエイティビティーにとって、高すぎる敷居になっていないでしょうか?
20世紀のコンテンツビジネスは、主に「完全創作」にフォーカスしたものでした。著作権のシステムにしても、「完全創作」を対象に理論化され、構築されて
きました。しかし、おそらく21世紀のコンテンツビジネスは、多段階化し、密度の問題となった「クリエイティビティー」に範囲が拡大することでしょう。
その時代には、薄いクリエイティビティーをどうやって集積するのか? どうやってリアルパワー(例えばお金)に変換するのか? どうすればより効率良く変
換できるのか?ということが、重要になります。それがコンテンツビジネスの「次」であり、おそらく「次の10年」で顕在化する変化なのです。

Posted by amanoudume at 00:30 個別リンク | TrackBack(0)

2005年08月19日

性善説につけこむ悪意

さまざまな人が書き込んで情報を蓄積できるWikiは「性善説」に基づいたツールだとよくいわれます。
ネット上の百科事典であるWikipediaは、多くの人の善意にもとづき、ネット上で共有される知的財産です。そうした善意の「知」の集合に、薄汚い「印象操作」の手が入ったようです。大いに悲しむべきことだと思います。

Wikipedia上のPSPとDSについての説明に、新しい記述がものすごい勢いで書き加えられており、それがかなり偏った見解(ゲハ板での信者論争を持ち込むような内容)になっています。
DSとPSPについての投稿記録

この報告はPSPがこの地獄から生還出来るよう真剣に考える★103でなされました。
問題となっている箇所は、そのスレを読んでいただければわかりますが、そのうち2つを抜粋しましょう。

DS音声認識
ただし、電車などで使用されることの多い携帯ゲーム機において
[[マイク]]は非常に相性が悪く利用価値が疑問視されている。
この記述は今週追加されたものです(差分が残るのです)。
えーっと、累計60万本を突破した「nintendogs」は、マイク機能を前提としたソフトですが何か?
累計40万本を突破した「DS トレーニング」も音声認識をつかったトレーニングがありましたが何か?
まぁ確かに電車内でマイクを使うのはためらわれる、というのはウソではないかもしれません。しかし数々の成功例があるのを無視し、「相性が悪く利用価値が
疑問視」と書くのは、はたして共有知に追加されるべき情報なのでしょうか。それとも悪意にもとづく「印象操作」でしょうか。
しかしながら、特殊な機能を持つハードの為、ソフトの開発が難しくソフト発売ペースはかなり遅い。特に2005年9月発売のソフト数はたった7本しかなく、14本のソフトがある[[PSP]]に、ダブルスコアで負けてしまっている。
この記述もほぼ同時に投稿されています(差分情報はこちら)。

なぜわざわざPSPのタイトル数が勝っている9月だけ、参照しているのでしょうか? ファミ通の発売予定リストを見ると、8月も10月もDSの方がタイトル数が多いのですが?

また、2005CESAゲーム白書に掲載された「各ハードの平均開発費」
見てみましょう。PSPは9000万円で据置ゲーム機PS2の9600万円に近い数字です。DSはGBAの5300万円よりも安く3700万円です。もち
ろんサンプル数にばらつきがありますから、これだけですべてを語ることはできませんが、こういうデータを恣意的に無視するのはいかがなものでしょう。
このようにして、他にもいろいろな改変をおこなっていました。このような薄汚い「印象操作」は、結果的には不毛な信者論争を深刻化させ、純粋にPSPを愛
好している人々の印象をおとしめる結果にしかなりません。投稿時間は昼間のようですが、会社員だとしたら、業務時間の可能性が高いですよね。本当に信じが
たいことです・・・・。
ところで、Wikipediaに悪意ある改変がおこなわれてから、短期間で発覚したのはなぜでしょう? 答えはじつにシンプルです。善意の中にたった1つ
悪意がまぎれこめば目立つからです。白い紙の上の黒いしみはよくわかりますよね。
思えば、PSPの初期不良もまた、多くの善意のユーザーによってきわめて早期に報告され、短期間のうちに批判の声が強まりました。久多良木氏の「それが
PSPの仕様だ」という発言も、またたく間に世界じゅうに広まりました。悪意というものは、常日頃はきわめて巧妙に世の中に潜んでいます。しかし人々が善
意を持って立ち上がるとき、悪意はハッキリ目に見えるのです。
参考:
現時点では、善意の人々の手によって、共有知は修正され、みんなが信頼できる情報に回復しているようです。
Wikipedia 「ニンテンドーDS」
Wikipedia 「プレイステーション・ポータブル」

Posted by amanoudume at 00:22 個別リンク | TrackBack(0)

2005年08月18日

ゲーム機ビジネスの急速な変化

コスト重視に転んだXBOX360

XBOX360の北米での価格と構成
発表されましたが、ここにきて実質的な方針転換をしましたね。
XBOX360は、299.99ドルの普及版と399.99ドルの高級版を出すようです(出荷時の構成比は不明です)。
問題は両バージョンの内容です。
普及版はHDDが非搭載で、有線コントローラで、フェースプレート、「標準解像度」のAVケーブル。
高級版はXbox 360、20GB HDD、ワイヤレスコントローラ、ヘッドセット、フェースプレート、HD解像度の
AVケーブル、イーサネットケーブル、リモコンが同梱。
高級版は従来からXBOX360が主張していたことをそのまま実現する内容になっています。
しかし、普及版の内容を見ると、GDCやE3であれだけ力説していた「HD解像度が標準になる」「これからはワイヤレスコントローラだ」「HDDでコンテ
ンツ配信」が「ぜーんぶウソでした、ごめんなさい」ということになります。ウソというのが言いすぎなら、「まだ時期尚早でした、てへ」ってところですか。
進んで、PS3との差別化ポイントを切り捨てました。

急速に崩壊する「性能至上主義」と「旧来のゲーム機ビジネス」

今回の方針転換にいたった理由を考察してみると
  
   1)E3後に日本のにおいて噴出した「えー、次世代機ってまだ早くねー?」
     「HD解像度とか言われてもねー」という意見がまさしく的確だった。
   2)長期的なコスト戦略も立てないまま、スペックをさけんでいただけだった。ずさん。
   3)想像していたよりも、はげしいコスト競争が起こる、と考えるようになった。
   4)このままでは、いくら売ってももうからない、シェアで勝っても後で回収
     できない「勝者のいない競争」になる可能性があることを理解した。

つまり、過剰な性能至上主義がユーザーのニーズに合わないし、ハードメーカーの利益にもならない、と判断したってことでしょう。今年のE3が茶番に思えますな。

まぁ、最初にハードで赤字を出しても、後からロイヤリティーで回収できる、という旧来のビジネスモデルが崩壊しつつあるんでしょうね。例えば、スクウェアエニックスの和田社長は、次世代機では現世代機ほど圧倒的な勝者がおらず、地域ごとにトップが異なる状況も想定しておられるようです。仮にその予想が正しいとすると、そのぶん、ハードが普及した後から回収するビジネスは成り立ちにくくなります。

「いままでとは質の違う環境変化を向かえている。これまでの一強皆弱ではない時代がくる」とコメント。各プラットフォームが併存し、国や環境によって勝ち組プラットフォームが変化するとの見方だ。

「PSPが越えられなかった常識、iPodが越えた常識」で書いたプラットフォームビジネスの変化が、据置ゲーム機にも起こり始めているのかもしれませんね。

かみそりはただ同然で売って、かみそりの刃で儲ける。プリンタの消耗品ビジネスを代表に、コモディティ化したハードウェア事業の
ビジネスモデルを考えるときには、必ず出てくる古典的な「かみそりとかみそりの刃」の話。その逆をジョブズはやっているというのが、この冒頭の真意。
アップルの第1四半期(10-12月)の結果。平均400ドルで75万台のiPodを売り、99セントで3000万曲を売ったが、iTunesからの儲け
はほとんどなかなく、iPodこそアップルの収益性に貢献している。
どうもアップルは、ハードから儲けを出す方法を見つけ出したらしい。iTunesをロス・リーダーとして、iPodを売りまくっている。言い換えれば、デ
ジタルプロダクト(音楽)がコモディティになり、ハードこそマージンが出る場所。

Posted by amanoudume at 00:30 個別リンク | TrackBack(2)
XBOX360にHDD標準非搭載の悪夢
Excerpt: 歴史は再び繰り返されるのか 悪魔は密やかに忍び寄り悪夢の緞帳を上げさせた。 本日はXBOX360の価格発表があった。 北米、欧州向けだが日本の価格と大差はないだろう。 発表されたのは2種類。 299.99ドル 399.99ドル 午後11時現在の日本円で換算してみ
Weblog: ああ、無情。ゲーム系
Tracked: 2005年08月18日 03:14
HDD無し
Excerpt: マイクロソフト、Xbox 360クA陞の欧州、北米向けの価格を発表 この決定によってHDD無しが事実上の標準となり、MMOなどのHDDを利用したゲームを作る経済合理性がデベロッパーに無くなった。 これはXbox360の将来にとって最悪に近い決定ではないのか。 販売戦略上
Weblog: ゲーム脳日記
Tracked: 2005年08月22日 01:58

2005年08月14日

夏休みイベントに強いDS

無線通信、「ピクトチャット」の標準搭載、といった特徴をもつDSは、イベントに強い、というイメージが定着しています。「ピクトチャット」にくわえて
「すれちがい通信」もありますし、実際、夏休みのイベントで大活躍しているようです。万博やポケモン関連のイベントは当然として、コミケでも活躍。
2ch 同人イベント板 【コミケで】ニンテンドーDS持参【ピクトチャット】
帽子屋インサイド  「大合奏!バンドブラザーズ」の楽譜データ「猫鍋」を配布
EXAPON Becky! 「コミケ」

つうかね、みんなDS。右も左もDS。サークルも一般参加者もDSで遊びまくり。
西館を20分くらい回って目にしただけでも10台じゃきかない。
GBA(SP)すらほとんど見ない。
PSPは……どっかのサークルのひとがゲームしてたのが1台、
デモムービー用を2〜3台見た…かな?
会場内に居さえすれば、犬、10秒経たずにすれ違い通信できるのは
さすがに一体どうなのよと思った。orz
バンブラも、ピクチャでメンバー募ると瞬時に6人とか集まるし…
ワンコ入れ食い状態 www
ちょっと変わった芸を仕込まれてたワンコにワロタ
みんなお土産持ってますた。ありがとう。
ピクトチャットで楽引辞典の問題出してくれた人がいて
いきなり綺麗な大きな字が出て来たのでビックリした

サンクス!

そういえば、E3でもITmediaの記者の人が「すれちがい通信でわらしべ長者」という企画をやってました。この時は大量に来場している日本人同士だったと思うのですが、アメリカでも「nintendogs」は前評判が高いようですし、EA本社では日本版が大流行しているようです。
ITmedia 「エレクトロニック・アーツのプレスイベント訪問記」

えー、EA社内ではまだ英語版が出てないのに「nintendogs」が大流行なんだとか。
もちろん
ゲーム会社で流行ってるからといって、アメリカ全土でヒットするとは限りません。しかし「アメリカ人にはあの楽しさがわかるのか?」という疑問を吹き飛ば
す現実がここにあります。
娯楽は文化ですから、ある種の地域性をもっているのは確かですが、その一方で地域、国家、人種、年齢をこえて、地球上のあらゆる人に通用する本質的な「楽
しさ」を提供するものでもあります。あの「ポケモン」にしても、かつては「日本以外で売れるわけが無い」と力説していた人はいたわけですからね。娯楽の世
界の片隅にいる者としては、娯楽の力を信じたいものです。

Posted by amanoudume at 04:24 個別リンク | TrackBack(3)
コミケの暇つぶしアイテムとしてのDS
Excerpt: コミケには友人と出かけたのですが 会場前で待っている間ピクトチャットで見知らぬ人とチャットできたのが結構新鮮でした。 あれだけ人が多いと人が壁になるのかつながり難くて遠くの人とは通信しづらい状況でしたが 近距離半径5mくらいのなかなら十分通信できました。
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2005年08月14日 11:27
[ゲーム]発熱地帯: 夏休みイベントに強いDS
Excerpt: 発熱地帯さんのところで、DSのコミケでの活躍ぶりがまとめられてました。 前も書いた気がしますが、DSの通信機能関係は、人が多くなればなるほど力を発揮しますからね。nintendogsですれ違いまくり、というのもすご い。ただ、2chのスレ見ていると、結構電波状態はいま...
Weblog: わぱのつれづれ日記
Tracked: 2005年08月14日 19:07
2005/08/17
Excerpt: Anime 「魔界戦記ディスガイア」2006年アニメ化決定! 鈴平ひろ絵似? 「銀盤カレイドスコープ」 アニメ絵公開 (モノグラフ) 『舞-HiME』 次回予告漫才まとめ (独り言以外の何か) TVA「うたわれるもの」、2006年4月から放送開始で2クール予定! (楽画喜堂) ...
Weblog: No Night Emote More
Tracked: 2005年08月17日 15:55

2005年08月05日

高まるドラクエのマルチプラットフォーム化

ドラクエとFFのマルチプラットフォーム化について、いくつかのメディアが記事を掲載しました。
毎日インタラクティブにつづき、インプレスもドラクエのマルチプラットフォーム化の可能性について、詳細な発言をレポートしています。
Game Watch: スクウェア・エニックス、和田洋一CEO記者懇親会を開催 「『ドラゴンクエスト』はマルチプラットフォーム化する可能性はある」

これまで「ドラゴンクエスト」は、たくさんの人に遊んでもらうために、もっとも販売台数が多いプラットフォームに対して展開して
きたが、逆に和田氏が考えるようなプラットフォームが均衡した状況になれば、全てのプラットフォームで展開することも視野に入れなければならなくなる。こ
の点について和田氏は「あり得ますね」とマルチプラットフォーム展開の可能性を示唆した。
 ソフトウェアメーカーのこういった姿勢は、ハードウェアメーカーとしては驚異で、ソフトウェアメーカーの囲い込みにつながっているが、この点については
「それだけのコストに見合うソフトを発売し続けなければならないため不利だと思う」と和田氏としては疑問を感じているという。
毎日インタラクティブとインプレスの2つのメディアが同じような内容の記事を掲載したことで、スクウェアエニックスの和田社長が、ドラクエとFFのマルチプラットフォーム化について、かなり前向きなことがうかがえます。

ただし、唯一ITmediaだけが異なる解釈の記事を掲載しています。

「現状では
“すべてを肯定する状態”」であり、コスト回収という点から言っても、マルチプラットフォームでの展開は十分にあり得るそうだ。ただし、「ドラゴンクエス
ト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズについては、「F1のようなもので究極までチューンして発表している作品なので、現状ではマルチプラッ
トフォームはあり得ない」とのことだ。

ITmediaだけが不自然な解釈をしている点はとりあえず置いておきましょう。
無視できないのは「現状では」という発言。現状の技術では、マルチプラットフォーム化したときに、パフォーマンスが出し切れないのではないか?と若干の不安があるのでしょうね。この点について、インプレスの記事ではより詳しく方針が語られています。

PCやプレイステーション 3、Xbox 360はPCで根っことなる研究開発を行ない展開していくことになると思う」とマルチプラットフォーム展開を行なう選択肢があることを示した。

ドラクエやFFは重要なタイトルですから、特定のプラットフォーム向けに極端なチューニングをする必要があるかもしれません。しかしマルチプラットフォー
ムの技術が上がれば、不安はなくなるわけです。
実際、「FF11」はPS2、XBOX、PCの3機種でマルチ展開されています。つまり「現状では」という保留は、あくまで研究が進むまでの時間の問題に
すぎません。スクウェアエニックスの大部分のタイトルはマルチ展開され、そこで研究が進んでいきます。さらにマルチ展開になれている「FF11」チームが
次世代でも技術を深めていけば・・・・。意外と早く、来年ぐらいには可能性ではなく、マルチプラットフォーム化が断言されているかもしれませんね。

Posted by amanoudume at 00:19 個別リンク | TrackBack(1)
FFとDQはマルチになるのか?
Excerpt: FFとDQはマルチになるのか? 昔だったら、「ならないよ」の一言で済んでいたはず。 しかし スクエニ:ドラクエとFF、次世代機では複数ハードで展開 こんな記事が出てきてさあ大変。 今まで予想されていたFF、DQは結局PS3で出るんだろ?という予想が覆っ
Weblog: ああ、無情。ゲーム系
Tracked: 2005年08月06日 03:35

2005年08月04日

ゲームクリエイターは次世代ゲーム機の夢を見るか?

最近、中島聡氏の Life is Beautiful を読むようになったのですが、「アルファギークはLonghornの夢を見るか?」が興味深いです。

単刀直入に言ってしまうと、「OSのイノベーションでは人々のライフスタイルを変えるほどの革新は起こせるとは思えなくなった」からである。
これからの10年を考えた時に、マイクロソフトがLonghornやそれに続くOSにどんな機能を入れてきたところで、OSのイノベーションに人々のライフスタイルが変わるほどのインパクトを与える力が持てるとは私にはどうしても思えないのだ。
多くのユーザーがマイクロソフトに期待しているのは、「ウィルスに犯されない」、「クラッシュしない」、「使っているうちに妙に遅くなったりしない」OSであり、それ以外のイノベーションはOSには求めていない、というのが一般的な見方ではないだろうか。
しかし、だからといって看板商品であるOSのイノベーションを止めてしまうわけにはいかず、Longhornを出さざるおえないのがマイクロソフトの宿命である。まさに「イノベーションのジレンマ」に書かれているモデル・ケースのような道をたどっているのである。その辺りのジレンマはビル・ゲイツもスティーブ・バルマーも十分に承知の上で、ウィンドウズ・ビジネスで稼いだお金を利用してウェブ・サービス・ビジネスを立ち上げようと、MSNやXBoxLiveに膨大な資金を投入しているのである。

この文章の「OS」を「ゲーム」または「ゲーム機」と読み替えてみても、まったく同じ文章が成り立ってしまうことに気がつくと面白いです。

次の10年で、ゲーム機メーカーが次世代ゲーム機にどれだけの性能と機能を入れても、ゲーム機のイノベーションに人々の娯楽スタイルを変えるほどのインパクトがあるとは思えません。大多数のユーザーがゲーム機に期待しているのは、「手ごろな値段」「デザインが良い」「場所をとらない」「ソフトも手ごろで揃っている」「あそびたい続編が出ている」ゲーム機で、それ以外の変化はゲーム機には求めていない、というのが一般的な見方でしょう。

しかし、かといってゲーム機メーカーが看板商品であるゲーム機の世代交代を止めてしまうわけにはいかず、次世代ゲームを出さざるを得ないのがゲーム機メーカーの宿命です。まさに「イノベーションのジレンマ」に書かれているとおりのジレンマに陥っているわけです。そのジレンマは○○も承知のうえで、過去のゲーム機ビジネスでかせいできたお金を投資して、△△に資金を投入しているのです。

この○○と△△は、ゲーム機メーカーそれぞれで異なっています。たとえばマイクロソフトなら、Xbox Live!を中心とするオンラインゲームサービスですし、ソニーなら半導体工場でしょう(ソフトやサービスではなく、半導体工場という点が象徴的)。任天堂ならコントローラでしょうか?

ゲーム機メーカーはどうしてもゲーム機の内部に付加価値を作ろうとしがちで、その点がまさにジレンマなわけです。しかし現実には、本当の付加価値はゲーム機の内部にはない、という時代に入りつつあります。性能も機能も似たり寄ったりですし、マルチプラットフォーム化するタイトルが増えます。スクウェアエニックスがドラクエとFFのマルチ化を示唆する時代です。

もっともゲーム機メーカーがゲーム機の内部の付加価値を高めようとして、価格が高くなっちゃったり、競争で磨耗している間に、ハンゲームあたりがおいしいところをゴッソリかっさらっていっちゃうんじゃないか、と思ったりもするのです。

参考:
    ○3つの性能
    ○次世代で加速するマルチプラットフォーム

Posted by amanoudume at 00:40 個別リンク

ドラクエとFFがマルチプラットフォーム化!?

Mainichi Interactive 「スクエニ:ドラクエとFF、次世代機では複数ハードで展開」
スクウェアエニックスの和田社長によれば、PSシリーズで展開している「ドラクエ」と「FF」を次世代機ではマルチプラットフォーム化する可能性があるそうです。

和田社長は「次世代ゲーム機の市場は、『ハイエンド』『ローテンド』という具合にユーザーの要望が分かれるため、一つのハードが
突出するのでなく、それぞれのゲーム機がシェアを分け合う」と分析。そのため、看板ゲームを状況に応じて複数のハードで展開することが、最終的に総合的な
ゲームユーザーの拡大につながるとの見解を示した。

ふーん、まあ予想の範囲内の展開ではありますね(参考:次世代で加速するマルチプラットフォーム))。
カプコンの「バイオハザード5」がXBOX360とPS3で発売されるように、ドラクエもFFもXBOX360とPS3で発売される可能性があるわけで
す。もしそうなれば、他の大手ソフトメーカーも同調。PS3でしか遊べない有力タイトルは激減し、どちらのハードでも遊べるタイトルが大半を占めることに
なります。
そうなってくると、単純にPS3のひとり勝ちにはならないでしょう。XBOX360はオンラインゲーム性能でPS3を圧倒していますし、発売時期も早く、
コスト的にも有利と予想されています。マイクロソフトは資金力がありますから、価格競争は得意です。また自社の半導体チップであるCellを普及させたい
という欲望がむき出しのソニーと比べて、マイクロソフトのほうがよりゲーム開発者、供給者の立場に近いのも確かです。天下二分の状況にさらに近づいたといえそうです。

さあ、金粉をまぶしただけの泥舟にいつまでも乗っているのはどこの誰でしょう?

Posted by amanoudume at 00:23 個別リンク

2005年08月02日

なんだかスゲーことになってますが、とにかく無事に出てほしいです。

もう永遠に出ないんじゃないか、という不吉な予想さえ微妙に漂わせていた「FF12」ですが、ついに発売日が発表されました。3月16日。まこなこさんが、というより、おそらく大多数の人が予想していたとおり、今年の年末には出ませんでしたね。3月というのは、いくらなんでも今期じゅうに出さないとヤバい、という判断があったのかもしれません。

「FF12」については、情報の露出が始まった後に不自然な延期をしたこと、松野氏が公式の場に姿を現さなくなったこと、アートディレクターの皆葉氏がミストウォーカーの作品にも参加したことから、いろいろな憶測・うわさが流れていました。

そして、ついに制作スタッフについての公式なコメントが出てきました。

ファイナルファンタジーXIIの開発プロデューサーを担当しております松野泰己は病気療養によりプロデューサー業務から離れてお
り、現在は監修という形でタッチしております。本プロジェクトは彼の構想を引き継いだ各セクションのリーダーをはじめ開発スタッフ全員が一丸となって全力
で頑張って制作を続けています。

開発においてすべてを取り仕切るクリエイターが現場を離れることは、非常に大きな混乱をまねきます。それでも作品を完成に向かわせたスタッフの方々の努力
には本当に頭が下がります。すごいですね・・・・。
いま日本ではシリーズ物が多いといわれながら、シリーズ物の売上が低下していたり、色々な要因で有名シリーズが衰退していたりします。現世代機になって開
発規模が拡大した結果、といえばそれまでかもしれませんが、やはり最後に物を言うのは、人の意思なのだなと思います。
「ドラクエ8」を遊んだときにも感じたことですが、やはり日本で「超一流」といえる開発チームは「ドラクエ」チームと「FF」チームだけなんじゃないか
な、と思います。「一流」といえる開発チーム、ソフトはいくつもありますけど、この2タイトルは輝きが違います。
シリーズ物ならどのソフトもユーザーからの期待がプレッシャーとして開発者にのしかかりますが、中でもこの2タイトルには想像を絶するプレッシャーがか
かっていることはまちがいありません。絶大なプレッシャーに応えている人たちに最高の敬意を払いたいです。「FF12」もまた、「超一流」と「ただの一
流」の違いをまざまざと感じさせる作品になると期待しています。
蛇足

ところであれれさんの予想
正直ただの考えすぎでは・・・・。純粋に開発が遅れているだけのように思えるんですが。
PS3が3月に出るなら、FF12の3月発売はPS3にとっては完全にマイナスですよ。ゲーム機を発売直後に買う層は、マニアが多いです。しかしそういう
人でも、PS3の価格が高ければ、恒例になりつつある初期不良もあって、ソフトがそろうまで買い控えたり、様子見する可能性が出てきます。その状態で
FF12。様子見ユーザーを増やすだけでしょう。

Posted by amanoudume at 00:30 個別リンク | TrackBack(2)
FFXII緊急事態!?
Excerpt: ファイナルファンタジーと言えば坂口博信という時代は終焉を迎え、坂口氏が自ら惚れ込んで引き入れた天才・松野泰己の時代が来るはずだったのに、時代は違 う方向に流れていってしまうようです。
Weblog: 避けられぬ関係 〜テレビゲームのある生活〜
Tracked: 2005年08月02日 18:05
ホーム/2005-08-03
Excerpt: [[:]] なんだかスゲーことになってますが、とにかく無事に出てほしいです。(発熱地帯) 「ドラクエ8」を遊んだときにも感じたことですが、やはり日本で「超一流」 といえる開発チームは「ドラクエ」チームと「FF」チームだけなんじゃない かな、と思います。「一流」といえ...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年08月02日 21:15

2005年07月30日

iPodが携帯ゲーム機になった日

「iPodが携帯ゲーム機になる日」の続きというか番外編。

HIROIRO.com 「iPodでマリオランドをやってみた」
どうやらiPodにLinuxをインストールして、ゲームボーイのエミュレータを起動しているみたいです。
iPodがどの程度の性能(エミュレータを走らせるプロセッサパワー、液晶解像度)をもっているかがよくわかります。

iPodへのLinuxのインストールについてはNitram+Nuncaさんの究極の iPod Hack [ iPod-Linux Installerという記事が詳しいです。(参考:iPod Linux公式

もはや、オーディオプレーヤーが携帯ゲーム機になるというのは、それほど非現実的な話ではありません。そういえば、以前話題になったiPodで遊べるテキストゲームの売上が好調なようです。
Hot Wired 「『iPod』でプレイするテキストゲーム、売れ行き好調」

Posted by amanoudume at 00:10 個別リンク

2005年07月29日

3つの性能

2つの視点

まこなこさんの「次世代機で勝つのは任天堂」という記事がなかなか興味深いです。
普及台数という点では、E3以降、北米ではソニーのPS3とマイクロソフトのXBOX360の一騎打ちになるという予想が強まっているようです。しかしまこなこさんは、利益という点では任天堂が優位にあり、ソニーは苦境に追いやられるのではないか、と予想されています。

実際に行動に起こしている任天堂を見ると、レボリューションに対しても希望は十分持てる。そして、その希望の実現のために必要な
ものはコストではなく、アイディアであり、そのアイディアの実現が可能なことを既に示してくれた。ならば、任天堂が勝たないことなんてありえないじゃない
か、と思うわけよ。
その二つのゲーム機の未来はこんな感じだ。より高グラフィックの実現、制作に金が掛かる、バグなども発生するため開発期間が延びる、開発費回収のために販
売価格上昇、ユーザーが高いからと新品を買わずに中古に走る、より販売価格が上昇、ユーザーから見放される、といった感じ。

なるほど、企業としてはたしかに利益は大切です。とはいえ、プラットフォームホルダーとしては、普及台数はとても大切な数字です。普及台数がないと、プラットフォームの影響力が限定されてしまいます。
まあ2つの視点から、バランスよく見る必要があるのでしょうね。

ちょうどいいタイミングで、マイクロソフト、ソニー、任天堂の第1四半期決算がそれぞれ発表されました。ちょっと見てみましょう。そこから未来が垣間見えるかもしれません。

PC Web 「米Microsoftが過去最高益を達成--サーバ/ツール製品、Xboxが牽引」

そしてもう1つが22%の伸びを実現したXbox関連のビジネスで、Xbox本体の出荷数が記録を達成し、Xbox Liveの契約者数が倍増するなど、今年末の次世代ゲーム機「Xbox 360」発売に向けた下地が出来つつある。

Game Watch 「ソニー、2005年度第1四半期連結業績を発表」
ソニー株式会社は、2005年度第1四半期のソニーグループ全体の連結業績を発表した。ゲーム分野では、売上高が1,728億円となり、前年同期比で64%の大幅増。しかし営業損失は59億円になり、前年同期の29億円よりも大きな損失を計上している。

Nintendo INSIDE 「任天堂が2005年度第一四半期の業績を発表」
売上高706億8400万円、営業利益37億5400万円、経常利益213億8600万円、純利益は141億1500万円

マイクロソフトがすばらしいですね。売上を22%伸ばしたうえ、利益率が大幅に改善し、XBOXを含むHome
Entertainment部門の営業損失が半分に減ったそうです。コストを度外視して作られ、赤字ハードといわれたにもかかわらず、着実に収益貢献を高
めています。XBOX360は最初からコストを意識して設計されていますから、次世代機においても、普及台数と利益の両面で成功をおさめるのは、案外マイ
クロソフトなのかもしれません。
任天堂はゲーム部門で巨額の利益をあげています。PS2で圧倒的なシェアを取りながら、ソニーは前年割れし、赤字を出しています。ソニーの戦略はPSP以
降、明らかに歯車が狂い始めています。いくら売ってももうからない。なぜこんなことになったのでしょうか?
3つの性能
ソニーはハードウェアが進化するたびに、投資額を増大させてきた経緯があります。最先端の
半導体工場に数千億円の投資をして、優位性のあるプロセッサを製造します。優位性のあるプロセッサで競争に勝てばボリュームが出ます。ボリュームが出れ
ば、コストが下がります。プロセッサであげた利益をまた投資することで、さらに優位性のあるプロセッサが生まれます。
(参考:後藤弘茂のWeekly海外ニュース「久夛良木健氏が語る、ソニーの半導体戦略」
ソニー独自のプロセッサが競争上の付加価値を生んでいる時代は、この戦略は有効でした。しかしプロセッサの性能がそれほど優位性を生まない時代になると、
最初に巨額の投資をしなければならない点が足かせになり、逆に採算性が悪化する懸念があるわけです。
たとえば、携帯ゲーム機では、性能以外にも、インターフェイス、液晶、バッテリーなど、じつに色々な競争要素があります。高性能のプロセッサは基本的に消
費電力が高く、バッテリーの持ち時間が短くなります。そういう意味で、プロセッサの優位性が活きません。ですからPSPはDSにあっさりと負けてしまいま
したし、全然もうかってないわけです。
次世代据置ゲーム機でも、もっとも重要になるネットワーク性能は、ゲーム機本体内のプロセッサでは決まりません。ユーザーの家庭の回線速度で決まってしま
います。つまりプロセッサで差別化できるのは、映像などのオフラインゲーム性能だけで、オンラインゲーム性能はHDDなどのその他の部品で決まります。
PS3はHDDを標準搭載しないという致命的な判断ミスをおかしました。そのおかげで、オンラインゲーム性能はXBOX360がPS3を完全に圧倒してい
ます。
ソニーはオフライン性能を高めるために数千億円の投資をしています。次世代でもオフラインゲームが主流のままで、大多数のユーザーがオンライン性能が低い
ゲーム機(PS3)でも満足してくれるなら、なるほど、その投資は正しい。
ところが、オンラインゲームが今のまま順調に裾野を広げていくとすると、大多数のユーザーがオンライン性能の高いゲーム機(XBOX360)を求めるよう
になります。その場合、ソニーは競争上、あまり有効でない部分に数千億円の投資をおこなったことになります。致命的な投資判断ミスといえるでしょう。
オフライン性能に投資したソニーとオンライン性能に投資したマイクロソフト、この2社のどちらに軍配があがるのか。普及台数で勝つのはどちらか? 利益で
勝つのはどちらか? 興味深く見守っていきたいですね。
(任天堂はオフライン性能でも、オンライン性能でもなく、さしずめ「アイデア性能」に投資した、と表現すべきでしょうか。たとえばDSはタッチパネル、マ
イク、無線通信など、クリエイターのアイデアを刺激するいろいろな機能を盛り込んでいました。2強対決でいえば、「オフライン性能」対「オンライン性
能」。あえて3社を並べれば、「オフライン性能」対「オンライン性能」対「アイデア性能」の競争、といえるでしょうか。)

Posted by amanoudume at 00:31 個別リンク

2005年07月28日

追い詰められてきた「GTA」

「GTA」の性的描写シーンがゲーム内に故意に隠されていたのかどうか、米連邦取引委員会(FTC)が調査を開始
たようです。その前日に、FTCに調査を指示する決議案が米下院で可決していますが、なんと355対21の圧倒的多数の支持があったようです。また、79
人の議員が「故意なら厳罰に処すべし」という要求を連名でFTCに送ったとのこと。
政治が深くからんできたため、中途半端なごまかしは一切許されないでしょう。
それにしても、今後懸念されるのは、「GTA」以外のバイオレンスゲームへの批判が強まることです。バイオレンスゲームを批判することが政治的活動として
プラスになる、という前例になってしまえば、米国の政治家たちがこぞってバイオレンスゲームを槍玉にあげるようになるでしょう。
かつてないゲーム規制の嵐が吹き荒れるかもしれません。

問題の場面は改造プログラムがなければ見えないようになっていたが、ゲームの中に残っていた理由は明らかになっていない。ゲーム業界の一部には、ユーザーの改造で作品の人気が上がることを容認、期待する空気があるため、意図的に隠していた疑いが浮上している。

米のPCゲームでは、ゲームを改造するMOD文化が一般的です。開発元が改造プログラムを予想していなかった、ということはありえません。開発元のロック
スターにしてみれば、「一部の開発メンバーが勝手にやった。責任者は知らなかった」ということにしたいのでしょうが、はたしてそういう結論になるかどう
か。
参考:
    ○「GTA」炎上
    ○日米で進む「GTA」包囲網

Posted by amanoudume at 00:00 個別リンク

2005年07月27日

思ったより、ダメじゃないか。

という感想が一番多いんじゃないかな。ソニーの四半期決算
思ったより健闘していたマイクロソフト(XBOXサミット)とは対照的に、思ったよりダメな決算内容です。

ストリンガー新会長が就任して早々、経営の悪化に歯止めがかからないようです。
第1四半期(05年4−6月)の決算が初めて赤字におちいるらしく、ソニーの経営再建は一段と遠のいた、との見方が強まっています。

また、メディアやアナリストのソニーを見る目がだんだん厳しくなっている気がします。この記事にしても、

「復活の足音が聞こえない」
「テレビは全部だめ」
「PSPの停滞」
「映画・音楽・ゲームを中核事業に」
「日産よりも状況厳しい」
と手厳しい小見出しが並んでいます。

ブランド力の凋落も歯止めがかかりません。
日本ではソニーショック以後、ソニー批判の記事が増える下地ができ、「それがPSPの仕様だ」に代表されるPSP初期不良騒ぎによって、ブランドイメージに多大な傷を負いました。そして、ついに日本に引きずられるように、米国でもブランド力が低下を始めたようです。
「ソニー」ブランドに陰り=サムスンに抜かれる−米誌番付

ソニーが前年の20位から28位に大きく後退。液晶テレビ、携帯電話機などで米市場での躍進が著しい韓国・サムスン電子(21位から20位に上昇)に抜かれたのが目立った。

ゲーム事業にしても、かつての利益部門がいまやお荷物部門になりつつあります。当初から価格的に無理をしていると指摘されてきたPSPは、去年を上回る損失を出す見込みです。
ゲーム事業も昨年12月に発売した初の携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の販売が伸び悩んでいるとみ
られており、複数のアナリストが同部門の営業赤字は前年の29億円から50億円程度まで損失幅が拡大するとの見通しを示した。次世代家庭用ゲーム機「プレ
イステーション3」の研究開発費などの負担増も響く。金融、映画、音楽の各事業は採算が改善したとの見方が多かったが、合わせて連結売上高の8割以上を占
めるエレクトロニクスとゲーム事業の赤字は補えないとみられている。
さて、XBOX360が年内に立ち上がり、ソニーはマイクロソフトという巨大資本とかつてない激しい競争を強いられます。PSPが赤字のまま、PS3も激しい価格競争におちいる。そうなれば、どうなるか? 子どもでもわかる算数でしょう。

「天下二分」の状況
また一歩近づきつつあります。

Posted by amanoudume at 00:04 個別リンク | TrackBack(1)
PSPは当分きつそうですね。
Excerpt: 筆者自身の感覚ではDSとPSPでは完全にDSが勝っているのだが、「PSPも売れているぞ!」という反論もあることだと思います。ま、筆者の周りには不 思議とゲームに詳しい人が少ないため、「どっちもいいんじゃないの?」とかいうとぼけた回答しか返って来ませんが、...
Weblog: 避けられぬ関係 〜テレビゲームのある生活〜
Tracked: 2005年07月27日 12:59

2005年07月26日

思ったより、やるじゃないか。

という感想が一番多いんじゃないかな。XBOXサミット2005
あちこちのオタ系ニュースサイト、ブログを見て回ったところ、期待感が高まった人が多いようですね。逆にいうと、これまでXBOX360はあんまり期待さ
れていなかったのかもしれませんが。
「DOA専用機」と揶揄されていた初代XBOXよりも、格段に良くなったラインナップ。
「ガンダム」や「スパロボ」など、オタ向けのゲームもがっちり抱えているのはたのもしいですね。初代の時はオタ向けに売るしかないはずなのに、オタ向け
ゲームがほとんど来なかったという惨状でしたからね。濃ゆいタイトルをがっちり押さえて、とりあえずかつてのセガハードの占めていた領域をうばえるかどう
か。国内300万台が1つの目標でしょう。
ソフトメーカー各社がマルチプラットフォーム戦略を強めるため、PS3でしか遊べないタイトルは減っていきます。カプコンの「バイオハザード5」は良い例
ですし、前世代機ですでにマルチ化していたナムコの「リッジレーサー」も、コナミの「ウイイレ」も、ひきつづきマルチプラットフォームです。PS2が圧倒
的なシェアを占める日本でさえこういう現状ですから、欧米の動向は推して知るべしでしょう。
マルチプラットフォーム化が進むことで、年々トップシェアゆえの優位点を失っていくソニーと、着実にオンライン戦略を進めて、年々会員を増やしているマイ
クロソフト。北米において、下降曲線と上昇曲線がクロスするのは、これから何年後でしょうか?

Posted by amanoudume at 00:35 個別リンク | TrackBack(1)
[ゲーム]Xbox Summit 2005に基づく次世代機戦争の考察
Excerpt: 昨日ふれましたXboxサミットについてですが、日頃チェックしている忍さんと発熱地帯さんとで、めずらしく意見がきれいに分かれていました。 発熱地帯: 思ったより、やるじゃないか。 「お下がり」でメジャーリーグに挑戦する気なのか|忍之閻魔帳 発熱地帯さんは、基本的...
Weblog: わぱのつれづれ日記
Tracked: 2005年07月26日 13:49

2005年07月24日

究極のオフラインゲーム機と究極のオンラインゲーム機

PS3は映像と物理計算を重視した究極のオフラインゲーム機、そしてXBOX360はオンラインサービスを重視した究極のオンラインゲーム機。そういう認
識が急速に広がっています。それを裏づけるニュースが3つあります。
1.ゲーム開発者に広がる「オンラインならXBOX360」という認識今週のファミ通の坂口博信氏と田中弘道氏の対談を読むと、スクウェ
アエニックスのオンラインゲームの主力部隊であるFF11チームがかなりXBOX360寄りであることがうかがえます。PS3での展開については、明言は
さけたものの、「PS3については聞いてない」「全然知らない」という言葉から、推して知るべしでしょう。
また田中氏は、XBOX360ではソフトメーカー各社がオンラインゲームをどんどん作る、と期待感にみちたコメントをしており、オンラインゲーム開発者の
XBOX360への熱い思いがストレートに伝わってきます。ソニーが薄型PS2でHDD非対応にしたことで、「FF11」はソニーに背中から切りつけられ
た形。そういう裏切りを平然と行うようでは、オンラインゲーム開発者からの信頼は得られないでしょうね。
2.ミドルウェアで示される「PS3はオフラインゲーム重視、オンラインゲーム軽視」の姿勢

ソニーはPS2でのオンライン戦略の失敗から、PS3ではオンライン戦略に消極的な姿勢を示しています。PS3の国内初公開となるPS Meeting 2005
も、ソニーはPS3のオンライン戦略について言及しませんでした。
もっとも熱烈にアピールしていたのは、開発環境が良くなるという点。SNシステムズの買収や、Epic
GamesやHavokとの提携など、発表内容は非常に充実しています。「劣悪」といわれたPS2と比べて、大幅な改善といえます。
PS3とXBOX360はともに開発環境が良く、PCベースの技術を多く取り入れていますから、ソフトメーカー各社のマルチプラットフォーム化はますます
進むでしょう。その結果、PSシリーズでしか遊べなかったタイトルがXBOX360でも遊べるようになり、PSでなければいけない理由が大幅に減じてしま
うのは皮肉なことです。結果的にソニーは苦しくなるでしょうね。例えば、GCからPS2に帰ってきた「バイオハザード」にしても、「5」はPS3と
XBOX360の両方に展開されます。(参考:次世代で加速するマルチプラットフォーム

ちょっと気になるのはツール群のリリースされる時期。コーエーも、バンダイ(ベック)も、どちらも発表映像はライブラリを使わずに制作していると明言していますから、ライブラリの準備が遅れている可能性はあります。開発環境の改善が第1弾ソフトにどの程度間に合うか。

「機動戦士ガンダム」のリアルタイムデモが公開された。このデモはバンダイにコンテンツを供給している株式会社べックがPS3開発ライブラリを使わず、自社製ライブラリで制作したもの。
もう1つのデモ映像はコーエーの作品。もちろんリアルタイムレンダリング映像なのだが、開発ツールは制作時間の都合上コーエーの自社ツールを用いたという。

しかし一番気になるのは、描画エンジンにしても、物理エンジンにしても、充実したツール群はすべて、オフラインゲームの品質を高めるためのものだというこ
とです。オンラインゲームを作りやすくしようという意図は皆無です。PS3というゲーム機の前半戦において、ソニーがオンラインゲームよりもオフライン
ゲームをはるかに重視していることがよくわかります。
3.米国のユーザーはマイクロソフトのオンラインゲームサービスを支持

マイクロソフトの決算が発表され、赤字、お荷物と揶揄されていたXBOX部門がしっかり利益をあげていることが明らかになりました。

そしてもう1つが22%の伸びを実現したXbox関連のビジネスで、Xbox本体の出荷数が記録を達成し、Xbox Liveの契約者数が倍増するなど、今年末の次世代ゲーム機「Xbox 360」発売に向けた下地が出来つつある。
XBOX
の普及台数がのびると共に、XBOX
Live!の会員数が大幅に増加しています。オンラインサービスというものは、本質的にはハードを超えるものです。PS2からPS3になれば、ハードの台
数はリセットされますが、XBOXからXBOX360になってもXBOX
Live!の会員数がリセットされるわけではありません。この積み上げは、重要なファクターになるでしょう。
これら3つのニュースが示すのは、1)ゲーム開発者、2)ミドルウェアベンダ、3)米国のユーザーの3種類の人々に、「PS3=究極のオフラインゲーム
機、XBOX360=究極のオンラインゲーム機」という認識が浸透していることです。
ソニーとマイクロソフトの姿勢の違いが、次世代ゲーム機競争にどれだけ影響するか? そこが最大の注目点だと思います。

Posted by amanoudume at 00:39 個別リンク | TrackBack(1)
ホーム/2005-07-25
Excerpt: 犬とヤマアラシが殺りあって犬が完敗(X51.ORG) っつか、ヤマアラシって自分の針抜けちゃうんですか?ヽ(;´Д`)ノ そこでWikipediaにて、ヤマアラシの防御について調べてみました。 針毛(トゲ)による防御 肉食獣などに出会うと、尾を振り、後ろ足を踏み鳴らすことで相...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年07月24日 22:03

2005年07月22日

「GTA」炎上

「日米で進む「GTA」包囲網」で取り上げた「GTA」の隠し性的描写の問題が進展しました。

ITmedia 「GTA開発元、わいせつシーン作成認める。レーティングは”成人のみ”に」
レーティング機関であるESRBが「GTA」のレーティングをM(Mature)からAO(Adult
Only)に変更しました。これに伴い、ウォルマート、ターゲットコープ、ベストバイなどの小売店チェーンが店頭から「GTA」を撤去すると表明。北米で
はレーティングがAOのソフトは取り扱わない流通が多いのです。
発売から半年以上経過していますから、売上への打撃は限定的でしょう。とはいえ、多大な売上をほこるソフトだけに損失も大きい。パブリッシャーのTake
-Two は四半期の売上が5000万ドル以上低下し、流通からの返品に対応しなければならない、と業績を下方修正しました。
    売上高13億〜13億5000万ドル  1株利益1.40〜1.47ドル
          ↓        ↓        ↓        ↓
    売上高12億6000万〜13億1000万ドル  1株利益1.05〜1.12ドル
今回「GTA」に隠されていた性的描写は、改造プログラムを使わない限り、オープンしませんが、XBOX版、PS2版にも隠されているようです。問題は、
開発元のロックスターが途中で隠しデータの存在に気づきながらも、納期などを理由にそのままマスターアップしてしまったのか、それとも一部の内部スタッフ
がいたずらで入れてしまっただけなのか。
おそらく後者だとは思いますが、ゲーム業界関係者が何の根拠もなく、そう主張しても説得力はもたないでしょう。徹底的な原因追及がおこなわれると思いま
す。

「明らかに、このゲームには性的な素材が埋め込まれていた。開発元はそれを認めた」とクリントン議員。「しかし、この会社が
レーティングシステムを操ったという事実は依然として残る」
同議員は米連邦取引委員会(FTC)の調査を要求し、ESRBはもっとコンテンツの取り締まりを行わなくてはならないと主張した。
「同社の責任を示す上でのこの最初の一歩を賞賛する」とESRBのエグゼクティブディレクター、ティム・ウィンター氏。「たぶん、このコーディング問題に
ついては両社がとことん真相を究明する必要がある。問題のシーンがどのようにしてゲームに入り込んだのか、どうやってレーティング委員会を通過したのかを
明らかにしなければ」

もしも前者のケース、すなわちロックスターが途中で隠しデータの存在に気づいていたのであれば、さらに問題が拡大する恐れがあります。意図的にレーティングを操作したことになり、ソフトメーカーからの自己申告を信頼する現行のレーティングへの批判が高まるでしょう。

ここまで問題が広がってくると、「GTA サンアンドレアス」の日本での発売に影響が出る恐れもあります。少なくとも、隠し性的描画シーンがゲーム内から完全に削除されたバージョンでなければ、またぞろ週刊誌にネタを提供することになりそうです。

関連:
CESAがCEROレーティングにもとづく販売自主規制を発表したり、マイクロソフトがXBOX360への「ペアレンタルロック」機能搭載を発表したり、と最近、倫理についての話題が多いです。
    ○ソニーPS2「局部丸見えゲーム」仰天騒動
    ○CESA、「年齢別レーティング制度」を活用した販売自主規制を開始
    ○マイクロソフト、Xbox 360に「保護者による設定機能」搭載

Posted by amanoudume at 00:02 個別リンク | TrackBack(1)
GTAがアメリカで問題になっているシーン
Excerpt: インターネットをさまよっていたらアメリカでわいせつシーンで話題になっている GTAこと「Grand Theft Auto:San Andreas」 の問題のシーンの動画を発見しました。 見てみるとたしかに問題ありまくりのシーンですね(汗) レーティングが成人のみというのもわかります。 ----- PING: TITLE: GTAがアメリカで問題になっているシーン URL: http://gamerslife.seesaa.net/article/5323679.html IP: 59.106.28.133 BLOG NAME: 社会人ゲーマの日々 DATE: 07/24/2005 12:41:21 PM インターネットをさまよっていたらアメリカでわいせつシーンで話題になっている GTAこと「Grand Theft Auto:San Andreas」 の問題のシーンの動画を発見しました。 見てみるとたしかに問題ありまくりのシーンですね(汗) レーティングが成人のみというのもわかります。 ----- --------
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2005年07月24日 05:47

2005年07月19日

日米で進む「GTA」包囲網

残虐ゲーム:グランド・セフト最新作、隠し性的描写も?
奈川県が有害図書に指定した後、注目の高まっている「GTA」ですが、米国でも「GTA」に関する問題が持ち上がっています。「GTA
サンアンドレアス」の中に、露骨な性交渉のシーンが隠されていて、改造プログラムを使うことで、ユーザーが誰でもそのシーンを見ることができるようです。

改造プログラムの作者のウェブサイトでは、性行為のシーンはゲーム本体の中に隠されていて、ユーザーが見られないようになって
いたが、それを使えるようにしただけだと主張している。事実なら、ロックスターが
ESRBへの情報開示を怠ったことになり、レーティングが現在の「M」(17歳以上)から「AO」(成人向け)に引き上げられる可能性がある。

問題の焦点は、開発元のロックスターがレーティングを行っているESRBに対して、適切な情報開示をおこなっていなかったのではないか?という点。性交渉
を表現の自由として盛りこむのは、作り手の自由でしょうが、もしウソをついていたのなら、最悪の行い。
ところでそもそもウソをつく理由はあるのでしょうか? 米国では、レーティングによっては取り扱いをしない店が多くあります。特に、現在のMature
(17歳以上)から、Adult Only(18歳以上)になると、売り場が明確に区別されるうえ、取り扱わない店舗が大幅に増えるのです。
レーティングというと、「表現の自由」のためという美しい言葉だけが持ち出されがちです。しかし実際には、レーティング結果は売上にまったく無関係ではあ
りません。
もちろん、本当にロックスターが意図的にレーティングを操作しようとしていたのかどうかはわかりません。実際、改造プログラムを使わなければオープンしな
いのであれば、グレーという気がします。
しかし今回の件で、レーティングを行うESRBの有効性には、大きな傷が入りました。ESRBは日本のCEROを設立する際に参考にした団体です。米国通
のゲーム業界関係者は「米国のほうが日本よりもレーティングが浸透している」「CEROは米国のESRBを参考にしているから大丈夫」などといいますが、
実態はこんなものです。正確には、「実態がこんなもの」だと知れ渡ってしまいました。ゲーム業界の自主規制を不十分と考える人たちが、日米で勢いを増すの
は確実でしょう。
残虐ゲーム:ヒラリー議員、「隠し性的描写」の調査要求
ヒラリー・クリントン米上院議員は14日(現地時間)、人気ゲーム「グランド・セフト・オート・サン・アンドレアス」に露骨な性
交渉の場面が隠されている疑いが浮上したため、連邦取引委員会(FTC)に調査を開始するよう要求した。既に業界団体が対応に乗り出しているが、強制力の
ある公的機関の関与を求めており、問題が大きくなってきた。
 同議員はFTCに文書を送り、隠されていたというのは事実かどうか調べるよう要求。さらに、ゲームのレーティングを現在の「M」(17歳以上)から
「AO」(成人向け)に変更すべきかどうか、業界自身によるレーティング制度が機能しているかどうか、報告するよう求めた。
(太線は引用者)

題は「GTA」1本ではなく、米国のレーティング制度そのもの、ひいてはゲーム産業への信頼感にまで広がりつつあります。

Posted by amanoudume at 00:30 個別リンク

2005年07月17日

ソニーとアダルトの危険な関係

うーん、まさか、週間ポストに載るとは・・・・。
ソニーPS2「局部丸見えゲーム」仰天騒動

あるゲームソフトが、マニアの間で注目の的になっている。その名も『THE お姉チャンプルゥ〜THE
姉チャン特別編〜』。6月23日に発売されたばかりの「プレイステーション2」用ソフトだが、なんとこのゲームの中に、女性の”局部”が露になるシーンが
あると話題になっているのだ。

これって、元々は探偵ファイルに掲載された情報ですね。それが飛び火して週刊誌の記事になりました。
    ○探偵ファイル 「ソニーに股間を見せに行く」
    ○探偵ファイル 「ソニーに股間を見せに行く2」
    ○探偵ファイル 「ソニーに股間を見せに行く3」

それにしても、最近ソニー周辺では「アダルト」「エロ」「美少女」といったキーワードがあふれているのが興味深いですね。美少女ゲームがPS2とPSPで数多く発表されているのは周知の事実として、アダルトUMD発売の時も、かなり騒がれました。
    ○大人のためのPSPのページ (発売予定リストがあります)
    ○忍之閻魔帳 「その「困惑」は本心かポーズか」
    ○読売 「ソニー困った PSP用アダルトソフト いつでもどこでもAV」
    ○朝日 「PSP向けアダルトビデオ発売へ SCEは困惑」
うーん、ただの偶然なんでしょうけど、なんでこうも次から次へと?
今のソニーってネタの宝庫ですから、週刊誌に狙われているのは確かでしょう。
でも狙われやすい理由は、ソニー自身にあるように思いますね。お姉チャンプルの記事にしても、もしも「アダルトUMD」の発売が無ければ、さすがに週刊誌
には載らなかったかもしれません。みんなの頭に「アダルトのソニー」というイメージがあったから、記事にされたんでしょう。
しかし今のソニーの「アダルト」戦略って、どうなんでしょうか? 短期的には売上に貢献するかもしれませんが、「アダルトのソニー」というイメージを広げ
るのは、長期的には得策ではないと思うのですが。と思っていたら、やっぱり同じことを考えている人は少なくないようで、その1つを紹介。
実践ビジネス発想法 「ベガで健全ファミリー路線を強化するソニーがPSPではアダルトDVDを投入」

それではソニーは完全に穏やかなファミリー路線にシフトするつもりかというと、ゲーム機の方では、男性ユーザをターゲットにした
過激な路線を狙っているから不思議です。
(中略)
アダルトビデオ導入の目的は、新規格のUMDの普及にあるようです。だとすれば、この戦略単体で考えると、十分に合理的な決定だといえるでしょう。問題
は、「ハッピーベガシリーズ」で狙う健全ファミリー路線と整合性がとれるかということです。ソニーが理想とするのは、リビングルームでは家族全員でハッ
ピーベガのテレビを見て、自室に戻ればPSPでアダルトビデオを楽しむ姿でしょうか?

しかし現実は厳しい。EXAPON Becky!さんの記事
よれば、アダルトUMDはPSP本体の売上に貢献していないようです。短期的には効果が無く、長期的にはイメージを悪化させる戦略でしたね。

Posted by amanoudume at 04:35 個別リンク | TrackBack(1)
週間ポストにPS2「局部丸見えゲーム」掲載
Excerpt: 最近ネット界隈で話題に上がっていた例の「THE お姉チャンプルゥ ~THE 姉チャン 特別編~」ですが週間ポストの記事になってしまいました。 ジャケットはこんな感じ ----- PING: TITLE: ホーム/2005-07-19 URL: http://www.tonkatsu3.com/index.php?%A5%DB%A1%BC%A5%E0%2F2005-07-19 IP: 59.106.12.169 BLOG NAME: とんかつ3号 隠れ亭 DATE: 07/18/2005 11:08:32 PM 電車男を観てきました。それほど期待していなかったので、充分楽しめました。「おかわりキボンヌ」。やっぱり山田孝之は男前だなと。やっぱりエルメスた んみたいな女性は大木こだま師匠も「そんな奴おらへんやろ」と言いたくなるほど非現実的な(でも居たらスゲー)女性...
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2005年07月17日 11:27

2005年07月15日

そして「新規ソフトが売れない」は死語になった

ゲームソフト市場に明らかな変化が表れています。
電撃オンラインの集計によると、DSの「やわらかあたま塾」が2週目にして、12万5000本。驚異的なのは、発売初週と同じペースで売れていること。これは「大人のDSトレーニング」と同じ現象で、ゲームソフトの販売動向としては、非常にめずらしい。「大人のDSトレーニング」は毎週3万〜3万5000本売れ続けて、累計26万本。30万本突破は確実で、発売から2ヶ月が経過しても販売ペースがまったく落ちないため、いったいどこまで伸びるのか、見当がつかない状態です。

また興味深いのは、電撃編集部による分析結果。

ちなみに、『nintendogs』が発売された4月18日週以降のDSソフト市場に占める前記3タイトルの販売構成比は、実に54.5%(『DS楽引辞典』を加えると55.6%)。従来のDSユーザーとは異なる女性層や大人層といった新規ユーザーを獲得しながら、市場を大きく牽引しています。
明らかに新規ユーザーが開拓されていることが数字の上で証明されたといえます。

電撃編集部が取り上げた3本のゲームソフトの特徴を一言であらわすと、「敷居の低さ」でしょう。
   ○値段が安い  (「やわらかあたま塾」「大人のDSトレーニング」)
   ○インターフェイスが優れている (「大人のDSトレーニング」)
   ○腕前が上達しなくても、ゲームのほとんどの要素にアクセス可能になる (3タイトルとも)
   ○一般のユーザーが興味をひく題材である (脳、犬といったテーマ)
   ○関連性が高い商品を展開することで、販売の相乗効果が発揮される (「やわらかあたま塾」「大人のDSトレーニング」)

また、こうした新しいソフトの販売動向で特徴的なのは
   ○長く売れつづけている
   ○発売前よりも、発売後に盛り上がっている
という点です。
これは「長期持続型」の成功といえます。

「問題点噴出!米映画産業」でかいたように、多くのコンテンツは発売日前に盛り上げて、発売日近辺で集中的に投資を回収しようとする「短期決戦型」の傾向を強めています。しかし一方で、ロングテール論の台頭など、長期持続型の成功例があちこちで芽を出しつつあります。

ネットというのは、情報の伝達が早いですから、それに背中を押される形で発売前に一気に盛り上げる方向にむかうのか、あるいは逆に口コミのパワーを利用して、発売後に盛り上げていくのか。両極端の方法論が顕在化している点が興味深いですね。

ただ、発売前に短期決戦的に盛り上げようとする方法論は、すでにタイトルの名前が十分知られているときは有効ですが、まったく新しいソフト、新しい名前を広げようとするときには、あまりうまくいかない。かえって、発売前には話題が盛り上がっていたのに、発売後に話題がなくなってしまう、という「短命化」をまねく危険があります。

たとえば、以前このブログで販売動向を分析した「メテオス」の場合、発売前にはかなり(といってもゲーマー系ブログで)盛り上がっていたのに、発売後にはファーストプレイの感想が1日、2日書かれたぐらいで、話題の求心力が失われてしまったように見えました。当時うちのブログにしても、よそにしても、コメント欄にやってきたゲーム通の方が、「今時パズルゲームが売れるとは限らない」とか「今時、新規ソフトが売れないのは常識」とか、そういうことを断言しておられました。
もちろん、新規ソフトを売るのがものすごく難しいというのは事実ですし、ボクも同意します。けれどもその認識がいきすぎて、「売れないのが常識」というようなことになってしまうと、さすがに、ちょっと違うんじゃないか?と思います。

関連:
    ○忍之閻魔帳 「「やわらかあたま塾」2週で10万本突破」
    ○暮らしWORLD:おもちゃで鍛える脳ブーム 何でもできる?何をする?

Posted by amanoudume at 00:00 個別リンク

2005年07月12日

問題点噴出!米映画産業

世界的なハリウッド低迷のためか、最近ハリウッドの問題点を指摘するニュースが増えてきた気がします。不調な時には過去に蓄積された問題が一気に噴出しや
すいのでしょうね。好調な時よりも不調な時のほうが問題点に注目が集まりやすいのも確かでしょう。
産経新聞ENAK 「早まる新作のDVD化 米映画館“死活問題」

米国で映画製作会社と映画館が対立を深めている。原因はDVD。市場の拡大を受け、新作映画がDVD化される期間がどんどん短く
なり、映画館の観客の入りにも影響を及ぼしはじめてきたからだ。人気DVDの売り上げは、映画館での大ヒットの目安である1億ドル(約100億円)の興行
収入を発売後数日で追い抜いてしまう。もともと利幅が薄い映画館側は「上映中の作品がDVDとして店頭に並ぶのは死活問題」と頭を抱えている。

ゲーム業界の実例に当てはめるとすると、家庭用ゲーム機の性能が上がってきたり、互換基盤が普及したせいで、アーケードゲームの映像品質面での優位性が失
われ、移植が短期間かつ高精度で行われてアーケードに行く価値が減少していった現象と似ているかも。
また、映画ビジネスはどんどん短期決戦型になっています。もちろん映画にかぎらず、アニメやゲームでも同じことが起きてます。それだけコンテンツの供給者
側に余裕がなくなっていますし、「消費」のスピードがおそろしく速くなった現代の市場の性質でもあります。評判の伝達が異常に高速化しているネットの影響
も少なからずあるのでしょう。
また、失敗作品となると、短縮化にさらに拍車がかかる。昨年10月末に公開された人気スター、ベン・アフレック主演の「サバイ
ビング・クリスマス」は客が入らず2週間で打ち切り。失敗分をDVDで取り戻そうと、映画公開からたった2カ月後の12月22日にDVDが発売された。

ゲーム業界でも、それなりに体力があるはずの大手パブリッシャーが余裕の無いことをして、もっと余裕を無くすような行為を数年にわたって続けた挙句、もっ
とダメになってしまうケースが進行していました。たとえば、資金をかけたソフトの売上が不調な時に、資金回収に必死な供給側があせって半年程度で廉価版を
出して、小売店の信用を失った挙句、ユーザーに「安く買えるソフト」という認識を植えつけてしまう、という失敗が後をたちません。
コンテンツの世界で、短期決戦型のビジネスモデルに傾斜している実例が多い一方で、いわゆるロングテール現象を始めとする、長期決戦型の成功例も目立ち始めているのが興味深いです。

ゲームにおいても、据置ゲーム市場の短期決戦化がより強く顕在化する一方で、携帯ゲーム市場ではロングランが多い傾向が現れています。電撃オンラインの集計
見ても、発売から数ヶ月経ったDSのソフトが数多くいまだに上位50にランクインしているのがわかります。PSPでは「みんなのゴルフ ポータブル」、
PS2では「大都技研公式パチスロシミュレータ 吉宗」が粘り強いです。実売20万本を突破した「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の成功例も考え合わ
せると、対象年齢層が高い層において、ロングラン市場が形成されつつあるのかもしれません。

Posted by amanoudume at 00:56 個別リンク | TrackBack(1)
ホーム/2005-07-13
Excerpt: [[:]] 問題点噴出!米映画産業(発熱地帯) DVD問題の為に映画業界の体力が減退して作られる映画の数とか減っちゃったら元も子も無いわけで。 女子高生に学ぶ萌えしぐさ(ネタサイド) でもこれらのしぐさを『光浦靖子』がやっていても萌えんだろうなぁ。やはり萌えしぐさは、...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年07月12日 22:15

2005年07月08日

恐竜の時代から哺乳類の時代への変化を予感させるハリウッドの衰退

などと、ちょっと煽りっぽいタイトルをつけてしまいましたが、あくまで「予感」
すので、強力な根拠があるわけではありません。変化の兆候をどう捉えるかは人それぞれ。自分が数十年間生きてきた常識にとらわれてこれからやってくる大変
化を無視し、大きなチャンスを逃すのか、それとも時代の変化をピリピリと感じ取って、変化の波に乗るのか。どちらも自由なのです。
ボクの情報チェック網が広がったのか、それとも事態が深刻化している証左なのか、ハリウッドの低迷を指摘する記事をあちこちで目にします。
産経新聞ENAK 「米映画「寒い夏」 興行収入が過去最低」

米国で今年に入っての映画の総興行収入が18週連続で前年割れとなり、ハリウッド史上、過去最悪の記録となったことが28日、明らかになった。米国以外の国でも不調が続いており、世界的な興行低迷の様相を呈している。

産経新聞ENAK 「アニメ、純愛で邦画好調」

米国の映画人口減少が顕著になる一方、日本映画界は昨年の興行収入が新記録を樹立するなど好調だ。牽引(けんいん)役はハリウッド映画ではなく、アニメ人気や純愛ブームが続く邦画だ。
(中略)
ある洋画配給会社は「米映画が流行の先端だった時代は終わり、身近な邦画の面白さが理解され始めた。リメークや続編ばかりのハリウッドのネタ不足も深刻だ」と指摘した。

哲0701の日記 「アメリカの興行不振が我々の町を直撃する!」

アメリカでは映画の興行成績が長期にわたり低迷している。「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」が記録破りの興収を記録しているにもかかわらずである。この傾向は世界的なもので、前年同時期に比べて日本でも10%減となっているとのこと。

さて次の企画は 「ハリウッドも中国を目指す 」

アメリカでは、映画の興行成績の不振が相変わらず続いている。ちょっとソースが見つからなくなった(ブックマークをもっと多用しようっと)が、スピルバーグは宇宙戦争の工業収益の伸び悩みでこれから大規模作品は作らないと発言したという話もあった。

narinari.com 「ハリウッド映画の興行収入が過去最低に。」

最近では「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」という記録破りな作品がありましたが、それ以外は軒並み低迷。今年に入ってから総興行収入が前年と比べて減少し続けるという、全体的に不調気味の米映画界です。

narinari.com 「低迷ハリウッド映画を尻目に、邦画の興行成績が絶好調。」

これまで日本の映画産業の興行面を支えてきたのはハリウッド映画であり、邦画は長い冬の時代を過ごして来たなりが、近年は徐々にアニメや新世代の監督による邦画が台頭。時にハリウッド映画を凌駕するほどのヒットを記録し、すっかり復権してきたなりね。


要因は色々あげられていますが、ハリウッド自身の問題(深刻なネタ不足)と消費者の嗜好の変化(より身近なテーマを求めるようになった)の2つが大きそう。また、身近なテーマのほうがネットの口コミに乗りやすい
という傾向があるのかもしれません。
中国市場が代表例ですが、長期的に考えると、従来の市場とは異なる新しい市場が次々と立ち上がっていきます。市場のパイが拡大するときは、ビジネスの根幹
を支える戦略思想や、コンテンツの発想土台がくつがえされることがしばしばありますから、旧時代の支配勢力がしだいに影響力をうしなっていくことは十分あ
りえるシナリオです。

「予感」で動く人と、「理論」で動く人と、「常識」で動く人

こうしたハリウッドの衰退を目にして、どう反応するかは人それぞれでしょう。
米国娯楽産業の衰退と捉える人もいるでしょうし、恐竜的制作→哺乳類的制作への変化の兆候と受け取る人もいるでしょうし、同じことがこれからゲーム産業でも起きるのでは?と考える人もいるでしょう。いろいろな意見があると思います。

なぜなら現段階では多くの人が変化の「予感」を感じ取っているものの、それはまだ「理論」にまで至っていないからです。しかし現象(現実)は常に「理論」に先行し、成功をおさめる者は「理論」ができる前に変化の波に乗り、みずから「理論」の体現者となるのです。

たとえば、最近流行っている「ロングテール現象」についても同じことがいえます。ロングテール現象で引き合いに出されるのはアマゾンですが、アマゾンはロングテールという理論が発表されるはるか前から、変化の波に飛び込んでいた
です。
どれほど先端的な人物が口にしたものであれ、「理論」はつねに現実より遅れる。ボクも理屈好きですから、自己への警句としたいです。ふだんは「理論」や
「理屈」を書いていますが、今回はあえて「予感」を書くことにしました。たまにはいいでしょう。
世の中には3種類の人がいます。
変化の「予感」の段階で動く人(この例では、アマゾンの創設者等のイノベータ)、「理論」の段階で動く人(ロングテール論の提唱者。ロングテール論を布教
する人々)、「常識」の段階で動く人(あるいは最後まで動かない人、ともいう)。どの時点で動くかは人それぞれの判断であり、生き方であり、スタンスであ
り、人生です。正しいも間違いもない。
ひとつ残念なのはゲーム業界では「常識」の人が意外と多いということ。
20世紀的な発想からいつまでも抜け出せない感性の持ち主が、「ハリウッドは最強だね。これからはゲームもそうなるよ。それが発展というもので、ゲームは
ますます繁栄していくんだ」とか、「米国の娯楽産業はすばらしい。現在もそして未来も。だから彼らのやり方をまねればいいんだ」などと、わめき散らしてい
ることです。
ハリウッドの衰退という現象が目の前で起こり、先端的な消費者においては、ハリウッド的なるものへの関心が低下している状況で、ネットであれリアルであ
れ、そんなようなことをわめくセンスはおよそ理解しがたい。世の中には色々な人がいます。5年はもつが、10年はもたないだろう船に嬉々として乗り込みた
がる人もいます。

Posted by amanoudume at 00:56 個別リンク

2005年07月05日

アーケード業界での「同人」の大成功

神聖マルチ王国 「メルブラACがアーケード業界にもたらしたものとは?」
同人ゲーム「月姫」を題材にした格闘ゲーム「メルブラ」のアーケード版、「メルブラAC」(アクト・カデンツァ)が低迷するビデオゲーム市場でヒットして
いるようです(ここでいうビデオゲームは、大型筐体ものを含んでいません)。神聖マルチ王国さんがヒットの要因を分析されています。とても面白いので、ぜ
ひ元記事をあたってください。
一般化できそうな要因を抜き出してみると、3点あります。
    ●新規ユーザーの獲得
     ふだんゲーセンで格闘ゲームを遊んでいないタイプのオタ層が「月姫」の
     格闘ゲームということで流入した。
    ●競合相手の減少
     大型筐体の導入が進み、大手を中心にそちらへのシフトが進んだ結果、
     ビデオゲームの領域で競合相手が減っていた(近年はくそゲーが乱発
     されていた)
    ●十分普及しているプラットフォームで、(相対的に)低価格なリリース
     普及しているNAOMI基板で動き、数千万円の高価格な筐体は導入
     できない中小のオペレータの救世主となった。
この3点はアーケードに限らず、割と一般的に耳にする「意外な成功」の要因だと思います。競争力というものは、他者と異なる点をもち、その点が市場で価値をもつこと
す。一番わかりやすいのは、これだ!という未来を見つけて、最先端に向かって突っ走ること。先頭集団を維持できれば、それがそのまま競争力につながりま
す。
ですから、世の中の大多数の会社は世間で「次はこれだ!」と騒がれると、いっせいに動き始めるわけです。ところが本当に先頭集団をキープできるのは、世間
では誰も騒いでいないし、へたをすると「そんなところに走っていって、どうするの?」といわれている時点で走り出した会社だけです。大多数の会社は遅れて
走り出して、満員電車のようなラッシュにみずから踊りこんで、たいした差別化ができない状況で、苦しい競争を始めます。

新しいことを始める→古いものが多い中ではユニークであり、今後価値をもつ→競争力が生まれる

というのが本来の図式なのですが、
新しいことを始める→競争力が生まれる

と誤解している人たちがじつに多いわけです。口では「ユニーク」といいながら、同時に人と違う、みんなと違うことに不安をおぼえる。それが人の心理でしょう。

しかしみんなが最先端に向かいつつも、好んでラッシュに巻き込まれている一方、元々みんながいた場所には逆にチャンスが生まれているわけです。競合相手がいない、枯れた技術を基盤にしているため低価格である、といった成功の要因があるからです。

あえて遅れてついていくというのは、戦略としてはなかなか面白いのではないか、と思います。もっともあまりカッコいい感じはしませんから、先端的なイメージで売りたい企業や、常に前進を求められている巨大企業にはそういう戦略は難しいでしょう。
しかし小規模の会社、あるいは個人が成功を狙うなら、「みんな」が見向きもしなくなった領域をあえて掘ってみるのも面白いでしょう。「みんな」なんて、じつは世の中の半分にも達してはいないのです。

Posted by amanoudume at 22:12 個別リンク

2005年07月03日

構造的に「提灯」化せざるを得なくなる雑誌とライター?

AMDのインテル提訴が飛び火

AMDが日米でインテルを提訴した一件が飛び火して、ネット上で面白い展開を見せています。提訴内容の中には、インテルがPC雑誌編集者に圧力をかけて、掲載予定だったAMD製品の記事を削除させたり、ベンチマーク記事の内容を変更させた、と書いてありました。

これにインプレスが噛みついたことで、騒ぎが大きくなりました。
DOS/V POWER REPORT 「日本AMDのインテルに対する損害賠償請求訴訟に関して」

DOS/V POWER REPORTと同誌編集スタッフは、製品メーカーならびに第三者からの一方的な意見により掲載予定記事を削除、変更した事実はないことを明言いたします。今後もメーカーと読者の中間に立ち、公平な視点から情報を発信してゆく所存です。

また、PC系ライターの元麻布氏が、AMDはPC雑誌の名誉を毀損した、と怒りをあらわにしています。
元麻布春男の週刊PCホットライン 「PC雑誌はインテルの圧力に負けたのか」

筆者は発表会の場において、この「PC雑誌」の具体的な媒体名について質問したが、回答を得ることはできなかった。また、訴状に
は具体的な媒体名があるのか、ということも質問したが、こちらも答えは得られなかった。これでは、弊誌を含む不特定の媒体がインテルからの圧力により記事
の内容を変えているように受け取られてもしょうがない。
筆者は、この訴状の要旨にある「編集者」ではなく、一介のライターに過ぎない。しかし、長年に渡り、各社の各種の媒体に記事を書いてきたが、少なくともイ
ンテルからの圧力で自分の原稿がボツになったことはないと信じている。また、編集者から原稿の内容を変えるように依頼されたことはない。おそらく、他の多
くのライター諸氏も同じだと思うし、編集者/編集部も同様だと思う。

しかし名指しで批判されたわけでもないのに、ここまで強く反応したのは今の所インプレスだけ。個人ブログ並みの過剰反応っぷり。それが逆にインプレスあやしいんじゃねーの?という疑いを呼んだようです。
    ●【元麻布】提灯ライター総合スレPart11【大噴火】
    ●「PC雑誌の名誉を毀損したAMD」by元麻布春男
    ●【PC】AMD、独禁法違反でIntelを提訴【06/28】
直いって、ボクにはAMDの主張が正しいのかどうか、とか、インプレスが怪しいのかどうか、なんて判断できません。というのは、ふだんPC雑誌を読んでま
せんから。ライターの書く記事をまともに受け取ったことも一度もありませんし。しかし騒ぎ自体は興味深く見守っています。
ちなみに「Intelの独占禁止法違反の疑い  リンク集」さんの「インテル広報からの圧力」という記事よれば、すでに廃刊した「パソコン批評」にはインテルからの圧力がかかっていたらしいです。ただし、AMDの訴状の中にある「圧力がかかってAMDの記事を削除した雑誌」がパソコン批評かどうかはわかりません。

構造的に「提灯」化せざるを得なくなる?
「提灯記事」というのは、雑誌業界において、古くから指摘されてきた問題です。存在する決定的な証拠は無くとも、ほとんどの読者が実在を疑っていません。 疑い深い読者にとって、メディアやライターの書く記事はつねにグレーです。ライターの方々は色々な読者の目につねにさらされているわけで、それはもう大変 な仕事でしょう。けれども、だからこそお金を払ってもらえる仕事になるのだ、ともいえます。視線に耐えることが、プロとしての最低限の条件でしょう。 こうした問題を考えるとき、ふと思い出したのがこの記事です。 犬にかぶらせろ! 『マックパワー』のリニューアルって……
事実一冊丸ごとタイアップという雑誌は少なくない。『Title』なんかはそうで、編集長に特集を決める権利など与えられていない。広告営業が半年先までの特集を決め、編集者による企画会議なんて実質タイアップの内容を決めるだけと聞いた。

この方式だと雑誌が店頭に並ぶ前にペイできているので、実際売れなくたって構わない。


引く出版不況の末、雑誌記事が記事広告化して、売れなくても広告だけで食っていける世界になりつつある、という話。もちろん、あらゆる分野で雑誌がこうい
う形態になるとはいいませんが、長期的な部数の落ち込みをカバーできないなら、潰れるしかないわけで、消滅よりは広告雑誌化する道をえらぶのも無理はない
でしょう。
長期的には、雑誌は中立性、客観性よりも、広告化、もしくは提灯化せざるを得ない気がします。日本人はメディアに中立性、客観性を強く求める人が多いので
すが、実際にはそれはかなり幻想で、主観の入らない表現/伝達/メディアなどありえません。どうしてもフィルタはかかるでしょう。もしかからない、と言う
人がいるなら、その人こそフィルタの権化なのですよ。
ですからボクの見解をのべるなら、メディアやライターに偏りがあるのはかまわないのです。それを読者がわかってさえいれば。「あの編集部はいつも○○寄り
なんだよな」「あのライター、○○の提灯だね」という評判をブログなり何なりで敷衍させていけばいい。
もし本当にそのメディアが提灯で、それ以外の価値が無いなら、読者は自然と離れていきます。読者のいない場所で、延々と叫び続ければいい。逆にそのメディ
アにある種の偏りがあったとしても、それ以外の価値がきちんと発揮されていれば、読者は残るでしょう。

Posted by amanoudume at 07:43 個別リンク

2005年06月30日

進むPCのスリム化

PCWatch HotHot Review 「BTX採用のスリムデスクトップPC デル Dimension 5100C」うー
ん、小さい・・・・。次買うならこのサイズがいいかも。
購入選択としてデルがいいかどうかはさておき、それなりのパフォーマンスを持ったデスクトップでも、スリムタイプが増えてますね。2、3年前だと、小型
PCというと「メールとブラウザしか使わないエントリー向け」オンリーという印象でした。今はミドルレンジ向けのPCにも小型化(スリム化)の波が押し寄
せてます。
PC全体で見て、ここ数年、「小型化」「静音化」「低価格化」が顕著です。とくに「小型化」「静音化」はかつてはニッチ市場でしたが、いまや本格的な市場
に成長しました。ノートPCの販売が順調なのも、小型で静かで片付けられるPCとして、デスクトップのかわりに買っている人がかなり増えたおかげですし。
そしていわゆるケータイ世代の台頭で、「小型化」「静音化」「低価格化」はますます力強い潮流となります。
神尾寿の時事日想 「ケータイ世代のPC選び」

ふと考えてみると、この選び方は「ケータイ的」だと気づく。実際男女を問わず、ケータイを使いこなしているユーザーの方がすっぱ
りと割り切る傾向が強い。彼らの多くが、かつてのPCユーザーのように拡張性や自由度を重視しない。Webブラウズとメール、そしてオフィススイート
(ワープロと表計算)ができればよく、必要に応じてソフトウェアの追加はするが、周辺機器などハードウェアにはほとんど投資しない。目的意識がハッキリし
ていて、シンプルだ。一方で、価格とデザインはやたらと気にする。

PCは「もうこれぐらいあれば困らないよね」という性能水準がユーザーに見えてしまいました。もちろん最先端のグラフィックスボードを買って、パフォーマ
ンスを追及するユーザーもいますが、逆にそちらがニッチ化していくのでしょう。グラフィックスボード1枚で普通のPCが1台変えてしまうというのは、まと
もな消費感覚すれば、異常なわけです。いまなお最先端な性能が必要な理由は、クリエイティブ系の仕事(動画編集、3DCG、等)と最先端ゲームぐらいで
しょう。
また米国のPCゲーム市場は年々縮小していて、逆に家庭用ゲーム機市場が年々成長しています。PS2やXBOXの発売で、従来はPCゲームを遊んでいた大
人の層が、家庭用ゲーム機に移ってきたからです。そしてXBOX360で、その流れはさらに加速します。
1つは、HD対応(=高解像度化)によって、「Age Of
Empire」シリーズなどのRTS(リアルタイムストラテジー)が持ってきやすくなるからです。あの手のシミュレーションゲームは、解像度が高くないと
遊びにくいですから、HD化の恩恵をもっとも受けるでしょう。
もう1つは、マイクロソフトが戦略として、「PCゲーム→XBOX360」を顕著にしているためです。もちろんマイクロソフトも、PCを家庭内のゲームプ
ラットフォームにする、という路線を完全にあきらめてはいないでしょう。しかし少なくとも今後5年間を考えると、XBOX360寄りの戦略が妥当でしょ
う。
PCは当面、低価格化が推し進められて、新興市場にどんどん浸透していく。その一方、ハイエンドのゲームを楽しみたい人はXBOX360やPS3などの次
世代機に流れ、それでは環境的に満足できない一部のウルトラコア層がPCで超ハイエンドゲームを楽しむようになると思います。
ただし、2Dやローポリゴン等の低性能で動くゲーム、FLASHレベルのゲームについては、小型で静かで低価格なPCで、十分な安定性で動かせます。ソフ
トウェアのレイヤーで十分互換性や安定性を取れますから。その手のゲームはPC全体のインストールベースが世界規模で拡大していくにつれて、ユーザーが拡
大していくでしょう。
次の5年では、PCのローエンド化/スリム化と、家庭用ゲームのハイエンド化/巨大化が同時に進みます。そしてさらに次の5年で、両者はかなり近い世界に
なっていくのではないか、と思います。
(もっともそこに、携帯電話やポータブル音楽プレーヤーも割り込んでくる気はしますが)

Posted by amanoudume at 22:25 個別リンク

2005年06月29日

専用機戦略がうまくいく例

ITmedia:Tablet PCを「まだ信じる」ビル・ゲイツ氏
このニュースを読んで、やはりタブレットPCはまだまだ浸透してないし、難題は多いなあ・・・・と感じてしまいました。

一握りのベンダーがTablet PCを販売しているが、医療などの特殊な市場が売上の大半を占めている。ほかのユーザーや企業ユーザーはあまりこのフォームファクターを気に入っていない。
2004年のTablet PC出荷台数は約64万台、今年は120万台に達する見込みだ。
PDAが長期低落を避けられず、携帯電話への搭載も一部の機種にとどまり、急拡大する気配は今のところ見えません。タブレットPCも先行きは険しい。このままだと、DSが世界最大のタッチパネルプラットフォームになりそうです。

タブレットPCにしても、携帯電話にしても、タッチパネル対応という点ではソフト不足が深刻です。というのは、既存の市場にくらべて、タッチパネル搭載機の市場があまりに小さすぎて、開発会社/制作者にとって、すぐれたソフトを作るメリットが薄いからです。

タブレットPCはPC全体から見れば、誤差のようなシェアしか占めていません。携帯電話にしても、どのメーカーの機種にも標準搭載するならともかく、現状では対応機種が限られていますから、わざわざタッチパネルを大前提にしたアプリを作るメリットが薄いのです。こういうケースでは、汎用機よりも、専用機のほうが有利です。基本的にすべてのソフトが対応しますから、対応ソフトはハイペースで増えますし、本数が増えればその分優れたソフトが誕生する確率も高まります。事実、発売から1年経たないうちに、「DSトレーニング」「nintendogs」「パックピクス」などなど、タッチパネルを生かしたソフトがいくつも世に出ています。

新しいハードウェア技術と対応ソフトを短期間に浸透/成功させるには、標準搭載を前提とした専用機プラットフォームが良い、といえるかもしれません。(これが特殊なハードウェアでなく、ソフトウェア単体のケースであれば、逆に汎用機プラットフォームのほうが成長の土台として適している、といえるかも)

Posted by amanoudume at 00:02 個別リンク | TrackBack(2)
ホーム/2005-06-29
Excerpt: 全身麻酔(pya!) c⌒っ ´ρ`)っφ グーグルが3D表示可能な地図ソフト「Google Earth」を提供開始(CNET) おおおおお。 [Google Earth Download] タブレットPCって(発熱地帯) あぁ。。。あったよね、タブレットPC。 HP Tablet PC TC1100 NEC タブレットPC 東芝 dynabook ...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2005年06月28日 22:52
★タブレットPCが欲しいでも...
Excerpt: タブレットPCが欲しいけど...まだ価格が高すぎる!4〜5万でフォトショップとかが楽々動けば買いたいのだが。気軽にタブレットPCもってスケッチと かに行けそうだし。アップルから『Iタブレット』とか出ないかな〜もうし少し安くなればな〜...。【タブレットPC】東芝dynaboo...
Weblog: おすすめ商品!
Tracked: 2005年06月29日 02:12

2005年06月21日

プレイデータ中心主義がもたらすもの

オンラインゲーム時代のパラダイムシフト

Intermezzo「スクウェアエニックス株主総会レポート」
マルチプラットフォーム路線があらためて鮮明化しています。
「イノベーションのジレンマ」の話を引用しつつ、ゲーム機、PC、携帯電話の性能は大多数のユーザーが満足できるレベルに達してきており、どれもがネットワークにつながる状況にあることを強調。(参考:情報考学 Passion For The Future 書評「イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」

大多数のユーザーにとっての本当のニーズとは何か?を真剣に考えた結果、ソフトよりもプレイヤーの体験の蓄積であるセーブデータのほうが重要、という明快な結論に達したようです。そこで、スクウェアエニックスは、セーブデータをネットワーク上で一元的に管理するISP的な立場になり、利益を得る戦略なのでしょう。セーブデータにアクセスする手段そのものは、複数のゲーム機、あるいはPC、あるいは携帯電話でもいい。「FF11」がPC、PS2、XBOX360からアクセスできるのは、たしかに説得力のある実例。
関連 次世代で加速するマルチプラットフォーム

次世代機のゲーム、とくにオンラインゲームでは、マルチプラットフォームのタイトルが増加するでしょう。各ハードの性能差が縮まり、シェアの差も縮まるという予想が日増しに強くなっています。シェアの差が縮まるのであれば、単一プラットフォームに供給するのはリスクになります。

各プラットフォームにおいて、CPU性能やGPU性能はまだ差別化のしようがありますが、ネットワーク性能は横並びです。オンラインゲームで最も重要な付加価値は、じつはハードウェアの差別化につながりません。そのため、プロセッサ性能を高めて、他社との差別化を図るという「オフラインゲーム機の勝利戦略」が通じなくなります。

プレイデータ中心主義がもたらすもの

また、セーブデータで商売するという考え方は、以前書いた「プレイデータ中心のゲームデザイン」につながるものです。
関連 プレイヤー中心のゲームデザインから、プレイデータ中心のゲームデザインへ

プレイデータ中心主義に立てば、最近持てはやされている「アイテム課金」「アバター課金」「RMT(リアルマネートレーディング)」は自然な発想です。最初の10年はプレイヤーのスキルを評価する時代、次の10年はプレイヤーのゲームにかけた時間を評価する時代。そしてこれからの10年は、プレイヤーのゲームにかけたお金を評価する時代。お金を評価するというと、ちょっと誤解を招きそうですが。

家庭用ゲームにおいては、これまでは攻略本を買うというきわめて補助的な形でしか、お金は有効利用されませんでした。アーケードではコインを多く投じれば、それだけ機会は多くなりますが、お金をかけたところで、最後までたどり着けるわけではありません。プレイヤーの腕前や、プレイヤーのかけた労力に対してフェアであるべき、という考え方です。

しかしゲームの歴史をふり返ると、「買った人は誰でも最後まで到達する権利がある」という考え方が徐々に強くなっているのです。メディアとしてのゲームが浸透していくにつれて、ゲームを遊ぶ人の年齢の幅が広がるわけですから、自然なことです。

けれども、ゲームは各プレイヤーの差がつくから面白いのですし、いまだに多くのゲームは「競争」原理を取り入れているわけです。そのため、単純にプレイヤー全員に対して、障害を低くするのはうまくないです。また、難易度を下げていくと、プレイボリュームを維持するために、ゲーム自体のボリュームを膨大にせざるを得ません。しかしそうなると、時間の無いユーザーはふるい落とされてしまいます。それに密度の薄いプレイ時間延ばしは、ゲームの価値を下落させます。たとえば、やたらエンカウント率の高いRPG、後半につまらなくてだだっ広いダンジョンが多いRPG、・・・・。

ではプレイヤーごとの差はどこでつけるのか?
腕が無ければ時間を。時間が無ければ・・・・お金。
まあすべてのゲームがそうなるとはいいませんが、攻略本を買う以外の選択肢が提示されて、ゲームを最後まで遊べる人が増えるのは良いことでしょう。もちろん、システムとしてお金そのものを見せるとドギツいので、ゲームマネーのようなポイント制を取る所が多いんじゃないかと思います。

そうそう、カードゲームは新しいゲームデザインの良いヒントになるでしょう。「遊戯王」のようなリアルのカードゲームやアーケードのカードゲーム、オンラインゲームの「アルテイル」
お金をかけると手持ちのカード(アイテム)が増えて勝ちやすくなる、ただしお金だけですべてが決まるわけではない。プレイデータ中心主義がもたらすものは他にもあると思いますが、それについてはいずれまた書きたいと思います。

Posted by amanoudume at 00:44 個別リンク | TrackBack(0)

2005年06月20日

VIDEOGAME BATON (あるいは人生変えたゲームって何よ?)

今話題のゲームバトンがChannel KOF
アテナさんから回ってきました。
自分がいくつかの質問に答えたあと、他の5人に回していく、チェーンメールのブログ版みたいな企画です(回さないと、ゲーム本体の中から恐ろしい何かが飛
び出してくるらしい)。最初は Musical Baton という音楽についての質問が回ってましたが、続いて Videogame Baton
というゲームについての質問が回っているようです。
1.Total volume of game files on my computer(コンピュータに入ってるゲームファイルの容量)
まりエロゲーの総容量ってことですか?(違
海外のPCゲームはもはや入れてないのです。自宅マシンはヘボヘボなんですよね。スペックなんて不要です。WEBブラウザ、テキストエディタ、FLASH
MX、エロゲーが動けばそれでいいんです。グラフィックボードはインテルの統合チップセットですしね。NVIDIA?ATI?なんですか、それ? 自宅で
3Dのプログラムを組むことなんて、もはや無いですよ。いや会社でも無いけどね、99%。
で、エロゲーは「スクールデイズ」「光臨天使エンシェル・レナ」「魔界天使ジブリール2」の3本で、合計12.4GB。スクールデイズはまだ半分もエン
ディングを見てません。
2.Game playing right now(今進行中のテレビゲーム)

クリアするかというと微妙ですが、「ナムコ×カプコン」。
ていうか、最近はほとんどテレビゲームを遊んでません。マズいです、ヤバいです。世間様でいわれる「ゲーム離れ」ってやつでしょうかね。小説とエロゲーばっかりです。

3.The last video game I bought(最後に買ったテレビゲーム)

  ・据置ゲームだと「ナムコ×カプコン」。
  ・携帯機だと「大人のDSトレーニング」。
  ・エロゲーだと「塵骸魔京」を注文してます。

4.Five video games I play to a lot, or that mean a lot to me(よくプレイする、または特別な思い入れのある5つのテレビゲーム)

ぴゅう太 スクランブルファミコンの前にうちは「ぴゅう太」だったんですよ! ゲームソフトが20本ぐらい出てましたが、うちには全部あり
ましたよ。いや、当時ね、親父がトミーの仕事をしていて、社販で買ってきてくれたんですな。記憶に残ってるゲームは何本かありますけど、ふつうに遊べたの
はこれだけだった気が・・・・。ぴゅう太がファミコンに駆逐されていくのは悲しかったですねえ(それ以前に持ってるの、ボクだけだったけどな!)。
ファミコン ドラクエ2
やっぱりガキの頃に遊んだゲームが忘れられないよねえ・・・・。
思い出は2つあって、1つはもちろんロンダルキアの洞窟。もう1つは、親父とこづかいをかけて、「どちらが先に船を取るか?」競争をしたことかな。約2時間の激闘でした。(うちにはどういうわけか、当時2本のドラクエ2があったんですよ)。

あっ、ボクの親父はゲームを遊ぶ人でした。息子にエロゲー買い与えてましたし。まぁレトロゲーマーというか、コーエーの初代「三國志」をいまだに遊んでいますが。ボクが小学生の頃からずっと、20年はやり続けてますよ。

ファミコン 水晶の龍
アドベンチャーゲームで思い入れがあるのはこれ。「オホーツク」や「ポートピア」も思い出深いのですが、ゲームの中の女性キャラに惹かれたという点で、これははずせません。それにしても、当時はPCゲームが遊びたくてしょうがなかったですねえ。

雑誌に載ってる画面写真を見るたびに、なんであんなにキレイな女の子がいるんだよ!と興奮してました。その思いがボクをPCエンジン派(ロムロム派)に走らせたわけですよ。その後、ビキニアーマーの金字塔「ヴァリス」を買った、と。

ファミコン ウィザードリィ
パソコン版ではありませんが、やりこみといえば、これ。マッピングの楽しさを教えてくれた1本。あれだけの情熱をゲームに捧げることはもう無いかも。「ウィザードリィ日記」読んで、ほしくなったんですよね。

N64 「スーパーマリオ64」掛け値なしに人生を変えた1本。
当時は学生で、「3D? 興味ねー。発情するのは2Dに決まってるじゃねーか。ポリゴンに発情する人間なんて地球上にいるわけねーだろ」という考え方の持
ち主。ギャルゲー作ってる会社でアルバイトしてました。3Dへの関心が妙に薄かったんですよね。
これ遊んで「そっかー、今は3Dなのかっ!」(遅!)とショックを受けて、3Dプログラム覚えたんですよ、ボクは。200時間は遊びました。振動パック版
も買って100時間は遊んだので、合計300時間は遊んでると思います。3Dの勉強始めたのはかなり後発。プログラム自体、昔から組んでたわけじゃなく
て、大学3年の末期になってC覚えたぐらいです。
まー、もっとも、今となっては3Dプログラムに手を出したことが良かったのか悪かったのか。今はもう違うことしてますしねえ。でもプログラマを経験したこ
と自体は経験値ではあるかな。ボクの20代にもっとも影響を与えたゲームです。ボクの30代にもっとも影響を与えるゲームは何でしょうかねえ?
5.Five people to whom I'm passing the baton(バトンを渡す5名)

うーん、巡回先のブログ、大抵バトンが回っちゃってるんですよね。5名もいません。
てな訳でここでストップさせていただきます。ゲーム機本体からおそろしくかわいい女の子が出てくるのを期待してます。

Posted by amanoudume at 13:22 個別リンク

2005年06月19日

とりあえず感想

梅田望夫氏の「ウェブ社会[本当の大変化]はこれから始まる」が非常に面白いです。以前からちょくちょく書かれていたことを統合された記事で、梅田氏の思い描く「次の10年」の世界観が提示されています。

その世界観は大半のプロフェッショナルにとって、都合が悪い、きびしい話ではあるのですが、しかしながらボクは大いに共感し、同意し、肯定し、絶賛します。事実、ボクがこれまで書いてきた記事も、その大半がこの世界観にもとづいたものです。

外の圧倒的で膨大な開発リソースを生かすには、「ゲーム機」ビジネスの変化が必要

ボクが「ゲーム機」ビジネスに否定的
のも、それでは広がりが足りないからです。もっと広い範囲からクリエイティブパワー、開発労働力を短期間に集めるためには、オープンな環境を作らないとい
けない。
ただ、そうすると、プラットフォームホルダーにとっての旧来のおいしいビジネスが回らない。今はまだクローズドなほうがもうかるでしょう。第一、クローズ
ドを大前提にしたビジネスをしていますから、いきなりオープンにはできません。
ただ、永遠に保つわけもなく、しかも崩壊点はさほど遠くない。となると、それがいつごろなのか? 誰が最初に決断し開放するのか?がとても興味深いのです
よ。
けれども、それは既得権者にとってあまりに残酷な決断です。結局、誰も決断できないまま、「ゲーム機」業界そのものが地盤沈下していった挙句、ある日唐突
に外の世界からの侵攻によって開国させられる、という可能性もあるわけです。むしろ、ボクはそうなるんじゃないかという気がしています。まあ「ゲーム機」
メーカーが凋落するのも、悪いことじゃない。ロイヤリティーのみでしか食っていけない企業なら滅びてしまえばいいし、それ以外の手段(ハードそのものの利
益、ソフトの収益)で食えるなら十分サバイバルできるでしょう。ブタなら死ぬし、オオカミなら生きる。それだけのことです。

地球上からあなたが消えても、地球の重さは1gも変わらない、という現実

また、グローバルに労働力が移動する時代のため、プロとして食い続けるのがますます大変になります。プロの作品とアマの作品の境界は年々あいまいになってますから、プロの価値をより強く意識しなければいけないでしょう。

ゲームの二極化の果てはパブリッシャー/スタジオ/作家の3階層モデル?

ノベルゲーム、パズルゲーム、2D格闘ゲーム、2Dシューティングといった「枯れたジャンル」は、ゲーム会社という商業土壌から
スタートする優位性がほとんど失われつつあります。(ここでいう「枯れた」とは製作技術的に「枯れた」という意味で、人気が無いという意味ではありませ
ん)
製作技術的に「枯れた」以上、商業土壌と非商業土壌の開発面での優劣の差はかなり小さくなっています。商業土壌では、よりたやすく物量に走れるため、内容
を豪華にしたり、ボリュームをふくらませやすいです。けれどもこれら「枯れたジャンル」では、豪華主義やボリューム主義が有利に働くわけではありません。
むしろより買い求めやすい値段で提供したほうが、よほど売上につながる傾向があります。

ここ7ヶ月間のゲーム業界シェア(国内)の地球上でどれだけの人間がゲームをつくっていると思っているのか

一昔前はともかく、今はもう欧米でも、中国でも、韓国でも、台湾でも、インドでも、中東でも、世界中のあちこちでゲームが作られ
ているわけです。地球上でいまどれだけの人間がゲームを作っていると思っているのか。「普通」なんてものは、別に日本人が作らなくたって、もっと安く他の
地域で作れるわけです。「どこでだって作れるようなゲーム」はまさしくどこでだって作れるんです。そんなもの、日本人の開発会社にふらずに、もっと安い地
域の開発会社にふればいい。
日本がゲームを作らなくても世界は何も変わらないのであれば、その会社がゲームを作らなくても何も変わらないのであれば、お前1人がゲームを作らなくたっ
て何も変わらないのであれば、本当に仕事なんてなくなっちゃうんです。いまや、それが可能な時代になったんですから。
これはボクの人生論ですが、ボクらは「地球にいったい何人の人間がいると思っている? お前1人がいなくたって地球の重さは変わらない」という言葉を突き
つけられて生きているんです。それに抗って生きられないなら、さっさとフェードアウトしたほうがいい。生きてたって何の意味もない。数十億の人類なんても
んより、人間1人のほうが重い。そのありえない価値を立証してこそ、人生は意味をもつ。

もっとも、ゲーム産業にいる人の多くは、食べていくことの大変さを実感されていると思います。梅田さんが書かれている例で言えば、
My Life Between Silicon Valley and Japan「これからの10年飲み会」で話したこと、考えたこと

でも勉強が好きな少年は、何だかずっと勉強みたいなことをする仕事をして一生を送れるのではないかとこれまでは思ったし、ここ数
十年はそういう仕事がけっこうたくさんあった。そういう状況自体が今後厳しくなって、勉強が好きな少年も、野球好きの少年や将棋好きの少年や音楽好きの少
年と同じような「人生の厳しさ」に直面するようになる。

ゲーム開発者は「野球が好き」「将棋が好き」「音楽が好き」に属しますから。ただ日本のゲーム業界は、コンテンツ制作業界の中ではもっとも「会社」がしっ
かりしているため、「勉強が好き」に属している人、「ゲームがちょっと好き」な人も混じっています。そういう人たちはここ数年で、割と消えていったと思い
ますけど、たぶんもっとふるいは激しくなって、こぼれ落ちるプロの数は増えるんじゃないか、と思います。

Posted by amanoudume at 01:04 個別リンク | TrackBack(1)
みんな軽く、みんな重い
Excerpt: やはり発熱地帯さんは素早い反応でした。「とりあえず」と前置きが付いているので、これから更に掘り下げていくのでしょう。楽しみです。ただ、たとえプロ という立場であっても所詮自分は軽いのだ、と認識するのはとても大事なことだと思うのですが、それと同時にアマチュア.
Weblog: ゲームのマボロシ
Tracked: 2005年06月19日 15:30

2005年06月15日

狭くなりすぎた「ゲーム機」ビジネス

PSPハックで広がるPSPワールド

PSPがゲーム機以外の何かになりつつあるようです。
ゲーム機としては、5月23日〜2005年5月29日の週間ソフト販売でシェア0%というXbox級の数字をたたき出して、「ソフトが売れないPSP」「タイレシオが1.0を切るのも時間の問題」などと話題になっていますし、販売台数も長期低下傾向に歯止めがかかりません。

その一方で、PSPハック系が非常に活発です。
PSPでも動く! アドベンチャー作成ツール「カルナノード」PSP版ビューアー制作中PC
でもPSPでも動くのはなんとも素敵。
フロムソフトウェアの「アドベンチャープレイヤー」もビューアー自体が無料で、PSPユーザーなら誰でも見られるというのなら、すごく魅力的なんです
が・・・・。プレーヤーがUMDゲームで供給されるため、作った物を見てもらえるのが数千円出してプレーヤーを買った人に限定されるのが残念。「見てもら
える人数」が限られてしまうのは、コンテンツ・プラットフォームとして致命的な弱点ですね。
(もっとも、忍氏のブログによれば、作る楽しさ以外でも、十分お買い得な内容になっているようです。忍之閻魔帳:コンストラクション部分は無視しても充分お買い得「アドベンチャープレイヤー」

また、PSPへの音楽ファイル転送はツールが充実してきましたし、PodCastingならぬ「PSP Casting」なんてものも現れてきました。情報考学 Passion For The Future「PSPの第一印象、今年はPSP Hacksが流行する?」で予想されたような状況になりつつあります。

エコシステムが回るのはPS3よりもPSP

ゲームの話題が全然なく、UMDビデオもアダルトUMDの話ばかりがあふれ返る中、PSPを盛り上げるのはこういうユーザー側が作ったアプリ群です。ゲーム会社はゲームしか作ろうとしませんし、映像業界もアダルトばかり積極的。SCEの中の人も、現状は当然理解してるわけですから、こっち方面を盛り上げる努力をしたほうがいいでしょう。

今までは、僕らがライブラリを提供したり、ゲームソフトメーカーがインハウスで作ったりしてやってきた。でも、もうそれは無理で
しょう。何するにしても、もっと広がりが必要。でも、そうなって来ると思う。例えば、PSPで僕らがびっくりしたのは、iTunesとの同期ソフトが速攻
で出た。面白いと思ってもらえると、その上で動く色々なものが出てくる。

PS3はHDD+Linuxで汎用コンピュータと主張するらしいですが、それではPS2Linuxと同じ結果になってしまいます。あの失敗から何も学んで
いません。PS3はHDDが標準搭載されないため、HDDの普及率はPS2並みかそれ以下と予想されます。
そういう進歩の無いPS3よりも、PSPのほうがよっぽどコンピュータとしてのエコシステムは回しやすいはずです。iPodが登場し、ユーザーの手で
iPodderが生み出され、PodCastingがまたたく間に広がったように、PSPには面白いプラットフォームになるチャンスがあります。とはい
え、現状ではまだiPodの後追いレベル。
ここからの盛り上げには、SCEのバックアップも重要。
現状では、PSPハック系のソフトに手を出して使いこなしている人は少ないでしょう。ネットで積極的に情報を集めている層は限定されます。エミュレータは
さすがに無理としても、PSPハック系の成果物を公式ソフトに取り込んだり、メディアで紹介してもらったり、そういう広げる努力が大切。理想を言えば、開
発環境のオープン化、メモステ駆動のアプリケーションの公式な容認もあっていい。
社長がハック系を無邪気に喜んでいるだけでは、お話になりません。
「ゲーム機」ビジネスが「ゲーム機以外」のビジネスを狭める
ここで最大のネックはUMD。そしてゲー
ム機はアプリ1本につきロイヤリティーを取っているということ。(公式には)PCみたいに誰もがアプリを作って、無料で配布したりできません。そのために
アドベンチャープレイヤーも、FLASH等の通常のコンストラクションツール(ツールは有料で、プレーヤーが無料)とは逆の方法(ツールは無料で、プレー
ヤーが有料)を取らざるを得ませんでした。メモステ駆動のアプリがバンバン出てくれば・・・・と思っても、今のゲーム機ビジネスの枠組みではSCEがもう
かりません。
PS3もこの点は同じで、本気でコンピュータとしてのエコシステムを回したいなら、任天堂が始めてSCEが改良した「TVゲーム機のロイヤリティビジネ
ス」自体を自己改革すべき。
任天堂がやっていた温室ビジネスは、品質管理(および任天堂の利益維持)という点では優れていましたが、あまりにも「ゲーム」を狭くしすぎました。ですか
らROMカートリッジからディスクメディアへの移行は、文化論としても
味がありました。任天堂が負けてSCEが勝ったのは、ゲーム業界のために良かったと思います。
ところがそれから10年経って、もはや「ディスクメディアでは狭い」という状況になりつつあります。実際、UMDにこだわらなければ、PSPはまぁゲーム
機としてはわかりませんが、メディアプレーヤーあるいはまったく新しいポータブルコンピュータとしては、もっと広い範囲で成功していたはず。SCEがディ
スクにこだわり続けるなら、文化論として、SCEはもう要らない。負けたほうがいい。
ただねえ・・・・じゃあ、かわりに勝つのがマイクロソフトか?任天堂か?というと、どっちも微妙ではあって。任天堂はPCとの接続性については、SCEよ
りも保守的(まぁ「プレイやん」等を見るかぎり、最近は少し改善されてきてますが)。マイクロソフトはPCとの連携という点ではすばらしいものの、
XBOXビジネスはできるだけクローズドな方向に持っていこうとしているように見えます。つまり誰も新時代の王様たる資格がない。
その辺が、「次の10年」を考えると「ゲーム機」(ビジネス)は滅んだほうがいいかも、とボクが書いている理由なんですよね。とはいえ、いきなり消えても
らっても困るので、マイクロソフトが伸びてきてSCEと据置ゲーム機の世界シェアを分け合うとか、日本企業と米国企業が天下を二分する、というような状況
になって、その後「次世代で加速するマルチプラットフォーム」みたいにプラットフォームホルダーが弱体化していって、徐々にゲーム機ビジネスが崩壊するのが一番マシなシナリオかもしれません。

しかし・・・・

その一方で、IBMがPCからゲーム機へ半導体戦略を切り替えている点や、
半導体の性能競争をドライブする主役がPCからゲーム機になりつつある点も忘れてはいけないでしょうね。ソフトウェアビジネスとしては明らかに古くなりつ
つあるものの、ハードウェアとしての注目度はむしろ向上しているわけです。というのは、仕事で使う分にはコンピュータは大多数のユーザーが満足できるレベ
ルに達してしまったからです。一方、エンターテインメントというのは、欲望、快感を追求する世界。性能への要求レベルが仕事用途よりも高い。性能向上を至
上命題としてドライブしてきた半導体業界が、エンターテインメントへシフトするのは自然な現象です。
(参考:高性能な処理能力はもちろん、ゲームを前進させる。

また、ここ最近従来の「ゲーム」の定義を広げるようなソフトが次々とリリースされていて、狭くなった「ゲーム機」の表現世界が広がりつつあることも、無視できません。(参考:「ゲーム」の定義を広げようとする「ゲーム機」ホルダー
他には、マイクロソフトが「PCゲーム→ゲーム機(XBOX360)」の動きを強めており、PCゲーム市場はさらに縮小していこうとしています。
こうした「ゲーム機中心主義」「ゲーム機志向」の動きと、先ほど述べた「ゲーム機」ビジネスの限界の露呈。ゲーム機にゲーム機以外の付加価値を集めようと
する動きが活発になるほど、それは今のゲーム機ビジネスを破壊する圧力になります。その結果、どういう新しいビジネスが生まれるのか?
それが「次の10年」の大きなポイントだと思います。

Posted by amanoudume at 21:22 個別リンク | TrackBack(2)
PSPで開催中の祭について
Excerpt: 発熱地帯さんが「狭くなりすぎた「ゲーム機」ビジネス 」で取り上げている通り、ただいまPSPでハッキング祭が開催中です(笑)インターネット上のGEEKが踊り、それを囃したてる2ちゃんねらーという構図 ですが、徐々に規模を拡大して、祭としての様相を呈してきました。イ
Weblog: ゲームのマボロシ
Tracked: 2005年06月16日 13:36
PSP で一番驚いたのは?
Excerpt:  PC Watchのこの記事で、速攻でiTunes同期ソフトが出て驚いたとあるが、PSP で動く過去のハードのエミュレータが出た時と、UMD の吸出しに成功された時と、どれが一番の驚きだったのだらう? いや、一番驚いたのは、発熱地帯さんが言及している、週間ソフト販売でシェア...
Weblog: 神崎隼BLOG
Tracked: 2005年06月16日 15:36

2005年06月09日

PS3のMMORPG軽視は裏目に出るのか?

PS3のHDD標準搭載の可能性はゼロになった!
後藤弘茂のWeekly海外ニュース SCEI 久夛良木社長インタビュー(下) 「PS 3のHDDにフル機能Linuxを搭載」E3 後、「XBOX360に確実に勝つにはHDD標準搭載が必要」という意見が一部のゲーム業界関係者からも上がる中、久多良木氏自らがHDD標準搭載の可能 性を完全否定しました。ゲーム機では後付けのデバイスは浸透しないという法則があり、本気で普及させたいなら標準搭載が大前提になります。 そもそもHDDの必要性を最初に言い出したのはSCE。PS2初期からコンテンツのネットワーク配信「eDistribution」を提唱してきました。 PSX発表時は、むしろこれで「PS2+HDD」の環境が広がる、という発言さえありました。ところがPSXの大失敗以後は、急にトーンダウンし、薄型 PS2ではHDDスロットを完全に失くしてしまいました。 後藤弘茂のWeekly海外ニュース「新型PS2で明瞭になったSCEのネットワーク戦略転換」
裏切られたゲーム開発者たちはどこへ行くのか?
SCEのフラフラ揺れ動くネットワーク戦略の最大の被害者は、なんといってもスクウェアエニックスでしょう。PSBBは中途半端に終わり、薄型PS2ではHDD前提の「FF11」は完全に切り捨てられてしまいました。PC版を開発しておいて本当に良かったですよね。

Game Spotがスクウェアエニックスの田中弘道氏にインタビューしたところ、FF11チームはすでに次世代ゲーム機向けのMMORPGの開発に取り掛かっているそうです。機種は明らかにされていませんが、スクウェアエニックスがFF11に関連したテクニカルデモをマイクロソフトのカンファレンスで流したことは記憶に新しいところです。
FF11チームの次世代機映像は公開されています。

またXBOX360は次世代ゲーム機で唯一、HDDを標準搭載しています。MMORPGをPCだけでなく、ゲーム機でも展開したいと考えるソフトメーカーにとって、最良のプラットフォームなのは確かです。

こちらは「リネージュ」シリーズで知られる韓国NC Soft のCEO、Kim, Tack Jin氏へのインタビュー
すが、コンシューマ機への進出について興味深いコメントをしています。いつかは進出したいと考えているものの、韓国内でのゲーム機の普及台数が少ないこと
もあり、今一歩積極的になりきれないようです。またどの機種に参入するかも悩みの種みたいです。韓国内で最も普及しているのはPS2ですから、PS3へ参
入するのが自然な判断ですが、やはりHDDが標準搭載されてない(スロットのみ)点がネックになっているようです。
> うーん,難しいですね……。プレイステーション3はHDDが標準でついて
> いないようですので,NCsoftとしてはオンラインゲームを開発には向いて
> いない気がします。やはり,デフォルトで付属するのか,追加で買わなければ
> ならないのかは,大きく違いますので,作る側からすれば,そこが重要に
> なりますね。まぁこういう話をすると,メモリースティックでもいいんじゃないか
> ということになるんですが,容量とスピードをクリアするものが出てくるには
> あと10年くらいはかかりますしね(笑)。
ここでもやはり、HDDの非搭載がネックになっています。PS3の最大の隙はそこで、MMORPGブームが再燃した場合、XBOX360がかなり優位にな
りそうです。

コアユーザー向けジャンルをそろえるXBOX360
XBOX360は、FPS、RTS、MMORPG
というゲームマニアをひきつける3ジャンルで、PS3より優勢です。FPSはXBOXに引き続き、有力タイトルを集めましたし、自社で「Halo」という
強力なシリーズを抱えています。RTSはこれまでPCゲーム中心に盛り上がってきましたが、HDTVで解像度が上がり、オンライン対戦も容易になるため、
コンシューマ機への移植が成功をおさめる可能性が高いです。マイクロソフトはPCゲームの世界で強力なパブリッシャーであり、優秀な開発スタジオを引き込
みやすい立場にあります。自社で「Age Of」シリーズを抱える強みもあります。MMORPGはHDD標準搭載がキーになります。
ゲーム機は最初はコアユーザーが購入し、徐々にコストダウンが進むにつれて価格が下がり、ライトユーザーが購入するようになります。したがってゲーム機の
普及台数競争では、最初はコアユーザーの取り合いになります。
また、年々PCゲームの市場が縮小しています。次世代機では、さらに多くのPCゲーマーがコンシューマーゲーム市場になだれ込んでくると予想されます。そ
うした客層をXBOX360がガッチリ取り込む。HDD非搭載のPS3では、PCゲームをリプレースできません。米国市場のシェア争いはとても面白いこと
になるでしょう。
ゲーム業界の次の発展に必要なこと
可能性として高くなってきた「米国でXBOX360、日本で
PS3」。ねじれ構造になった時、より低コストでマルチプラットフォーム対応できる会社は生き残れますが、できない会社、コストのかかりすぎる会社はつら
いことになるでしょう。しかし結果的に、プラットフォームホルダーが弱体化して、巨大ソフトメーカーの立場がより強くなるはずです。
それはゲーム業界の大多数を占めるソフトメーカーの人々にとって、歓迎すべき未来です。「くたばれ!ハードメーカー」などと叫ぶ必要はありませんが、デカ
い顔がもうちょっと小さくなれば、多くの人々にとって輝かしい未来が待っているでしょう。PS3とXBOX360が世界市場を半々に分け合う未来こそ、
ゲーム業界の次の発展に必要なステップなのです。
(参考:「次世代で加速するマルチプラットフォーム」

Posted by amanoudume at 21:13 個別リンク

2005年06月06日

メディアプレーヤー戦争雑感

メディアプレーヤー競争で存在感を増す携帯電話

「1000曲ケータイ」秋登場 東芝の超小型HDD内蔵
この所、携帯電話のポータブル音楽プレーヤー志向が鮮明になっています。
去年のサムソンの携帯電話に続いて、東芝もiPod携帯を発売。4GBの容量を持ち、1000曲入るそうです。
関連する話題をいくつか挙げてみます。

ITmediaモバイル:Nokia、初代iPod miniと同じ容量の音楽携帯「N91」発表
ITmediaモバイル:ウワサの「ウォークマン携帯」を聴いてきました
ITmediaライフスタイル:ポータブルプレーヤーとして音楽ケータイを検証する
状では、携帯電話を音楽プレーヤーとして使うユーザーは、「手軽さを重視」「手持ちの音楽の一部を持ち歩くだけでいい」という人たちでしょう。したがって
最初はまずフラッシュメモリー型のポータブルプレーヤーとニーズを食い合うのだと思います。その後、HDD搭載の携帯電話が浸透するにつれて、HDD型の
ポータブルプレーヤーとの競合が激化するのでしょう。
「21世紀のウォークマン」を自称したPSP、「プレイやん」によって動画と音楽を楽しめるようになったGBA。ゲーム機もメディアプレイヤー競争に参加
していますが、どちらもガジェット愛好家が購入しただけで、そのうちどれだけの人が継続して音楽を視聴しているかは疑問です。着実に盛り上がりを見せてい
る携帯電話には到底勝てそうにないのが現状でしょう。
携帯電話のHDD搭載、およびネットワーク配信(および課金システム)は強力です。音楽プレーヤーとしての競争では、携帯ゲーム機の利点や存在感は乏し
い。おそらくiPodのようなポータブルプレーヤーと携帯電話が市場を二分すると思います。
ただ、映像ビューワとしては、ゲーム機(PSP)の側にもまだ勝負する余地が残ってはいるかもしれません。

携帯デバイスで映像を楽しむ行為はまだニッチ

とはいえ、そもそも携帯デバイスで映像を楽しむ行為自体がいまだニッチの域を出ていません。携帯できる音楽プレーヤーはすでに市場が存在しますが、携帯できる映像ビューワで成功した商品はまだ1つも存在しないわけです。
携帯電話にTVチューナーを載せてもヒットしませんでした。放送がアナログで、場所によって品質が激変する問題がありましたし、ぶつ切りの時間で視聴するスタイルにTV番組の内容が合っていないという問題もありました。

ゲームソフトが売れなくても、なぜかハードが売れ続けている、といわれたPSPにしてもやはり根幹はゲーム機。ソフト不足の表面化(売上トップ30に1本も入ってない)とともにハード販売台数が減少しています(今では週間2万台)。UMDも盛り上がっていません。まぁPSPは、いよいよエロUMDが発売されるので、もしかすると息を吹き返す可能性もゼロではありませんが……。
しかし日本では、PCで普通に見られるフォーマットを変換せずに見られるようにしたほうが、よほどニーズはあると思いますが。

WEBブラウザ端末としても携帯電話が優位
最近のフルブラウザ市場の盛り上がりを見ても、携帯端末で WEBを見たいというニーズは確実に存在することがわかります。この点ではグローバルなワイヤレスネットワークをもつ携帯電話が圧倒的に有利。携帯ゲーム 機はローカルなワイヤレス機能しか持っていません。 (ただし無料というのが良い点。ゲーム等の限定された目的であれば、限定されたスポット数でもある程度のサービスは実現できるはずなので、ゲーム専用の ネットワーク端末という点では可能性は十分あります。) 料金については、そう遠くないうちに値下げ競争が激化するのは目に見えた話で、ナンバー・ポータビリティがまず第一の口火を切るでしょう。そしてソフトバ ンクとイー・アクセスの2社が新規参入してくれば、さらに競争が激化するでしょう。また後発のソフトバンクはおそらく高速性を売りにしてくるため、グロー バルな範囲でのワイヤレスブロードバンドがついに実現すると思います。 WEBブラウザ端末としては、議論の余地がまったくないほど、携帯電話が圧倒的に優位です。
日本では勝負がつきつつあるが、米国ではまだ可能性がある?
音楽はiPodと携帯電話が二分し、映像 はニッチ、WEBブラウザは携帯電話が圧勝となると、携帯ゲーム機が専用機市場の外に出るのはなかなか厳しいといわざるを得ません。ただ、これは携帯電話 大国たる日本の話で、遅れている米国であれば、まだ可能性はあるかもしれません。 PSPが米国で携帯ゲーム機として成功するかどうかは、おおいに議論の余地がありますし、ボクはしばらくすれば日本と同じになると予想しています。です が、ソニーピクチャーズが存在するため、米国では映画=ソニーというイメージは強く、UMDビデオが日本より売れているのは確かのようです。 もちろんDVD市場ほどには到底育たないでしょうが、一定の市場を築く可能性はゼロではありません。日本ではUMDほどの画質は(携帯端末で見る場合に は)オーバースペックの感がありますが、米国ではリッチな映像に対するニーズは確実に存在します。また、高性能な携帯電話の普及率を考えれば、携帯電話は しばらくは大した競合相手にはならないでしょう。 そういう意味では、米国限定ならPSPは映像プレーヤーとしてなら、一定の成功をおさめる可能性が「ゼロではない」でしょう。iPodの代替はもちろん ジョークの世界。ソニーのネットワークウォークマンがiPodのシェアを超える可能性のほうが1万倍も高い。 ただ、いつまでも旧態依然のディスクメディアでは説得力がありません。なるべく早いタイミングで、HDD内蔵型のPSP1.5を出したほうがいいでしょ う。ゲーム機としての性能がこれ以上上がっても、「PS2並みの開発費がかかる」という状況をさらに悪化させるだけですから、CPUとGPUは同じままで HDDだけ積めばいい。携帯デバイスはチップの演算性能で競争する世界ではなく、端末の機能性で競争する世界でしょう。(だからチップの演算性能をてこに 使う戦略のSCEはうまくいかなかった) もちろんこれは可能性の議論です。 ただいずれにしても、据置ゲーム機に限らず、携帯デバイスにおいても、日米のユーザーの関心の方向、嗜好差、市場ポテンシャルが違ってきている、という予 感があります。何か変化が起きたとき、それが日本と米国どちらか一方のみで起こる現象なのか、両方で起こる現象なのか、注意して見ていく必要があるでしょ うね。
Posted by amanoudume at 20:00 個別リンク | TrackBack(1)
携帯に超小型HDD搭載へ
Excerpt: 発熱地帯さんを見ていたら 東芝がHDD搭載携帯を作るみたいですね。以前から話題になっていた携帯とiPODの融合ですか。 バッテリーが気になる所ですが、とりあえず携帯に何でも機能追加させすぎなんじゃ ないかと・・・。 携帯電話料金は高いしIP携帯電話とかそっちの方の...
Weblog: 社会人ゲーマの日々
Tracked: 2005年06月07日 02:47

2005年06月01日

高まるゲームバッシングと「ゲームをしない人→する人」への努力

日米ともに昨今、ゲームへのバッシングが強まっています。
米国は主にバイオレンスゲームの悪影響を中心に批判の声が大きくなり、日本では「ゲーム脳」(死語になったと思いきや、意外としぶとい)やMMORPGの
廃人問題を中心に批判の声が大きくなっています。(日本でも、米国のようにバイオレンスゲームへの批判が強くなりつつあります)

ゲームへの規制強まる

こうした中、神奈川県が「GTA3」を有害図書類指定するなど、ゲーム業界の外側からの規制の圧力が強まってきました。また神奈川県につづいて、埼玉県も有害図書指定の検討を開始したほか、11月の首都圏サミットでも有害ゲームソフトの規制が提案されるらしく、首都圏全域に規制が広がる可能性が出てきました。

> 大阪府・愛知県などでも“有害”としたゲームソフトを規制する方針が固められている。
> 今回の神奈川県の有害図書類指定への動きには、以前から石原慎太郎東京都
> 知事が協力したい旨を明らかにしている。11月に開催される首都圏サミットでも提案
> される方向とのことで、1都3県で共通の規制に及ぶものと推測される。

ゲーマーの方々のブログを見て回ったところ、冷静に事態を見ている方が非常に多いです。
こうした行政の動きに対して一定の評価をしている、あるいは「ゲーム業界が主導権を握って仕組みを作らないと、行政側にいいように規制されるだけ!」「言い訳みたいな現状のCEROではなくて、もっと説得力をもたせて自主管理してほしい」という論調が多いと感じました。

こうした中、流通サイドでも反応がありました。日本テレビゲーム商業組合が総代会において、CEROの18歳以上対象ソフトの19歳未満への販売自粛を呼びかけたようです。
今後注目が集まるのは、CESAの動きでしょう。ネット上でのゲーマー世論を見ると、期待の念を表明しておられますし。(表明したものの、「どうせダメだろ・・・・」と思われているのかもしれませんが)

取り得る3つの方法

こうした状況で、ゲーム業界が取り得る方法は3つあると思います。
    ○1つ目はCESAなどの業界団体が適切な自主管理の仕組みを構築すること。
     ゲームに熱心でない人たちに対して、CEROの説得力をもたせる必要があります。
    ○2つ目はゲームの遊び以外の価値を知ってもらうこと。広い意味での娯楽
     ということ、「ソフトの多面的価値」「ソフトの多様性」を知ってもらうこと。
    ○3つ目はゲームをしない人にゲームを知ってもらうこと。
1つ目は比較的、短期的で即効性のある対処。2つ目と3つ目は中長期的に効果のあらわれる対処といえます。

東京大学大学院情報学環教授 馬場章氏インタビュー前編 ボクらは「桃鉄」で日本地理を、「信長の野望」や「三国志」で歴史を学んだ ゲー
ムの純ゲーム以外の付加価値を再評価して伝える活動は、一面的なゲームバッシングに対して即効性は低いかもしれませんが、長期的にはプラスの作用をもたら
すはずです。また、かつてのエデュテイメントソフトに見られるように、商品企画の段階で「純ゲーム」以外の付加価値をこめた商品が増えていき、「ゲームの
多様性」が認知されれば、一部のゲームだけが大きく取り上げられてゲーム全体への批判が強まる傾向にも、一定の理性的な歯止めがかかると期待できます。
ゲーム業界の外からの規制は、その多くがゲームをしない人が中心になっていると思われます。ですから「ゲームをしない人」を少なくとも「ゲームを楽しんだ
ことのある人」に、できれば「ゲームをする人」に変えていくこと、ユーザーの裾野を拡大することも重要でしょう。そういう意味では、「諸兄、ゲームやろうぜ!」のような活動は、大変評価できるものです。

重要性を増す国内市場の回復
ゲームをあまりしない、例えば中高年の年代の方々にゲームを遊んでもらうには、2つのアプローチがあります。     ○既存のゲームのうち、中高年の方にも楽しんでもらえる側面をもったゲームを      取り上げて、興味をもってもらえる広報活動をおこなう。     ○中高年の方をターゲットに入れた新規ソフトを開発する。あるいは中高年の      方にとって、とっつきにくい部分をなくすなど、工夫をこらす。 前者のソフトの代表は「GT」や「みんなのゴルフ」でしょうか。また2003年に、SCEが「太鼓の達人」(ナムコ)を使って、老人と孫が一緒にゲームを 楽しむ光景をCM化していました。後者のソフトは現状ではほとんど無いと思います。ただ、今後は中高年市場への注目が高まっていくと思いますので、期待感 がもてます。 中高年市場の開拓は、バッシングへの対処とか、文化事業のようなものとしてのみ位置づけられるわけではありません。今後、少なくない日本のゲーム会社が生 き残るための「新しい市場開拓」です。 欧米市場で日本のゲームのシェアが低下し、次世代機では欧米の巨大パブリッシャー相手にさらに厳しい競争をしいられる中、日本のゲーム市場の復活は急務だ と思います。日本市場は海外メーカーにとって文化的な壁がありますから、日本のゲーム会社がかなり優位に立てる市場です。そこできちんと利益を出せれば、 世界的な競争でも力になります。輸出産業においては、良質な国内市場を抱えていることが競争力につながります。 もちろん、米国という巨大市場を無視するわけにはいきません。が、そちらに引きずられすぎて、足元が崩れているのに気づかないようでは、激化する一方の世 界規模の競争であっさり敗退してしまうでしょう。 最近よくいわれるように、日米のユーザーは関心の方向がかなり違ってきました。今後、関心の方向の違いはますます顕著になるかもしれません。正直日本の多 くのゲーム開発者にとって、ますます悩ましい事態になっています。まぁしかし、いつだってピンチはチャンスであり、危機ゆえにこそ冒険できるのだし、そこ で新しい市場を開拓するからこそ、未来は切り拓かれるのでしょう。
Posted by amanoudume at 00:26 個別リンク | TrackBack(4)
CEROのレーティングについて
Excerpt: 発熱地帯さんの「高まるゲームバッシングと「ゲームをしない人→する人」への努力 」という記事が素晴らしいです。わざわざリンクを貼らなくても、このBlogを読む人は発熱地帯さんを読む人だと思いますが、それでも念のため。中高年の 攻略こそが今のゲーム業界の目標の1つで
Weblog: ゲームのマボロシ
Tracked: 2005年06月01日 02:34
「頑張れCERO!」のコト
Excerpt: 神奈川県、残虐ゲーム「有害」に(日経新聞5月30日付) 神奈川県は三十日、カプコ...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年06月11日 07:39
「誤解されてるなあCERO…」のコト
Excerpt: 誤解されているようだが、CEROは、ゲーム業界を(流通を)規制する団体ではない。 自主規制の主体ですらない。むしろ、「我々メーカー・流通が規制しますから、その基準を作ってください」と依頼される側だ。昨日も書いたが、CEROは ゲームの内容を「rating(評定する)」...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年06月12日 15:11
[マジネタ ]物理シミュレーション技術で、年配者のゲーム人口を増やせないか?
Excerpt: オルタナティブ・ブログでの、本田雅一さんのPlayStation3試作機のレポートが話題になっている。どうしても話題はハードウェアやE3のデモ映 像の話題になっているようだが、本田さんが考えているのはCellが可能性として持つ、物理シミュレーションの性能のよう...
Weblog: あのに・すなる
Tracked: 2005年10月24日 07:42

2005年05月24日

次世代で加速するマルチプラットフォーム

プラットフォーム競争の激化によってマルチプラットフォーム化が進む
ゲーム機の最初の2世代の与党は 任天堂、次の2世代の与党はソニー。では今度の2世代は・・・・?と尋ねられたとき、「マイクロソフト!」と答える人もいれば、「ソニー!」と答える人も いるはず。しかしいずれが勝つにしても、PS1やPS2でソニーが圧勝したほどの、圧倒的な市場シェアを占めることはなく、6:4とか5:5とか、ほとん ど半々に分け合うのではないか、という予想が多い。 その結果、日本のソフトメーカーも本格的にマルチプラットフォーム化を検討しなければならない時代がいよいよやってきた。例えば、日本でPS3、北米で XBOX360がトップシェアを握った場合、マルチプラットフォーム展開に慣れている欧米のソフトメーカーはほとんど困らないが、日本のソフトメーカーは (部分的にはマルチプラットフォームのタイトルがあるとはいえ)慣れないマルチプラットフォーム対応で苦しむことになる。結果的にベースのエンジンを構築 するコストが増大して、市販のミドルウェアの採用が現世代よりも進むと予想される。少なくとも社内での共通エンジン構想など、省力化の方向に向かう必要が ある。
ゲーム機がPCに近づいたことでマルチプラットフォーム化が進む
また、XBOX360もPS3も、 GPUの開発がATIとNVIDIAになり、共にPCゲームの技術が通用するようになった。XBOX360は初代XBOXに比べるとPCから少し離れた が、PS3はぐっとPCに近い構成になった。 久多良木氏は先行発売するXBOX360を恐れるあまり、必死になって「XBOX1.5」と連呼し、XBOX360はただのPCで、PS3はPCとはまっ たく異なるアーキテクチャだと主張しているが、まともな技術者が取り合う主張ではない。ソニーはPS3の開発途中で、GPU開発を東芝からNVIDIAに 切り替えたといわれている。その開発の遅れを埋めるべく、PCの構成(CPUとメインRAM、GPUとローカルVRAM)を流用せざるを得なかった、とい うのが現在の定評だ。実際、ここ数年自慢していた組込みDRAMは影も形もない。 堕ちた技術者の戯言は無視していい。 DirectXとOpenGLの両対応はPCではそれほど珍しい話ではないし、PS2とXBOXの違いに比べれば、些細な問題にすぎない。そもそもシェー ダーの重要度が比重を増している。シェーダーの方言差など、さらに些細な問題だ。マルチプラットフォームのエンジンを構築するコストは前世代よりもぐっと 下がる。また異なるプラットフォーム間で高いクオリティを維持しやすくもなる。
オンラインゲームの浸透でマルチプラットフォーム化が進む
オンラインゲームで重要なのは、各端末では なく、アクセスされる先にあるコンテンツでありサービスだ。そこに付加価値があり、ソフトメーカーにとってはサービスへの入り口は多いほうがいい。すると マルチプラットフォームが自然な形態となる。理想をいえば、あらゆるプラットフォームに供給するのがベストだが、実際には各プラットフォーム上でのプログ ラムを開発するのにコストがかかるし、ロイヤリティーの問題もある。そのため、短期的にはオールプラットフォームとはいかない。ただし長期的には限りなく オールプラットフォームになる。 例えばスクウェアエニックスは、XBOX360に「FF11」を供給する。PS2、PCに続き、3つ目のプラットフォームとなる。PS3は標準でHDDを 搭載しないこともあり、MMORPGの供給先としては若干面倒だ。XBOX360を選んだのはリーズナブルな判断といえる。 (J.アラード氏へのインタビューで 改めて確認されたように、マイクロソフトはPCとXBOX360をプラットフォームとして近づけていくことを目論んでおり、主にPCで育ってきた MMORPGはXBOX360向きだ。PS3はあまり向かない。ソニーのHDD非搭載の判断は、日本でPSBBが失敗したことが遠因だろうが、MMORPG熱が再点火した場合には致命傷になりえる。)
ソフトメーカーの4つの選択肢
今後、ソフトメーカーが選択しえるリリース形態は以下の4種類だ。   1)同時発売のマルチプラットフォーム   2)発売時期を少しずらしたマルチプラットフォーム   3)期間限定独占供給   4)完全独占供給 1)はもっともポピュラーなマルチ展開で、今後日本のソフトメーカーでも増えていく。2)はトップハードでの発売が1週間早いというようなケース。日本の マルチタイトルでたまに見られるパターン。政治的配慮。3)は半年〜1年程度の期間、他のハードに出さないと約束する場合で、初代「Splinter Cell」がその好例。年末商戦に投入されたのはXBOX版のみで、おかげでXBOXは大いに台数を伸ばした。 今後は4)の完全独占供給が無くなっていって、3)の独占供給が増えるのではないか。独占供給のかわりにプラットフォームホルダーから優遇してもらうの は、そのプラットフォームが圧倒的に勝てばおいしいものの、プラットフォームが負ければリスクが甚大になる。国内の例ではカプコンの「バイオハザード4」 が好例だろう。また独占供給を宣言していなかったが、ナムコの「テイルズ・オブ・シンフォニア」はGC版から約1年の時間を置いて、PS2版が発売され た。これも3)に分類してよいかもしれない。 リスク回避以外にも、魅力的な条件を出されて、独占供給から期間独占供給に変わった例もある。PS2独占だった「GTA」はXBOXに供給されるように なった。 全体的に4)から1)へと比率がシフトしていく。 すると、わざわざ専用タイトルとして作っておいて、それから移植するのは無駄になる。今後は「同時に出せるようにマルチ対応で作っておくが、プラット フォームホルダーとの契約でタイミングをずらす」というケースが増えてくる。 各パブリッシャーがマルチプラットフォームを大前提とした体制を築くことで、リスク回避しやすくなるのはもちろん、プラットフォームホルダーに対して条件 交渉をやりやすくなる。ただしディベロッパーにとってはつらいことになるかもしれない。「移植」仕事が無くなって、(従来とほとんど変わらない額で)「マ ルチプラットフォーム開発」を強制される可能性が高いからだ。 (ただ、逆に開発プラットフォームごとに、開発スタジオが分かれるケースもある。その場合は各スタジオがデータ共有できる体制が不可欠だし、パブリッ シャー側にかなり高度なマネージメント能力が要求される)
マルチプラットフォーム前提の時代がもたらすもの
マルチプラットフォームが浸透していくことで、プ ラットフォーム競争はある意味ダイナミクスを失う。任天堂からソニーに政権交代したときは、まだシングルプラットフォームが当たり前だった。スクウェアの 移籍によって、勝ち組に乗らなければすべてを失うという恐怖感が多くのソフトメーカーをPSに走らせた。しかしマルチプラットフォームでリスク分散されて いると、こういう恐慌は生じにくい。これは現在勝っているソニーにとって良いことだ。しかし悪いこともある。 どのプラットフォームでもほぼ同じゲームが遊べるということは:   A) 先行発売のプラットフォームが有利になる   B) ファーストパーティ、セカンドパーティのソフトが重要度を増す   C) 純ゲーム機以外の付加価値(サービス、デザイン、価格、・・・・)が相対的に重要になる A) XBOX360でEAのソフトが潤沢に供給される影響は、前回の「三者三様E3 」で のべたとおりだ。先行発売によって、マルチタイトルの顧客を自分の所に引き寄せやすい。 B) またファーストパーティタイトルが重要になるため、PS1時代からの衰退シリーズに拘泥しているソニーよりも、独立系クリエイターによる新規タイトルの育 成に努めているマイクロソフトのほうが優勢だ。現在もっているキラータイトルは、ソニーが「GT」、マイクロソフトが「Halo」。全世界で見れば、ほぼ 互角の効果だろう。だが北米に限定すれば、「Halo」のほうがよりキラー度は高い。 C) ゲーム機以外の付加価値については、ソニーとマイクロソフトのどちらが有利か、判断は難しい。PS3はブルーレイが付加価値だし、XBOX360はオンラ イン配信が付加価値だ。とりあえず互角と判断しておく。 このようにXBOX360にプラスに働く効果がかなりある。重要なのは、シェアの早期確保とプラットフォームの差別化だ。
我々は歴史の証人になろうとしている
個人的には、ドラクエは置いといても、「FF11」以外のFFがマルチプラットフォーム化されたとしても、驚きはしない。FF は欧米での売上も大きく、欧米でのプラットフォームの勢いを無視できないからだ。XBOX360の北米での勢いしだいでは、マルチプラットフォーム化もあ りえる。あるいは日本はPS3版のみ、北米はXBOX360版のみ、という変則独占供給もありえなくはない。 もちろん現時点では、PS3オンリーの供給が大前提だ。ただし、今後はこのようにパブリッシャーが色々な選択肢を持てるようになる。独占供給するにして も、より良い条件を引き出しやすい。例えば、こんな想像をめぐらしてみよう。 東京ゲームショウにおいて、PS3のカンファレンスで発表した「FF7テクニカルデモ」をXBOX360上でリアルタイム動作させたらどうなるか? 開発 費はマイクロソフトもちだ。もちろんXBOX360へのFF投入は表明する必要がない。それでもソニーはかなり動揺するし、平身低頭でより良い条件を差し 出してくるだろう。マイクロソフトは少なくとも、XBOX360がPS3と同等以上の性能をもつとアピールできる。宣伝効果としては悪くない。(まぁ和田 社長は「FF7テクニカルデモ」がPS3上のリアルタイムデモではないと明言しているが) もちろん、これは「想像」にすぎない。しかし以前は「想像」さえありえなかった。今はありえる。この違いは大きい。 スクウェアエニックスの和田社長は常々、ハードメーカーに対して、微妙な距離を取っているようにも見える。旧エニックスの時代には、単一プラットフォーム 主義だったが、最近はXBOX360への「FF11」供給、レボリューションへの「FFCC」供給など、全方位外交の姿勢に転換しつつある。 ゲーム機の最初の2世代の与党は任天堂、次の2世代の与党はソニー。では今度の2世代は・・・・? その答えはマイクロソフトかソニーのどちらか、という のが常識的な判断だろう。だが、次の10年で起きる変化は、単純な「与野党の政権交代」にとどまらないかもしれない。 もっと巨大な政変、政治のルールそのものの変化が起こるのではないか。なるほど、与党はマイクロソフトかソニーだろう。しかし与党のもつ影響力が、はたし て過去20年と同等のままなのだろうか? 王様の椅子は今はまだ黄金色に輝いている。だが5年後、10年後には粗大ゴミ置き場のソファー程度のものになっ ているかもしれない。我々は今、歴史の証人になろうとしている。
Posted by amanoudume at 15:14 個別リンク

2005年05月22日

三者三様E3

まずは簡単に、全体の概要から

次世代ゲーム機に関連して、梅田望夫氏が自分のBLOGに「ゲーム素人のための米ゲーム産業入門」という記事を掲載されている。Fortune誌の長文記事をうまく要約されているので、「米国における見方」
知る良い手段といえる。
もちろん日本のユーザーからすると違和感はあるかもしれない。ただ、むしろその「違和感」を取っ掛かりにして、真の米国の状況をつかみ、ワールドワイドの
競争がどこへ向かうのか、感じてほしい。実を言うと、次世代ゲーム機については、日本と米国での温度差、向いている方向の違いを強く感じた。

3ハードの向いている方向はそれぞれ異なる

長い文章になると、焦点がぼけてくるので、まずは手短に3ハードの評価をまとめてみた。

PS3
コントローラ △  実際に握れたわけではないが、操作性の悪さを不安視する意見が大半。バナナ
グラフィック ◎  一部の映像デモは秀逸だが、実ゲームではおそらくXBOX360と大差ない。
オンライン  ×  スペックだけは揃えたが、ソフトもサービスも何も発表が無く、オンライン戦略は不透明
コスト    ×  PS2をはるかに超える、非常に高コストなハード
デザイン  ○  ソニーは優れているが、今度は微妙感も
ソフト数   ◎  やはり一番多いだろう
メディア   ○  ブルーレイは人によっては魅力だろう。ただしHDTVの普及待ちなので、
           発売直後はPS2のDVD搭載ほどの効果は無い
ビジネス   △  従来型のパッケージ販売が主流。記録メディアを内蔵していない点が
            オンライン販売への消極性を裏付けている

XBOX360
コントローラ ○  斬新さはないが、操作性は良い
グラフィック ◎  グラフィックがやや物足りないのはソフト開発の問題。GPUは強力
オンライン  ○  サービスが充実しているほか、オンライン販売にも積極的
コスト    ×  HDD標準搭載や、PS3を上回る強力なGPUなど、コスト増の要因が多い
デザイン  ○  写真より実物のほうがずっと印象がいい
ソフト数   ○  スクエニの参入など、状況は好転している。EAもやる気
メディア   △  可もなく不可もなく
ビジネス   ◎  コストを省みず、HDDを標準搭載した英断はさすが。オンライン販売も容易。

レボリューションコントローラ ?  不明なので評価できない。最も期待されているのは確か
グラフィック ?  不明だが、期待している人は少ないようなので、×でもいいかもしれない
オンライン  ◎  いつのまにか任天堂が最もオンラインに積極的になっているのが不思議だ
コスト    ◎  詳細は不明なものの、低コストという報道が多く、次世代機戦争で
           体力を消耗しないのはおそらく任天堂だけでは。
デザイン  ○  特徴も個性も乏しいが、小さいのは評価できる
ソフト数   ×  GCの状況からすると、より悪くなる可能性が高い
メディア   ?  DVDなのか、次世代DVDなのか、独自規格なのかは不明
ビジネス   ◎  最も説得力のあるオンライン販売。ファミコン〜N64までのゲームは現在は
            入手しにくいこともあって、オールドゲーマーには魅力的。
今回のE3では、ハードこそ発表が間に合ったものの、ソフト開発がぎりぎりだったり、シアター発表のみだったため、多くの人がまだ「次世代のゲーム」を実
感できていないと思う。ここではハードの3つの機能「映像」「CPU」「オンライン」を中心に次世代ゲーム機を評価したい。

貧乏詐欺師が正直金持ちを殴り飛ばせるのが娯楽の世界のルール

ハードスペックについては、トータルではPS3が高いが、グラフィックではPS3よりもXBOX360の方が上という話がある。実際、PS3のメモリ構成はあれれさんが「メモリ容量の鍔迫り合い」
指摘していたとおり、メインRAM256MB、VRAM256MBという構成で、手短にいえばふつうのPCに近い。GPUに限定すれば、PS3のほうがよ
りPCライクで、XBOX360のほうがより従来のゲーム機ライクだ。PS2と初代XBOXの時とは逆になっていて、面白い。
しかし映像勝負の第1ラウンドは、PS3の勝ちに終わった。XBOX360向けのタイトルはインパクトが弱いが、あくまでソフト開発の問題。年内発売に間
に合わせるべく、割り切っている印象だ。ポテンシャルは高いので、PS3が発売される前に、グラフィック性能を活かしたタイトルを投入できるかどうかが
「映像」勝負の分かれ目になる。
今の所マイクロソフトは良くも悪くも、正直すぎる。ソニーと違って「本当の金持ち」だから仕方ないのだが、エンターテインメントの世界は
お客を騙してナンボである。ハッタリ上等の世界であり、嘘から出た真のような成功も少なくない。PS2の映像デモは確かにそのまま実現はしなかったが、
リッジやFFのデモで示されたようなフェイシャルアニメは「FF10」「MGS3」で当たり前のものになった。
PS3の映像デモは確かにハッタリだ。実際、ゲーム画面に近い映像ほど、チープになっていて、XBOX360と変わらなくなっている。しかしだからどうし
た? ハッタリが新しい可能性を切り拓く、それがエンターテインメントの世界のルールで、マイクロソフトはそれを理解していない。金持ち様、嘘つきたちの
世界へようこそ。
現時点でXBOX360で見るべきソフトはまず、EAの「NEED FOR SPEED」とUBI Softの「Ghost Recon3」。この2本が次世代機の「初期タイトル」の基準を作る。EAのスポーツゲームはどれも高水準なので見ておいてもいい。EAはXBOX360に非常に力を入れている。これは重要なので、また後でのべる。

第2ラウンドはCPU
PS3にしても、XBOX360にしても、どちらもCPUがかなり強化されたハードだ。当初はグラフィックよりもそちらに焦点が移るはずだった。しかし E3のふたを開ければ、映像ばかりが話題になっている。結局、プラットフォームホルダーがどれだけ開発環境の改善をうたっても、やはり高度なハードウェア を使いこなすには時間がかかる、ということだ。 とりあえずは既存のタイトル、既存のゲームの”映像を高めただけ”のソフトが氾濫することになる。レースゲームとスポーツゲームはグラフィックの単調増加 の恩恵を最も受けやすいし、FPSもグラフィックを重視するヘビーゲーマーが愛好するジャンルだ。最初はこうしたジャンルが目立つ。 しかし本体発売から半年〜1年以内には、CPUパワーを生かしたゲームの登場が待ち望まれる。1つは単純だが、キャラクター数の増加だろう。実際、 XBOX360では数千の群集を出すゲームがいくつも発表されている。     ○3000キャラクターを表示する「Kameo」     ○1画面に数千体のゾンビが表示されるカプコンの「デッド ライジング」     ○水口哲也氏が関わる「NINETY-NINE NIGHTS」 物理エンジンの採用も進むが、当分は演出的な強化に使われるケースが多いだろう。グラフィックが写実的になった分、物の動きがそれらしくできていないと違 和感をおぼえるからだ。ちなみにPS3は今の所アヒルデモしか提案できておらず、映像のプレゼンぶりに比べると、かなり弱い。 その後はシミュレーションゲームの活性化が期待できる。広大なメモリと強力なCPUパワーを元に、広大な環境シミュレータを構築してもいいし、演算パワー を1〜数体のキャラクター(少女、人間、犬、猫、動物)につぎ込んで、実写的ゲームさえ超えるウルトラ実写的な、強烈な存在感を感じさせるシミュレーショ ンもいい。「Age Of Empire」シリーズのようなRTSも、これまではPCばかりで盛り上がっていたが、いよいよコンシューマー機で花開く時代がくるかもしれない。
いまだにiPod以前の発想しかできないソニー
今回一番のポイントは、すべてのコンシューマー機でオ ンライン機能が標準化されること。ゲーム機の歴史をふりかえって、かつて無かった出来事だ。映像面では、プレゼンテーションの巧妙さから、PS3の勝ちと いう意見が圧倒的だ。しかしそもそも今回の焦点は、そこではなかったはずだ。 Fortune誌でも指摘されているが、PS3はオンライン戦略ではある意味PS2よりも後退している。PSBBが大失敗に終わってから、ソニーはオンライン戦略への自信を喪失しているように見受けられる。というのは、オンラインでは「端末を高性能にして、優位性を発揮する」というソニーの基本戦略が通用しないか らだ。オンラインでは回線速度が端末ではなく、インフラによって決定されてしまう。重要なのはハードウェアの性能ではなく、ソフトウェアやサービスだ。 ソニーの最大の弱点は、ソフト開発力の低さ、サービス構想能力の低さだ。あのビジョナリー久多良木氏も先見の明があるのはハードに限られ、氏の挙げるソフ トウェアの実例はいつもチープだ。かつてはミリオンソフトを次々と打ち立てたSCEJも、PS2時代はシリーズ作品を続々と枯らし、売上は大幅に落ち込ん だままだ。DSよりもプロセッサが高性能で無線LANが高速なPSPが、ワイヤレスサービスでDSよりずっと劣っている。あの宝の持ち腐れ状態がソフト開 発力の低さを雄弁に物語っている。 一方、マイクロソフトはXBOX Live!を順当に進化させているし、昔のゲームをオンライン販売する計画ももっている。海外でも日本同様、手軽なゲームを遊びたいというニーズは年々大 きくなっていて、カジュアルオンラインゲーム市場が成長している。ポーカーなどの手軽なテーブルゲーム、昔なつかしのクラシックゲームは人気が高く、 Yahooなども積極的に取り組んでいる。 この点については、ソニーよりもマイクロソフトのほうがずっと市場に敏感だ。ソニーもマイクロソフトも、共に2D時代のゲームのソフト資産を持たないだけ に、先に優れたサービスを展開したほうが優位に立つ。マイクロソフトはXBOX Live! Arcadeをすでに始めている。もはや勝負は見えている。 もちろんその点では、任天堂も優位だ。「バーチャルコンソール」と銘打ち、1台で過去20年のソフトを遊べると宣言。莫大なソフト資産を誇る任天堂らしい サービスで、一夜にして米国のカジュアルオンラインゲーム市場の勢力図を塗り替えた。 また、日本でのユーザーの反応は意外なほど好意的だった。この辺はわぱのつれづれ日記さんがよくまとめておられる。また日経産業新聞が「最も盛り上がったのは任天堂」と報じた件 も無視できない。 最近強く感じるのは日本と米国のユーザーの温度差だ。日本のユーザーは次世代機の映像の進化への反応が薄く、それよりも大きさがコンパクトだとか、起動が 早くて手軽に遊べることに関心がある。米国のユーザーはまだまだ、もっとすごい映像を、もっとすごいゲームを望んでいる。 XBOX360もレボリューションも、共に内臓記録メディアを持っているが、PS3はHDDが非標準だ。これは、ソニーがオンラインでのコンテンツ販売に 消極的なことをよく表している。これはPSPと同じ失敗だ。PSPもメモステ起動できるようにしてほしいというユーザーの意見は多いし、「ソニーはゲーム 版iPodを作るべきだった」という指摘もよく聞く。ソニーはいまだiPod以前の古い発想しかできていない。 「映像」ではソニーの勝ち(もっとも容易にひっくり返る程度の差だが)。「CPU」ではソニーとマイクロソフトが互角、あるいはマイクロソフトが有利だ。 「オンライン」ではマイクロソフトと任天堂の圧勝だ。PS3を一言で表せば「映像専用プレイヤー」、XBOX360は「最高のゲーム機」というべきだろ う。 あとは、ユーザーがどの部分を重視するかという話になる。内容面は以上だ。
ビジネスでは、米国でXBOX360が有利

台数競争は内容とビジネスの両方で決まる。次にビジネスについてふれると、日本ではPS3有利、米国ではXBOX360有利だ。それは変わらない。欧米のソフトメーカーはかなりXBOX360寄りだ。実際、今回のE3ではXBOX360のタイトルがかなり出展された。平林久和氏が良い指摘
しているが、XBOXは米国の国産機だという点を忘れてはならない。圧倒的な格差がつけば話は変わってくるが、PS3がXBOX360と互角、あるいは
ちょっと良いぐらいなら、心情的にXBOX360に傾く。日本のユーザーや業界人がXBOX360に対して抱いているモヤモヤした感情の逆を考えれば、よ
くわかるのではないか。ギリギリの勝負では、これは無視できないファクターになる。
また重要なのは、EAは2005年については「XBOX360にベットした」という事実だ。360度を取り巻く巨大スクリーンに映し出された映像群。その
下にはXBOX360向けの「NEED FOR
SPEED」がプレイアブル出展されていた。この状況では「EAはXBOX360寄り」と判断するのが自然だ。(まぁもちろん、ムキになって否定する意見
も、きっとコメント欄に寄せられることだろう。)
EAは今年、明らかにXBOX360寄りだ。もちろんPS3が来年出るから、という理由もあるが、もしXBOX360のスタートが好調で、PS3の初動が
つまずけば、来年もXBOX360寄り、再来年もXBOX360寄り、・・・・という事態は十分ありえる話だ。
EAはマルチプラットフォームだが、各プラットフォームで売上に差がかなりある。「Madden」にしても、PS2>>>XBOX>>GCという感じだ。
これは「EAのスポーツゲームを遊びたい数百万人」がPS2を買っているためだ。では、どうして彼らはPS2を買ったのか。第1に現世代機で一番最初に出
たのがPS2だったから、第2にオンライン対応が一番だったのがPS2だったからだ。ご存知のように、EAはマイクロソフトのクローズドな環境を嫌って、
XBOX版のオンライン対応をしなかった。しかし今はその問題は解決されている。そして何より、「次世代のEAスポーツゲーム」を最初に遊べるのは
XBOX360だ。
つまりEAのゲームが購入動機になっている人がXBOX360を買う。最大数百万人ものユーザーが動く。これは大きい。EAスポーツはマルチプラット
フォームだから、XBOX360を買ってしまえば、PS3は要らない。PS2とXBOXの時とは逆の現象がおきるわけだ。
また、XBOX360は有力なFPSタイトルが多い。XBOXも「Halo」を始め、優れたFPSが多く、FPSゲーマーを取り込んで成長したが、そうし
たユーザーが安心してXBOX360に移行できる。まずは「Call Of Duty2」。前作がGame Of The
Yearを受賞しており、秀逸な出来が評判になった。さらに「Quake4」。最盛期の輝きはないが、いまだ根強いファンはいる。そして映像面で非常に評
価の高い「Ghost Recon3」。もちろんマイクロソフト自身が誇る「Halo」の新作も発売予定だ。
XBOXを積極的に購入したFPSユーザー+次世代EAを遊びたい数百万ユーザー。米国での初期タイトルは厚く、初代XBOXをはるかに超えるスタート
ダッシュもありえない話ではない。それだけの台数を生産しきれるのか、のほうがずっと心配だ。
PS3は2006年春とうたっているが、ソニーがかつて日米同時発売した例はない。実際には日本で2006年春、米国で2006年秋という見方が有力だ。
その1年間で、XBOX360がどれだけの台数を積み上げるか、目に見えるようだ。XBOX360が数百万ユーザーを獲得し、PS3の発売タイミングで
「Halo3」のような強力タイトルを叩きつけて、PS3の出鼻をくじけば、面白いことになる。

最後に

トラックバック欄を見ている方はお気づきのことと思いますが、うちのBLOGのコメント欄に投稿されていたあれれ氏が「ゲームのマボロシ」というBLOGを立ち上げておられます。非常に冷静に分析できる方で、ぜひ巡回先に加えてください。
    ○E3雑感(新ハードについて)
    ○成功を受け継ぎ、失敗を反省する
論はボクとは異なり、「ワールドワイドでPS3有利」というもの。大きく違うのは「映像」と「オンライン」のどちらを重視しているかということ。結論は違
えど、思考のプロセスは非常に納得・親近感をおぼえます。
ボクは異なる思考が接触しあうことはすばらしいことだと思います。大切なのは意見(結論)が異なるかどうかではなく、思考のプロセスがしっかりと明示され
ているかどうか。それが無い意見は、ただのしつこい「説得」になり、果ては「布教」「GKの策動」みたいな低次元な書き込みに堕ちます。議論が楽しいの
は、お互いの思考のプロセスが提示される時だけで、結論が同じか違うかは些細な問題です。

Posted by amanoudume at 08:07 個別リンク | TrackBack(1)
次世代機戦争なんて本当に勃発するんですか?
Excerpt: 大体の情報が出揃ったところで、今年のE3の印象のまとめ。 「次世代機戦争」とメディアで騒がれた今年のE3だが、 むしろ次世代機にはあまりスポットライトが当たってはいないように思う。 もしかしたらそれは私たちが関心を無くしてしまったからかもしれないが。 ...
Weblog: 名古屋県民の半ヲタ的生活
Tracked: 2005年05月23日 14:35

2005年05月21日

E3で見えた北米の携帯ゲーム機競争のゆくえ

E3から帰ってきた。現地でも更新できたのだが、やはり落ち着いて記事を書けるのは日本に帰ってきてからだ。さて今回のE3の本題はもちろん次世代据置ゲーム機について。だが、その前にまずDSとPSPの競争について、E3会場で感じたことを一般に報道されている事実にふれながら、まとめてみたい。

遊ばれていないPSP
E3にしても、東京ゲームショウにしても、展示会のようなイベントでは通常、派手 な据置ゲームのほうが人の食いつきが良く、携帯ゲーム機はほとんど見向きもされないことが多い。実際、会場を回ってみたが、PSPの試遊台にはあまり人が 食いついていなかった。当然、順番待ちの光景も見たことが無い。PSPは展示の角度が悪いのか、歩いてみてもほとんど画面が目に入らない。当然わざわざ遊 ぼうと思わないかぎり、通行人が足を止めることはない。 特にこれといった注目作もなく、 全体にパッとしない。SCEAのブースも中心はあくまでPS2で、期待できるタイトルも圧倒的にPS2に集中していた。そして来場者の大半はPS3シア ターに並んでいた。SCEAのブースからは、PS2とPSPの2つのハードを支えつつ、PS3を立ち上げなければならない「つらさ」が感じられた。
遊ばれているDS

一方、DSは任天堂が力を入れて展示していたこともあるが、ソフトメーカーのブースを見ても遊ばれている率が高い。2画面あるおかげか、歩いていてゲーム画面が視野に入る率が高く、結果的に通行人が足を止めやすいのかもしれない。

注目作もそろっていて、DSは「マリオカート」の人気が非常に高く、常に何列も並んでいて、大盛況な様子だった(参考:Game Watchの写真)。
据置ゲームでも、あそこまで列が絶えなかったゲームはほとんど無かったんじゃないか。またWiFiによるインターネット対戦のコーナーも人が絶えない。
WiFiはPSPでも実現されているが、「マリオカート」「どうぶつの森」ほど人が群がっているゲームは1本もなかった。
WiFiといえば、DS上でVoIPを行うデモンストレーションも、ワイヤレスエンターテインメント企業化している任天堂が行うと、また別の可能性、別の意味も見えてきそうだ(参考:ワイヤレス・エンターテインメントという未来)。
会場には無線ダウンロードができるスポットが用意されていて、『ヒトフデ』『エレクトロプランクトン』などの体験版や、リアルゼルダの紹介ムービー(DS
上で再生)も配布されていた。こんなに多くの人間が会場にDSを持ってきているのかとびっくりする。ゲームのイベント会場では暇つぶしにGBA、DS、
PSPで遊んでいる姿も見かけたが、GBAとDSが圧倒的に多い。
また、日本人(ゲーム会社の人間のほか、日本のメディア)が「nintendogs」を持ってきていたらしく、「すれ違い通信」の成功例が非常に多かった
らしい。「ピクトチャット」でもいわれたことだが、DSはイベントで活躍するソフトが多い。イベントに強いDSという印象をあらためて感じる出来事だ。

真実は決して隠せない
イベントの報道記事を見るときは、ふつう新しく出てきたゲーム画面に目がいきや
すいが、会場の風景を撮った写真を見ると意外な真実がわかる。そのゲームの試遊台に人がたくさん食いついているなら、それは絵になるから、自然と写真が撮
られて、掲載されることが多い。逆に、人があまり食いついていない、順番待ちしていないゲームの場合、そんな写真を掲載したら「注目作」「人気があった」
という言葉がうそ臭く響いてしまう。必然的にゲーム画面のみの掲載になる。例えば、Game WatchのSCEAの出展ゲームの紹介記事と、任天堂の出展ゲームの紹介記事
比較してみるといい。意外と、真実は語られていない所に表れるものだ。真実は隠せない。いやむしろ隠されることによって浮かび上がる。
こうした会場の雰囲気を見るかぎり、米国における携帯ゲーム機競争の結果はほぼわかると思う。持ち運ばれているのはDS、遊ばれているのはDS、人々のコ
ミュニケーションを促進しているのはDS、WiFiコンテンツで人気のあるのもDS。もちろんE3だけで米国市場の動向が読めるわけではない。会場に来て
いるのは業界人で、当然大人ばかりなので、子供の意向はくみ取れない。しかし子供がどちらのハードを選ぶかはいまさら議論する必要はあるだろうか?
PSPは日本で好調だったのは最初だけだった。発売から3ヶ月ぐらいは「余熱」が残っていて、「供給さえあればDSをすぐに抜く」かのような予想がネット
上で書き散らされていた。けれども今そんな妄言を書く人は皆無に近い。結局、長続きはしていない。
米国では3月下旬に発売され、ようやく2ヶ月になろうかという時期。まだまだ「余熱」が残っている。しかし長く続く印象は無い。日本のように熱は冷めてい
くように感じられた。少なくともE3会場では冷え切っていたと思う。ただ、日本ではソニーブランドが凋落しつつあるが、米国ではまだまだ健在。ソニーピク
チャーズの存在も大きく、映画のソニーというイメージは強い。だから日本よりは熱が長持ちすると思う。UMDもしばらくは保つはず。しかし時間の問題。
日本につづき、北米においても、携帯ゲーム機競争は終わりつつある。印象操作は数ヶ月もすれば消えていき、最後には真実だけが残る。

Posted by amanoudume at 14:17 個別リンク | TrackBack(2)
E3に見るBlog
Excerpt: 大手サイトにトラックバックをするのは、なんだかおこがましいのだけど、 僕も一応5年ほどネットを通してE3を見ていて、その中でBlogの広がり というのが、情報の流通におもしろい変化を与えていると思います。 こういう匿名でありながら、固定された情報発信源という...
Weblog: silicon-tent
Tracked: 2005年05月21日 17:08
印象操作されてるなあ、という印象のコト
Excerpt: エピソード3のコトでアタマが茹だってしまっている鶴見だが、そんな隙を狙われたのか...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年05月23日 06:13

2005年05月17日

スペック叫ぶが限界か? PS3も2006年 今年末はマイクロソフトの独り勝ち

SCEのカンファレンスにて、PS3のスペックが公開された模様です。
Game Spot速報
yahoo速報
SCEI公式

メディアはBlue-Rayを採用するほか、DVD、CR-ROM、 CDR+W、DVD-ROM、DVD-R、DVD+Rにも対応。また自社のメモリースティックデュオのほか、SD、コンパクトメモリーフラッシュにも対応。
多種類の記録メディアに対応している一方で、HDDは標準搭載ではなく、スロットだけ。XBOX360と比べると、各種チップやドライブが高価になると予想される分、HDDまで標準搭載とはいかなかったみたいですね。ネットワーク経由でのコンテンツ配信という点では、マイクロソフトよりはるかに劣ったプラットフォームになりそうです。

またCPUは3.2GHzで駆動するCellプロセッサを搭載。CPU単体での浮動小数点演算性能は218G FLOPS。GPUをふくむシステム全体では約2T FLOPS。会場ではXbox360の2倍の性能とアピールした模様。本体メモリは、かねてから推測されていたとおり
メインRAM256MB、VRAM256MB。メインRAMはXDR、VRAMはGDDR。ある意味、Xbox360よりもPCっぽい構成といえます。
NVIDIAのGPU、Reality Synthesizer ことRSXは3億トランジスタ以上と非常に大きく、GeForce 6800
Ultraの2倍以上のパフォーマンスを誇るそうです。
・・・・ふーむ、おおむね予想の範疇ではないでしょうか。実際にどれだけ実効性能が出るかは未知数ですが、とりあえずカタログスペックでは
「Xbox360の2倍」を狙っているようです。なんというか、PS2と初代Xboxの立場が入れ替わったような印象を受けるのは気のせいでしょうかね? この程度の性能差では、表現力に根源的な違いが出せるわけでもなし、先行された溝を埋められるかどうかはあやしいですね。
また、HDD搭載のXBOX360と非搭載のPS3、この方針の違いがどう影響するか、非常に興味深いです。

追記
デザインはうーん・・・・いいのか、これ。コントローラの形状を変更しましたね。傾きセンサー等の
何らかのセンサーを仕込んでいる可能性もあるのかもしれませんね。ハンドルコントローラっぽく使えるとか?

Posted by amanoudume at 13:16 個別リンク | TrackBack(0)

2005年05月15日

XBOX360正式発表とソニーの「先行発売恐怖症」が見せる悪夢

昨日書いたニュース記事のコメント欄がなかなか盛況。まぁ「XBOX360寄り」に入るボクがかなり強く否定的なコメントを発したので、ちょっと驚いた方もいらっしゃったのかもしれない。

国内600万台という目標

XBOX360が世界シェアで伸びる、PS3に勝ち得るという話は以前からあった。そしてそれは変わらない。ただ、日本でどれぐらい売れるか?はややグレーだった。マイクロソフトの日本での目標は600万台といわれている。これはN64の500万台を超えて、国内第2位のハードとしては過去最高の水準である。もし本当にそこまで売れたら、欧米でのシェア増加分をあわせ、世界シェアでは十分PS3を打倒しうる。

XBOX360はどちらかというと、一般人よりもマニア層にアピールする戦略
あり、タイトルの濃さもあって、当面はセガハードと同じポジショニングで考えるのが妥当だ。DCと同程度なら国内200〜300万台、サターンと同程度な
ら400万台。国内日本市場に力を入れているムードや、坂口博信氏の大作RPGの投入、ジャンプとの連携を考えると、最低サターン級。まぁ600万台とい
う目標も現実味が出てくる。昔ほど売れなくなったと言われながらも、やはりRPGは強いジャンルだ。これまでの国内第2位ハードが作り出せなかったレベル
の「超大作RPG」を世に送り出せる効果は大きい。

「自分が勝った理由」におびえるソニー
どれだけ最有力候補といわれたハードでも、最初は必ずゼロから
スタートする。そこがゲーム機の面白いところだ。任天堂がかつてソニーに敗れたときも、この原理が働いている。PSとサターンがどれだけ売れようとも、
「でも結局勝つのは任天堂だよね」といわれていたものだ。しかしある時、気がついたわけだ。PSは200万台存在するが、N64はまだこの世界に1台も存
在していないのだ、という現実に。
ソニーはそこをうまく突いたわけだが、同時に自分が同じことをやられることに、ものすごく恐怖心をもっている。「自分が勝った理由」だからこそ、「自分が負ける理由」にもなりえるのだ。
からDCが発売された時には、表面的には余裕感を発散しつつも、PS2発売前のハッタリアピールを行い、DCが古い世代のハードで、PS2からが新しい
ハードだと印象操作を行った。当時のソニーはアピールが非常に巧妙で、実際そのとおりになった。
PSPでも発売時期が遅れることを極度に嫌っている。多くの業界人が2005年春と予想していたにも関わらず、DSが本当に2004年末に出ると知ると、
強行軍で2004年末に発売した。ソフトはともかく、ハードの発売を焦るとどうなるか。このBLOGを読んでいる方々は、その結果をご存知のはずだ。
そしてPS3でも「先行発売恐怖症」は変わらない。
先日、ソニーの湯原隆男執行役常務がPS3の年内発売の可能性を示唆
た。次世代DVDの規格統一交渉が話題になっているが、今まだそんな段階なのに、年内発売できるはずがない。
にも関わらず、年内発売とコメントせざるを得ない。それほどまでにソニーはXBOX360に先行され、先にシェアを築かれることにおびえている。それも無
理はない。確かに欧米のパブリッシャーの期待感は高いし、とくに米国では今度こそ国産機が勝つのでは、という意味での高揚感も無視できない。実際、EAがすでに25タイトル開発
ているなど、着々とタイトルはそろっている。
また、ソニーグループの業績回復が進みそうにないので、目玉商品を出さないと新体制への不信感につながる、という切羽詰った事情も存在する。湯原氏の発言
が「ただの牽制」でなくなる可能性もある。
場合によっては、ブルーレイ採用というプランを撤回し、2層DVDでいくというプランもありえるのかもしれない。2層DVD搭載の標準バージョンとブルー
レイ搭載の高級バージョンの2種類が出るのでは?というまことしやかな噂も流れているようだ。
しかし、仮にドライブの問題を置いといても、元々XBOX360よりも開発環境の配布が遅れていたのだ。そんな状況でスケジュールを早めれば、ソフトの完
成度でXBOX360より劣る可能性は目に見えている。名前だけは有名ソフトが並ぶだろうが、中身はPS2と変わらないソフトが大量に出てくる危険性があ
る。「ナムコさーん、リッジレーサーを年内にお願いします。中身はリッジレーサーズと同じでいいですから。ポリゴン数を10倍にしてくれたら、それで」と
か、「コーエーさまー、ポリゴン数同じで1000体出す無双を作ってください。あとは何も変わらなくても全然オッケーですよ」とか。
ユーザーに伝えにくい魅力
これまでゲーム機はグラフィック性能の向上を前提としてきたし、業界にとっ
て説得力をもってきた。なぜなら見た目の変化は「魅力を伝えやすい」からだ。操作性やゲーム性の変化は、「さわってみないとわからない」「遊んでみないと
わからない」ため、アピールしにくい。
ところがXBOX360の映像は正直、インパクトに欠けていた。性能の問題もないわけではないだろうが、ゲーム開発者が「どれもこれも綺麗にしてみまし
た」的な絵作りしかできず、結果的に「XBOXと変わらない」絵になっている。たとえば格闘ゲームにしても、一番肝心の人間そのものは大して変わっていな
いし、魅力も上がっていない。
「ラスタライズ方式の限界」などという意見もあるが、まったくの嘘だ。髪の毛のポリゴン数がまだまだ少なくて、表現としてサラサラ感をまるで表現できない
し、指先などのポリゴン数は現行機より多いが、なめらかさに欠けるのは相変わらずだ。質感もチープだ。
「ディテールを見ればわかる」「HDTVでないと議論の意味が無い」などと、素っ頓狂な意見を唱える方もいらっしゃるが、世の中のユーザーは2台テレビを
用意して、XBOXとXBOX360の画面を比べながら遊ぶのだろうか? ゲームを楽しみたかったら、HDTVを買えと居直るつもりだろうか? ここまで
ユーザーからズレまくった意見を堂々と書ける人も香ばしい。もし日本のゲーム開発者の大半が同じような考えなら、日本のゲーム業界の未来など、知れたもの
だ。
「まったく違いがわからない次世代機」という悪夢

XBOX360の正式発表では、ゲーム開発の側に相当な「映像」センスが必要なことが露呈した。しかしこれは何もXBOX360だけの問題ではない。性能面では大差ないはずのPS3もまた同じ「伝えにくさ」を背負う羽目になると思われる。

まして、ソニーが焦るあまり、年内発売を強行するようであれば、「まったく違いがわからない次世代機」という悪夢が完成するだろう。そのとき、はたして次世代ゲーム機は盛り上がるのだろうか? これまでのような早い普及ペースを維持できるか? ハードが売れてもソフトが全然売れないという事態にならないか?
昨日のニュース記事に対して、「わぱのつれづれ日記」さんからトラックバックをいただいた。その中で「まじめに次世代機総崩れという可能性もなきにしもあらず」と懸念を表明されているが、まったく同感である。

要は供給側の「伝え方が悪い」のである。「伝えやすい魅力」を打ち出してくれれば、それが理想だ。しかしそれが難しいなら、せめて「伝えにくい魅力を伝えるための最大努力」はすべきだろう。
ボクが昨日の記事で、一番の問題点としたのもそこだ。「魅力がある」とか「魅力がない」とかよりも、「魅力を伝える努力と工夫」が足らない。あの能天気な情報リリースぶりを見る限り、どれだけ大変なことか、彼らはわかっていないのではないか。

マイクロソフト、ソニー、そしてゲーム開発者といった娯楽供給者が直面した問題は、「伝えにくい魅力をどうやって伝えるか」ということだ。それはもしかすると、単調進化の恩恵にあずかってきたゲーム業界にとって、かなり困難な課題
もしれない。しかし努力をおこたっては何にもならない。国内ゲーム市場はただでさえ縮小しているのに、ゲームがより少数の人間にしか魅力が伝わらないよう
であれば、ますます市場は縮小してしまうだろう。
娯楽を提供する側が「魅力がわからないユーザーが悪い」とか、「時間が経てば自動的に魅力が伝わる」という「供給者の論理」にとらわれるなら、その娯楽産
業は末期症状だ。
精神論ではない。わかりにくい魅力をうまく伝えて成功した実例が、ついこの間あるではないか。
任天堂は「わかりにくい魅力」という点でものすごく苦労してきた。N64はアナログスティックを一番最初に標準搭載したし、評価の高いゲームが多いが、
「伝え方がすごく難しい」との指摘は多かった。そして実際、芳しい結果は出なかった。その頃から苦労を重ねてきた結果、任天堂は「伝えにくい魅力をどう
やって伝えるか」の経験値が高くなった。DSでは体験イベントをふやし、遊んでいる姿を積極的に流した。そしてDSは映像で圧倒的に勝るPSPより、はる
かに多く売れ、新規ソフトである「nintendogs」も好調なセールスを記録している。
継続的な努力と工夫があれば、わかりにくい魅力をわかりやすく伝えることはできる。
伝えることがあらゆる表現の基本であり、人を楽しませる表現を娯楽という。魅力の伝わらない娯楽など、娯楽ではないし、それを放棄した供給者ばかりが多い
なら、なるほど日本のゲーム業界の行く末など知れたものだ。
娯楽から逃げるな。

Posted by amanoudume at 00:07 個別リンク | TrackBack(6)
メモリ容量の鍔迫り合い
Excerpt: さて、早速はじめての記事を書いてみたいと思います。発熱地帯さんの「XBOX360正式発表とソニーの「先行発売恐怖症」が見せる悪夢」が面白いです。 現状のグラフィックスの向上ぐらいだと、ユーザーさんに魅力をアピールできないのでは、という話です。平林久和さんの「贅沢品
Weblog: マボロシ
Tracked: 2005年05月14日 14:00
[ゲーム]ゲームと映像のHD化についての考察
Excerpt: 先日、Xbox360の概要が盛大に発表されましたが、そのインパクトは想像以上に低いものでした。実際、ブログや2chでの反応も、批判的な内容が大勢 を占めています。 Xbox360では、特に「HD化」ということを表に押し出しています。HD化とはつまり、1080i, 720pへの対応と言う...
Weblog: わぱのつれづれ日記
Tracked: 2005年05月14日 19:21
Xbox360
Excerpt: この360という名称を聞いたとき、IBMシステム/360のパクリかよって思った人は 何人いたんでしょうね。 自分は高校の(コンピュータの)歴史で学んだのですが。 まぁそれはいいとして。 デザインは、Xboxが白くなっただけっていう印象。 まぁ悪くはない。 自分はゲーム...
Weblog: SOBLOG
Tracked: 2005年05月15日 02:48
「まったく違いがわからない次世代機」という悪夢
Excerpt: 発熱地帯さんの「ユーザーに伝えにくい魅力」 と 「まったく違いがわからない次世代機」という悪夢というタイトルのブログを書かれています。 自分も全く同感です。 ただし、自分はクリエイター側なので、ただ「そうだよね〜」って 言ってる場合でもないんだけどね。 ...
Weblog: ゲームを創る旅
Tracked: 2005年05月15日 16:30
明るい日と書いて「明日」と読むというコト
Excerpt: さて、E3は火曜日からだが、今日は朝から仕事だ仕事。 昔は「不規則正しい生活」が...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年05月16日 08:30
XBOX360 vs PS3 関連
Excerpt: XBOX360正式発表とソニーの「先行発売恐怖症」が見せる悪夢 には全く同感です。 ただ、次世代機の底力はポリゴン数がたくさん出るところじゃないのです。 そういうことに気づいている国内のクリエイターは殆どいないみたいで、いまだにあちこちで「他社より10万ポリ
Weblog: 港区赤坂四畳半社長(国益第一編)
Tracked: 2005年05月17日 15:36

2005年05月04日

成長に必要な新しいルール

北米もまた日本の二の舞になるのか?

EAの通期利益がアナリストの予想を下回ったことから、EA
の株価が急落。連動してtake2、Activisionといった欧米のパブリッシャーの株価が落ちているようです。まぁ成長が鈍化・停止すれば、こうい
うことは自然に起こります。
ソフトの価格競争の激化、版権の獲得競争の激化、開発スタジオ等の囲い込み、次世代ゲームへの投資増など、欧米のゲーム産業もコスト増加/利益減少に向
かっていますから、今後は同様のニュースを聞く機会も増えるのではないでしょうか。欧米もますます厳しくなるでしょうね。
次世代ゲーム機で懸念されるのは
    1)ソフトの開発費が高騰する
    2)次世代機のゲームソフトは1000円程度価格が上昇する(といわれている)
    3)ユーザーにとってソフトを買いにくい方向に進む
    4)一方で競争激化によるソフトの低価格販売攻勢も激化する
    5)利益の確保が難しくなってくる
というネガティブスパイラルに陥ってしまわないかという点。日本のゲーム業界がPS2の登場を契機に逆に落ち込んでいったように、XBOX2やPS3の登
場を機に欧米のゲーム産業も衰退が始まるのではないか。そういう予想があります。
次世代ゲームになったからといって、前世代ゲームよりも多く売れるわけではありません。大幅に売り上げを拡大できない以上、コストを落とさないと利益は減
ります。マネージメントの向上や開発環境の改善があったとしても、次世代機ではおよそ2倍の開発規模になるという予想もありますから、それだけ人件費が増
えてしまうと、非常に厳しい。
欧米のゲーム産業ではますます中国へのアウトソーシングが進み、人件費の圧縮が大きなテーマになるでしょう。となると、パブリッシャーは強くなっても、
ディベロッパーはひどい負担を背負わされ、活力を減退させていく可能性がかなりあります。次世代ゲーム機に進んだ時に容易に予想される、こうした問題点へ
の解答はいまだありません。無いものの、先に進まなければならない。
そこで2つの予想が出てきているわけです。1つは日本のようにやはり減退していくのではないかという予想。もう1つはいくつもの問題を乗り越え、産業とし
てより成長するという予想。欧米のゲーム関係者は当然後者の人間が多いわけですが、そのこと自体はあまり説得力を持ちません。
なぜなら、PS1時代末期、PS2が発表された直後の日本のゲーム業界人の反応、発言を思い出せばいい。「永遠に続く成長は無い」。理論ではわかっていて
も、実際に高成長している時に「次に奈落が待っている」と考えるのは難しい。成長への幻想を捨てきれない人たちにとって、減退するという予想は実感の無い
ものでしょう。そして実感をともなわない予想は、彼らにとってあまり説得力を持ちません。説得力を持たない予想は机上の空論として処理され、業界や企業と
いった大きな集団は予想された事態への対処が遅れがちになります。

ゲーム業界には新しいルールが必要になってきた
ここで問題なのは、ではゲームは日本でも欧米でも衰退
化していくのか?ということ。
長期的な視野で見た時の減退を克服するには、業界の既存ルールのいくつかを変更する必要があると思います。それらすべてを論じるのは避け、ここではそのう
ち2つだけを提示することにします。1つは「ゲームソフトはソフト単独の売上で利益を回収する」という利益構造。もう1つは「ゲームソフトはタイトルの名
前や会社の名前だけで買われるもので、作り手の名前などほとんど意味を持たない」という認知構造。
この2つのルールは長い間、ゲーム業界を縛り続けた「常識」です。単純に変わるものではありません。けれども長期的な視野に立てば、その「常識」を書き換
えていかないかぎり、ゲーム産業の末路もまた「常識」として定まってしまうでしょう。ゲームの世界はおよそ10年(ゲーム機2世代)ごとにプラットフォー
ムホルダーのトップが交代し、メディアやプロセッサなどの根幹部分が飛躍的に変化しました。
チャレンジャーは古いルールにかわる新しいルールを持ち込むことで、新しいプラットフォームを成功させました。新しいルールは当初は古いルールを熟知した
人間(一部の開発者、一部の流通関係者)に小馬鹿にされるものです。なぜなら彼らは古いルールブックはよく知っていますが、新しいルールは何も知らないか
らです。彼らは古い出来事を都合よく持ち出して、新しいルールが普及するはずがない、と声高に主張します。
しかしゲームの歴史というものを振り返れば、じつにたくさんの「常識」が、「ルール」が崩れ、新しいルールが打ち立てられてきたのです。今では信じがたい
ことですが、かつては「日本でRPGが売れるはずがない。子供があんなに難しいものを遊ぶはずがない。あれはマニアの遊びだ」という主張が説得力をもって
いた時期があったのです。もしその常識を全員が信じていたなら、世の中に「ドラゴンクエスト」が誕生することはなかったでしょう。
古い常識、古いルールというものは所詮、そんなものです。古いルールに頑迷に固執している者が、現在形のロジカルな議論をしているのか、それとも過去の出
来事を例示することしかできないのか。そこを見ぬかなければなりません。
もちろん新しいルールを打ち立てるのは簡単ではありません。PCで動いていたRPGを単純にそのまま持ち込もうとすれば、「ドラクエ」は失敗していたで
しょう。ファミコンのスペックや、ユーザーのRPGというジャンルへの理解度を考慮して、誰もが楽しめるようなゲームデザインを作り上げたから、「ドラク
エ」は成功しました。新しいルールは単純に新しいというだけでは成功せず、導入において知恵を絞る必要があります。
重要なのは新しいルールを持ち込もうとしている者に知恵があるかどうか、です。知恵ある者は偉大な挑戦者として勝利への階段をのぼっていき、知恵なき者
(あるいは古い知識だけ持っている者)は階段から転げ落ちてフェードアウトしていくのでしょう。

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2005年04月26日

「ゲーム」の定義を広げようとする「ゲーム機」ホルダー

「ゲーム」の定義を広げようとしているプラットフォームホルダー

Dr.森川の人間風車「N派かS派か」
> フォーマットフォルダー派、つまりN天堂もSニーも憂えたり危機感を感じたり
> しているポイントや、それに対して感じている義務や責任のベクトル、それに
> 今後あるべき方向性みたいなものもよく似ている感じがする。
> 一言で言えば、今のゲームの方向性のままではダメだ。むしろ(従来の)
> 「ゲーム」という範疇で考えるべきではない。ゲームが「害」ばかり与えていて
> 徳になっていない(イメージがある)。そこらあたりをなんとかしないといけない。

プラットフォームホルダーとの仕事が多い森川氏が今さらフォーマットホルダー派であることを表明したところで、特に意外性はありませんし、実質的にはポジショントークだと思いますが、それはさておき。

ここで勘違いしてはいけないのは、別段非フォーマットホルダーが保守的で、フォーマットホルダーが挑戦的、という構図ではない
とです。フォーマットホルダーは自分のフォーマットから利益を得るのだから、自分のフォーマットの価値を高めるのは当然です。非フォーマットホルダーは特
定のフォーマットで利益を得るわけではないから、別段、特定のフォーマットの価値を高める必要はまったくない。もっといいフォーマットがあれば、どんどん
そこへ移っていけばいい。根本的に立場が違います。
ゲーム以外の事をやるという点では、経営体力の無さもあって、むしろソフトメーカーの方が進んでるわけです。
メディアミックスやリスクマネージメントのため、ハードメーカーよりも早い段階から動き始めています。ただし、ソフトメーカーはゲーム機以外のフォーマッ
トで「ゲーム以外の事」をやります。コンテンツそれぞれの特性に合ったフォーマットを選べばいいのです。
一方、ハードメーカーは「ゲーム機」というフォーマットを守るため、自分の「ゲーム機」の価値を高めるため、ゲーム機で「ゲーム以外の事」をやります。
あくまで自分の利益源のフォーマットにリソースを集約します。
プラットフォームホルダーと非プラットフォームホルダーの違いはそんなものです。
振り返れば、最近ハードメーカーが元気です。DS、PSPで展開されている非ゲーム路線、エデュテイメント的ソフトの盛り上がり、従来より幅広い意味での
ゲームの登場、オンラインへの積極的な取り組み、・・・・。
しかしそれらもすべて、ようやくフォーマットホルダーが自分のフォーマットの価値を維持・向上させることに真剣になっただけなのです。逆にいえば、「ゲー
ム機」の相対的な価値の低下にいよいよ危機感をおぼえ始めたのでしょうね。

80年代フォーマット戦争時代と相似する昨今の情勢

DSの「エレクトロプランクトン」「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、PSP「Intelligent License」、などなど最近の非ゲームブームはDSとPSPが作っている印象があります。けれども、ABAの日誌「エデュテインメントに名作なし、か?」
ある通り、これは新しい動きではなく、むしろエデュテイメントソフトは昔のほうが多かったのです。
80年代のファミコン初期、PCゲーム最盛期は、「ゲーム機」が勝つのか、「PC」(MSXを一応含む)が勝つのか、ハッキリしない、複数のフォーマット
が競争がしていた時代です。「ゲームって何よ?」という答えはもちろん、漠然としたイメージさえ共有できておらず、何でもありのノリが強かったし、クソ
ゲーも多かった(でも楽しかった)。そもそもゲーム、非ゲームというような区分けがバカバカしくなるような時代でした。
最近は「ゲーム機」というフォーマットが弱体化して、「ゲーム機」以外のフォーマットが活性化しているため、かつてのフォーマット競争の時代に近いノリが
戻ってきています。というのは、強いフォーマットというのは、より幅広い種類のコンテンツを、より多数のより多様のユーザーに提供でき、クオリティ・信頼
性・ボリューム・価格の適切な均衡点を実現しえるものだからです。
今、「ゲーム機」はロイヤリティーやメディアの問題で、柔軟な価格体系を取りにくくなっていますし、暇つぶしの点でも携帯電話ほどの手軽さはなく、オンラ
イン性ではPCや携帯電話にはるかに劣っています。実用性〜半実用性という点でも、たとえばタイピングソフトや、英会話学習ソフトはPCのほうがはるかに
向いています。
「ゲーム機」の上で動くのが「ゲーム」という考え方がいつのまにか浸透し、「ゲーム」の定義はどんどん狭いものになっていきました。そこ
で取りこぼされたコンテンツ、開発者、ユーザー、市場が積もり積もって、新しいフォーマットへ流れていき、徐々に「ゲーム機」フォーマットは弱体化して
いったのです。
やや乱暴にまとめますが、ハードメーカー3社の最近の動きはひっくるめて、ゲーム機フォーマットの付加価値向上であり、再定義といえます。ゲーム機をゼロ
から普及させる(ユーザーを増やしている)時代と、減ってしまったユーザーを取り戻そうとする(ユーザーを増やしている)時代が状況として似てくるのはあ
る意味、自然なことでしょう。もちろん昔と違って、商品に求められるクオリティやボリュームは高いのですが。
携帯ゲーム機戦争にしても、据置ゲーム機戦争にしても、ハードメーカー間の競争という視点で観察するだけでなく、「ゲーム機」フォーマットの価値向上とい
う視点、フォーマット間競争という視点で見ると、とても面白いと思います。
フォーマット競争の結果、どのフォーマットが優勢になるか。現時点では、異なる意見が色々あると思います。しかしこの記事の意図は、フォーマット間競争と
いう視点を提示することにあります。いきなりフォーマットの優劣を議論することではありません。それはまた今後の記事で書きたいと思います。

補足:非ゲームへの注目
上で述べてきたように、20年前から非ゲームの流れはありました。が、欧米で
は最近「シリアスゲーム」という名称で、「ゲームの非ゲーム的利用」「ゲームの教育利用」「非ゲームソフト」に注目が集まっています。
ここ数年で「GTA」などの暴力ゲームが社会的批判を集め、ゲーム=悪という論調が高まっていますから、ゲームの有用性を積極的に主張しようという流れが
カウンターとして強くなってきたのでしょう。欧米では映画につづく娯楽産業として、大学でのゲーム学科の設立や、ゲーム研究学会の立ち上げなど、急速に
ゲームの学術研究、産学共同が進んでいます。一連の流れの中で「シリアスゲーム」は大きなテーマになっているようです。(市場として盛り上がっているのと
は違うので、注意) シリアスゲームジャパン
Game Watch 「IGDA日本の新氏ら、日本におけるシリアスゲームの動向を発表」
> 「シリアスゲーム」というのは、教育や医療、経営、政治など、社会問題に
> 対応するゲームのことです。ゲームの持つ面白さを生かしながら、娯楽として
> だけでなく、さらに多方面へのポジティブな効果をもたらそうというのが、
> 研究の主題となっている。世界的に研究が進められており、今回のGDCでも、
> 2日間にわたって「Serious Game Summit」という大枠が取られており、
> その中に約30のセッションが設けられている。
シリアスゲームというと、お堅いイメージがありますが、「シムシティ」「太鼓の達人」「桃太郎電鉄」「三国志」「タイピング・オブ・ザ・デッド」「スー
パーマリオのセーター」「ポパイの英語遊び」「ドンキーコングJR.の算数遊び」など多岐にわたります。普通のゲームとして作られたけれども有用性があ
る、というゲームも、最初から実用性を意図した作られたゲームも両方含みます。
まぁ正直、こじつけっぽい物もありますが、ともあれ日本だけでなく欧米でも、ゲームのポジティブなイメージを広げようとする動きが活発になっているのは面
白い現象です。逆にいえば、ゲームのネガティブなイメージが広がっている、という危機感がそれだけ強いわけですが。 -----
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Posted by amanoudume at 15:16 個別リンク

2005年04月16日

小利口と蛮勇と

ビジネスの世界はマイクロソフトの猛攻を率直に評価

マイクロソフトとの競争激化懸念で、ソニー株が6日続落
営陣刷新で、一時期は持ち直していたソニー株が6日間も続落。
ソニーの今後の成長においては、ここ数年精力的に推進していたCellの成否が重要な判断材料になるみたいですね。Cellは元々、プレイステーションシ
リーズの莫大な需要をてこにして、デジタル家電への搭載を狙っていたもの。最初の大きな需要PS3が順調に立ち上がらなければ、Cellビジネスそのもの
が大きく揺らぎます。
そういう理解が株式市場にある中、このところのマイクロソフトの猛攻はソニーにとって大きなマイナスと判断されたようです。記事中にもあるように、坂口博
信氏という固有名詞よりも、「FFの生みの親」というわかりやすい言葉が大きなインパクトを与えました。そして、それはかつて、ソニーがタイトルとクリエ
イターを引き寄せて、任天堂からトップの座をうばった出来事のメタファーにもなっています。

タイトルかクリエイターか
マイクロソフトは今回、タイトルとクリエイター両方ではなく、クリエイターを取り込みにかかりました。その点が弱いといえば弱いかもしれません。けれども ねえ、最近、「続編が多すぎる」「ゲームに飽きてきた」という意見があちこちで立ち上がっているわけですよね。ですから今回マイクロソフトがあえてクリエ イターを重視したのは、むしろ「続編の呪縛」からクリエイターを解き放ったと いうポジティブな見方が普通でしょう。 単純にタイトルを金で囲い込む戦略がうまくいくとは限りません。我々は現にPSPという実例を見ているわけです(そのあたりの事情は、切込隊長のネットラ ジオでの暴露話で明らかにされました)。まぁ他にも「ソウルキャリバー3」がマルチプラットフォームからPS2独占に切り替わった裏で、色々な憶測と噂が 流れているわけです。北米において、GC版がPS2版に並んですごく売れましたからね。お金でタイトルを囲うのが大好きな企業がうごめいた、という憶測と 噂が流れるのも自然なことでしょう。しかしそういう戦略がいつまでも通用するのでしょうか? タイトルを囲い込むのが賢明で、クリエイターを囲い込むのは「バカ」。はたしてそうでしょうか? 例えば、北米において圧倒的な成功をおさめた 「Halo」シリーズ。これを手がけたBangie は名のあるタイトルをもっていたスタジオではありませんでした。元々PCゲームを開発していたスタジオで、コンシューマーの経験も浅い。しかしマイクロソ フトはあえてそのスタジオに、初期の大きなタイトルをまかせました。それは一見とても「バカ」げて見えました。発売当初はGCとXboxではGCが有利と いう評判があったのです。しかし結果として「Halo」は大ヒットにつながったのです。 一方、多くのユーザーが知っている「名前」「タイトル」を前面に出した、利口なはずのGCは北米で完全に失敗しました。企業ではなく人、といってクリエイ ターとのコラボレーションを強調しながら、出てくるのはかつての自社タイトルばかり。クリエイターよりも「タイトル」を取った小利口な戦略は、新規ユー ザーも食いつかず、旧来のファンも失望する結果に終わりました。
「小利口」の敗北と「蛮勇」の勝利
ボクは思うんですが、「小利口」な戦略を取り続ける限り、競争は小 利口な結果にしかならないのです。小利口な選択をするなら、トップシェアのハードにだけソフトを供給し続ければいいわけですし、ユーザーだって一番安心で す。今現在強いやつ(PS2)がもっと強くなって、今現在弱いやつ(GC)がもっと弱くなる。台数シェアという点で、現世代機の競争はまさしくそれを証明 したのです。 ファミコン20年の歴史において、ゲーム機競争で敗北する企業は、1歩踏み込むべき所でその1歩が踏み込めず、小利口な選択をしているのです。勝利あるい は大きな成果をあげた企業は、肝心の1歩を踏み込んでいるのです。その1歩をして「蛮勇」と呼ぶ人もいるでしょう。もしかすると別の言い方、「クリエイ ターの名前なんて、ライトユーザーには訴求しない」という言い方をする人もいるかもしれません。北米でBangieは知る人ぞ知るスタジオから出発しまし た。今でも開発者の名前はほとんどの人が知らないでしょう。しかし今や多くの人が「Halo」の名前を知っています。 小利口な選択をした任天堂も、市場の鉄槌を受けて、性根が叩き直されたのか、DSでは「蛮勇」ともいえる大胆な選択をしました。その結果はみなさん、よく ご存知でしょう。スマートなビジネス、スマートなソフト戦略だったはずのPSPはどうなりましたか? もちろん「蛮勇」が常に勝つわけではありませんが、 しかし通ぶった小知恵をはたらかせて、「小利口」だけを評価するすれた人間、すれた業界人にはなりたくないものです。
Posted by amanoudume at 03:43 個別リンク | Comments (10) | TrackBack(2)
メーカー経営についての雑感
Excerpt: 直接は関連しないのだが、発熱地帯ブログに触発されて書いてみる。雑感なのでまとまってないかもしれないが
Weblog: 技術屋稼業@サラリーマン
Tracked: 2005年04月17日 15:24
今の【少女】漫画について思うこと場外戦「総論反対、各論反対」
Excerpt: 売れない漫画誌 作品の複雑化が要因、新人育成に障害 今の少女漫画について想うこと 今の少女漫画について想うこと? 今の【少女】漫画について想うこと? の場外戦。 まさにタイトル通り(それでは総て反対じゃないの?ということなんだけれど)、問題意識は同じなのに...
Weblog: 冬枯れの街
Tracked: 2005年04月26日 13:00

2005年04月13日

ゲームの二極化の果てはパブリッシャー/スタジオ/作家の3階層モデル?

パブリッシャー/スタジオの2階層モデル

二極化していく「未来」で簡単にふれたように、ここ数年、ゲームが大作路線と低価格軽量路線に分化しています。そして今後もこの傾向は続くでしょう。低価格路線はプラットフォーム別で見れば、NoRoyaltyやネットワークによるメディアレス配信などにより、PCや携帯電話といった非ゲーム機でむしろ盛り上がっています。ただ、DSの登場によって、「コンパクトな規模でもアイデア勝負でいける」下地が生まれつつありますし、PSPにおいても非UMD部分でのゲーム配信に可能性が見られなくもありません。コンシューマーにおいても徐々に、低価格軽量路線が一定の勢力になり得る「下地」ができつつあります。

現在、ゲーム会社は強力な営業能力や自社版権をもつ「パブリッシャー」と、営業能力で劣り、自社版権が弱い「スタジオ」への分化が進んでいます。欧米ではパブリッシャー/ディベロッパー(スタジオ)の役割分担が明確ですが、自社ブランド・自社開発が根強かった日本のゲーム業界も年々、欧米型の産業構造に近づいています。

会社と作家への分離?

また「まぁとりあえず・・・ 」でふれたとおり、ノベルゲーム、パズルゲーム、2D格闘ゲーム、2Dシューティングといった「枯れたジャンル」は、ゲーム会社という商業土壌からスタートする優位性がほとんど失われつつあります。(ここでいう「枯れた」とは製作技術的に「枯れた」という意味で、人気が無いという意味ではありません)

製作技術的に「枯れた」以上、商業土壌と非商業土壌の開発面での優劣の差はかなり小さくなっています。商業土壌では、よりたやすく物量に走れるため、内容を豪華にしたり、ボリュームをふくらませやすいです。けれどもこれら「枯れたジャンル」では、豪華主義やボリューム主義が有利に働くわけではありません。

むしろより買い求めやすい値段で提供したほうが、よほど売上につながる傾向があります。(2D格闘ゲームはまだ若干、豪華主義が通用するかもしれませんが)通常のパズルゲームに比べて、ゲーム内容のボリュームを増大させた「メテオス」の売上がパッとしないことも、1つの実例といえるでしょう。惑星のコレクション要素やプリレンダムービーに反応したユーザーがどれだけいたのか。そんなことにコストをかけるより、「遊びやすくなる」と公式サイトで推奨していたタッチペンを同梱したり、より買い求めやすい価格にしたほうが、よほど売上に貢献したと思います。

また、「メテオス」と「ZOO KEEPER」のメディア展開(メディア経路)を比較しても、商業作品らしいマス展開(TV CMや、TouchDSへのイベント出展、店頭での体験版ダウンロード、ファミ通での制作者のコラム、ムービー制作)がさほどユーザー層を広げない、という現状がわかります。体験版を遊んでもらえるという点では、ネットで配信可能なフリーゲームや同人ゲームのほうがはるかに有利だったりします。

フリーゲームの「ZOOKEEPER」、ノベルゲームの「ひぐらしのなく頃に」、2D格闘ゲームの「メルティブラッド」など、先例は確実に増えつつあります。これは日本だけの傾向でなく、海外でもそうで、FLASHのアクションゲームとして開発された「ALIEN HOMINID」がPS2やGCに移植され、発売されています。すなわち、従来型の職業的ゲーム開発者(ゲーム会社に勤務して開発)とは異なる形態でゲームを作る人々が台頭しつつあります。

ゲームという枠に閉じ込められていた可能性たち

長らくゲームという商品は、数千円の価格でパッケージ販売される形態が主流でした。ゲームという枠の中に「小説」や「漫画」のような規模の物もあれば、「映画」のような規模の物もあるにもかかわらず、同じようなくくり方、同じような値段のつけられ方、同じような売られ方をしていたわけです。今後は「映画」のような大規模で値の張るゲームと、「小説」や「漫画」のような小規模でお手ごろなゲームに二極化していくでしょう。と同時に、100人以上の人員を投入して「映画」を作るスタジオの他に、1人〜数人で「小説」や「漫画」を作る作家(作家集団)が台頭してくるのでしょう。

ゲームという枠の中に押し込められていたせいで伸び切れなかったさまざまな可能性が、いくつかの均衡点の周りに集まり、市場と価格的・ボリューム的な折り合いをつけるのでしょう。今年の始めに書いたとおりです(「あけましておめでとうございます!」)

おそらく次の5年間(次世代据置ゲーム機の世代)の課題は、価格と消費時間と開発コストのつりあい、ユーザーの欲求と供給側の思惑のつりあいを取ることでしょうね。
ここで書いている「ゲームという枠」とは、主にコンシューマーゲームのことを指しています。携帯電話ゲームの浸透によって、数年前から小規模開発が進んでいたのは確かです。ただ、最近の動きを見ていると、拡散/旧構造の崩壊ではなく、より新しい産業構造の構築のフェーズに入りつつあるようです。このところ中規模のゲーム会社が買収されるニュースが続いていますが、パブリッシャー/スタジオ/作家の新階層構造ができつつある中、立ち位置を失いつつある会社がどこかの階層に吸収されているわけです。

今、経営が傾きつつある大手にしても、ぶっちゃけ「こんな売れなさそうなソフトを、見るからに大金かけて、いったいどーすんのよ?」という大作ソフトが目立つわけです。大作路線のソフトはじつはそんなにタイトル数は要らないわけですよ。「ふるい」にかけられているのが現状です。

映画のタイトル数と小説や漫画のタイトル数が異なるように、ある程度絞り込まれた大作路線のゲームと多数の低価格軽量路線のゲームに分化していくと思います。今あぶない会社というのは、実際には大作ソフトを開発し、販売する能力が無いにもかかわらず、「俺はまだやれる!」と思い込んでいる会社だったりしま
す。(想像がつくと思うので、あえて具体名は出しません)

「未来のゲーム」

そして「本」(これまでは小説と書いてきましたが)が非常に多様な内容を表現しているように、ゲームというメディアも、より低価格化し、より多数の作家が参加していく過程において、非常に多岐にわかれ、その世界は果てしなく広がっていきます。

そうですね、たとえば・・・・そう、従来の「ゲーム機ビジネス」に踏みとどまった例ではありますが、DSの新しいソフトラインナップ(「nintendogs」「エレクトロプランクトン」「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「DS楽引辞典」「やわらかあたま塾」)などに可能性の一端を見出せるかもしれません。

もちろん何もDSだけでなく、他のプラットフォームにおいても、新しい可能性が芽を出しつつあります。「未来のゲーム」というものは、とてもとても広い範囲をカバーしています。アクションゲームの未来がどうなるか?RPGの未来がどうなるか?というのは、とても狭い議論です。未来のゲームとは非常に広大なメディア世界なのです。

「日本のゲーム業界が元気が無い」「地盤沈下している」とよくいわれます。しかしゲーム世界そのもの、インタラクティブワールドが衰退しているわけではありません。中央の王朝が衰退し、従来「周辺」と呼んでいた(じつは広大な)領域に新しい勢力が出現しているだけのことです。古来より、王国は辺境の蛮族によって滅ぼされ、帝国は辺境の民族を内部に取り込むことで複数文化から構成される強固な基盤を築き上げ、版図を広げていきました。

ファミコン20年の間、ゲーム業界や、文化的地盤としてのゲーム論というものは、主にコンシューマーゲーム機を文化的中央に据え、アーケードゲームとPCゲームを近隣諸国として版図を広げていました。その外に「辺境」があります。けれども、いつまでも「辺境」を「辺境」として遇するだけでは、王国は滅んでしまうでしょう。「辺境」を取り込んで帝国を築けるか、そこに日本のゲーム業界の未来がかかっているといえます。

したがって、狭い意味での王朝間戦争だの、狭い意味での日米ゲーム業界優劣論には、じつは大した意味は無いのです。非常に狭い議論です。地球上のどこにも国境線などという線は引かれていません。同様に、未来のゲームもまた非常に広大なメディア世界であって、そこに境界線など引かれてはいないのです。新しい線を引きたければ引き、新しい旗を立てたければ立てるといいでしょう。それだけの土地が我々の目の前に広がっています。衰退?停滞?地盤沈下?どこの国の言葉ですか?

Posted by amanoudume at 12:52 個別リンク | Comments (3)

2005年04月10日

まぁとりあえず・・・

『ひぐらしのなく頃に』コンシューマ移植決定!
ひゃぁっほほほほおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぶらっぼぼおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!


と、狂ってみるだけでこの記事を終えようかと思ってましたが、頭をよぎったことを簡単にまとめます。

こちらの記事のコメント欄
も指摘されていましたが、作り手=売り手的な構造の同人ゲームや、開発技術的に枯れたジャンル(ノベルゲームなど)のゲームのほうが作家性が強く打ち出さ
れるのは確かでしょうし、作家性でゲームが購買される傾向も強いのでしょうね。
フリーゲームとして認知度を高めた「ZOO
KEEPER」の成功が良い例ですが、ノベルゲームやパズルゲームなど、いくつかの「枯れた」ジャンルにおいては、ゲーム会社という商業土壌からスタート
する優位性はほとんど失われつつあるのかもしれませんね。大きな差の1つは、商業土壌なら最初からマス展開ができるという点ですが、それも有効性がやや疑
問視されるわけです。
(ここでいう「枯れた」とは製作技術的に「枯れた」という意味で、人気が無いという意味ではありません)
「ZOO KEEPER」と「メテオス」の内容面や客層面での比較
以前おこないましたが、メディア展開という点では言及していませんでした。枯れたジャンルにおいてはもはや、商業作品らしいマス展開(TV
CMや、Touch
DSへのイベント出展、店頭での体験版ダウンロード、ファミ通での制作者のコラム、ムービー制作)がフリーゲームや同人ゲーム的なメディア経路にくらべ
て、ほとんど優位性をもたない、といえるのかもしれません。
(フリーゲームの場合、「メディア展開」という表現は違和感があるので、「メディア経路」と書きました。「ZOO
KEEPER」のメディア経路についてはDr.森川の人間風車「#867 長蛇の列」
も考察されています。)

Posted by amanoudume at 16:08 個別リンク | Comments (5)

2005年04月06日

傍流の系譜

雑談レベルにおいて、最近よく話題にしている話題をBLOGでも書いてみます。企業を救うヒットは傍流文化から出てくる、ということを最近特に感じます。
「プロジェクトX」でもそうなんですが、割と一般論かもしれませんね。
企業が苦しくなると、確実に売上が見込めるメインストリームの開発部隊をより高回転させようとし、自転車操業の状態に陥ります。しかしそもそも自転車操業
的になったのは売上が下がってきたからなので、ますます売上が減っていきます。開発に余裕がなくなることでクオリティが低下し、リリーススパンが短くなる
ことでユーザーの飽きが早くなり、さらにさらに売上が低下します。
しかし企業の側はより短納期で開発し、しかも売上の安定化を目指すため、結果として商品のお得感を増大させようとします。値下げや、ボリュームのさらなる
肥大化といった選択をするわけです。ボリュームを肥大化させるために、さらに多くの開発人員を投入することもあるでしょう。開発資源や経営資源を悪い意味
で集中させた結果、利益は落ち、ますます儲からなくなります。
     メインストリームの部隊が自転車操業的になる
   → でもそもそも自転車操業的になったのは売上が下がってきた
     からなのでジリ貧になる
   → 経営資源を集中したためますます儲からなくなる
   → ……以下ループ
こういう状態をボクは「敗北螺旋」と呼んでいます。一度こういう状態に陥ると、単純にメインストリームをいくら頑張っても、敗北螺旋を脱することができ
ず、どれだけ体力のある企業であっても、長期的には傾き、滅んでいきます。こういう時に企業を救うのは、メインストリームの部隊とは異なる、会社側の期待
度も低く、予算や人員の割当ても少ない傍流の部隊。
そういう傍流の部隊をふだんから飼っておけるかどうかが企業余力というもので、資金力がある企業が一般にしぶといのは、単純に資金があるからよりも、結果
論的に企業余力として、傍流の部隊をいくつも抱えておけるからだったりします。
体質的、無意識的に傍流の部隊をもっておかなくても、将来的にビジネスがジリ貧化することが見えてきたなら、機動力重視の新規ビジネス案件をいくつも立ち
上げて博打を打つ、という戦略もありでしょう。博打を打つ資金もない状態になると、緩慢な死を迎えるしかなくなります。

ゲーム業界に見る傍流文化の主流化
傍流部隊だった部署が思わぬヒットを出して、一気に未来のビジネス
を広げた例の1つがセガの「ムシキング」でしょう。「ムシキング」を開発したのは、セガのコンシューマー部隊でもなければ、純然たるアーケード部隊でもな
い、セガの未来研究開発部でした(ジョイポリスなどのアトラクション系を開発)。
newsmile 「甲虫王者ムシキング開発プロデューサー 植村比呂志」インタビュー
> SEGAがコンシューマー(家庭用ゲーム機)の開発に全精力を投入しようという
> 動きがあって、我々は社内で職を失ったんです。開発として何ができるかを考えたら、
> CG水族館と昆虫図鑑のデータと動かすノウハウしかなかったんです。
> うちの会社はよく「発展的解散」という名のもとに部署ごとなくなるんですよ。僕たちも
> 他の部署に吸収される事が決まっていたんです。我々の部署は沈没しかかっていて、
> その頃のチームネームは「脱出艇ムシキング」だったんですよ。「我々はムシキングを
> 作って脱出するんだ!」と。ノアの箱船でした。うまくいかなかったら海に沈むんだと
> 毎日言ってましたね。

「ムシキング」が特徴的なのは、いわゆる「じゃんけんメダルゲーム」の発展形といえる、シンプルなルール性です。高難易度なゲームを作りがちなセガにあって、その真逆にあるような一般向け、子供向けの遊びをつくる文化がひそかに存在したわけです。

未来研究開発部は、2000年の時点で「Fish Life」という遊べるインテリア
タッチパネルによるメディアアートを実現していました。その後、「マクドナルドのタッチであそぼ!」を手がけ、その中の昆虫図鑑の部分が「ムシキング」の
原型になったわけで、脈々と受け継がれてきた非ゲーム的な文化がついに大ヒットにつながった経緯は興味深いです。(参考:Creators Note#13 植村比呂志

未来研究開発部の他の商品としては、「セガだからできた、楽しい"癒し" リラクゼーションマシン」なんてものもあります。また、一時期話題になったCGツール「アニマニウム」
ここが開発したものです。調べてみると面白い物がいくつも掘り起こせそうです。
傍流文化の他の例をあげると、そうですね、任天堂の「メイドインワリオ」もそういう括り方ができそうです。DSの発売当初、「マリオとワリオが並ぶ時代が
きたのかー(しみじみ)」という感想がいくつかのBLOGで散見されました。N64時代や、GCの初期の頃には想像しにくかった状況です。
GCの発売2年目、任天堂は「マリオ」「ゼルダ」の2枚看板を押し立て、劣勢を挽回しようとしました。ところが両ソフトとも、予想を大きく下回る結果に終
わり、その年の年末商戦にGCは大量の不良在庫が発生し、一時期は生産停止という事態にまでおちいりました。その時点で現世代機の世界的な勢力図は確定
し、任天堂は北米第2位の座をマイクロソフトに明け渡し、急速にブランド力を失墜させていきました。まさしくGCはメインストリームのジリ貧化を体現し、
「メイドインワリオ」以後の任天堂の携帯ゲームの戦略は傍流文化の台頭を体現しています。かつてのメインストリームが行き詰まり、傍流文化が主流化するわ
かりやすい実例となりました。
日本のゲーム業界の地盤沈下が指摘される昨今、メインストリームのジリ貧化はあちこちで起きています。カプコン、ナムコ、コナミ、・・・・。ここにきて、
各社の傍流文化が実を結ぶのかどうかが試されています。

補足: その他の傍流→主流
ちなみにコーエーの「真・三國無双」チームも、シミュレーションのイメー
ジの強かったコーエーにおけるアクションゲーム開発ラインとして、当初はあまり期待されていませんでした。N64「ウィンバック」など、マイナーハードの
ラインナップを手がけていました。非主力部隊として数年働いた末に、「真・三國無双」を生み、あの異例の口コミヒットにつながりました。
また、「MGS」で知られる小島秀夫氏も、かつて「傍流から主流になった」例です。マイナーハード遍歴ぶりがすさまじいです。MSX→PC-88→PC
Engine(CD-ROM)→3DO→PS(移植)→SS→PS「MGS」。(参考:カミトバレポート「小島秀夫」

そうそう、「ポケモン」にしても傍流部隊の成功例といえますし、任天堂の社長にHAL研出身者の岩田氏が就任した件も、傍流から主流への興味深い実例でしょう。(ほぼ日刊イトイ新聞「社長に学べ! 任天堂社長 岩田聡」
ファミコン、スーファミと天下を取って、企業体力があり余っていた頃に蒔いた種が、据置ゲーム機のシェアを失った後の迷走期の任天堂を支えたわけで、種まきの重要性がわかりやすく示された例といえます。

Posted by amanoudume at 15:18 個別リンク | Comments (11) | TrackBack(2)
ムシキングの成功の理由
Excerpt: こんな記事を見かけました。 傍流の系譜 発熱地帯さんの記事 ムシキング開発者、植村比呂志氏インタビュー ほほう、なるほど。ムシキングの成功は素直に賞賛されるべきものですが、じゃあどうして成功したのか考えてみましょう。 ----- PING: TITLE: 種まきの季節 URL: http://hnami.jugem.cc/?eid=167 IP: 210.172.160.42 BLOG NAME: 一日一喝 DATE: 04/08/2005 01:07:37 AM  ある年齢を超えると、自分のストライクゾーンというか、横幅が決まってきますね。これは好きでこれはダメ、みたいな。深さは決まらないんだけど幅は決 まってしまって、自分が自分でなくなろうとしても無駄。   「発熱地帯」の「傍流の系譜」に面白いことが書いてあり...
Weblog: tablog upper universe
Tracked: 2005年04月07日 17:17
持つ者、持たざる者
Excerpt: 発熱地帯さんからリンクを張っていただいたところ、すごいアクセス数に・・・。ビックリです。アクセス数を記録したくなって、慌てて設置しました。まあバ ブルですね(笑)さて、これからゲーム業界も次世代機の登場などで、5年に1度の下克上の時代になります。PS時代には
Weblog: ゲームのマボロシ
Tracked: 2005年05月24日 16:40

2005年03月29日

口コミもろもろ

図らずも、最近口コミについての気になる記事、状況が3つほどあったので、それらをメモ。

その1 口コミ・ファンタジー

まずは自分の所から。
「メテオス」についての話題がいまだコメント欄で絶えないわけですが、実際のところ、「メテオス」の売れなかった理由の分析という本題からはそれたところで書込みが続いているのが現状。コメント欄については、あまり興味のある議論は起きていません。

ただ、1つ補足しておく必要があると思ったのは、「発売初週だけではわからない」「まだ口コミで伸びるかもしれない」という意見。
電撃オンライン、週間売上ランキング
果から先にいえば、発売2週目にして8位→31位と急転落しているあたり、売上の急落ぶりは明らか。また、発売から数ヶ月たつ「ワリオ」「マリオ」や、先
月発売の「アナザーコード」を週間販売数で下回っていることからも、発売直後の絶賛系感想ラッシュにもかかわらず、販売が伸びていないことがわかります。
もっとも、前評判が非常に高かった割に、発売初週の売上が低かった時点で、すでにこの結果は容易に予想できたことです。というのは、前評判を形成していた
BLOGの多くと、発売直後の絶賛系感想を掲載していたBLOGが、ほとんど同じだったからです。もしそれらのBLOGの売上への影響力があるなら、前評
判を掲載した影響で、発売初週の売上もそれなりに高くなっているはずですから。
口コミというのは、その話題を取り上げるBLOGなりサイトなり個人なりが増えていく、範囲が広がっていくかどうかがキーになります。同
じような場所で何度もくりかえし話題になったところで、客層はほとんど広がりません。
PSPの初期不良の場合は、ゲーム系BLOGが熱心に取り上げただけでなく、ふだんはそういう情報を取り上げないBLOGも反応したわけです。反応した理
由は色々あるのでしょうが、現象面として、話題を取り上げるBLOGが増えていったわけです。たとえば、うちのBLOGにしても、じつに100以上の
BLOGからトラックバックをいただきましたが、そのBLOGを訪れて見てみると、大多数のBLOGがいわゆるゲーム系BLOGではありませんでした。
ボクは単にネット上で、BLOGで、掲示板で取り上げただけで、それで口コミになる、などという楽観的な考えはもっていません。そんな楽観的な話は、率直
にいえば、ファンタジーの領域だと思います。コメント欄を見ると、多数という程ではありませんでしたが、そういうファンタジーを素朴に信じている人がけっ
こういるなあ、と感じました。
まぁ、口コミって、まだまだあいまいに、便利に使われていますからね。
自分の好きな物がそんなに売れてないことが判明した時に、「口コミで売れる」みたいに書く人はけっこういるわけです。「俺が好き」→「売れてほしい」→
「売れる」をつなぐ補強材として使われるわけです。根拠は無いんだけど、「口コミ」というとなにか説明した気になる。そういう便利な言葉なんでしょうね。

その2 フリーゲームの現状と、B級からA級へ

sam113のブログ的生活さんの
「フリーゲームの盛り上がりとは」
「登竜門として機能していないフリーゲーム」
「B級からA級へ 」
「ポリローグ的にゲームを創ることは可能か」
の一連の議論が面白いです。フリーゲームを「フリーゲームを好んで遊ぶ人」以外のより広い範囲に遊んでもらおうという目標を掲げておられます。宣伝にお金
をかけられない以上は「口コミ」ぐらいしか手段がない。そこで口コミ・ファンタジー的な思考停止をせずに、ではどうやれば、それだけの強力な話題性が得ら
れるか?という問題に踏み込んでいるのがすばらしいです。
ここで論じられている「ポリローグ的な創作」が1つの解たりえるかどうかは、検証の余地がかなりありますけど、口コミのメカニズムそのものへと踏み込んで
いかないと、議論・分析・考察は一歩も進みません。非常に興味深い内容でした。
> やはり一番大きいのは、フリーゲームを好んで遊ぶ人とそうでない人の
> 意識のギャップです。つまりはドラクエとFFと三国無双しか遊ばない人に
> どうやって振り向いてもらうか、という話なんですけど、それが出来ない限り
> 僕は永遠にB級止まりなんですね。そりゃお金を掛けられないのは
> どうしようもないんですけど、その代わりこっちは無料なんですから、せめて
> 興味ぐらいは持ってもらいたいかな、と。
> A級の作品しか遊ばない人たちに振り向いてもらうためにもう1つ重要なこと
> として、そもそも作品のことを知って貰わないと始まらない、という問題があります。
> 広告宣伝にお金をかけることが出来ない以上、どうしても口コミ等に頼るしか
> なくなってしまうわけですけど、並大抵の話題性では、従来のマーケットの垣根を
> 乗り越えることは出来ません。従来のマーケットの外部にまで作品を届けるためには、
> それこそ「電車男」ぐらいの圧倒的な話題の爆発力が必要になります。そして
> そのためには、作品の「創り方」を根本から変えないと難しいのではないか、
> と僕は考えています。

その3 「同人ノベルゲームは絵がうまくないほうがいい」論

「スピード感の増した口コミ・ネットワーク」の中で、同人ノベルゲームは絵がうまくないほうがいい?という文章を書いたわけですが、やっぱり同じことを考えている人がいました。

まずは直接的な反応をいただいたさて次の企画はさん。「かっこいい」と「萌え」 次世代の日本コンテンツの展望(前編) というすさまじく意欲的かつ網羅的な記事(の前編)を掲載されています。また、コメント欄で教えていただいたのですが、スタスタ〜すたひろBOX〜さんが「竜騎士07氏の計算」という記事を掲載されていました。

この話題(仮説)については、1)賛同派、2)否定派、3)結果論〜保留派(否定したいが、実際の事例を見ると否定できないので、保留)のだいたい3つの反応がありました。
この話題は、引き続き強い関心をもっています。今後のネット上での新たな意見の登場や議論が楽しみです。

Posted by amanoudume at 07:34 個別リンク | Comments (19) | TrackBack(2)
「同人ノベルゲームは絵がうまくないほうがいい」論
Excerpt: 発熱地帯のエントリ スピード感の増した口コミ・ネットワークにおいて「同人ノベルゲームは絵がうまくないほうがいい」という仮説が提示され、多くの人が似たような意見を持っていることが明らかになったわけですが、私の場合、ちょっと違う意見を持っています。
Weblog: 同人ゲームとかいろいろ
Tracked: 2005年03月30日 14:59
メテオスと口コミ
Excerpt: まあ文句を言いながらも着々とメテオスを進めているわけだが。正直ダルい。 発熱地帯...
Weblog: FLATLINE
Tracked: 2005年03月31日 13:38

2005年03月08日

時代は天下二分へと加速

まぁ乾杯!乾杯!だけで済ませておいてもよかったのですが、もうちょっと書いておきます。

一夜明けて、憶測流れる

昨日、ソニー経営陣刷新のニュースが流れて以来、いろいろな憶測が流れていますが、おおむね
  (A) 反主流派による「実質的なクーデター」 (大賀氏の黙認、示唆があった?)
  (B) 経営陣刷新に見せかけた出井氏による院政の始まり。傀儡を打ち立て、自分と安藤氏だけは顧問になり、残りの旧経営陣は追っ払う
  (C) 経営の正義がつらぬかれた画期的な出来事
ぐらいに分類できるでしょうか。

あらかじめ宣言しておきますが、真顔で(C)を主張してもつまらないのでしませんし、そんな人とは議論するつもりがありません。ボクは断然(A)を主張しますが、(A)も積極的クーデター派と消極的クーデター派に分かれそうですね。

  (A−1) 社長レースに敗れた井原氏の一発逆転ねらい。外国人をトップにすることで、大リストラをやりやすくし、汚れ役を引き受けてもらう。数年後に政権をつぐ。
  (A−2) 大賀氏の示唆。出井氏はとっくに見限っていたし、引き時を誤っていると考えていた。以前は久多良木氏を評価していたが、今は失望している。失望の理由はPSXの失敗、PSPの失敗、ソニーブランドを傷つけたなど多数。

個人的な好みからいえば、A−1を推したいところですが、ZAKZAKの記事
は大賀氏が何らかの影響をおよぼしたのでは?という推測を取り上げています。
> 「2月28日の日本経済新聞で、数年前、大病に見舞われた大手メーカー
> 元首脳の話として、≪退任前に社外取締役を起用し、後継者の能力が
> 落ちれば更迭するための起爆装置を埋め込んだ(中略)株価はこのところ
> 低迷したままなのに、社外取締役は現経営者の『知人』ばかりになったのか、
> 起爆装置は作動しない≫という内容の記事が掲載された。これが大賀氏の
> ことではないかと推測されている」(業界関係者)
> つまり、現体制に強い不満を持つ大賀氏が、何らかの形で今回の人事を
> 動かしたのではないかとの見方が強まっているのだ。真相は藪の中だが、
> 出井氏らが語るような、クリーンな経営刷新ではないことだけは確実なようだ。 
クーデター説の中には、日経ビジネスの「それがPSPの仕様だ」発言も罠だったという見方もあるようです。ふだんはあまりソニー非難をしない日経が、露骨
なまでに久多良木氏を皮肉った記事を掲載し、すみやかに海外にも報道。この不自然な報道姿勢の裏には、政権転覆までは考えておらずとも、久多良木氏の失点
を増やしておこうという、反久多良木派の目論見があったのでは?という意見。
まぁそこまで陰謀論で語ってしまうのもどうかと思いますが、所詮対岸の火事ではあるわけで、色々な憶測・想像をめぐらして楽しむのも一興かもしれません。

縮小に向かう?CELL路線とPSシリーズ

後藤弘茂のWeekly海外ニュース「久夛良木氏のポジションがCellにもたらす影響」
久多良木氏のソニーグループ全体への影響力が下がった今、Cellの先行きは不透明感を増しています。一番推進していた人が失脚し、経営陣の中に長期的な
ビジョンをもっている人がいなくなった以上、将来的な投資は縮小に向かうと考えるのが妥当でしょう。すでに投資をした分は回収しなければなりませんが、逆
にいえば、投資した分だけ回収できれば、それ以上博打は打たずにさっさと風呂敷を畳みたい、というのが本音でしょうね。
Cellは当初65nmから立ち上がるはずでしたが、日経エレクトロニクスのCell特集記事からの情報では、90nm版からスタートする公算が高いらし
いです。新プロセスの立上げには時間がかかるため、無難な判断といえますが、それでは65nmプロセスのラインはどうなるのか? この時期に久多良木氏が
影響力を失ったため、65nmのラインの規模縮小の可能性も出てきました。まぁタイミングがタイミングなだけに今さら止まらないとしても、その先の
45nmラインへの投資は凍結する可能性が高そうです。
おそらく新経営陣にはCellアーキテクチャを将来にわたって育てていくつもりは無い、と思います。あくまで久多良木氏が強引に推し進めた投資分の回収が
優先課題で、半導体部門は久多良木氏の将来構想からは大きく後退したものに落ち着くのでしょう。最悪、5,6年後の売却さえありえないとはいえません。
(現時点ではそんなことは決していわないでしょうけど)
技術論としては、PS4ではCellほどアグレッシブなCPUを作れるとは思えず、プロセッサレベルでのゲーム機ごとの個性はますます無くなっていくので
しょう。ますますPCに近くなっていくんでしょうね。
プラットフォーム競争でいえば、対任天堂よりも、対マイクロソフトにおいて大きな影響が出てくるでしょうね。PS1時代のSCEのように、ゲーム部門が純
粋にゲーム部門単独で利益を上げていくことが求められるでしょうから、資金力の勝負でますます不利になります。
PS3対XBOX2の競争の行方にもよりますが、ゲーム部門が十分なシェアをとれず、十分な利益を上げられないのであれば、PS4は予算縮小のもとで競争
しなければならないでしょうし、最終的にはゲーム機ビジネス撤退もありえない話ではないでしょう。もちろんその間に、ソニー新首脳部がゲーム事業の失敗を
理由に、久多良木氏をSCEからも追い落とす、というイベントが入るわけですが。
もちろんこれは可能性の議論。しかし「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」「天下二分の構図にまた一歩」
論じた未来がますます身近なものとして感じられますね。
天下二分の記事をはじめて書いたのは去年の秋。それから半年ばかりでこの状況。半年前に久多良木氏の失脚を予見した人が何人いたでしょうか? これから半
年でいったい何が起こるでしょうか? 最初の記事を書いて、たかだか1年ちょっとで、いったいどれほどこの未来が具現化するのか。非常に楽しみです。

Posted by amanoudume at 00:04 個別リンク | Comments (7) | TrackBack(1)
GDC(3月9日)/嗚呼痛恨は鶴見に輝く
Excerpt: さてGDCも鶴見にとっては今日からが本番。朝イチから早速レクチャーに吶喊だ。 "...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年03月10日 14:17

2005年02月27日

天下二分の構図にまた一歩

「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」で予想した未来図へ向けて、また一歩前進したようです。

据置ゲーム機サイド: 「坂口博信氏のマイクロソフト参入」

「坂口博信氏のマイクロソフト参入」のニュース、予想以上にインパクトがありましたね。
朝日新聞の1面に掲載されたのを始め、毎日新聞、日経新聞、産経新聞、日刊スポーツなど、新聞各紙が報道。「FFの生みの親、再出発」や「マイクロソフトが先手」という見出しが誌面を飾りました。DS向けのS・RPGの話は完全スルーみたいですね。
坂口博信氏は以前、「任天堂とマイクロソフトと一緒に3本やってます」と公言していたため、2ch等では任天堂の据置ハードにRPGを出すのでは、と予想していた人もいらっしゃいましたが、そんな現実はどこにもなかったようです。

今回の発表で、一部のゲーマーに広がっていた任天堂の据置ハードへの期待感(妄想)が下がり、相対的にXBOX2への期待感が高まっています。E3前の前哨戦で、マイクロソフトが一歩リードした感があります。
北米においては「次世代ゲーム機はソニーとマイクロソフトの一騎打ち」という予想が常識になっていますが、日本においても徐々に一騎打ちムードが広がりつつありますね。坂口博信氏の据置RPGがすべてXBOX2ということで、構図がよりわかりやすくなりました。

資本流入で活性化するか?ゲーム業界
それにしても、最近有名クリエイターの独立が多いわけですが、その ほとんど全部にマイクロソフトがお金をばら撒いたら、一瞬で大手級のソフトラインナップが揃うことになります。発表会の時にクリエイターをステージに並べ るのはソニーが大好きな演出ですけど、坂口博信氏、岡本吉起氏、船水紀孝氏、水口哲也氏、桜井政博氏、岡田耕始氏、……をずらっと並べたら、インパクトは あるかもしれませんね。まこなこさ んも、同じ予想(想像?)をしておられるようです。 ゲーム開発者の独立は潜在的にはもっと起こってもおかしくないんです。ゲーム業界の外の資本にしてみると、開発者がソフトメーカーの中に囲い込まれている 状況は、自分たちが間に入れないから、おいしくない。外部資本からすれば、ソフトメーカーからの開発者の独立がもっと活性化したほうが都合がいい。 ところがゲーム業界は、最近景気が悪い。そうすると投資ブームを作るのも難しい。ここ数年のコンテンツ業界への投資は、アニメが最も盛んでした。次がライ トノベルかな?という感じですが、やや規模が小さい。 アニメバブルもおいしい時期は過ぎ去りつつありますから、次こそゲームだ、という思惑はまだあるでしょう。DSとPSPの次世代携帯ゲーム機戦争と、 XBOX2とPS3の次世代据置ゲーム機戦争の2つの競争によって、ゲームに注目が集まるようになれば、外部からの資金流入が活性化するかもしれません。 今は不景気だから、名前でお金を引っぱってこれたり、1社分のスタッフを引っ張っていけるクリエイターぐらいでないと、なかなかお金を集めにくい。しかし プラットフォーム競争が激化して、ゲーム業界にお金が流れ込んでくるようになると、独立ムードが高まって、多少流動的になるかもしれません。 ここからは想像の世界になりますが、たとえば、旧スクウェア系の開発者が今後、ミストウォーカー=マイクロソフト連合に引き寄せられていく可能性も無視で きません。「FF12」のアートディレクターの皆葉氏にしても、「FF12」の仕事はまだ続けるとコメントしてますけど、ふつう何もなかったら、プロジェ クトの途中で独立しないでしょ。いろんな憶測が流れるのは自然なことでしょうね。 スクウェアからの独立組にしても、オリジナル作品を作れたのは最初ぐらいで、あとは結局続編やキャラ物ばかりですからねえ・・・・。成功してる会社はない ですよね。そこにかつてのカリスマ様がやってきて、「きみはそういう作品を作りたくて、ゲーム業界に入ってきたの? 違うだろ。いっしょに新しい物を作ら ないか」と肩を叩いたら、グラッときますよね。バックにお金があるわけだし。 スクウェアに限らず、同じことは他の大手でも起こりえる話でしょう。 まー、ここまでくると、妄想の領域ですがね。しかしマイクロソフトが日本のゲーム業界にとって、本当の意味での「黒船」になる時期が近づいているのかもしれません。
携帯ゲーム機サイド: 初期需要の終わったDSとPSP。そして・・・

メディアクリエイトの週間販売データの累計がこちらにまとまっています。
2月に入ってDSとPSPの売上台数が低下し続けています。両ハードとも初期需要は終わったと見ていいでしょう。2月はDSに新規タイトルが不足しています。以前、2月中にPSPがDSとの台数差を10万台ほど詰めるかも
れないと予想しましたが、2月の第1週〜第3週でPSPは約5万台差を縮めました。第4週の販売結果はまだ出ていないものの、思ったよりPSPの失速が早
かったですね。品不足が続いていた時には、「PSPの初期需要は巨大。出荷すれば100万台は余裕」などと、書き散らしている人もいらっしゃったが、実際
には100万台に達しない時点で初期需要が終わりました。
巨大な初期需要は幻想で所詮こんなものだったのか、あるいはPSPの初期不良の話が広がり、商品の魅力が低下したのか。どっちでしょうね?
考える材料が1つあります。先週、SCEが□ボタンへの対応を発表したことは記憶に新しいと思います。もしかすると、SCEが予想していた初期需要はもっ
と大きかったのかもしれません。しかし初期不良問題によるイメージダウンで、予想よりも売上の落ち込みが早まった。だから慌てて、□ボタンへの対応を発表
し、あたかも初期不良の問題が解消されたかのようなイメージを広めようとしたわけです。
そう考えると、初期不良への批判の高まりは、ソニーをじわじわ追い詰める効果があったといえます。結果的に100万台に届かないうちに、初期需要が終わっ
てしまいました。あわれ。
PSPは今後、売上台数をのばすきっかけ(となるソフト)が特に見当たりません。一方でDSは3月下旬からサードパーティのソフトがそろい始め、さらに来
年度には「nintendogs」がいよいよ登場。「本当のローンチはnintendogsの発売日」という意見も見かけますし、春は「DSの第2のロー
ンチ」になりそうです。第1のローンチで150万台売ったわけで、第2のローンチでもう150万台積み上げて、一気に300万台。まぁ年末商戦ではありま
せんから、さすがに1ヶ月やそこらで150万台という数字はないでしょうが、累計300万台突破への大きな飛躍になるのは、ほぼ間違いないでしょう。一昨
年の「メイドインワリオ」、去年の「ピクミン2」のように、「nintendogs」が春から夏にかけて売れつづければ、その間DSの販売数は高い数字で
安定するでしょうね。
ゲーム業界の歴史をふり返っても、300万台を早期に達成したハードが勝ってきました。年末商戦を待たずして、日本では完膚なきまでの決着がつくかもしれ
ませんね。

まとめ

据置ゲーム機と携帯ゲーム機の両方で、事態が進展しつつあるのを肌で感じ取る毎日。その結果、ソニーという名前がゲーム業界の地図から消えてしまうことになるかもしれません。数年前なら、それは惜しまれる出来事でした。

しかし「要らない子」で書いたように、もはやソニーが消えてしまっても、日本経済にあたえるダメージは大したことないし、長生きしてもろくなことしない、とみんな悟ってしまいました。消えちゃっていいでしょうね、もはや。

Posted by amanoudume at 00:02 個別リンク | TrackBack(0)

2005年01月10日

嗜好の細分化の果て・・・そして「超ニッチ市場」の誕生?

超ニッチ市場の誕生
ここ数年、エロゲー分野において、商業市場と同人市場の境界が薄れてきています。 同人ソフトを扱うショップの増加、オンラインの通販サイトの増加にともない、ここ数年で同人ソフトは簡単に手に入れられるようになりました。単純に認知度 と流通量が増加し、一定の市場を形成するようになりました。 さらにはTYPE-MOONの「月姫」の成功によって、作品的な認知度が急激に高まったのも大きいでしょう。商業作品を越えた人気、クオリティの作品が生 まれたわけです。TYPE-MOONは「Fate/stay night」以降、商業市場に移行し、冷え込みつつあるエロゲー市場にて、10万本以上の売上を記録しました。また、シナリオライターの奈須きのこ氏の執 筆した同人小説「空の境界」を講談社が出版したところ、50万部を突破(トーハン調べ)。ライトノベル市場において、ダントツの売上を記録しました。 今年は07th Storming Partyの「ひぐらしのなく頃に」の台頭も大きなニュースでしょう。夏前にWEBサイトで体験版を公開したところ、多数のアクセスが殺到。夏コミを経 て、認知度が急上昇。ショップでの取り扱いも開始されました。すでに第2のTYPE-MOONともいわれています。 また、乳之書さんが「ボリュームインフレーション検繕界の消失」にて、同人市場の台頭の要因を分析されています。嗜好の細分化によって、商業作品では埋めきれない「嗜好の隙間」をぬう同人作品が売れるようになってきたようです。

> CGボリュームは商業ソフトのロープライス商品にも及ばないが、「パイが少ない」
> として商業ソフトが手につけない、「フェラチオ単体」「ぶっかけ単体」といった
> マニアックな性的嗜好へと特化し、ユーザーから高い評価と満足を勝ち取った。

同じことはAV業界でも起きているらしく、微妙な嗜好の隙間を埋めきれない大手アダルトメーカーと違い、マニアックなニーズを満たすインディーズが台頭しているらしいです。嗜好の細分化によって、商業作品では狙いにくい「超ニッチ市場」が生まれているという点は注目に値する現象でしょう。

ゲーム市場を理解するキーワード「嗜好」
話をコンシューマーゲーム市場に移します。 売れるソフトと売れないソフトの差が開いている現状は、多くの方が認識されているとおりです。ブランドを維持しているソフトは売れていますが、そうした+ αの要素をもたないソフトはますます売れなくなっています。要因はいくつかありますが、その1つはユーザー側の「嗜好の隙間」を埋められないことです。ク オリティよりも、ブランドや、細分化する嗜好にどれだけフィットしているかがゲームの売上に影響するようになってきました。 (例えば、PS1の頃に比べて、ファミ通の期待のソフトランキングと実際の売上が一致しなくなっていたり、レビューの点数が売上にほとんど影響を与えなく なっています。) 去年は日本のゲームが欧米で売れなくなっていることがますます実感させられる1年でした。まず欧米のゲームのクオリティが上がってきて、クオリティの差が 売上におよぼす影響が大きく減りました。日本のゲームと欧米のゲームでクオリティが変わらなければ、あとは嗜好性が影響するようになります。 カプコンは名古屋、東京と日本の開発スタジオを閉鎖して、かわりに欧米の開発ラインを増強しました。辻本社長がかつて口にした「日本人でもハンバーガーは 作れるかもしれないが、アメリカ人の口に合うハンバーガーが作れるとは限らない」という言葉はなかなか印象的です。 つまり、日本でゲームが売れないのも、欧米でゲームが売れないのも、要は作り手がユーザーの「嗜好」にフィットした作品を作れなくなっているほど、嗜好の細分化や先鋭化、地域化が進んでいるのが要因といえます。そしてユーザーの嗜好に合わない作品は売上を落として、会社が傾いたり、潰れたりして、開発者が流出しています。
変化しつつある開発リソースの形
そしてパチスロ、携帯電話などのいわゆるTVゲーム機以外のゲーム市場が、養いきれなくなった開発リソースの受け皿として機能してきました。とはいえ、非 ゲームのソフトウェア企業、一般企業への流出もかなりありました。 また、数年前のエロゲーバブルの時期には、コンシューマーからエロゲーに移行した会社、開発チームはかなりありました。もっとも、エロゲー業界に移行した 会社の大多数がコンシューマーの経済感覚で金をかけすぎて、すぐに消えていったのですが(なにしろペイラインが1桁は違っていましたから)。エロゲー市場 が冷え込むと、今度は同人市場に移行する会社や開発チームが増えてきました。 例えば、TYPE-MOONの竹内氏はコンパイルの経営破綻後、奈須きのこ氏と共に同人サークルを立ち上げました。他には、プロの開発者がゲーム会社を辞 めて一般企業に勤めながら、同人ゲームの制作を続けるケースもあります(例えば、LANGuexの 深沢氏。現在「True Color」を制作中)。 90年代後半コンシューマーに集中していたゲーム開発のリソースは、この数年で外へ拡散していきました。 また、正社員からフリーや派遣社員になった人もかなりいます。もっとも、派遣社員の比率が増しているのはゲーム業界に限らず、日本企業での一般的な現象で す。不況期に企業は固定費(特に人件費)の圧縮をおこないましたが、その後も継続的に正社員の人数を抑える傾向にあります。正社員+派遣という人員構成 や、中国などの安い地域へのアウトソーシングは、ますます浸透していくでしょう。
あるいは遊軍的開発リソース?
さらに今後どうなるか。 漠然としたイメージとしては「本隊+遊軍」という構成に徐々に移行していくんじゃないかと思います。遊軍の比率は少しずつ増えていくのでしょう。 まず、一生プロのゲーム開発者を続けていく人口はかなり減っていくんじゃないかと思います。日本のゲーム業界がますますシビアな状況に追いやられ、会社が つぶれ、フリー、派遣社員が増加し、中国へのアウトソーシングが増えるためです。雇用できるキャパシティはおそらくまだ減るでしょう。 また、若い時にしかゲーム業界で働かない人はもちろん、アマチュアでゲームを作る人、一般企業に転職した後にゲームを作る人、同人に移行してゲームを作る 人が遊軍的な開発リソースとして、存在感を増していくのでしょう。 遊軍的開発リソースについて、もうちょっと書きます。 ゲーム業界の長期的な課題は、ユーザー側の細分化、先鋭化する「嗜好」にフィットするコンテンツを作れる制作・供給体制を確立することです。市場が大作路 線と軽量路線に分化する中、軽量を突き詰めていくと、この記事の冒頭にのべた「超ニッチ市場」にいきつきます。ただ、個々のソフトの数量を考えると、あま り大きな会社には向いてない。そうなると、同人だとか、あるいはネットのFLASHやShockwaveの制作者から、何か生まれてくるのかな、と思いま す。「ZOO KEEPER」という先例もありますし。 橘寛基のGamersta 第29回 お金はなくてもゲームは作れる!す でに成熟しているという点で同人は優れていますが、ジャンルの幅が狭く、エロと萌えに集中しすぎていますから、最大値は見えた世界でしょう(もっともエロ は嗜好性が最も細分化されているジャンルだから、超ニッチ市場が誕生しやすかったのですが)。となると、ネット上でのフリーゲーム、FLASH文化といっ た領域から、可能性のあるコンテンツを発掘していくことになると思います。SIMPLEシリーズのような形で、パブリッシャーがすでに完成したゲームを買 い取って、多機種展開する流れでしょうか。 ただ、単純にネットの表層に浮かんできたものを拾い上げていくだけで市場が回るかというと、かなり難しい。少なくとも出版社と作家(1人〜数人)ぐらいの 関係が維持できないと厳しい。かといって出版側に作家を継続的に雇用する負担とリスクはない、というような。そこら辺の仕組みが現時点で不足しているん じゃないかと思います。 アマチュア層から吸い上げる形の商品開発はこれまで何回も試みがあったものの、あまりうまくビジネス化されてません。また、軽量路線も市場として育ってい るとは言いがたい状態にあります。牧歌的な楽観論だけではブレイクスルーには至れないでしょう。まぁ、そもそもこれが「解」ではないという可能性もあるわ けですし。 確かなのは、嗜好の細分化が多品種、短期間の制作を後押ししているということ。そこをビジネス化する「ブレイクスルー」が必要ということでしょう。
Posted by amanoudume at 00:48 個別リンク

2005年01月08日

ゲーム業界の先行きの不透明感について

切込隊長がここを読んでいたとはちょっと意外。
で、気がついたらあきらかに新規のアクセスがあるので、関連エントリーを掲載しときます。

あけましておめでとうございます!
  次の5年間(次世代据置ゲーム機の世代)の課題について簡単に。
二極化していく「未来」
  ゲーム制作と市場が「大作路線」と「軽量路線」に二極化しつつあること。
  「軽量路線」の受け皿として携帯ゲーム機市場の活性化がゲーム産業の潜在ニーズなこと。

ゲーム、アニメ、TV番組といったコンテンツ業界の先行きの不透明感については、さて次の企画はさんが「電通総研のアニメビジネス分析に始まっての概観」で簡潔にまとめられています。

Posted by amanoudume at 01:59 個別リンク | TrackBack(1)
ゲーム業界は2009年まで!?
Excerpt: 昔はゲーム業界で働きたいと考えていたのだが、 今ではゲームなんて全くしないし、将来が不安で仕方がない。 ゲーム業界は米国研究結果では2009年から人気下落するらしい。 それは、オンラインゲームの終結といえるだろう。 俺が2007年にゲーム業界に就職しても絶望的...
Weblog: 新・就職活動絶叫計画!
Tracked: 2005年01月19日 02:52

2005年01月02日

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いいたします。
本当ならここで今年の抱負でも書くべきなんでしょうが、カッコいいことが浮かびません。
つーか、すっかり正月ボケですな。
忘年会でも出ましたが、現状の一番の問題点は、据置ゲームの未来がいまいち見えにくいことですね。
「最近ゲームやってません。やれません」
「ゲームじゃなくてもいいゲームが多いよね。DVDビデオでダイジェスト版をぜひ」
「据置ゲーム作りたくない」
暇つぶしという側面は携帯ゲームや携帯電話に食われている。
王道娯楽としては映画に比べてお金も時間もかかる。
物語を楽しむなら、ラノベなら十分の一の値段ですむ。
最近のRPGなんかは、数千円分の時間をもたせるためだけに、無駄に冗長になっている。
「ゼノサーガ」や「マグナカルタ」はその良い例。「テイルズ」も冗長感が否めない。
おそらく次の5年間(次世代据置ゲーム機の世代)の課題は、価格と消費時間と開発コストのつりあい、ユーザーの欲求と供給側の思惑のつりあいを取ることでしょうね。

大方の予想どおり、次世代になれば、いよいよ北米も今の日本のゲーム産業と同じような状況に陥るでしょう。
値段を高くできない割りに、開発コストは増えつづける。
ミドルウェアの有無はむしろささやかな問題で、
圧倒的に増大するデータ制作コストが大きな負荷になってくる。
日米とも、中国へのアウトソーシングもますます活発化するでしょう。
他産業の企業の多くが体質を変化させているように、
正社員を抑えて、派遣社員増でまかなうようになるでしょう。
PS2の中期から始まった体質改善の動きは、今後も継続すると思います。

コスト削減の果てに均衡点に達するのか、あたらしいビジネスモデルを打ちたてるのか。
そこら辺に注目していきたいです。
(「新しいビジネスモデルを打ち立てればいいんじゃ」と業界外の自称ビジネスモデル構築人はいうけど、説得力のある話が出てきた試しがない。つーか、連中って、ただのたかりだしね)

Posted by amanoudume at 06:45 個別リンク | TrackBack(0)

2004年12月23日

二極化していく「未来」

二極化していく未来

EAのUbisoft株取得は敵対買収?あ・・・・
てっきり、両者合意の上での連合なのかと思ってましたが、ロイターによると、Ubisoft側はニュースが流れるまで株式取得の事実を知らなかった(EA
は欧州の投資会社から株を購入)らしいです。ライバルを潰す目的もあるのでしょう。EAといえば、数年前、セガを買うという話が浮上したこともあり、規模
の拡大に積極的な印象がありますね。まぁ今さらEAが日本のゲーム会社を欲しがるとは、あまり思えませんけど。
日本の業界再編は買収や合併はちょっと一段落した感がありますから、しばらくは経営破綻による淘汰が中心になりそうです。次世代になると、ますます開発の
しきいが上がっていきますから、作り手側も、市場も、大作路線と軽量路線に二極化していくんじゃないかな。
Xbox2やPS3のような次世代据置ゲーム機は前者の路線でしょうね。ただ、現世代ではまだ利益を出すことが「かろうじて」できました
が、次世代以降はどうやって回収するかという問題がますます重くなるでしょう。当面は巨大パブリッシャー同士のパワーゲームが続きそうですが、映画産業に
おいて映画以外の収入が8割以上を占めているように、何らかの利益モデルを作れないかぎり、いずれはジリ貧におちいります。
後者は据置機においてはSIMPLEシリーズを始めとする低価格路線。映画に対するTVドラマのような位置づけかな? SIMPLEシリーズは自分のポジ
ションにとても自覚的で、深夜番組的なバカゲー路線を推進していますね(成熟して「消費」されるからこそ生まれる市場)。開発会社も映画系とTVドラマ系に分かれていきそうな気がします(孫請けレベルでは同じ会社が請けてるかもしれませんが)。

しかしTV放送のように「枠」が決まっている世界ではありませんから、単純に安く売るというのも、中長期的にはつらい話です。安くても別の価値がちゃんとあって、それなりにお金を取れる、という仕組みがほしくなってきます。

二極化による追い風と逆風

その答えの1つが携帯ゲーム機市場でしょうね。据置ゲーム機とは評価軸が違いますから、中小規模のゲーム開発会社の受け皿として可能性があります。また、大手ソフトメーカーも据置ゲーム機だけで食っていける状況でもありません。携帯ゲーム機の市場拡大は業界的な潜在ニーズ
しょうね。本来PSPはそうした潜在ニーズを掘り起こす戦略に出るべきでしたが、DSのほうがニーズを掘り起こせている気がします。
顧客分析を見ても、女性比率が25%など、新規ユーザーの開拓にも成功しています。「ピクトチャット」「バンドブラザーズ」など、無線通信を中心にしたソ
フトも豊富で、もちろん「タッチパネル」もユーザーを惹きつける魅力になっています。過去の市場原理はまだ健在なものの、資金力と人数だけで勝負するパ
ワーゲームとは異なる動きも生まれつつあります。
PSPはソフト販売の傾向を見る限り、PS2(据置機)のクローン市場は作れても、相補的な市場は形成できなさそうです。もちろんクローン市場はクローン
市場で、一定の需要はあると思います。ただ、従来の携帯ゲームユーザーや、軽いものを求めるニーズを取りこぼしてしまうと、結果的に「ゲーム機以外」の
ゲーム市場(携帯電話その他)に移行するユーザーが増えるだけ。
DSとPSPのスタートダッシュは大きく差が開いていますが、PSPの出荷不足だけがすべての要因ではないでしょう。それならいまだに品切れの量販店が出
るほど、DSが高消化率で推移している理由が説明しきれません。市場とユーザーの二極化の流れの中、DSは追い風を受けている(ユーザーがそちらに寄って
くる)が、PSPは逆風が吹いている(ユーザーが離れていく領域)のでしょう。今はゲーム以外の娯楽、ゲーム機以外のゲームプレイ手段がいくらでもありま
すから、ユーザーが寄ってくるニーズ領域のど真ん中に商品を投入しないと、長期的にはつらい。

「未来」を提示できた者が勝つ
PSPの感想を見ていると、結局は圧倒的に「液晶がきれい」であって、
それってシャープがスゴいんであって、SCEがスゴいわけでも、中で動いているゲームがスゴいわけでもない。ゲームは短期間の割に良くできているけど、別
にそれは当たり前のこととして受け止められている。シャープにお金を払って、シャープの液晶のためのデモンストレーションソフトを作ってる、みんなで
シャープの宣伝をしているだけのような・・・・。「液晶といえばシャープ」ですから、液晶画面の下の「PSP」のロゴのかわりに「SHARP」のロゴを入
れたら、もっと売れるんじゃないか、とさえ思いますよ。
PSPソフトの中では比較的「リッジ」が売れていますが、「R」に拒否反応を示した旧来の「リッジ」ファンを捕まえたのと、あのきれいな液晶を実感するた
めのデモゲームとして最適だったからでしょう。性能がスゴいね、という話はゲーム開発者の視点。マニアの場合は下手すると「PS2並みといってたけど、ポ
リゴンはやっぱりPS1.5みたいな感じだね」なんて、感想も出てきちゃう。「液晶がきれい」の新鮮さが失われた後に何が残るのか?
ハードとして見た時、DSの進化形はわかりやすいんですよね。性能が無い分、いくらでも良くしようがあるから。もっと軽くなったり、もっと液晶が明るくて
きれいになったり、もっと無線LANの範囲が広がったり。まぁ任天堂のことだから、単純にスペックアップだけ追いかけたりはしないのかもしれませんが、要
は先が見えやすい。作り手側にも、ユーザー側にも喜ばれる進化がありそうな感じ。携帯機ならではの工夫を加えていきながら、順当に進化していきそう。
PSPって、進化形が見えにくい。PSP2って、イメージしにくいでしょう。UMD2になって9.8GB入りますとか、液晶の解像度が上がりましたという
だけでは、ちょっとねえ。もしかするとiPodみたいなメディアレス型になるのかもしれませんが、ドライブが無くなるとソニーと任天堂の差って、逆に縮ま
るんですよね。据置ゲーム機の「先の見えない」不透明感をそのまま携帯ゲーム機の世界に持ち込んでしまった
が痛々しい。
今は競争過多や開発費の高騰で、先行きの不透明感が増していく状況です。おそらく「次」の答えを提示したプラットフォームホルダーがより大きな支持を集め
るのでしょう。携帯ゲーム機において「未来」を提示できたのは任天堂。もっとも、ゲーム業界的には、最大の焦点は「据置ゲーム機」の未来でしょう。
「PSX」が売れてれば、まだ見えやすかったんですが、コケちゃいましたからねえ。
シェアについていえば、Xbox2とPS3の競争が激化して、Xbox2がかなりシェアを奪うんじゃないか。もしかすると欧米のシェアはXbox2が奪っ
ちゃうんじゃないか。というのが大多数の読みでしょう。その辺りは「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」
議論したとおりです(しつこく再掲していますが、最近こられた方も多いと思います)。
この記事を書いた時と若干、細かい状況は異なっていますが、大きな状況は変わっていません。PSPは間に合いましたが、初期不良の惨状を見れば、「ハッタ
リ」ではなく「デタラメ」に近い間に合わせ方だったといえますし、盛り上がるけど悪い話題ばかり、という傾向も変わっていません。細かいレベルでの差異に
ついては、SCEがここまで短絡的かつ自滅的な行動に出るとは思わなかった、というのが正直な感想。何かを予想する時は、ついつい、自分と同程度の知性
(理性?)を相手に期待してしまいがちですね。
結局、たった2ヶ月の間に、「天下二分」の現実性が予想以上に増してきました・・・・。SCEはもうちょっとがんばるかと思ってたんですがねえ・・・・。
すぐにではありませんが、いずれ続きは書きたいですね。

Posted by amanoudume at 00:00 個別リンク | TrackBack(1)
任天堂「DS」は女性層を開拓・・・って分析はちょっと待った
Excerpt: 世間ではクリスマスだなんだと浮かれムードだったワケですが、どれ、僕もちょっとだけ地面から首を出して、ブログでも書いてみましょうか(@@...
Weblog: Gamer's Report
Tracked: 2004年12月25日 17:09

2004年12月13日

まだ交換できません・・・。(追記2)

ん、まー、荒れそうな気がするんですが。の続きです。

今日、お昼休みに、不具合の起きたPSPを持って、再び購入したお店に行きました。
ボクの顔を見た瞬間の店員さんの顔。
なんといったらいいのか・・・・。

ああ・・・・ダメっぽいな、と思いましたが、やはりその通り。
日曜日に問屋やメーカーに問い合わせてくれていたらしいのですが、
「取引している問屋にもメーカーにも無いようです。
本当はすぐに、2,3日で交換しなければならないんですが。
うちの店だけで同じ症状が3件きてまして、全国的にも多いようですので、
メーカーさんも予想してなかったんじゃないか、と……。
交換品が入りましたら、すぐにお電話いたしますので……」

あっ、つまり2,3日ではまず無理ってことですね? 週末? いや、もっと先?
と聞いても、店員さんもわからない、答えようがない。
店員さんの申し訳なさそうな顔を見ていると、なんだか気の毒な気持ちが少し。
いつも笑顔なのにね。そこで、
「一応、こっちでもサポートセンターの方にかけてみます」というと、
「そうしていただけると、メーカーならもっと詳しい説明が聞けると思います。
本当にすみません」
初めてちょっとホッとした顔を見せた。

それで、サポートセンターに電話をかけてみたんですが、全然つながらない(汗
10回ぐらいかけて、やっとつながっても、
「ただ今の時間は大変混み合っておりますので、オペレータにお繋ぎすることができません」
とかいわれるし。おいおい。

仕事が終わって、夕方かけてみた。
いや、6時は回っていたし、通常ならサポートセンターが6時で終わる予定なのも知っていたんだけど、でもこれだけサポートセンターにつながらない状況なら、もしかしたら・・・・と。発売日はたしか、受付時間を長くしていたし。もしかしたら・・・・。

・・・・。
まぁ期待は見事に裏切られたんですが。
初期不良はどんな製品にもあります。でも、その後の対応が良ければ、ある程度、許せる気持ちにはなりますよね。せめて、サポートセンターの受付時間延長を継続するぐらいのことはやってほしかった。

いつになったら、交換してもらえるのか、さっぱりわからない。
今週は楽しみにしていた「MGS3」が発売されます。遊びながら、気長に待ってみようかな。「ラチェット」(SCE)もボチボチ遊んでます。こっちに簡単な感想を書いてます。良く出来ているゲームなのでオススメしますよ!

時間が許すかぎりサポートセンターにも電話してみますけど。でも正直、夜までやっていてくれないと、つらいんですけど。

いまだつながらず・・・ に続きます。)

追記1: 海外からのアクセスもかなり増えていますアクセス解析してみたところ、今日になって、欧米はもちろん、中国、韓国、・・・・と海
外からのアクセスが増えています。Gaming-Age、GameSpot等の海外ゲームサイトのBBSからのアクセスが上位にきています。どうも、あち
らこちらの掲示板に、PSPの初期不良の状況が投稿されているようですね。
追記2: まだまだ増えつづけますね日曜日だけで2万2000件のアクセスがありましたが、今日も同じぐらいのアクセスがあります。月曜
になって会社からのアクセスが増えたこと、あらたに不具合情報を取り上げてくれたニュースサイトが増えたことが要因のようです。月曜日の21時現在で、該
当記事掲載後の累計アクセス数が4万6000件を越えています。現状が正しく伝わるのは喜ばしいことだと思います。結果的に、よりユーザー寄りのサポート
になってくれたら、うれしいんですけども。
追記3: 沈静化するのは簡単なはずだよね?うーん、ネット上の騒ぎがとんでもないことになってるから、そこそこ「イマイチな状態」なの
か、ふつうに「ひどい状態」なのか、歴史的なぐらい「ありえない状態」なのか、よくわからないことになってきてますね。コメント欄にあったとおり、「当
たった奴は100%、当たらない奴は0%」ですから。ただ、これって、ソニーがその気になったらすぐに沈静化させられると思うんですよ。
まずサポートセンターの受付時間を夜10時とか、そういう時間まで延長する。
WEBサイトで事情を説明する(「ごく一部」と表現しようが、「多数」と表現しようが、自由)。
流通からの交換依頼をきちんと調査する(2日間もあればできるんじゃない?)。
交換できる台数をきちんと準備して、いつ頃までには渡せるのか、流通を通して説明する。もちろんWEB上でも。
不良で困っている人たちのPSPを1つ1つ正常品と交換していけば、自然と静まると思います。実際の不良品の数がそれほど大した数字でないなら
週末までには解決できるんじゃない? 実際に多いのか少ないのかなんて、きちんと対応してみれば、自然とわかるんだから。火のない所に煙は立たないんだか
ら。
対応が悪いから、対応できないほどの不良数なんじゃないか、なんて憶測や噂が出てきちゃうんじゃないのかな? 初期不良への対応を誤って、ハードの立ち上
げにつまづいたXBOXの例を反面教師にしてほしい。そんなもん、すぐにさっさとテキパキと対応したら、すぐに消えてなくなって、過去の笑い話になっちゃ
いますよ、きっと。

Posted by amanoudume at 11:18 個別リンク | TrackBack(4)
PSP初期不良について
Excerpt: なんか初日からディスク飛ばしの感動を与えてくれたソニーですが、サポセンも相当対応が遅れているようで。 いやー大変ですね並んで買った人は。 あれ、なんで涙が出てくるんだろう。それに肩が震えるよ。 予約の内金で全額払ったかからかな。 ...
Weblog: 饂飩日々徒然
Tracked: 2004年12月13日 12:18
PSPは即死したらしい
Excerpt: フライングディスクシステム          ドドドドドドドドドド                                        フギャー             ≡σて ̄ ̄|      ─二三◎ ─二三◎     
Weblog: As Like
Tracked: 2004年12月13日 13:35
PSPの初期不良報告多数の模様
Excerpt: ゲーム系の辛口BlogのDAKINIさんのページがPSPの不具合報告で大変盛り上...
Weblog: 似非プログラマーの日々
Tracked: 2004年12月13日 17:00
PSPについて
Excerpt: なんかいろんなサイトでPSPの不具合がでたとの書き込みを見るようになった。 社会の底辺というblogの人は周りの人3人が電源が入らなかったらしい。発熱地帯さんでは自分が買ったPSPの電源が入らない。など。 PSP初期不良まとめサイトやPSP射出保管庫というサイトまで出来て
Weblog: ピポケカBlog
Tracked: 2004年12月15日 08:27

2004年12月11日

ん、まー、荒れそうな気がするんですが。(追記12)

じつはPSP買っちゃったんですよね。BLOGのネタ用&研究用に。
起動時間とか色々このBLOGでみっちりレポートしようかと思ってました。
それと、会社に持っていって他の人といっしょに通信対戦の様子を見てみようかと。
まぁ、PS2も発売日にゲットして、わざわざ会社に持っていって自慢したような人間ですから、月曜、あの例のスタイル、PSPを首からぶら下げて出社してみようかと、体(むしろ羞恥心)を張ったネタをひそかに企んでいたのですが・・・・。

まさか、電源入れてもメニューが出てこないとは・・・・。 UMD入れてもちっとも起動しねえし。 買った店に持って行って相談したところ、同じ症状の訴えが他にもあったらしく、「またか・・・・」という顔。残念なことに、店頭在庫がないからすぐには交 換できないし、前日発売したから今日メーカーにいうわけにはいかない。それに週末だから、月曜まで待ってくれ、とおっしゃる。 マジカヨ! ねっちりみっちり調べるどころか、画面さえ映らんとは・・・・。 もはやここまでネタを作ってくれると、何といったらいいのか。もし買ったら会社に持っていくぜ!と約束してた人、すまん・・・・。ニヤニヤ笑うどころか、 ボクのチープな想像を超絶したネタっぷりだった。 いや、もうさー、ボーナスもらった直後だし、金がクソ余ってるから、近所の他の店に行ってもう1台買っちゃおうかとさえ思ったんですよ。なんかその店、予 約しなくても買えちゃうみたいだし。でも、それも同じ症状だったら目も当てられないなー、と怖くて断念しました。画面の映らない2台のPSPを並べて写真 に撮るのもネタとしちゃ面白いけど、さすがに2台あっても、後の始末に困るしね。 というわけで、週末のゲーム予定がつぶれたので、「ラチェット3」を遊んでたりするんですがね。 しかしエロゲー買っといて良かったな(明日届く)。 あー、しかし、こういう記事載せると、荒らしが大挙してやってきそうな気がするんですよね。 ここの人(さんちゃんの日記さん「PSPバリューパック、ゲット」)なんて、液晶の常時点灯があるよと書いただけで、この荒らされようだし。 でも、荒らしに負けちゃいかんよね。(荒らしは削除するけどね、基本的に)

まだ交換できません・・・。 に続きます)

追記1: 不具合報告が上がり始めたようです。
ゲーム屋店員の戯言さん「PSPと事件」
> バイト仲間が買ったPSPが
> 電源が入らず何も画面に映らないという
> 初期不良?に当たってしまいました
> UMDスロットから見ると、明らかに部品が外れているのが
> 確認出来たそうです、

追記2: うちのコメント欄にも、同じ症状を訴える人が複数、現われています。
> ウチのも同じ症状でした、ショックです
>
> 電源を入れると、バックライトに反応
> がありますが、画面に何も表示されません。

> PlayStation.com経由で購入したのですが、同様の症状です。
> 電源は入るけれど画面が出ません…。

追記3: 2chにも初期不良報告のスレッドが上がってますね。
PSPの初期不良を報告するスレ その1
PSPの初期不良を報告するスレ その2

追記4: ディスク読込みエラー報告
Nintendo iNSIDE のフリートーク板の「P・S・P! パート3 」スレで、ゲームが起動しなくなる症状が報告されています。「ディスクの読込みに失敗しました」と表示された画面写真がアップされています。
> 何だよ!!
> ゲーム起動しなくなったのですが!!
> 何回やり直してもエラーメッセージが出てきます。
> あまりにもむかついたので証拠写真を撮りました。
> SCEのサポートセンターに電話したら「ただ今込み合っています」とか言われるし・・・。

追記5: 蛮行広まる
昨日、液晶の常時点灯があったと書いただけで、荒らしに襲撃されたさんちゃんの日記さんに続き、ボクと同様の症状と思われるフクタケ的 ゲームさんもコメント欄を荒らされてしまったようです。写真貼れよ、捏造だ、などとわめくケダモノのような人たち。実際にお金を払って買って、それで1回も画面を見れないなんてなったら、そりゃショックですよ。それをちょっと日記に書いた程度で、この有り様。こういうのを蛮行というのではないでしょうか。

ボクは最初ね、まぁわざわざ記事にしなくてもいいかなあ、と思ってました。それでまぁかわりに遊んだ「ラチェット3」のことを記事にしたわけです(「ラチェット3遊んでます。」)。いいゲームなんで、せっかくアクセス数も増えていることですし、ぜひ遊んでください。

ただ、夜にね、さんちゃんの日記さんが荒らされていて、こりゃ書かなきゃいかんな・・・・という気持ちが少しわいてきたんですよ。あんな荒らし、あんな蛮行を見せられたら、もう書くしかないでしょう。

追記6: 不具合情報まとめ
トラックバックをいただいた【ゴッゴル】つがるぶろぐ。【ゴッゴル】さんがPSPの不具合情報報告リンク集をまとめておられます。

非常に多岐にわたる不具合が報告されているようです。
ボタンが戻らない、電源入れても何も起こらない、ディスクの読込みに失敗する、プレイ中にディスクが飛び出す(!)、埃が液晶内に入ってしまっている、ドット欠け(残念ながら交換は不可な模様)、ディスクカバーがちゃんとしまらない、等々。 すごいですね。

追記7: UMDマシンガンFLASH
うぱーのお茶会さんより。
UMDマシンガン(FLASH)

追記8: 「不具合ありましたか?」WEB上のアンケートでPSP多数
リアルタイム世論調査@インターネットさんの「不具合ありましたか?」の設問に対して、「PSPがあった」との回答が6割を越えたようです。
また、「次々と報告されるPSPの不具合あなたはどれ?」の設問も始まっていて、「電源ONで起動せず」がトップになっていました。

追記9: 小売店日記でもさらなる不具合報告
ゲーム屋店長奔走記さんによると、画面が真っ暗で何も表示されない症状があったとのことです。
> 画面が真っ暗で何も表示されないという症状でした。
> お客様がご来店頂いたのがPM6:10。
> 見事にインフォメーションセンター(サポートセンター)が終わった直後。
> 他の店に聞いたところ、同様の初期不良が出ているとの事でした。

小さなゲーム屋の日々さんでも、電源を入れても画面が映らない症状が報告されています。
> あと当りを引いたのかPSP本体の不良品が1台出てしまいました
> 電源入れても画面が映らない音も出ない
> 何ともはやです。

追記10: PSP初期不良まとめサイト
まとめサイト「PSP射出保管庫」が立ち上がっています。最大級のネタ「UMD射出」はもちろん、うちのBLOG等で多数報告されている「電源入れても画面が映らない」症状など、多岐にわたる症状が紹介され、証拠画像へのリンクもそろっています。

追記11: PSP初期不良まとめサイト、続々立ち上がる!
PSP初期不良まとめサイトが立ち上がっています。完全あぼーん(電源入れても画面が出ない)、寝落ち(スリープモードから復帰すると画面が白く飛び、戻らない)、ドット欠け、異物混入、・・・・。
また、PSPのドット抜けチェッカーが紹介されています。jpg画像をメモステに転送してフォトモードで確認してください。

追記12: PSP初期不良FLASH
画面はハメコミ合成ではありません(w

Posted by amanoudume at 13:05 個別リンク | TrackBack(21)
【PSP】PSPの初期不良
Excerpt: ・電源を入れてもメニューが出ない>>ソース@発熱地帯 ・ドット欠け
Weblog: ムシクンの余談
Tracked: 2004年12月11日 16:25
PSP、買ったその日から不良品らしい(汗)
Excerpt: ・発熱地帯 ご愁傷様としか言えない。 実際液晶のどっと落ちレベルであれば、それほ...
Weblog: Computer U Relax
Tracked: 2004年12月11日 17:25
PSP: Poor Stamina Portable
Excerpt: ども。貧乏中学生のするめです。 今日はPSPの発売日ということで、とりあえず各地の評判見たりしてます。 その中で気になった事とか、まぁいろいろと。 先に言っておきますが私はNDS派。でもどっちも買ってません。 まず第一に、初期不良率が高いらしい。 発熱地.
Weblog: 伊丹系。
Tracked: 2004年12月12日 03:03
PSP:雲行きが怪しい・・・
Excerpt: ついに発売された「PSP」のAV機能と性能を検証 [ゲーム]ソニー「PSP」、販売初日は各所で大行列 PSP:発売に1000人以上の列 数時間で売り切れ続出 ソニーが携帯プレステ発売――ゲーム市場復活に期待 PSP発売、新宿では1000人以上の大行列 PSPいよいよ12日発売 ...
Weblog: Panyawoさんのブログ
Tracked: 2004年12月12日 03:46
PSP発売開始
Excerpt: と言うわけでPSPが発売され始めましたが案の定、初期不良が出てるそうです。 画面...
Weblog: Game alpha
Tracked: 2004年12月12日 07:54
PSP初期不良m9(^Д^)プギャーーーッ
Excerpt: PSPで初期不良続出だそうです。 信者&買った奴乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ★PSPの初期不良のまとめ ■ボタンが戻らない初期不良 (□ボタンと→ボタンで報告あり) 画像  ...
Weblog: 【ゴッゴル】つがるぶろぐ。【ゴッゴル】
Tracked: 2004年12月12日 07:58
PSP
Excerpt: PSP(プレイステーションポータブル)が発売されました。自分は実物すら見てませんが、ニュースなどを見る限り売れ行きは好調のようです。先日発売され たNINTENDO DSと、これから熱いバトルを繰り広げるのでしょうか(とは言いつつも、購入層は微妙に違う気もする)。PSP...
Weblog: シバライフ:ブログ
Tracked: 2004年12月12日 14:51
[ゲーム] PSPの初期不良について書いてるサイトのコメント欄が荒らされてるみたい
Excerpt: どういう人達がどういう気持ちで荒らしてるのかが、全く見えてこないので不思議で仕方ないです。 ----- PING: TITLE: [ゲーム]PSP 不具合と攻撃 URL: http://d.hatena.ne.jp/wapa/20041213#p1 IP: 221.186.146.26 BLOG NAME: わぱ のつれづれ日記 DATE: 12/12/2004 06:18:11 PM 【ゴッゴル】つがるぶろぐ。【ゴッゴル】さんのところで、PSPの不具合情報の一覧が。なんかいろいろ起こっている模様です。2chの不具合スレを見てい るんですが…、なんかあまりにしょうもない不具合のためか、 ...
Weblog: 昨日の風はどんなのだっけ?
Tracked: 2004年12月12日 15:16
PSP初期不良
Excerpt: http://amanoudume.s41.xrea.com/cgi-bin/mt/archives/000249.html (everything is gone) ソニーの初期ロットは…という話を先日書きましたが、危惧していたとおりのようです。だいたい、ソニーの製品で初期ロットに不良が無かった方が珍しい気が します。 PSP初期不良...
Weblog: じっぷろぐ
Tracked: 2004年12月13日 02:50
オレのPSPは初期不良なのか?
Excerpt: 日曜の12時ぐらいにPSPが我が家にやってきました。 しかしビックリしましたよ、この画面の美しさには! ゲームもメモリースティックすら購入していないので何もする事はないのですが電源を入れたりUMDを入れたり出したり・・・。 あれっ?立ち上がらないなぁ?グイッ(...
Weblog: NOTEnet MANABU DIARY
Tracked: 2004年12月13日 03:28
■PSP祭
Excerpt: PSP(プレイステーションポータブル)が12月12日に発売された模様ですが早速大騒ぎとなっているみたいです。。。ニンテンドーDSの発売にぶつける 為に焦って出しちゃったのがいけなかったんですかねぇ?X-BOXのメディアガリガリ君事件の時のMSのようなまずい対応をとらな...
Weblog: はずれ刑事慎重派パート3
Tracked: 2004年12月13日 06:31
なぜココまで酷いのか?PSPの初期不良問題
Excerpt: 初日に大量出荷の大人気「PSP」、ネットに初期不良の報告が多数(やじうまWatch) 1日たっただけどこの祭り具合は相当数の不具合というか製造不良というか設計ミスというか・・・、まぁ言葉はナンにしろ沢山の人が困っているor怒ってい る感じです。 以下はソレ関係のま...
Weblog: NOTEnet NEWS
Tracked: 2004年12月13日 07:42
[ゲーム雑文] PSP発売、そして初期不良
Excerpt: ヤバイ。PSPヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。 PSPヤバイ。 まずUMD射出。もう出るなんてもんじゃない。超飛ぶ。 飛ぶとかっても 「宮里藍のティーショットくらい?」 とか、もう、そういうレベルじゃない。 何しろ射出。スゲェ!UMDの新たな使い方を開拓してる。 DS...
Weblog: -戯れ言Storage-
Tracked: 2004年12月13日 07:55
このBLOGも人ごとじゃないのかなぁ
Excerpt:  19日の知財系BLOG運営者会議(第2回)会議の参加確定者は、今のところ筆者を含めて3〜4名。定員15名でまだまだ余裕があります。詳細は以下の URLを参照。知財系BLOG運営者会議(第2回)参加者受付中http://blog.melma.com/000
Weblog: The Trembling of a Leaf
Tracked: 2004年12月13日 11:06
PSP 初期不良報告記事
Excerpt: PSP 初期不良報告記事
Weblog: GameNews Watcher
Tracked: 2004年12月13日 12:46
PSPが物凄いことになっているらしい・・
Excerpt: おととい、とある個人ニュースサイトで今月12日に発売されたPSPのリンクが貼られてありました。・・・初期不良について。薄型PS2で初期不良が見つ かり、もしかしたら・・と思っていたら本当にその通りになっちゃってましたΣ(゚∀゚;さっと目を通してみると・・...
Weblog: This is my room
Tracked: 2004年12月15日 12:42
PSP初期不良
Excerpt: エッセイでも触れたプレイステーション・ポータブルの初期不良。 そしてSONYの対応。やはりそれはもう酷い様。 液晶のドット落ち、異物混入、傷。UMDの飛び出し。 ボタン、カバーの破損。電源すら入らない...
Weblog: ダンディライオン - ブログ廻りブログ
Tracked: 2004年12月18日 02:01
PSPちょっとヤバいかも。 - 初期不良の件について -
Excerpt: うーん、一応 「iPod」のBlogなんでこういうネタばかり書くのもアレなんです...
Weblog: iPod WeBlog
Tracked: 2004年12月18日 15:29
PSP
Excerpt: 冬休み直前に、今話題のPSPとやらを入手。。どうやら初期不良もなく、プレイ開始☆ 一言で感想を言うなら、「ここまで来たか!」ってところでしょうか。。画面のキレイさは、携帯ゲームの域を超えてますよ、これは。音も、本体のスピーカー ではそんなによくは無いんで...
Weblog: 高専な日々
Tracked: 2005年01月05日 12:32
あれ程初期ロットは危険だと(ry
Excerpt: えー、今日発売のアレ、ネット上各地でトラブル報告が相次いでる模様です。   ∧,...
Weblog: 雨の中の巫女
Tracked: 2005年01月20日 04:30
[game] PSPのソニータイマーは壊れているらしい
Excerpt: ゼロ秒で発動しちゃう奴が多いらしい。 無理やりNDSに合わせた発売日だったのでまぁそれなりに有るだろうなとは思ったが。結構今回の ...
Weblog: Industrial Cyblog
Tracked: 2005年10月24日 07:28

2004年10月28日

希少価値

常連の方ならご承知のとおり、ボクはゲーム系のライターに非常に辛らつな姿勢を取っています。容赦なく、毒舌の極みの極みを叩きつけます。けれども中には、その仕事を高く評価できる方もいらっしゃいます。例えば、その1人がポップ・コラムで毎回、秀逸な記事を執筆されているモリサワジュン氏です。批判精神と愛のバランス感覚の取れた方で、このBLOGでもリンクを張ることがよくあります。

そして最近、注目しているライターがもう1人います。小野憲史氏です。じつをいうと、元「ゲーム批評」の編集長ということで、始めは色眼鏡で見ていたんですよ。ゲーム批評って、あまり良い印象が残ってませんから。

評価を改めたのは、日経キャラクターズに掲載された記事を読んでから(その増強版がこちらに掲載されています)。
少し古い記事になりますが、欧米のゲーム産業の動向が非常によくまとまっていますし、バランス感覚が非常にすぐれています。こういうバランス感覚は希少で
すね。ボクは、あるライターを信頼できるかどうかの1つのポイントを、バランス感覚だと考えています。それがネット上にゴロゴロころがっている、ただの感
想文との最大の違い。
海外の情報を記事にするライターには、洋ゲー大好き、日本のゲーム嫌いな人が多いらしく、どうも偏向した記事を書く人が多い。欧米のゲーム産業の問題点に
は一切目をつむり、賢しらに日本のゲーム産業の問題点だけ嬉々として指摘する。自分の大好きなFPSはほめちぎるくせに、日本のマニアゲームは嫌悪感に満
ちた記事をつづる。おまけにたいした技術知識もないくせに、「日本は技術が劣っている。欧米はすばらしい」という。発売延期を繰り返す開発スタジオを取り
上げて、「すごい開発力。このままでは日本はやばい」などと平然とのたまう。
そういう歪んだフィルターをかける人が多いからこそ、適切なバランス感覚で現状をまとめあげる力量をもった人物が貴重になります。まさしく希少価値という
言葉の意味がよくわかります。
おまけ最近、失笑した「歪んだフィルター」は、日本のゲームは「お子様向け」「優等生」で、欧米のゲームは「大人向け」「不良」だという
言説。ちなみに恋愛ゲームも、日本のゲームはガキ向けで、大人の鑑賞に耐えないけど、(最近少しずつ増えてきた)欧米の恋愛ゲームは大人の味わいらしいで
す。
そういう痛々しい言説を読んで、ボクの頭の中に浮かんだイメージは……。
ジャンクフードの食いすぎで味覚の破壊され、辛いものしか味を感じられない人間が、「暴君ハバネロ」をもって、喫茶店に乱入。ケーキとお茶を楽しんでいる
女性の前で、バリバリとハバネロを食い散らかした挙句、「甘いものばっかり食ってるんじゃねえ。お子ちゃまが! もっと辛いもの食え、辛いもの。辛いもの
食うのが大人!」と叫んでいる。そんな光景。
いや、別段、世の中には甘党もいれば、辛党もいるわけです。なのに、甘党が子供とか辛党が大人とか……。なんつー幼いロジックだよ。小学生じゃねーんだか
ら……。今ゲームを買っている主要ユーザーの年齢層とかもろもろ、わかってんのかねえ。

Posted by amanoudume at 11:12 個別リンク | TrackBack(0)

2004年10月25日

日増しにふえつつある「SCEの失墜とマイクロソフトの台頭」論

ここ最近、急速に1つの見解が支持を集めつつある。それはPSX、PSPと失敗を続けたSCEがPS3でも同様の失敗をくり返し、マイクロソフトに欧米で
のシェアをうばわれる、という未来予測である。今月に入ってから、ボクはいろいろなBLOGで、同じ予測をいくつも見かけた。
ボク自身、このBLOGにおいて「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」という記事をかいたが、賛同の意見をトラックバック、メール等でいくつもいただいている。

2つばかり、他のBLOGの記事をあげる。
「さて次の企画は」さんのSCE上層部の腐敗と、ゲーム業界ヘゲモニーの移行
まこなこさんの2004年10月22日:次世代Xboxが世界シェアトップになる可能性を語る
いずれの記事も視点はそれぞれ異なっていて、逆にいえばそれだけたくさんの「根拠」が挙げられているということだ。ボクの記事はSCEIが魅力ある製品を
打ち出せなくなりつつあること、ソニーグループの戦略が露骨に前面に出た製品がことごとく失敗していることを中心に書いている。「さて次の企画は」さんの
記事はSCEの上層部の腐敗と、ソニーグループ内の(実際のところの)足並みの悪さをクローズアップされているし、まこなこさんの記事は日米の市場規模
や、日米の開発力の変化を論点にされている。
他にも同様の記事は日増しに増えているが、ざっと見渡しても、じつに不安要因が多い。
  ・ソニーショック以降のソニーブランドの急速な失墜
  ・PSXの大失敗によるPSブランドの失墜 (PS神話の崩壊)
  ・ソニーと消費者とのズレっぷりが顕著 (アテネ需要を逃す、ネットワークウォークマンの不振、等々)
  ・PSPの壮大な失敗 (が予感される現状)
  ・PS3でのBD採用 (消費者を刺激するとは思えない)
  ・マイクロソフトがソフトメーカーを取り込むべく堅実に動いているのに、ソニーは半導体やディスクの話しか出てこない
  ・PS twoでHDD非対応など、当初の構想が大幅にこけている
こうしたソニー周辺の事情のほか、北米のゲーム産業の現状も不安要因のひとつだ。
北米の据置型ゲーム市場において、EAがますます存在感を増している。今年のE3のカンファレンスでは、マイクロソフトもソニーも、ともに「EAタイム」
とでもよぶべき、EAのゲームのためだけの時間をもうけていた。「うちのハードにはEA様のゲームが○○本、出るんです」と自慢しあったわけだ。それぐら
いEAの影響力は大きい。逆にいえば、据置機の競争においては、EAのより強い協力を得た者がそれだけ有利に戦える。
EAはこれまでのところ比較的ソニー寄りではあるのだが、別段ソニー信者の集団でもなんでもないわけだから、条件さえ整えれば、非常にビジネスライクに対
応してくれる。据置機の競争において、強い決定力はEAにあって、じつはソニーの手の中にはないのである。EAはプラットフォームの切り替えの早いメー
カーとして有名だ。だから、北米のソニー陣営は、崩れるときは面白いぐらいあっという間に崩れることになる。
かくのごとく、不安要因は非常に多いのだが、もっとも大きな不安要因は、SCEが構想を具現化する材料をほとんど打ち出せないでいるうちに、こうも多数の
不安要因が次から次へと浮き上がっている事実だ。不安要因を消して回る余裕がないのか、あるいはそんな危機感さえなくしてしまったのか?
いずれにしろ、余裕ぶっていられないはずの状態で余裕顔でいるのは、傍から見れば、失笑ものである。そして今、ネット上に失笑の輪が広がっている、というわけだ。

Posted by amanoudume at 12:09 個別リンク

2004年10月14日

日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図

ゲームショウ前後での最大の変化

PCが不調で、東京ゲームショウの前後、更新できなかったのがとても残念。それはさておき、ゲームショウ以降、日本国内での最大の変化はPSPの前評判だろう。いまやPSPはPSXの二の舞になりそうだ。すでにネット上の下馬評を見ていれば、ほぼ確定事項として語られている。

ゲームショウは任天堂が出展しないから、当然PSPの情報が多く、自然とPSPが盛り返すはずだった。実際、ボクもそういう予想をしていた。

ところが実際は逆で、ショウ前の戦略発表会直前に任天堂の先制攻撃を食らって以来、評判は落ちる一方だ。ネットユーザーだけでなく、メディアも白けた思いを隠さない。「空白の17分間」などは代表例といえる。主要なゲーム系サイトはほとんどが、PSPをスルーあるいは失望しているか、様子見を明言している。こちらのコラムなどでも、PSPは様子見、DSのほうが有利、という見解である。

なぜこんなことになったのだろうか?

「ハッタリ」と「デタラメ」の区別がつかなくなったソニー

会場では、ゲームがUMDで動作しておらず、ハードの完成度に不安を残したばかりか、コンパニオンが1時間半に1回バッテリーを交換していたという話が広がり、バッテリーに対する不安はますます大きなものになった。しかもこれはドライブを回さなくていいハードでの話だ。

ゲームの完成度も、ほとんどがかなり低い上、「PS2並み」と謳われた描画性能は、3Dゲームの実画面映像でしょぼさが露呈してしまった。なまじハッタリを語っていたばかりに、どのゲームもショボいだの、カクカクだの、といわれてしまった。出展前後で、2chでゲーム開発者のBLOGが注目を集めたりもした。ほかにも情報は流れている。現実がみんなの目に見えてきた。

消費電力を抑えるために処理能力を上げられないのか、いつの間にかハードの設計が変更されていたのか、ソフトの開発が間に合っていないのか。どこら辺に真実があるかはさておき、どこにあろうとも、ろくでもない理由なのは確かだ。
なるほど、なるほど、確かにゲームショウはPSPの話題でもちきりだった。
どれも悪い話題ばっかりだが。

「PSX」のスペックダウン発表後、ネットを中心に悪評がまたたく間に広がっていった、あの去年の出来事が頭をよぎったのはボクだけではないだろう。結局、ソニーは去年のあの大失敗から何も学んではいなかった。「PSP」発表当時と最近では、明らかに空気が変わっているのに、それを読めなかった。

「ハッタリ」は有効だが、「デタラメ」は通用しない。そんなことさえ、わからなくなってしまっていた。「PSX」でデタラメっぷりを露呈した以上、「PSP」も当然ユーザーは厳しい目で見る。「デタラメ」か「ハッタリ」かを見抜こうとする。みんなの頭にはまだ「PSX」の失敗が残っている。隙を見せれば、悪評が沸き起こるのはわかっていたことではないか。

不安要因の高まるPSファミリ

PSPの立ち上げが遅れたり、価格競争が激化すれば、ソニーはつらい状況に追い込まれる。なぜなら来年には次世代据置機が立ち上がろうとしているからだ。マイクロソフトは据置機のみに集中し、PS3よりも万全の体制で立ち上げを図ろうとしている。日本では、XBOXの大失敗が頭にあるから、XBOX2といっても気に止めるユーザーはほとんどいないが、北米ではかなり浸透しているし、いまや月間売上でPS2を抜くこともある。市場および業界での存在感は確立しつつあり、「次はもっと伸びる」との下馬評は日増しに高まっている。

PS3の最大の不安要因はBDの採用。よりにもよって、という感じである。PS2はDVDの普及直前だったから、ユーザーへのアピールは大きかったが、PS3は今のところBDの普及のはるか前に立ち上がる予定だから、ユーザーにとっては「何それ?」状態。そもそもHDTVの普及が進んでいないのに次世代DVDだけ先行して、説得力をもつのか?というと、かなり疑問がある。

そもそもビデオデッキからDVDへの置き換えは、たいていの消費者にとってわかりやすかったが、DVDから次世代DVDへの置き換えはわかりにくい。CDが結局CD以上のディスクメディアに移行できないでいる例を思えば、なかなか難しいのではないか。iPodのようなまったくあたらしい形態への移行なら、説得力をもつのだろうが。

また、BDを積むとなると、規格をめぐる攻防、生産体制の確立、コストの問題などで、スケジュールが遅れる可能性が高い。2005年末というのはかなり怪しく、2006年前半という予想さえ裏切って、2006年末というシナリオさえありえる。いくらなんでも投入時期があまりに遅ければ、それだけで致命傷になりかねない。
普及期の前に積む以上、当初はコスト高も覚悟しなければならない。マイクロソフトが現行DVDを使い、かつ低コストを意識してXBOX2を設計しているから、価格競争を強いられると、非常に厳しいことになる。

次世代機で求めるのは「低価格」で、複合的な機能には否定的な意見が出ている中、BDを搭載したからといって、それだけでPS3をXBOX2よりどれだけ高く売れるのか? PS2は米国では299ドルからスタートしたが、マイクロソフトがもしもXBOX2を199ドルでスタートしたら、PS3ははたして299ドルでスタートできるのか?
ソニーがそういう状況をすべて読みきって、ハード戦略&コスト戦略を組んでいるなら、たいしたものだが、案外ずさんなことは、あのPSPの戦略発表会の醜態を見ればあきらか。

日本市場が縮小し、北米市場の巨大さに注目が集まっている現状では、北米でのシェアがプラットフォームの生死を分かつ。日本のゲームマニアが1台もXBOX2を買わなかったとしても、世界戦においてマイクロソフトがソニーを倒すシナリオは十二分にあり得る。日本の市場はもはや相対的に小さなもので、日本のソフトメーカーも大半が北米優先で動き始めている。

そもそもPS3は、その投資額の巨大さによって、PS2並みに売れても回収しきれるかどうか怪しいプロジェクトだ。PS3以外のさまざまな家電、AV製品に組み込むという目論みがうまく転がればいいが、「PSX」の大ゴケ以来、メディアや市場の不信感は根強い。PSのチップを積んでいることがプラスに働くどころか、逆にネガティブな印象を与えかねないのが現状だ。

自ら二正面作戦を始めてしまったソニー

ソニーの思い描いた夢は「携帯機と据置機の両方でPSシリーズを成功させ、SDとHDの娯楽を完全に制する」ことだ。だが、それは裏を返せば、「携帯機と据置機の両方に戦力を分散させ、価格競争のリスクを倍増する」ことでもある。その結果、携帯機は任天堂に守りきられ、据置機はマイクロソフトに市場を奪われる。天下三分の計ならぬ、「日本が携帯機を、米国が据置機を制する」という天下二分の構図。はたしてどちらの未来が現実になるのか?

PSPを発表した直後は、誰もがソニーの夢が具現化する可能性が高いと感じただろう。
ところが、夢は日ごとに色褪せていき、PSXの壮大な失敗、E3での出展内容の貧弱さ、東京ゲームショウでの失態の連発をへて、もはや成否は50対50。いや、人によっては成否は4:6ぐらいと見ているだろう。そして今なお、ソニーは夢を具現化できるという材料を打ち出せていない。

まあそんな訳で、ゲーム業界はまだまだまだまだ、激動が続きそうである。それにしても、もしマイクロソフトが据置機で天下を取るようなら、据置機の2世代交代説(FCとSFCが任天堂、PSとPS2がソニー)が真実味をおびてしまうなあ。それよりなにより、映画などのハイエンド・エンターテイメント(据置機)は最終的に米国が強く、日本はよりミニマムなエンターテイメント(携帯機)が強い、という構図がゲームの世界でも確立してしまう。これもまた文化的必然なのであろうか?という思いも少し。

Posted by amanoudume at 00:17 個別リンク | Comments (4) | TrackBack(6)
日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図
Excerpt: ・熱帯地帯 一読するのがいいかな?...
Weblog: Computer U Relax
Tracked: 2004年10月14日 02:50
どっちも買わないという選択肢を忘れるなかれ。というお話
Excerpt:  え〜、なんだか発熱地帯さんによると、<PSPはPSXの二の舞>になる可能性が高くなってきたそうです。なんか、そんな感じもしないでもないですが、 この考察に乗じて任天堂のDSの勝利確定を叫ぶ方々が居るようですけど、皆さんは如何お過ごしでしょうか? シドニ...
Weblog: シドニャーテキストオンライン
Tracked: 2004年10月16日 10:17
日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図
Excerpt: 明らかに、NDSが面白そうです・・・ヽ(゚∀゚)ノ ...
Weblog: 誰が為に鈴は鳴る
Tracked: 2004年10月18日 04:13
[ゲーム] 日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図 (発熱地帯)
Excerpt: 任天堂とパソコンメーカーという図式になったのは、結局は昔に戻っただけという印象、というのがいま瞬間的に浮かんだ。結局残ったのは玩具屋とパソコン メーカーってことなんでしょうか?
Weblog: 昨日の風はどんなのだっけ?
Tracked: 2004年10月20日 06:14
今後のゲーム業界は任天堂とPCメーカーだけ?
Excerpt: 発熱地帯さんより PSP駄目だしなんですか。結構ショックだ。ノウハウがないだけに DSには勝てないだろうなとは思ってたけど、スペックから考えても コストはPSPの方が全然かかってるでしょ。これで大負けとかに なるとかなりつらそうな。 市場的にPSXの失敗が予想以
Weblog: やる気のない日々
Tracked: 2004年10月20日 12:02
[ゲーム雑文] PSPの評判って
Excerpt: ITMediaニュースではまぁまぁ上々の支持を得ているような感じで取り上げられていますが、 結構各種メディアやBlogでは酷評が続いていたりします。 (参考記事:日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図 (発熱地帯さん)) まぁ、自分にとってゲーム=PCゲ...
Weblog: -戯れ言Storage-
Tracked: 2004年11月09日 12:27

2004年04月27日

北米を制したEAとプロパガンダ戦略?

今回はEAについての、相互に関係するようなしないような2つの記事です。

PS2はソニーのプラットフォームではなく、EAのプラットフォーム

EAは北米ソフト市場の覇者であると同時に、プラットフォームホルダーへの影響力を飛躍的に高めているようですね。

EAがXbox Live!に参加
ることになったとはいえ、EAの要求に屈して、マイクロソフトは他社がサーバー運営をおこなうことを容認。Live Server
Protcolを提供する方針に転じました。また、GDCで再確認されたPSPの設計思想が、当初SCEJがいっていたコンセプト(企画重視)とは異な
り、版権タイトルを据置機から携帯機にまで、まんべんなく提供するEAにとってかなり都合のいいものだったことも、記憶にあたらしいところ(PS2と
PSPの同時開発に向いた設計)。
まぁ米国市場におけるEAのシェアを考えれば、それはうなずけるところです。さらに、PS2におけるEAの存在感はとてつもないものがあります。
データの祠「Playstation2歴代米国売上ランキング」
データの祠「Nintendo GameCube歴代米国売上ランキング」
データの祠「Xbox歴代米国売上ランキング」

まず目につくのは、米国のPS2ランキングにおいて、EAが上位100本のうち35本
占めていることです。GCでは12本、XBOXでは14本。PS2ってソニーのハードなのか、それともEAのためのハードなのか、どっちなんだw 極論す
れば、PS2はもはやEAのために存在するハードだし、そしてPSPもまたEAのために存在するハードになろうとしているのでしょう。こうしたデータを見
ても、EAの影響力が理解できます。
しかし何度か書いてきたように、これは日本のゲーム会社にとって、厄介な話です。それだけ北米市場のガードが堅くなりますから。EAのセガ・スポーツつぶ
しはついこの間の出来事でしたね。あれはセガにトドメともいえる損失を与えました。

版権ゲーム大好き会社の「日本はオリジナリティーがない」論

また、EAは最近、任天堂を筆頭に(例えば「スーパーマリオは古い質のゲーム」発言 注1)、日本のゲーム会社を叩き始めてますね。面白いことに、北米におけるシェアの順番に叩いているんだよなw
わかりやすい連中だ。どのタイトルをどの順番で叩くのかまで透けて見える。(注2
「日本のゲームはオリジナリティーがない」という論調を作り出している理由もよくわかる。(そういうことをいうやつが一番オリジナリティーがないという法
則)
もっとも、パブリッシャーとその下僕系開発者(EAに買収された開発会社の人たち)を除けば、欧米のゲーム開発者の多くは、日本のゲーム開発者との相互敬
意を抱いているわけです。米国の大手パブリッシャーに搾取されているディベロッパーの人たち。
洋ゲーマンセー系ライターは、彼らの真実の声を届けず、一部のパブリッシャーのプロパガンダイメージと、大多数のゲーム開発者の声をミックスして、記事に
していますね。それらは実際にかれらのブログを読めばよくわかる。職業ライターが金をもらってバイアスかけてるのかどうかはしらないが、真実の声は実際に
欧米のゲーム開発者のブログを読めばわかる。
その辺りの話は以下の記事の”コメント欄”にも出ています。
http://amanoudume.s41.xrea.com/cgi-bin/mt/archives/000121.html
欧米のゲーム開発者のブログを日々チェックしている日本のゲーム開発者は、彼らの本当の声を知っている。そういう努力を怠っている一部のライターは、バイアスのかかった記事を書き散らす。真実はすぐそこにある。


注1もっともその発言をした人物は版権タイトルをプロデュースして、それが当たったから威勢のいいこといってるだけなのですが……。EAの
中の人にいわせれば、新しい質のゲーム=映画の版権ゲームらしい。GDCのゲーム・オブ・ザ・イヤーがスターウォーズの版権タイトルだった件もふくめ、北
米における版権タイトルの台頭はめざましいものがありますね。
もっとも、それを嬉々としてマンセーしてる痛い洋ゲーマンセー系ライターもいるわけですが……。版権タイトルの増加が、ディベロッパーの不満の大きな一因
になってるんだがなあ……。水面下で進行し、そして今年になって顕在化してきたパブリッシャーとディベロッパーの対立。これも、もっと以前から徴候はあっ
たはずでしょ。でも”北米の事情にお詳しいはずの”洋ゲーマンセー系ライターは去年、誰もそんなこと書いてなかったように思うけどね。やーれやれ。

注2
もちろん、洋ゲーマンセー系ライターは、彼らの「わかりやすさ」は無視して、バイアスのかかった記事を書きまくる。EAの版権ゲームと続編はマンセー、日本の版権ゲームと続編はダメ。まったくわかりやすい。まぁ所詮、まともに論理的な文章もかけず、他人の発言の尻馬に乗るしか芸のない連中ということですが。

Posted by amanoudume at 16:41 個別リンク

2004年03月29日

ドラクエ后圧倒的な売上

ドラクエ5がファミ通月曜速報で、93万本!! 
過去のリメイク作品を凌駕する圧倒的な売上を達成しましたね。新作ソフトが売れず、ファミコンミニを始めとする「思い出商品」が売れている状況とはいえ、
この数字はそれだけで片づけられません。思い出効果もさることながら、なんといっても、ドラクエ5の圧倒的なクオリティによるものでしょうね!

ユーザーのツボをつく演出が光る

最大の勝因はやはりグラフィックの向上による新鮮感でしょうね。すでに「年度末商戦感想のはずが……」
のべたとおり、素材の使い回しに思える、2Dのショボいリメイクなんてだれも望んではいません。派手な演出はいらないし、最先端のグラフィックスでなくて
もかまわないでしょうが、王者のゲームにふさわしい装いはやはり不可欠。まさに、ファンの願望を具現化した最高のリメイクをなしとげてくれました!
とくに戦闘シーンはすばらしい。非常にキャッチーな仕上がり。モンスターの動きがすばらしすぎます。やられモーションは、普通に倒した時と「かいしんのい
ちげき」で倒した時の2種類用意されています。まいった。そうそう、やっぱりさー、思いきり吹っ飛んでほしいよねえ。倒れる時にαで消えていくわけです
が、これも気持ちいいですね。強化された演出がいずれもうざくないレベルに抑えられているのがお見事。
制作者の押しつけがましいビジュアルが蔓延する中、あくまでユーザー本位の演出が光ります。「ここをこうしたら見栄えがよくなるのになあ」ではなく、「こ
こでこうなったらユーザーはもっとうれしくなるよね」というツボをついたビジュアルの向上。これこそ、本来、インタラクティブなグラフィックのあるべき姿
ですね。ドラクエというタイトルは、常に多くのことを教えてくれます。
昨今、国内でゲームの売上が落ちています。それで当然、色々な人たちから愚痴がもれてきます。やれ、日本市場は健全でない、とかなんとか。売れないのは
ユーザーが保守的? おいおい……市場やユーザーに文句をいうまえに、やることはないのかよ? 
グラフィックだけはご立派で、ユーザーからそっぽを向かれた数多あるソフトたち(1つ1つを取りあげるつもりはありませんが)。それらのソフトにいったい
何が足りなかったのか、非常に明快な形で提示されたと思いますね。ものづくりにおいて、自分が納得するというプロセスは必要ですが、自分だけが納得するの
では何の意味もありません。ゲームはインタラクティブなメディアであり、ユーザーがいてはじめて成り立つという当たり前のことをあらためて認識する必要が
あるでしょう。

軽快な戦闘、仲間との会話
戦闘は非常にスピーディー。シリーズ中もっともトロかった印象のあるSFC
版とは段違い。ドラクエの戦闘って、こんなに早かったっけ?と思いますね。
言葉を大切にするのがドラクエの伝統ですが、情報量が増えるにしたがって、うっとうしさが増していたのは事実。また、全世界で展開するうえで、1つのネッ
クになっていたのも事実。グラフィックの向上にともなって、古臭く思える部分は、言葉をはずし、より直感的でグラフィカルな表現になっています。その結
果、「たるい」というイメージのあった戦闘が軽快そのもの。モンスターのモーションの出来の良さもあって、戦闘が楽しくてしかたない。
仲間と話せるのも楽しい。冒険している気分がぐーっと高まります。シチュエーションによる内容の変化がかなりあり、ダンジョンではフロアにごとにメッセー
ジが変わったりします。最初は探険を楽しんでいた仲間が、地下深くに降りる頃には、ゲンナリしちゃったり。
過去のRPG作品にも、仲間と会話できるソフトはいくらでもありました。声優がしゃべるのも珍しくはありません。しかし、ドラクエほど、プレイヤーの心理
を読み切ったメッセージ内容は他に類を見ませんね。プレイヤーが「そうだよねー」と素直に共感できる内容。いや、感服しました。
(イベントが終わったら、すぐに進まずに町の人に話しかけるのも、ドラクエの楽しみの1つですが、今回は町の人と話したら、その後仲間と話すのも忘れない
ほうがいいかも。メッセージが変わることがあります。)
我々が失った物を教えてくれるのがドラクエ
昨今のゲームを俯瞰したとき、丁寧に作るということが、な
んとも甘くなっているように感じます。まぁボリュームが増えたとか、規模が大きいとか、色々理由はあるのでしょうね。グラフィックのクオリティが上がりす
ぎて、それを作るので精一杯とかね。ただ、ひとつの基準としてドラクエを見習うべきなのでしょうね。抑えるところは抑えて、力をかけるところにしっかりか
けてますよね。このバランス感覚は尋常じゃない、と思います。
もし、ドラクエ5はショボいなどと感じる開発者がいたら、バランス感覚がユーザーからズレまくってる危険性があります。気をつけたほうが
いいでしょうね。ユーザーが気づかない箇所に過剰に労力をかけるより、ユーザーを楽しくする箇所に労力をかけたほうがいい。
最近、欧米のゲームの品質があがっているという話があります。まぁ実際、ひと昔前、PS1の頃とは格段の違いがあります。しかしきわめて厳しい目で見る
と、やっぱり所々粗い箇所が目につきます。ただ、日本のゲームがかなり粗くなってきているんで、相対的な差はほとんどなかったり、逆転していたりするんで
すね。
彼らがいくら頑張ったからといって、それでかつての日本のゲームの丁寧さに追いついたかというと、少なくとも現時点において、それはない。しかし現在の日
本のゲームが、欧米に追いつかれたかといえば、それはある。日本のゲームが雑になった部分はかなりあるんですよ。
本題からそれるので、その辺を詳細に論じるのは、またいずれの機会にしたいと思いますが、ドラクエというソフトは、開発者にも、じつに多くのことを教えて
くれます。

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2004年03月20日

2003年度、日本国内シェア概観

2003年度はまだ終わっていませんが、ここらで2003年度の総括を。
コナミのサイトに2003年4月〜2004年1月までの各社のシェアが掲載されています。
http://www.konami.co.jp/cs/market/de-2003.html
(TAITAIさんからのご指摘を受けて、最後の部分を誤解されにくいように修正しました)

シェア概観
上位陣の顔ぶれに変化がなく、ゲーム業界の勢力関係が落ち着いてきたことをうかがわせます。 しかしコナミのシェアにやや失速感が見られるのが気になりますね。さすがに版権タイトルのマシンガン撃ちにも限界がきたのかもしれません。一方、ここ数 年、存在感を増しているのがバンダイ。「ガンダム」に続き、「ドラゴンボールZ」も成功させました。 国内トップは任天堂。「ポケモン」は別集計でこのシェア。両社を合算したら、25.8%で、日本のソフト市場の1/4程度をおさえている計算になります が……。他社が年末商戦から年度末商戦に移行する中、年末商戦に有力タイトルを固め打ちした戦略の成功が大きいでしょうね。
ファミリー市場の勢力変化
はっきりした数字は出ていませんが、ここ数年の市場動向を概観した限り、任 天堂はますます子供市場での占有率が上がっている印象があります。数年前には十分な地歩を築いていた他社、たとえばバンダイやSCEJは、子供市場での存 在感を失いつつあるように見えます。 バンダイは版権依存なので、「ONE PIECE」以降、これといった作品がないせいですが(「NARUTO」がどこまで育つかしだい)。SCEJはPS1の頃の面影はもはやないですね。原因 は色々考察できますが、元々新鮮なブランドとして登場したはずなのに、ここ数年、有力な新キャラクターを何ひとつ生み出せていないのが大きいでしょう。 一方、最近がんばっているのはナムコですね。「太鼓の達人」の成功以降、ファミリー層に安定して浸透しつつあります。まずは「太鼓の達 人」の成功が大きいところですが、「ミスタードリラー」「もじぴったん」などの親しみやすいタイトルが徐々に増えているのも見逃せないでしょう。また、こ こ2年程、任天堂との関係を急速に回復しつつありますが、任天堂のもつファミリー層へのブランド力を巧みに利用しつつ、GCとGBA市場における地歩を築 いています。 現状では、ラインナップの多様性が売上に結実しきっていないのが苦しいところですが、「ブランドを作るには最低でも5年かかるが、壊すには2年もいらな い」という名言が示すように、今は大きな繁栄の前の苦しみの時代にすぎないでしょう。しかし着実に期待感は高まっており、ムーディーズの格付けも上昇。数年後の繁栄がもっとも期待されるソフトメーカーですね。

ファミリー市場は任天堂、バンダイ、コナミ、SCEJの4強時代から、任天堂、バンダイ、ナムコの新3強時代に突入しつつありますね。

限界に達しつつある?外部版権ビジネス

冒頭でのべたように、コナミの失速感が気になります。コナミといえば、外部版権率を高めるソフト戦略を掲げてきたソフトメーカーの代表例。
しかし今となっては「遊戯王」の欧米での収益に支えられており、膨大な本数の版権タイトルの開発費を支えられる状況ではなくなりつつあります(それもさすがに来期は厳しい……)。
外部版権は売れているうちはいいが、売れなくなれば、ゲーム化権料の支払いが重くなってきます。全体予算に占める開発費が低くならざるを得ないから、開発費の高騰が続く現状では、クオリティの維持もつらくなります。

一方、「ガンダム」「ドラゴンボールZ」を擁するバンダイ、「鋼の錬金術師」をヒットさせたスクウェアエニックスは、完全な外部版権ではなく、自分自身が版権をもつタイトルを成功させていて、利益率が高い。

まだはっきりとは断言できないものの、版権料という形でゲーム業界の外へお金が流れていってしまう外部版権タイトルから、業界内にお金が還元される内部版権タイトルへビジネスの軸足が移ってきているようですね。

欧米においては、EAが外部版権率が高い会社です。映画の版権料はバカ高いので、EAもいずれ苦しくなってくる可能性は相当ありますね。
とはいえ、EAは単純にコナミと同一視はできない部分があります。N64当時の任天堂のように、ボリュームと品質の両面で優れたラインナップをそろえ、信頼感あるブランドを構築しています。この辺りのEAのソフト開発戦略は、「ゲーム市場(ユーザー)を把握しているEA」で書いたとおりです。まぁ、日本のゲーム会社の黄金期のソフト戦略をよく研究していますよね。うまくいいとこ取りをしている感じです。

今後は「ゲームのサブメディア化」の限界点がどこか?というのが注目点でしょう。ゲームが映画の世界観の補完物にすぎないのかどうか。ただ、サブメディアとしては、ゲームは価格が高すぎるわけですよ。それにみんなが気づいた時、崩壊してしまう。

# まぁ安易に現状肯定に走る輩、無思考的ゲーム開発者やライターは、
# サブメディア化を積極的に支持していたりしますが、きわめて近視眼的
# ですね。自分に自信が無い人間は、ついつい”現状に合わせて”物事を
# 考えたり、もっともらしい理屈をでっち上げたりしてしまう。
# おそらく彼らは10年後には、この業界からいなくなっているでしょうね。
# 所詮、その程度のビジョンしか持ち合わせない連中にすぎません。何を
# いうのも自由だが、10年後の自分自身をイメージしてからいってほしい。

ゲームのメインメディア化とサブメディア化
上では「ゲームのサブメディア化」について議論しました。 念のために確認しておくと、メインメディアのゲームとはドラクエ、FF、ポケモン、マリオ、ソニックのように、ゲーム自体が他のメディアの中心に位置し、 他のメディアはゲームの世界観の補完物になっているものです。サブメディアのゲームとは、EAの映画ゲーム、バンダイのアニメゲームのように、世界観や キャラクターは元々ゲーム以外のメディアで生まれたもので、ゲームが他のメディアの補完物になってしまっているものです。 作品論という意味で、メインメディアとサブメディアに優劣をつける意図はありません。 しかしビジネスとしては大きな違いがあります。メインメディアは周辺のサブメディアからお金が流れ込んできます。たとえば、ハリウッド映画の利益に占める 興行収入は、2割未満。1割に近い数字です。 ゲームのメディアとしての最大の課題は、ゲーム自体で100%近い利益を上げなければならないことです。 スクウェアはかつて自らをハリウッドたらんとし、あっけなく挫折しました。エニックスは「ドラクエ」を中心にメディア展開を試みたものの、それ程大きな成 功には至っていません。ほとんど唯一の成功例が「ポケモン」です。ここで初めて、ゲームは外部の多数のメディアからお金が流れ込んでくる構造を生み出せそ うになりました。 しかも、RPGのようなチマチマしたゲーム、記号的な表現のゲームが売れるのは日本のみ、という常識をやぶって、米国、欧州、中東、アジア、あらゆる市場 で成功をおさめました。ゲームが世界的な表現となり得る例として、歴史に記録されたといっても過言ではないでしょう。 しかし残念ながら、「ポケモン」を最後に、ゲームはメディアとして弱体化していったのです。ある地域で売れた物は他の地域では売れないといわれるようにな り、他メディアの補完物として機能するゲームが増えていったのです。(日本のみならず、欧米でも)
グラフィック技術の本来あるべき発展
理由は大きく2つあるでしょう。 まず携帯ゲーム機で、「ポケモン」の発展をさらにエンハンスするようなソフトは結局生まれなかったこと。携帯ゲーム機は歴史的経緯から、据置機のゲームを ポータブルにする、という意識で開発されることが多く、結果として続編とキャラ物の温床となってきました。これは、「ポケモン」という怪物的なヒットが出 たあとも、あまり変わることなく、続いてきた傾向です。 その間、携帯ゲーム機はケーブル通信→赤外線通信→無線通信(グローバルワイヤレスとローカルワイヤレス)と発展してきましたが、それをいかしたソフトも 今の所ほとんど生まれていません。 もう1つは、据置機のゲームにおいて、「技術の発展」が暴走したことです。 表現力が上がるのはいいのですが、「映画様、どうかわたくしめに映画様のゲームを作らせてくださいまし。映画様の補完物として、ゲームはなんと優秀なこと でございましょう」などといって、映画屋さんの靴の裏をなめたがる輩が増えてしまったのは残念なこと。 日本のゲーム全体を見てみれば、表現力の向上が自己目的化し、単純に開発費の増大だけをまねている例が目につきます。自己満足系開発者の手なぐさみです な。まあそういう、仕事にも、個人的な創造性においても、活かされない自己満足的技術というものは、いずれもショボいわけですけどね。 結局そういう技術者が幅をきかせているゲームはおおむねつまらないし、出来が悪いし、売れないものです。別に、技術者だけでゲームの面白さが決まるわけで はない!という反論もあるかもしれませんけど、要は個人のクリエイティビティーがチームのプロダクトに反映されないようなチーム運営、会社組織をやってい るようでは、結果などしれたものなんですよ。 逆に、表現力が上がることで強くなった好例はRPGでしょうね。日本人にしか受け入れられていなかった記号的表現から脱し、全世界での販売本数を飛躍的に 伸ばしています。「FF」「キングダムハーツ」の成功は記憶にあたらしいところでしょう。ドラクエも、いよいよ世界での展開をねらっているようです。 これこそが本来、技術の向上、そして表現力の向上の目的であるはず。表現力の向上が、世界的表現力の獲得につながったわけです。ブラボー!! これがグラフィック技術の本来あるべき発展のはずです。 表現したい作品のコアがあり、グラフィック技術は表現力の強化でそれを助ける。一部の自己満足系技術者が崇拝する「映画」では、基本的にその構造はしっか りしています。CG技術、特殊効果は軽んじられるものではない。しかし暴走させてよいものでもない。 グラフィック技術者が「技術の向上→表現力の向上→世界市場でのシェア拡大」という流れを作り出すのか、あるいは自己満足の極みに埋没していくのか。据置機のゲームの大きな課題のひとつはそこでしょう。 ゲームがメインメディアとして発展していけるかどうか。そこに日本のゲーム業界の未来、ひいては全世界のゲーム産業の未来がかかっているといっても過言ではないのです。
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2004年01月15日

雇用の大転換を迫られる米国

フェードアウトの加速度が違うのが米国

米国において、フェードアウト組のフェードアウトが加速している。
まず筆頭はディズニーのアニメスタジオだ。

WSJ-米ディズニーがアニメ映画の制作中止、制作拠点閉鎖も検討
90年代前半には成功に次ぐ成功を収め、99年にはカリフォルニア州バーバンク、オーランド、パリに総勢2200人のスタッフを擁するまでに成長した。ところがそこから一気に奈落へ。11月にはアニメ部門の人員は880人。オーランドのスタッフも解雇されれば、4年間で71%の人員削減というわけだ。

そして、オーランドスタジオは閉鎖した。一部のスタッフは本社に吸収されるものの、大半は解雇。
ディズニー、アニメスタジオ閉鎖へ◇ロイター
とも凄まじいリストラぶりだ。現在の米国のアニメ市場は、大ざっぱにいって、Highの3DCGアニメとLowのセルアニメに分けられる。Highの頂点
に立つのはもちろんピクサーだ。ピクサーはまぎれもないプレミアムブランドになった。日本のアニメは(日本のメディアは虚構を作り上げようとしているが)
実際にはLowだ。
ひとたび時代の移行が始まれば、米国ではあっという間に座席を失うことになる。米国はものすごくフェードアウトのスピードが速い
だから、米国における成功例をを見る場合は、十分な注意が必要なのである。”その時点ではうまくいっているが、すぐにダメになるもの”なのか、”今うまく
いっており、今後もますます成功するもの”なのか、その見極めが重要になる。ただ成功しているというだけでは、見るべき価値などまったくない。
すなわち、今米国のゲーム産業が調子がいいからといって、単純にそれを真似しようではダメなのである。単純に「成功例から学ぼう!」などといっている人間
はまったく米国を理解していない。そういう人間はセンスが悪いから、何をいっても説得力がない。

アニメに起きたことがゲームに起きつつある

何度も書いているから、今後の論旨はある程度読めるかもしれないw つまりアニメに起きたこの変化が今後、ゲームに起きる。いやすでに起きつつあるのではないか。ということだ。

変化に対してもっとも遅れているのはどこか? FPS系を中心とする欧米のPCゲームの開発スタジオだ。ここ2年ほどのぶざまな結果は、すでに幾度となく指摘しているとおりだ。
今年Half-Life2が発売されると、断言できる人がどれだけいるだろうか? もちろん、いくらなんでも今年出るはずだ。たとえ春から遅れるにしろ、秋には……。しかし本当に断言できるのか? また、ValveからHalf-Life2のソースコードが再び流出しないと断言できる人がどれだけいるだろうか? もちろんあんなことがあって、流出なんて、そんな……。しかし本当に断言できるのか? 
やや、どぎつい書き方をしたが、これが今の欧米のPCゲーム界の率直な現状だ。彼らのツールは(最近は改善されつつあるようだが)、ある時点まで1世代以
上遅れていて、素人はそういう物を褒めるかもしれないが、とてもプロフェッショナルが効率的にものを作れる状態ではなかった。
(そういう素人が、これからのゲーム開発はFPSエンジンだ!などという、根拠のない嘘をこれからゲームの世界に入ろうとしている若者にふきこむのはやめ
てほしい、と切実に願う。まぁ彼らには最低限度のモラルも、良心もないのだろうが……。きっと自分の理論が満足すればいいのだろう。)
そうして、時代についていけない、古い体制の会社は今まさに滅びようとしている。英国でとくに顕著なようだが、フェードアウト組がすごい勢いでフェードアウトしている。たとえパブリッシャーとディベロッパーの契約条件をどうこうしたところで、時代についていけない者を守るのは不可能だ。

これは米国でも顕在化するだろうし、いずれ米国のコンシューマーの世界でも顕在化する。米国のゲーム市場の成長はここにきて、急速に鈍化しつつあり、限界は見え始めた。息切れしたところに、開発費の高騰というインパクトが襲ってくれば、どうなるかは明らかだ。

米国の「ゲーム開発」の空洞化
つまり、PS1末期からPS2初期において、日本のゲーム業界に起きたことが、米国のゲーム業界にも起きるというわけだ。EAあたりは結構賢いから、それ なりに生き残るかもしれない。だが、だからといって、EAの仕事を請けている開発スタジオの生き残りが保証されるわけではない。パブリッシャーは生き残 り、開発スタジオは衰退する。 開発の仕事はもっと安い賃金の地域に流れる。日本、韓国、中国、インド……。そしてそのまま、米国で「ゲーム開発」の空洞化が始まるかもしれない。ゲームパブリッシャーは空洞化しなくても、開発は空洞化し得る。それがアメリカという国の面白いところだ。

国内で何とかしようとか、国内の開発が立ち直るのを待とうとか、そういうドライブが働かない。あっさり切り捨てるのである。フェードアウト組には冷たいのだ(そのかわり、古い人たちが反省して、新しい時代、新しい別の仕事に適応できるような再教育は充実している)。

ボクはアニメ産業やIT産業のほうが、ゲーム産業よりも、先に変化が起きていると考えている。だから、今年もシリコンバレーの雇用動向には注目していきたい。それはゲームとは全然別の世界の話ではなく、米国ゲーム産業あるいは米国ゲーム開発雇用の未来像だろう。
[梅田望夫・英語で読むITトレンド]IT産業の雇用とイノベーションの未来

Posted by amanoudume at 12:46 個別リンク

2004年01月11日

No Royaltyに近づいていくゲーム機ビジネス

昨年から何度も書いているテーマですが、面白いニュースが1つ。
PSPの価格は39,500円に近い - ハードウェア単独で利益を出していくSCEE
のCEOクリス・デアリング氏のMCVに対するインタビューによれば、PSPの価格は300ポンド(59,300円)より200ポンド(39,480円)
に近いとのこと。またPSPのビジネスモデルは、ハードで儲けずロイヤリティーで儲ける従来のビジネスとは異なり、ソフトのロイヤリティーを下げるかわり
にハードウェア単体で利益を出していくビジネスになるそうです。
以前、UMDは音楽も映画もゲームも乗るから、ゲームだけ高いロイヤリティを取るのではフォーマットとして説得力をもたない、とかいたことがあります。
> これから将来というのは、PCがどうの……という小さな話ではなくて、
> もっと大きな流れの中で、No Royaltyに近づいていくことになる
> でしょうね(無論、製造費はあるので、ゼロにはならないでしょうが)。
> 例えばオンラインということになると、これは配信におけるメディア
> レスということだから、Royaltyを取る根拠が薄いし、ソフトメーカー
> が支払うメリットが薄い。
> 代替のプラットフォームとして、PCや携帯電話が出てきているから、
> 単純に「TVゲーム機」という枠の中でチャンピオンでも、それだけで
> Royaltyを集めるビジネスロジックはもはや崩壊しつつあります。
> これはスクウェアエニックスの和田社長も同じ見解を表明していましたね。
> 任天堂の作ったファミコンビジネスにしろ、ソニーがそれを変形した
> PSビジネスにしろ、閉じた輪は崩壊しつつある。
> PSPにしても、音楽や映画といったコンテンツがRoyaltyを払って
> いないのに、どうしてゲームだけが余分なRoyaltyを払わなければ
> ならないのか、という至極当然の疑問が出てきます。PS1でCDが、
> PS2でDVDが再生できた時になぜそういう話にならなかったかとい
> えば、それらは既に確立したフォーマットだったし、ソニーだけのフォー
> マットではなかったから(とはいえ、PS2でDVDビデオとの競争になった
> 時に、「なんかおかしいよなあ?」と不満を感じたゲーム開発者は
> 少なくなかったはず)。
> 無論、まだすべてが無くなってしまうわけではありません。
> しかしあらゆる物の境界が溶けていく時代には、ネクストロジックが
> 必要であり、それを生み出した者が次の世界を制することになるの
> でしょうね。

Posted by amanoudume at 08:30 個別リンク

2003年12月31日

非常に素晴らしいまとめに感服の極み

非常に素晴らしいまとめに感服の極み

PCゲーム道場さんの「ゲームの発売延期・コンソールとの融合について」がPC
ゲーム(特にFPS系)の現在の問題点を非常に素晴らしくまとめられています。
このBBSに来ている日本のゲーム開発者の中には、「俺もそう思っていた」「何を今更」と思われる人もいらっしゃるでしょうし、非常に真剣に認識を深めて
いるライターの人も同様かもしれませんが、認識の確認という意味で、非常に価値の高いまとめだと思います。必読。
はっきりいえば、この種の問題はすでに日本国内の開発スタジオは経験済み(プログラマブルシェーダーはさほど普及してないとはいえ、じつはそれは本質的で
はなく、グラフィック環境のマルチ化と高品質レンダリングと独自グラフィックの構築が本質的な課題)の問題であり、そして欧米の少なからぬコンシューマー
系開発スタジオもじつは経験している問題です。
問題の表面化と克服が一番遅れていたのが、欧米のPCゲーム業界だったというだけです。良くも悪くも、少人数でのチーム開発の傾向が強いだけに深刻ではあ
りますね。
EAは強いが、課題は見えている日本は何だかんだで、開発分業化がアニメ業界的に加速しています。正直まだまだ映像産業ほどのレベルには
達していませんが、いずれ遠からず納期性とコスト性の両面で優れた状態に達するとの確信はあります。これは多くの開発者が、”苦しいけどそこには達する”
と確信していることだと思います。
欧米にしても、EAのような映像産業との連携によって開発体制を変革できたところだけが明確に強くなっており、同様のことが起きているといえます。決して
日本がEAに比べて変革が遅れているわけではない(ただ、大手や体力のある会社ほど変革が遅れてはいます。まぁ余裕があるほど変化にうといのは仕方のない
自然なことではあるのでしょう)。
変化はそれぞれの地域で、それぞれのビジネス環境にあった形で起きているというだけのことです。映画産業が弱く、アニメ産業が強い日本においては開発体制
の変化はEAと同じではありえない。今EAが強い→EAの体制が一番→日本もEAと同じであるべき、というロジックはチープなものです。全員がEAになれ
るわけではない。それは日本だけでなく、欧米でも同じことです。
またEAは遠からず、2,3年したら、一度壁にぶつかるのではないかと思います。これは忘年会の3次会でも話したことですが、単純に、映画ゲームには版権
使用料がかかりすぎており、今の売上が維持できなくなったら、とんでもないことになるのは明白です。次世代ゲームになればさらに開発費が高騰するのもまた
必然です。
映画ゲームはしばらくは好調でしょうが、映画を観に行って映画のDVDを買う額よりも、映画ゲームの値段のほうが高い、ということの馬鹿らしさに消費者が
気づいた時(つまりちょっと飽きが出てきた時)に、落ち始めると思います。そのタイミングと、開発費の高騰のタイミングはまあ大体同じ頃だろうなと予想し
ています。2004年は大丈夫でしょう。2005年もたぶんもつでしょう。2006年は……?という感じでしょうね。
EAの人たちが楽観的な欧米マンセー系ライターと同レベルの先見性しか持ち合わせていないなら、その時点で一度壁にぶつかるでしょう。まあ彼らが人並みの
知能を持ち合わせているなら、その時までに全世界規模の開発分業を達成しているでしょうね。そしてEAはかなりそれを促進している。
もう1つは、高い版権使用料を抑えにかかることで、自ら映画版権で儲ける側に回ることでしょう。映画制作そのものにも参画し、ハリウッドとのより完全な融
合を果たすことです。EAはこちらにも熱心だと思います。おそらくEAはバカではないからやり遂げるのではないかな。
これは、外部版権が強いコナミよりも自社版権の強いバンダイが国内で強くなっていることにも通じる現象かもしれません。

Posted by amanoudume at 07:27 個別リンク

2003年12月28日

2003年をふりかえってみようか。

適当ですが、こんな感じかな。
○モバイルへホットフォーカスが移り始めた3Dハードウェア
  ・PSPの発表
  ・OpenGL ES公開
  ・携帯電話向け3Dチップの性能向上(開発段階)
  ・ATiとNVIDIA双方が携帯電話向けのメディアチップ競争を開始(NVIDIAが出遅れ)

 >携帯電話向け3Dチップの具体的採用が増えるのは来年以降の見込み

  spinの「東芝の携帯電話用動画処理チップが、次世代のT4Gで3Dグラフィックス機能を内蔵へ」および「携帯電話向けアプリケーションプロセッサSH-Mobile V2に、OpenGL ES 1.0対応予定のZ3D IIIコア搭載」を参照

○ゲームと映画の融合は着実に進展
  ・EAのビジネス的成功
  ・UBIその他もEAの成功に続いている
  ・映画ゲームの売上好調
  ・映画とゲームの並行制作の事例が増えている

 >シェ―ダーの活躍はまだ?
  映画ゲームの開発において、プログラマブルシェーダーが活躍した事例は(NVIDIAやATIの宣伝の割に)ほとんど聞かない。

○ゲーム開発者の関心は「物理とAI」へ
  ・E3での「Half-Life2」ショック
  ・Havok2.0がリリース
   (HL2は2.0ではなく1.xを使用している。が、延期後変わったかどうかは不明)
  ・セガ PS2「鉄腕アトム」が国内初Havok採用
  ・AIのミドルウェアはまだまだ道険し(GameAI.comより)

 >来年のE3ではこの傾向がより顕著になる?

○時代の変化 自己満足的技術からマネージメントへ
  ・自称「すごい技術」の有力FPSタイトルがことごとく来年以降へ延期
  ・「Splinter Cell」(去年だが)を始めとして、技術とタイミングのトレードオフを見定められる着実な力のある開発チームが成功
  ・技術自慢のPCゲームオンリーの開発スタジオがパブリッシャーから淘汰されている
  ・映画ゲームを代表例としつつ、発売タイミングを計画に合わせることがますます重要視される風潮

 >長期的には、中国等の新興開発スタジオがより成長することにより、世界的分業体制の確立など、ディベロッパー・チェーン・マネージメントが重要になる。

○ユビキタスゲーミング
  ・携帯ゲーム機の競争激化(PSP発表、N-Gage発売、Zodiac発売)
  ・新型ゲーム機すべてがワイヤレス通信対応
   (PSPはワイヤレスLAN、N-GageとZodiacはBluetooth)
  ・携帯電話のゲームプラットフォームとしての成長
  ・PCと携帯電話の連動
   (スクエニの和田社長の発表ほか)
  ・ワイヤレスアダプタを使ったポケモン発表

 >2004年は具現化の最初の年。新時代の幕開け。

○ファミコン20周年。そしてファミコンビジネス崩壊へ
  ・No Royaltyのプラットフォームが成長
  ・オンラインゲームではPCや携帯電話のほうが有力な選択肢に
  ・スクエニとコーエーというパワープレイヤーがPS2でのオンラインゲーム展開から離脱。PCでの展開を優先すると発表。
  ・オンラインを前面に押し出したPS2ゲームの売上は壊滅的
  ・ラグナロクオンラインますます絶好調
  ・韓国のオンラインゲーム、続々日本上陸
  ・中国のオンラインゲーム市場はPCベース

 >No Royaltyプラットフォームはますます成長すると予想される

○中国市場台頭
  ・中国オンラインゲーム市場において、スクエニは日本勢で唯一のパワープレイヤー
  ・中国オンラインゲーム市場、急成長(盛大ネットワーク、IPO目前)
  ・今年初頭の盛大事件以降、中国のゲーム会社は自主開発路線を強化
  ・任天堂が神遊機を発売。人気好調のスタート。
  ・ソニーの中国展開は延期。
  ・欧米は開発拠点としての中国は活用できているが、ゲームにおいては存在感が薄い。
  ・2003年は中国市場の潜在性が多くの人に意識された年。

 >欧米、中韓に対して、開発拠点としての相対的な優位性を失いつつある日本が、文化的優位性を発揮して、欧米、中韓の市場でシェアを拡大できるかが今後課題になる。

Posted by amanoudume at 15:00 個別リンク

成熟して市場が十分大きくなった時代のビジネスロジック

ゲームは成熟産業になった

梅田望夫・英語で読むITトレンド
IT大手各社のデルへの対抗策

ルが例に挙がってますが、これはウォルマートもそうで、ウォルマートはDVDプレイヤーなどは自社ブランドで製品展開しています。つまり誰でも作れるよう
になったら、効率的な供給体制を作った者が勝つというビジネスモデル。
> デルはPCだけでなく、すべてのボックスビジネスにその低コスト事業
> モデルを展開しようとしていて、まだ誰もそれを迎え撃つ方法を編み
> 出していないという問題。デルは、96年にサーバーを売り始め、98年
> にストレージシステムを売り始め、2001年にネットワーキング・スイ
> ッチを売り始め、今年からプリンタを売る。成熟して市場が十分大き
> くなってスタンダードが固まった段階で参入して、PC事業で鍛え上げ
> た経営システムを新事業領域に応用して戦うのがデル経営である。
梅田望夫氏のBLOGを読んでいると、ソフトもPCのパーツと同様にコモディティ化するという主張です。それは一定の説得力をもちます。率直にいって、こ
の10年で、ソフトもコンテンツも同じようになる、と
いうのは極めて妥当な意見なのです。
もちろんハードとソフトは違うので、デルモデルとイコールではないでしょう。ただ、根本にある原理は同じ。全世界レベルで見れば、ソフト開発者の数は増え
ているし、E3の状況を見ても、着実に質が上がっています。中国、インドの安い開発スタジオも今後ますます立ち上がっていく。
すると全世界の開発スタジオのをつないで、もっとも安く(質の高い)仕事のできるパートをそのスタジオに投げる作り方が台頭してきます。
例えば、今3Dのモデルを作るコストが重くなっていて、ゲームのマップを作る時にやり直しが発生すると、それにかかるコストが重いわけです。すると「ゲー
ムを全部(生ポリゴンで)作って完成させてから、テクスチャを貼って絵的に完成させればいいんだ」なんて話が真顔でいわれたりするわけです。何だそりゃ!
と思う人もいるかもしれませんが、CG映画だったらそういう分業はむしろ普通なわけで。
そしてエンジンを作るのは中国スタジオ、デモシーンはハリウッドスタジオ、ゲームは欧州スタジオ、テクスチャは中国スタジオなんてことも。世界規模の分業
開発。もちろん、このやり方では根本的に新しい物はまず生み出せません。良く出来たものは作れるでしょうが

この方法論は、「市場の大部分は所詮、ゲームの大枠が定まった続編、キャラ物、スポーツ物じゃねえか」と割り切っているわけです。要は「ゲームは成熟産業」なんだからという論理。これに一番近いのがEAやUBI。だから彼らは強い。

日本のゲーム会社が今追い詰められているのは、欧米のゲーム会社のデル的なビジネスロジックに対抗する方法を編み出せていないから。その中でいくつかの会社は同じことをやろうとしている。でも多分、その中で生き残るのは半分にも満たないでしょう。

デルになれないなら、別の道でデルに勝たなければいけない

ちなみにハードの世界において、ソニーはデルが強いことを認めつつも、”ソニーはデルになれない”と自覚し、デルに対抗する手段を編み出そうとしています。デルになれないなら、別の道でデルに勝たなければいけない。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース「久夛良木健氏が語る、ソニーの半導体戦略」
> ところが、そうなると、付加価値は全部流出してしまい、これはいい目の付け所だな
> と思う製品を作っても、他社が追っかけやすい構造になってしまった。これは、ソニー
> だけに起こったことでなくて全家電メーカーに起こったこと。つまり、家電メーカーの利
> 益率が低下しているのは、韓国、台湾、中国と含めた汎用化が起こって、他のどの
> 地域でも作れるものをやっているから。互換性のために規格化されるから、LSIひとつ
> とっても、似て非なるものをどこでも作れる。だから、何か出しても、あっというまに儲か
> らない価格になってしまった。
> (中略)
> あとは複数のメーカーが、みんなで戦って、コモディティになればいいと。見事な計算で
> 作り上げられたビジネスモデルだと思う。
> ところが、ここでシステムで成功するには、Dell Computerと同じことをしなければなら
> ない。Dellのサプライチェーンマネジメントはすごいけど、DellやAmazon.comが世界
> 中で100社も成り立つとは思えない。ごく限られた企業だけが残る。
ソニーはようやくそれに気づいた。それでこの3年で、デルに対抗できる体制に転換しようとしている。できなきゃデル路線に食い殺される。すでに食い殺され
かけているわけですが……それをはっきり見抜いて対抗手段を提案できたのが久多良木氏1人しかいなかったから、ソニーは今彼の所に権限を集めている。
まさしくソニー必死だな(藁
PSXの騒動を見ても、ソニー必死だな(藁
ネット上のあちらこちらで嘲笑の声が上がるのも無理はない。まさしく嘲笑の極みとはこのことよ。けれども日本のゲーム業界は、それを越える嘲笑の極みの極
み。
なぜならソニーは解答(少なくともそう信じられるもの)を手に入れたけど、日本ゲーム業界は手にしていないから。今は溺れ死んでしまわないように、必死に
バタ足し続けている状態にすぎない。
ゲームの部品化とディベロッパーチェーンマネージメントミドルウェアビジネスの台頭も、結局はゲームソフトの「コモディティ化」の一端に
すぎない。単純にそこだけを見て、欧米はミドルウェアがあるから効率的で、日本はミドルウェアを自作しているから非効率だなどと、世迷言のようなことを延
々と主張しつづけている人間もこの世にはいるようだけれども、今起きている変化は、そういう局所的な変化ではないのである。
例えば、この2年間で、欧米の(特に英国の)ゲーム開発会社がかなりの数、パブリッシャーに切り捨てられているけれども、これだって要はサプライチェーン
マネジメントならぬディベロッパーチェーンマネージメント
とって都合の悪い開発会社は切られていくというビジネスロジックなのである。
作家と出版社の関係で、作家が出版社から一方的に不利な契約を押しつけられているという構図ではじつはないのである。そうとらえるのは古い見方で、もっと
大きな流れの中で、ゲーム開発スタジオは作家からゲームの部品を担当する分業者になりつつあり、マネージメントの論理がきわめて強く働くようになってい
る。
(単純に”PCの技術”が有るとか無いとか、開発力があるとか無いとかではないのである。シリコンバレーの連中は時代認識を刷新しているというのに、一部
の”欧米PCゲームマンセー”人間だけがいつまでも認識が刷新されていないのである。)
(この記事は旧サイトから掘り起こしたものです。元々は2003/12/15(Mon)に書いたものです)

Posted by amanoudume at 06:09 個別リンク

今後10年の戦略とは

ゲームの世界にもやってきた「価格破壊の10年」

梅田望夫・英語で読むITトレンド
IT産業に迫る「価格破壊の10年」

ここ数年、そしてこれからの10年を表すキーワードが「Cheap」だという話。
まずはGoogle。
> 1万2000台のCheap server(1台平均2000ドル)で、1億7000万ページビュー
> を処理するシステムを構築している。そしてその上、壊れたサーバーは捨てて、
> 「剃刀の刃」を取り替えるように新しいもので置き換える。サービス契約も
> しない(ここがベンダー側の利益になる部分)。だからシステム開発コストの
> 常識に比べて、10分の1でシステム構築が行なわれている。

> インドと中国については、説明の要もあるまい。労賃が安いところへのアウト
> ソーシングがどんどん進んでいる。

> これから登場する格安の店で簡単に買えてしまうWi-Fi等の無線製品群は、
> ミニコンを駆逐したPCのようなもの。何が駆逐される側の現代のミニコン
> なのか。それは3G等のWireless Wide Area Networksだというわけである。

梅田望夫・英語で読むITトレンド
グーグルとデルとウォルマートの共通点
ゲー
ムもそれ以外の産業も、多くの企業にとって、今が非常に苦しい時期なのは確か。その最大の悩みは価格破壊。デフレ。ハードにしろ、ソフトにしろ、どんどん
価格を下げざるを得ない状況が続いている。そして価格が下がれば、その分製造費や開発費を削らなければならず、例えば人件費の削減、雇用の削減という厳し
い事実につき当たる。
それは一時的な問題ではなく、今後ずっと続く。まさに「価格破壊の10年」はまだ始まったばかり。
   えっ、苦しいって?
   大丈夫、来年はもっと苦しい。
   再来年はもっともっと苦しい。
これは時代の変化であって、台風のような一過性の苦しさではない。おそらく。
> そこで、彼は2つの道しかないと書く。1つはLow Disruption。
> もう1つはHigh Disruptionである。その中間はあり得ないのだと。
これは既に家電にも、ゲーム機にも起きている。例えばゲーム機でいえば、PS1(49ドル)、そして今年の年末のGC(99ドル)が低価格帯。PS2と
XBOXが高価格帯。日本では2層の市場を意識する機会は少ないかもしれないが、欧米でははっきり確立した市場になっている。
# 読者の中で、日本人の感覚が抜けられない人は、同じく梅田望夫氏の「日本とあまりにも違う家電に対する米国の認識」を読むことをおすすめする。

> びっくりするほど安い製品やサービスを提供しつつ、価格破壊革
> 命をレバレッジしてそれでも利益が出るように事業展開するのが、
> Low Disruptionである。その代表例にGoogleを挙げる。

> Googleという会社の凄みは、新しいイノベーションとそれを支える
> 技術が高度だというだけでなく、産業の水準に対して10分の1の
> コストで、Karlgaardの言葉を借りれば「価格破壊革命をちゃんと
> レバレッジして」システムを実装してしまっている点にもある。

自分自身をどう位置づけるか
ゲーム機のハードとソフトの価格競争はここ数年、激化している。ハードの値下げもそうだが、バンドルソフトの本数の増加はとくに欧州で深刻。ソフトの価格
も下がっている。日本も廉価版や低価格ソフトか、高い金を出してもらえる大作ソフトしか、売れなくなっている。LowかHighか。中間は生き残れない。
自分を、自分の商品をどう位置づけるのか、それが明確でなければ、売れないのである。また、低く売る場合にも、身銭を切って売るという論理はもはや通じな
い。無限に血を流すだけである。今だにそんなことを真顔で言っている人がゲーム業界にはいるようなのだが(例えばXBOX信者とか)、時代錯誤もはなはだ
しい。「中間」の市場が成立していた頃なら、まだ血を流して勝つという戦略はあったかも
しれないが、今は気が遠くなるほどの血を流しても、それでも市場は買えないのである。それぐらい価格破壊が進んでいるし、今後はさらに進んでいく。
逆に、Highの例を挙げるなら、「GT」や「ウイイレ」。GTにあわせて多くの人が買い、そして1万円もするのに30万台売れた。あれが5000円ぐら
いの価格設定で、その値段で出すために、中途半端な作りになっていたら、とてもあの台数は売れなかったはず。(実際に買った人たちに話を聞いても、彼らは
安いもの、そこそこなものがほしいんじゃない。いいものがほしい)
欧米が強いとか、日本が強いとかいう狭い話ではない

こうした時代を”勝つ”ためには、ゲーム会社も対応が必要なわけだが、それは単純に欧米の開発が良いとか、日本の開発が良いとか、そういうロジックではない。もっと大きな話で考えないといけない。
(欧米市場は日本市場と違って、大変好調だが、欧米は人件費が日本より高く、遠からず問題になる。また開発期間の長期化しがちなスケジュール管理の悪い開発会社は、よほど強い会社でなければ(つまりidやValve)、パブリッシャーから切られ始めている。)

次の10年の勝ち抜きにおいて、非常に有望な会社はいくつか挙げられるが、このネタは今後何度も書くつもりなので、今回すべてを書き尽くすつもりは無い。

タイムリーなネタなので、サミーの戦略
例に取る。
(サミーが好きではない人は、ここの読者には多いかもしれないが、ボクは常々「好き嫌いがどうであれ、現実は変わらない」派なので、ためらいもなく書くこ
とにする)
> 具体的にはサミーが開発した低コストの業務用ゲーム機「アトミスウェイブ」
> をセガが業務用ゲーム機として採用するよう働き掛けていく。同ゲーム機は
> ソフトを交換することで様々なゲーム機として遊べるのが特徴。セガが生産
> 停止した家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」向けMPUを利用しており、
> 現在サミーは日本と米国で販売している。同社長は「一回あたりのゲーム料金が
> 10円でも採算が取れるほど低価格なため、発展途上国にも販売できる」とみている。
セガが「ダービー・オーナーズ・クラブ」で道をつけた路線をいわばHigh Disruptionへの可能性とするなら、このサミーの狙いはLow
Disruption。いわゆる「10分の1のコスト」である。
低所得な国に安く多く売ろうという流れは例えば、PCでも(東欧市場向けに)起きているし、今後成長の見られる中国市場でも同じである。
LowとHigh。そして中間はあり得ない。これが今後のコンテンツ産業(ゲームよりは進行が遅いだろうが、いずれ日本のアニメもこうなるのは見えてい
る)が直面する厳しい現実。
補足。あちこちで書いたのだが、どうもサミーの例は感情論的に反発を覚える方が多いのか、あるいはどうしても日本でのアーケードの話を意識する方が多いの
か、議論がかみ合わない意見が多く寄せられて、少し残念な思いがしています。日本以外の地域では、日本とは相場が違うのだということがなかなか想像できな
い方も少なからずいらっしゃるということを実感しています。日本で普通の値段でサービスされているものが低所得な地域では、”法外に高い”ように感じられ
る、そもそも質と金額のトレードオフ以前の問題とさえいえるということは認識する必要があると思います。

Posted by amanoudume at 05:09 個別リンク

ゲーム業界の構造的変換を示す「遠心力」というキーワード

またもや社内ページで使ったネタをこちらにも。最近多いけど。

梅田望夫・英語で読むITトレンド「PC技術の構造的転換を示す「遠心力」というキーワード」
(ボクは米国のIT業界で起きていることと同じような現象が、ゲーム業界でも起きているという考えをもっているため、梅田望夫氏のBLOGからの引用が最近かなり増えています。)
IT業界とゲーム業界を同一に捉えるわけにはもちろんいかないが、ゲーム業界においても「遠心力」という言葉はキーワードになってきたと強く感じる次第だ。

求心力(centripetal force)に支配されてきたこれまでのIT産業。すべてのものを中央のpersonal computing deviceに近づけようとするのが求心力なのに対して、ワイヤレス革命がもたらすのは遠心力。PCをバラバラにしていく方向に働く力のことである。

1つ前の産業構造転換をもたらした心臓部であるPCがdisintegrateされる新時代だから、25年ぶりの産業構造転換だというわけ。

PC時代のルールはintegration。つまり、ありとあらゆるコンポーネントを1つのPCの中にintegrateしたから、それらを機能させるためのソフトも必要だった。周辺機器はPCと物理的に接続するという前提条件で作られていた。
ここまで読んで、「何だ、これはユビキタスについて日本で語られている話に似ているではないか」と思った人も居るかもしれない。

ゲームの場合は、これはむしろソフトとソフトメーカーにおいて、はっきり発現している。ファミコンの登場によって、TVゲーム機の周辺、すなわりPCゲーム、アーケードゲーム、玩具、その他の分野からじつに色々な会社がTVゲームという市場に集まってきた。

またゲーム機のハードウェアも、基本的にはコンポーネントを増やしていく一方の流れだった。XBOXに至っては、ネットワークアダプタとHDDまで搭載することになった。周辺機器との接続性についても、基本的にはワイヤードで、しかもTVゲーム機を中心とした接続法が至極当然のように思われてきた。
以上が「求心力」の時代。

しかし今後は逆になる。「遠心力」の時代。TVゲーム機という世界から色々な物が出て行く時代。スクウェアエニックスは今期、携帯電話とPCという非TVゲーム機分野の売上が全体の4割を占める計画。コーエーはオンラインゲームはPS2ではなく、PC優先で出していくことに方針転換。セガもTVゲーム機以外の路線を積極的に拡大していく。

スクウェア・エニックスは、パソコンや携帯電話などゲーム機以外へのコンテンツ(情報の内容)供給を拡大する。半導体メーカーやパソコン周辺機器会社、通信会社との連携を強化、通信技術などの発達でゲームを遊び環境が拡大しているのに対応する。今3月期は売り上げ構成の約4割をゲームソフト以外の分野にする見込み。
元々、TVゲームの市場というのは、周辺の様々な会社が集まり、豊富で多様なコンテンツを送り出すことで支えられてきたもの。それは「温室」にたとえるこ
とができる。

昔はTVゲームという「温室」の外には荒野しか広がっていなかった。だからみんな、ショバ代を払ってでもそこに集まった。しかし今は違う。外には花畑が広がっている。ショバ代を取られることのない広大な、とても広大な世界。しかも温室はどうも荒れてきた(w 昔ほど居心地がよろしくない。
「おーい、みんな。ちょっと温室が荒れてるんだ。一緒に直してくれないか?」
「はぁ? 俺たちが何のために金を払っていると思ってるんだ。温室の世話は庭師の仕事だろ(藁」

TVゲームという「温室」で培った資産、ノウハウ、技術が外の世界に広がっていく。TVゲーム文化は非常にすばらしい高みに達した。周辺に存在する、たとえばPCゲーム文化を見事に粉砕してのけた。PS2はPCゲーム文化に対して、これ以上無いほど強烈な一撃をお見舞いした。現に、PCゲーム市場は年々縮小していった。PCゲームオンリーの開発会社は好調とされる海外においても、パブリッシャーから見切られ、見捨てられ、潰れていっている。大作ソフトは延期に次ぐ延期で、いつまで経っても出ない。PCゲーム文化は滅亡寸前。いや滅亡したと断言してもかまわないかもしれない。もはや誤差程度の違いだ。ライターの質もますます低下し、糞みたいな記事をたれ流しているだけだ。PCゲーム文化の死。

まさに「求心力」の時代が絶頂を極めたのが去年から今年の前半にかけての話。そして「遠心力」の時代になった。ゲームのユビキタス時代。すなわちゲームがありとあらゆる所に溶けていく時代。これは以前から何度もしつこく書いている通りだ。携帯電話とPC以外にも、パチンコ・パチスロへの浸透、さらにはファミレスでのゲーム端末、将来的にはカーナビへのゲーム搭載(後部座席の子供たち用)もあるかもしれない。

こうしてあらゆるコンピュータデバイスにゲームが溶けていく。PSXはSCEにいわせれば、ゲームのリアルタイム性とインタラクティブのセンスをデジタル家電の世界に持ち込んだ自慢の製品らしいが、将来的にはスクウェアやナムコがその2Dメニューのセンスをソニーや東芝やパナソニックのデジタル家電のメニュー開発に活かすかもしれない。そういうことも十分ありえる。

またXavixにしても、あれはハード的にも人材的にも、TVゲームが玩具に溶けていった姿といえる(だから以前、XavixとPSXを比較したわけだ)。今、一見あちこちで起きている現象、それらをすべてカバーできるキーワード、それは確かに「遠心力」の一語に他ならないのである。

Posted by amanoudume at 04:43 個別リンク

滅びつつあるPCゲームと新しい可能性?あるいはただの最後の輝き?

PCゲーム市場は年々、縮小しつつあります。一番の要因は、PS2の登場によって、従来ならPCゲームを購入していた大人層がPCゲームではなく、PS2
を購入し、PS2のゲームを遊んでいること。
無論、あらゆるPCゲームがTVゲーム機で満足ゆくレベルに達するわけではありませんが(解像度やマウス等)、大多数のゲームがPS2で遊んだほうが遊び
やすく、快適。(操作の簡単さ、PCとTVの設置位置の違い、ディスプレイとTVの大きさの違い。フレームレートや動作環境の安定性、……)
ソニーの世界市場における最大の貢献は、従来、最も攻略が難しかった欧州市場の発掘ですが、ここは同時に、PCゲームの比率が極めて高い市場でもありまし
た。PS1、PS2と2世代続いたTVゲーム機の浸透により、TVゲーム機はかなりの勢いで浸透しています。(欧州はソニーブランドが強力な地域でもあ
る)
マルチプラットフォーム化が進み、TVゲームでPCゲームが遊べるようになっただけでなく、有力マルチタイトルのかなりがTVゲーム版のほうが早く遊べる
ようになったのも大きいでしょう。
アジア市場はPCゲームの方がまだまだ圧倒的ではあるが、有力ソフトメーカーは、TVゲームという巨大市場への関心を日増しに高めている。たとえば韓国は
元々市場が非常に小さいため、韓国外での市場展開が大きな課題になっているわけですが、そうであれば、縮小しつつあるPCゲーム市場よりも、TVゲーム市
場に乗り出したほうが将来的には可能性があります。今は、過渡期で、自分たちの得意とするPCゲームをやりつつ、少しずつ勉強している状態でしょうね。
もちろん、日欧米のパブリッシャーがアジアの開発会社に目をつけ始めたことも背景にはあります。ビッグチャンスはTVゲーム市場にある。
PCでしか開発できないような開発会社は、むしろ淘汰の対象になりつつあって、TVゲーム版との同時開発が求められるようになっています。パブリッシャー
側が、時代遅れの開発会社を切りはじめました。
移行できない連中はかわいそうだが、消えてくれ、ということ。
安易な「パブリッシャーVS開発会社」の構図を持ち込むのは早計と単なるプロパガンダであって、時代遅れの人間を企業が解雇するのと変わりません(まぁ従
業員と会社間の契約をいっしょにするのは乱暴ではありますが)。
海外が強いといっても、一方では負け組にはシビアな淘汰が起こっています。
海外の状況に同情? 少なくともボクにそんな”全世界労働組合”的な発想はありません。少なくともこのBBSにおいては、そんな主張、プロパガンダを許容
するつもりもない。おかしな”政治”の場にされては困る。
ただ、日本国内に限定すれば、開発者リソースの損失を最低限に抑えるべきということに関心があります。日本のゲーム業界は今、かなり不景気ですし、また北
米市場拡大→北米で売れるゲームは
北米で作るべし→北米の開発人員増加という論理が急速に広まっているため、企業の総雇用能力が一定と仮定するなら、日本の雇用状況はどちらかといえば、悪
化しつつあります。
2年ぐらい前なら、「業界再編」というキーワードの下に、中小の開発会社が潰れた結果、流出した人材を確保して、総開発能力を高めようという人的戦略が大
手ソフトメーカーにはありました。現在はしりませんが、カプコンはそうでしたし、ナムコも去年は国内の開発人員を3年で倍増すると息巻いていました。
無論、理性的な会社であれば、一時の流行り病のような、SARSのような安易な論理に軽挙妄動せず、まぁ確かに北米での人員は増加させるけれども、国内の
人員の安定確保は継続するでしょう。
ただ、さすがにあらゆる会社、あらゆる経営者が理性的であると信じるわけにはいきません。過去にどれだけ短期的近視眼的な選択によって、失敗を繰り返して
きた人間でも、むしろそういう人間だからこそ、安易な論理につき動かされて、軽挙してしまうことはあるでしょう。
日本は会社単位で、数年かけて人材を育成する(現場で勝手に育つのもふくむ)環境であり、せっかく成長した人たちがたかだかの不景気程度で、この2,3年
の状況程度で、もったいない結果になってしまっては、中長期的には日本のゲーム産業は大きな力を失ってしまう危険性があります。
そういう意味では、「安易なアメリカ優位論」「日本の開発者は時代遅れの骨董品」「技術者がだめぽ」的なプロパガンダ・イメージを広めている人間というの
は、日本ゲーム産業の敵でしかない、とさえ言えます。冷静な議論は歓迎だが、海外の一時の状況だけを見た、チープな主張は、短期的には日本のゲーム開発者
の低減、中長期的には日本の総開発能力の低下、さらに超長期的には”国内市場軽視による”次世代のゲーム市場ならびに次世代のゲーム開発者の低下をまねき
ます。
また一方で、海外も必死なわけです。
海外のゲーム市場が好調とはいえ、一方で淘汰も起きています。また、技術力が高そうなイメージのある会社でさえ、もはやミドルウェアが無ければ、開発でき
なかったり、GPUメーカーにシェ―ダーを書いてもらわなければならなかったり、技術の空洞化は着実に進んでいます。
特にPCゲームしか作れない会社は必死でしょうし、狭い意味での技術に夢中になって、ゲームを作ることを忘れてしまったゲーム会社、”技術オタクにはたま
らんけどちっとも面白くない”ゲームしか作れない海外技術者は必死でしょう。
なぜなら彼らの未来は全然明るくないから。ゲーム以外のソフトウェア産業や、ハリウッドからの人材流入は続いており、むしろ中途半端な連中は徐々に淘汰さ
れていきます。また、シリコンバレーの状況を見れば、ゲーム業界でも同様に、技術の海外へのアウトソーシングは欧米では進んでいくでしょう。
するとどうなるか。
アメリカよりも人件費の安い日本、さらに安いアジアに仕事が流れていくことになるわけです。だから必死な人たちは、自分たちを擁護するためのロジックを作
る必要がある。日本のプログラマーはアセンブラとCしか知らないだの、初等的な数学と物理しか知らないだの、必ずしも実態とかけ離れたちゃんちゃらおかし
いプロパガンダ・イメージを捏造して、全世界にばら撒きます。
「そうかー。日本は技術力ないね。だめだね。君ら、金はかかるのに”いつまで経ってもゲームが完成しないから、切ろうかと思ってたんだけど、それならもう
少し猶予をあげようかな」なんて、言われるのを期待しているのかどうかw
まぁ働く人間が、自分の有用性を主張するのは彼らの権利であり、当然の行為でしょうから、くだらぬ妄言には反論するにしても、それをどうこういうつもりは
ありません。
実際に日本の技術を云々している人たちの大半が、「あれ、そういえば最近ゲームがまったく完成してませんね」とか「なんかやってたんですか、最近?」とい
う人たちであるのは指摘しておきますが。
しかしそういう海外開発者の論理に乗っかって、日本のゲーム産業の片隅でチュウチュウ蜜を吸いながら、日本のゲーム産業の衰退に嬉々として手を貸している
連中もいるわけです。
現状の課題に真摯に取り組むことと、安易なプロパガンダ・イメージをばら撒くことはまったく別です。

梅田望夫・英語で読むITトレンド
「年収500〜1000万円の仕事がなくなっていく米国」
>
「グローバルに仕事が移転する時代では、ある時首を切られて、
> それ以降全く仕事がなくなってしまう、ということが十分起こり得る。 >
IBMをはじめとするIT企業は、オフショアリングとか称して、
> どんどんソフトウェア関係の仕事を海外に移転させている
海外ではパブリッシャー側の管理がシビアな管理に向かっている。いくら市場規模が大きくても、海外のゲーム開発会社が誰も彼も同じだけのチャンスを与えら
れるわけでも、同じ扱いを受けるわけでもない。むしろ勝ち組と負け組の選別がますます加速し、激化している。
スケジュール内でソフトを開発しきれない開発会社なんて要らないのである。今はまだ数年前の論理で動いている会社も存在するが、生き残れるのは過去の資産
(過去に稼いだ資金、ブランド等)をかなり持っている会社だけで、そうした会社も過去の資産を食いつぶしているのが実情。
結局大作FPSはどれもこれも来年に延期してしまった。思えば、ここ数年で納期を守って、高い品質のソフトを発売してきたのは、基本的にTVゲーム機系の
会社ばかりである。
Splinter Cell ← レアのGolden Eyeチームの系譜。
Metroid Prime ← レトロスタジオ。元イグアナ(テュロックチームの系譜)。
Medal Of シリーズ ← PS1から出発した珍しいケース。
Halo ← BUNGIE。XBOXを機にPCからコンシューマへ移った賢明な会社。
     まだコンシューマーの空気になじんでないせいかどうかは知らないが、
     「来年春発売」から「発売延期」になるという噂が流れている

Posted by amanoudume at 04:33 個別リンク

あるいは米国のゲーム開発者が直面する厳しい現実 

梅田望夫・英語で読むITトレンド
「米国のITエンジニアが直面する厳しい現実」

多少長い引用になりますが。
> アメリカという国は、好むと好まざるとに関わらず、変化をどんどん受容していく
> 体質を持つ。だから、誰でもできる製造業が空洞化したように、誰でもできる
> プログラミングを、国内の雇用維持のために残そうなどというドライブは働かない
> そしてこの厳しい雇用トレンドは、情報サービス分野に限らない。スタートアップ
> の世界でも「80%ルール」というのがある。エンジニアリングチームの80%を海外
> にもっていきコスト構造を下げることを投資条件とするベンチャーキャピタルの話。
> こうした緊張感の中からしか、高コスト構造でも見合う新しい雇用を含む新し
> い産業は生まれない、それが先進国の宿命なのだ、というのが米国の流儀な
> のである。
これはシリコンバレーの話だが、ゲーム産業においても同様のことが起こると思う。
娯楽に関しては”地域主義”という考え方があって、つまりその地域の市場の大半は、その地域の文化・嗜好性が強く反映された作品が占めることになるから、
その地域の人間が作ったほうがいいという理屈である。
まぁこれは確かにもっともな話ではあるので、だからシリコンバレーのITエンジニアほど、米国のゲーム開発者は追い詰められないとは思う。とはいえ、彼ら
の人件費は高いし、開発人員も単調増加しつつある。
そういう状況で、彼らがこれからどうなっていくのか。現時点では、北米市場の活況にともない、日本のゲーム会社が現地に開発スタジオを設立したり、拠点を
強化しつつあるので、雇用は余裕があるのかもしれない。
しかし英国でいくつもの開発会社がパブリッシャーから切り捨てられているように、時代のニーズに合わない開発会社はこれからシビアな現実に直面することに
なるのだろう。そこには、安易な米国優位論の入り込む余地など無い。
(この記事は旧サイトから掘り起こしたものです。元々は2003/11/11(Tue)に書いたものです)

Posted by amanoudume at 04:10 個別リンク