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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年10月27日

人口ボリュームで考える大作路線の未来

エロ本編集者の憂鬱と希望 2006-10-23
団塊ジュニアとかぶるファミコン世代でも同じ事が言えるかもしれませんね。
ゲーム機に慣れ親しんだ最初の世代が団塊ジュニアであり、ファミコン世代です。そしてファミコン世代以上の人口ボリュームは、それ以降存在しません。つまり大雑把にいえば、国内のゲーム機戦争のゆくえは、ファミコン世代をどのハードが取り込むかで決まってきた、と言えます。最初の10年でファミコン世代の心にテレビゲーム文化が刻まれ、次の10年で任天堂を卒業したファミコン世代がソニーに移り、その次の10年で再び任天堂に戻ってきました。

任天堂からソニーにトップシェアが移ったのは、ファミコン世代が大学生になって任天堂から卒業したこと、余暇とそこそこの資金があったこと(PS時代の後期はクリアまでのプレイ時間が長いことが評価された)、SFC時代の象徴ともいえるスクウェアがPS陣営に移籍したことが要因です。DSで任天堂が成功したのは、タッチジェネレーションによるユーザー層拡大の成果はもちろん大きいものの、ハード台数の下支えとして、大作ゲームに疲れ、飽きてきたファミコン世代の携帯ゲーム機支持があったからです。ファミコン世代は『Newスーパーマリオ』の爆発的な売上にも大きく寄与しています。ファミコンミニ以降、任天堂がじわじわ任天堂ジェネレーションを引き戻してきた成果が発揮されたと見ることもできるでしょう。

リメイク『FF3』の成功を見ても、ファミコン世代マーケティングが今のゲーム市場できわめて効果的なことがわかります。そういう意味では、対象年齢を微妙に下げた『テイルズ・オブ・テンペスト』のキャラクターデザインはズレたマーケティングだったといえます。それ以前の問題で、えらい騒ぎになってるようですが・・・・。

このあたりは任天堂ハード=子供向けというイメージの根強さによるものでしょうね。『FF3』も最近のFFと比べれば主人公たちの年齢が低く見えますが、まぁファミコンの頃のFFはこんな感じだったので。DS版『FF12』のキャラデザも少し年齢が下がっています。これは、子供へのFF入門ソフトという位置づけなのか、ファミコン世代向けなのか、どちらと見るべきか。(開発者インタビューでは前者のようにコメントしていますが)

しかし懐古系の流れを除くと、まだファミコン世代の変化に対するマーケティングが十分とは言えません。現時点で明らかなのは

  • ファミコン世代に知名度のあるタイトル
  • PSPのような美麗さは不要だが、グラフィックもそれなりに質の高い仕上がり(DSとしては)
  • すぐに始めて、すぐに終われる
といった事です。

では新作はどうするんだ?
というと、全体として新しい大作は欧米市場を意識したものになっています。ファミコン世代が大作に疲れ始めているので、大作を買い支える層が乏しくなりつつあります。より若い世代は人口ボリュームでファミコン世代より小さいため、国内向けの大作は必然的に難しくなります。結果的に欧米のユーザーも含めたグローバル市場で採算を考えなければいけません。

国内市場はライトな作品、リメイク作品を携帯ゲーム機向けに投入しつつ、大作路線は日欧米すべてを計算に入れて開発を続ける。これが多くのゲーム会社にとってのスタンダードな開発戦略になります。DSの成功で見直されているのは、前者のライト路線です。

個人的に残念なのは、ファミコン世代の年齢上昇にともなって、作品をより大人向けにしようとするゲーム会社が意外と少ないことです。ストーリーを廃したライト路線か、ストーリーの質(傾向)は従来のままで世界市場を狙った大作路線の2つしかありません。

ボクには昨今のRPGをやる気力はほとんど残っていませんが、一方で大人向けのストーリーをインタラクティブなメディアで楽しみたいという欲求は持っています。ここは手つかずの領域だと思うのですが・・・・。ボクがストーリー系ゲームが売れなくなってきたという事実を述べながら、一方でライトノベル、アニメ、ノベルゲームといったストーリー系メディアの記事が増えている真意は、じつはそこにあります。


補足
現時点で出ている情報だけで判断してるので、勘違いの可能性も大ですが、『すばらしきこのせかい』が何となく引っかかっています。2画面の戦闘は微妙な気がしますし、RPGという形式の有効性も疑問なのですが、作品の内容にライトノベルの影響を感じるんですよね。ライトノベルの非ノベルゲームへの影響。そこだけがとても気になっています。

Posted by amanoudume at 2006年10月27日 03:17 個別リンク
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コメント

私も三十路を超え、自分自身も「もう見てくれだけのゲームはいいかなぁ」なんて気持ちが強いのですが、周囲のゲームファンも見渡すと、例えば「ひぐらし〜」を当初から面白がってプレイしていたのが、同世代の友人に多いという事に気がつきます。
かのゲーム、こういっては失礼かもしれませんが、画としてはそこまで目を引くものではない、プログラムも凝っていません。
初見で若い人が惹かれるものではないでしょう。
しかし、ある程度年齢のいったファンは見てくれがどうでも、お話が面白ければ、ゲームが楽しければ評価するんですね。
決して若い人を馬鹿にする訳ではないんですが、私も若い頃はもっとイメージ優先でゲームを選んでましたね。
そういえば、昔は女優さんの顔でAV借りてましたねw
・・・・・・今では、シチュエーションで借りますwww
(↑結構、ある一面の真理が含まれていると、自分では思うのですが)

子供向けに作ってあっても、構成がしっかりしていたら、大人は評価します。
テイルズオブテンペストは・・・どうもそのあたりを読み違えて作っているように思えました。DS人気にとりあえず便乗したという感じで、客層を見極めなかったのでしょうか。

TYPE-MOONというか奈須きのこ氏もそうですし、竜騎士07氏もそうですが、
ほぼ同世代ですよね。そのあたりに通じる何かは持っているのだろうと
思います。

同世代的な作品作りというのは、酷評してしまえば、閉塞的ではあるの
ですが、一方で必然的に生まれてくるものでもあります。

ファミコン世代向けのストーリー系インタラクティブメディア、という物は
やっぱり望まれていると思うんですね。ただ、従来のRPGの延長戦上
かというと、それは疑問ですけども。


以下、少し話が脱線しますが・・・・

ボクはいつも売上至上主義的な態度を見せているので、マイナー
作品を十把一絡げに切り捨てているように誤解されるのですが、
それは仕方ないなと思ってはいるのですが、本当に誤解でして。

ボクは自分自身がエロゲー好きでもあって、マイナーなモノが好き
ですから、世の中には万人受けというくくりでは表現できないものが
多くあると理解し、痛感しているんですよ。だからクリエイターは
より多くの人間に楽しんでもらうことが望みである、という言葉は
詭弁なんです。

別に100人でも1000人でもいいから、伝わればいい相手にだけ
伝わればいいモノはあるんですよね。ただ、商売としてやっていく
上では、黒字にしましょう、という事はルールにしないと、まずかろうと。
ただそれだけなんですね。

ボクが批判的なのは、ゲーム業界では金のかかるマイナー作品が
少なくないという事です。宮崎アニメであるとか、ハリウッドの娯楽
大作みたいな、誰でもわかるような、誰でも楽しめるようなつくりに、
”一応はしてある”ものなら、まあいいんですけど、そうじゃないのに
金と時間と人数がかかっているものがあるでしょう。あれが大嫌いで。
だってそれって、要は他のソフトが稼いでいるから成り立つわけです。

そういう金食い虫ソフトが、やれ作品性だの、「xxxらしさ」だの、
伝統だの、訳のわからん事をいって、開発期間を多大に消耗
するというのは、各ゲーム会社やゲーム業界にとって癌でしかない
と思うんですよ。

本当に作品性があるんだったら、もっと少人数で、低予算で、
小規模でも、そういう物が作れるだろう、とボクは思うんですね。
というのは小説好きだからかもしれませんが。
だからストーリー系ゲームは否定的に語りつつも、低予算のノベル
ゲームは肯定しているんですね。

かつてのファミコン世代がFF等のストーリー系に熱中してたのも、
「大人達(ファミコン世代の親)はバカにするけど、ゲームでもこんなに感動できるんだ!」
と、ある意味、背伸びしたい欲求を満たすには十分なものがあったような気もしますねぇ。
この世代の年齢が多感で一層背伸びしたい時期になるにつれ、
スペックも上がっていったので、
"お客さん"としては非常に扱いやすくかつ単純だったのでしょうかね。
アドバンスのFFVもそうした層を狙ったものかな、と。

ただ、大人向けのストーリーって個人的にはまだもやもやな印象って感じですねぇ。
重厚なストーリーものなのか、
張った伏線が次々と解決するようなカタルシスを感じるものなのか、
猟奇的、暴力描写ものがいいのか、等、
よくわからんです。
まぁ無難なのは違和感を感じさせないような高い完成度のもの、なんでしょうけど。

あとは萌えとか。

あまり考えがまとまらなかったので、書いているうちに長くなってしまいました。話が脱線気味で、しかも長文です。

> ボクには昨今のRPGをやる気力はほとんど残っていませんが、一方で大人向けのストーリーをインタラクティブなメディアで楽しみたいという欲求は持っています。

> ボクがストーリー系ゲームが売れなくなってきたという事実を述べながら、一方でライトノベル、アニメ、ノベルゲームといったストーリー系メディアの記事が増えている真意は、じつはそこにあります。

なるほど。
まあ、釈迦に説法でしょうが、つれづれのままに書いていくと、思った点が2点。
(1)ゲームの進化とRPG
(2)ゲームならではのストーリーとは

(1)について。
ゲームシステムの面から見ても、ハードウェアの進歩の面から見ても、なんというのか、「(プレイヤーの行動規約に)制限のない」あるいは、「(現実とは違う)もう一つの仮想空間を作ってそれを体験させるという意味での」ゲームというメディアの特性を最大限に生かした【究極】のゲームを作ろうという方向性において、RPGという表現形式が最も適している、みたいな認識というのは、ある地点までは主流だったと思うし、今でもそう思っていらっしゃっている人もいるのではないかと思います。(特に日本では。米国では、未だに全てのゲームはFPSに収束すると考えていそうな人が多そうな気がしますが)

で、日本の伝統的なRPGの進化形と(目指すべき、あるいは、目指していた)【究極】のゲームの差異が、ユーザーの共通認識として明らかになってきたのは、PS2で沢山の大作RPGが次々と発売され(て、あまりのかったるさに投げ出されたり)、『GTA3』が欧米で大ヒットしたりした時期なのではないかと思います。

要は、DAKINIさんの過去記事もふまえて私なりに書くと、日本のRPGは、伝統的な過去の文法に捕らわれつつも、新技術(大量のポリゴン表示)を導入した結果、事象の抽象化のレベルの差異が誰の目にも明らかなほどぐちゃぐちゃになった(3Dのリアルな画面を歩いていると、画面がフラッシュして、いきなり敵が現れる。「戦闘モード」という特殊なモードに移り、その区域を焼き払うようなド迫力の大魔法をノンリアルタイムでコマンド選択すると、敵全体に大ダメージを与える。敵は、なんか音を立てて透明になって消える。よく分からないが、金を手に入れる。経験値を全員手に入れる。大魔法による味方の被害なし(MPがわずかに減っただけ)。地形も被害なし。みたいな)。世界観が統一していない以上、リアリティを感じなくなった。つまり、感情移入しにくくなった。さらに、ロードが長くストレスがたまるし、経験値上げの作業という苦痛も繰り返ししなければいけない。気持ちが続かない。俺は何のためにこんなことをしているのか。普通、投げ出すと思います。(暴言かもしれませんが、正直な感想です)

一方、大量のポリゴン表示による箱庭的3Dアクションゲームからのアプローチは、PS1(『ジャンピングフラッシュ』)や64(『マリオ64』)辺りからその流れはあったとは思いますが、『GTA3』で一つの頂点になった、という感じですかね。現在だと、360から始まる次世代据置機では、これにFPSやネット技術、RPGなどの流れを融合させて、【究極】のゲームを実現しようというのが、技術的にもゲームシステム的にも(世界市場の)主流っぽいような。

(ここまでが前ふりです。長くてすみません。)で、「箱庭的3Dアクションゲーム」からの流れのゲームというのは、当たり前かも知れませんが、ストーリーと相性が悪い、というか、基本的にストーリーはあって無きようなものにせざるを得ないのに、(日本の伝統的なRPGからのアプローチとして、あるいは、融合を目指して)「作家性」や「メッセージ」を無理やり入れようとしているのが一つの問題なんだと思います。

なぜなら、「作家性」や「メッセージ」というのは、「何を選択したか」という「編集作業の結果」であり、一本道でないといけない訳ですが、「箱庭的3Dアクションゲーム」は、プレイヤーの好きなように「何でも出来る」のが面白さに直結するという構造を持っており、両者は矛盾するためです。

しかしながら、無理矢理両者を両立しようとして迷走し、その結果、ものすごく無駄な労力を使っているゲームが一部にあり、今でもその努力を続けている人達がいる、というのが現状なのかも知れません。例えるなら、文章では一行ですむところが、ゲームの場合、綿密に作られた箱庭の中をインタラクティブに散策できないといけない、とか。(いや、チャレンジは重要だとは思いますが、そんなことしている場合か、みたいな)

・・・というか、ストーリーというのは、散文的な現実を誰かが解釈した意味や感覚などを抜き出した、抽象化したものである訳で、全ての具象化を目指し、プレイヤーに自由に体験してもらおうとする「箱庭的3Dアクションゲーム」では、制作者による誘導や意図は「世界の造形から感じるイメージ」程度でとどめておくべきであり、「誰かによる解釈」自体は、大きなお世話なのかも知れないと思いました。

で、(2)の話に移ります。

> 昨今のシステム重視(半完成品?)型コンテンツの注目度の上昇について
> http://d.hatena.ne.jp/tosakusha/20061006/1160110699

上のような議論を読んだのですが、少し書いてありますが、もともと、ゲームこそが、半完成品型のメディアだったと思います。まあ、ゲームの場合、プレイヤーの介入なしに展開しないということもありますが、謎が謎を呼ぶ『ゼビウス』とか、前例はいくらでもある訳です。ですから、「箱庭的3Dアクションゲーム」にしても、訳の分からん遺跡があるが、解釈はプレイヤー側に任せるとか、そういうアプローチがあまり無いというか、『ICO』や『ワンダ』は多少そういう謎もありましたが、「謎が謎を呼ぶ」までは行かなかったことと後が続かなかったことは非常に残念なことだと思います。

では、ストーリー重視のノベル系のゲームはどうなのかという話になると、正直、私はあまりノベル系のゲームをプレイしていないので、よく分からない部分はあります。ただ、『Fate』の2作プレイした感じだと、下の議論は頷ける部分がありました。

> http://d.hatena.ne.jp/simula/20061016/p1
> 複数のシナリオ(選択肢なんかも含め)をプレイヤーが読むという行為自体が、パラレルワールドのような他の世界、可能性を想起させることになります。

ある世界をベースにいろいろな可能性を制作者自身が(二次創作的に?)詰め込めることができるということは、ゲームというメディアの特性を生かした利点だと思います。(重複が許され、快適に読み飛ばせることが出来るのは、デジタル化の勝利ですね)

半完成品としての特性を生かしたゲームや、パラレルワールドを前提にした物語の「束」など、そういったメディアの特性を生かした製品ならば、個人的には、体験してみたいし、ゲームでやる意味はあると思います。というか、リソースとメディアの限界や特性から逆算して製品を作るというのは、日本人の得意技だと思いますし、他のユーザーもそれを求めているんじゃないかと思いました。

以上、ぐだぐだと長い長文にお付き合いいただき、ありがとうございました(笑)

> bin3336 さん

相変わらずの鋭い考察、恐れ入りますね。
正直そろそろうちのコメント欄ではもったいない気もします。

ま、それはさておき、1)の「仮想世界シミュレータとストーリー物って
相性悪くない?」問題は、まあその通りですね。

そういえば、ドラクエ8のストーリーがその土地その土地のイベント
のじゅず繋ぎに過ぎないのは、箱庭的なリアリティが増したからだ、
という論評を以前どこかで読んだ気がするんですが、どこだったかな。
ドラクエはまぁゼルダほど箱庭よりではないけれども、体験性、
冒険性重視の『ゲーム』ですからね。

この流れのトップはもはやドラクエですが、逆にいうとそれ以外の
ソフトが全滅しちゃった感じですねえ。表現的なリアリティという点では
FF12がシームレスで頑張ってましたが。

ゼルダがGC時代にゲームデザイン的な進化を放棄してしまったのが
痛いなあ。結局、時オカをもう一度やりたいってユーザーが多くて、
遠回りの果てにようやく出るわけでしょう。『任天堂はコアゲーマーの
事もちゃんと考えてますよ』的な宣伝塔以外の何なんだろうか?
まぁボクは買わないので、知り合いが買ったら、感想でも聞いて
みようかな。

スタンドアローンゲームとしての箱庭系って、作りこみはまだ可能
なんですけど、もう面白いものじゃないと思うんですよね。
そんなの作る側も遊ぶ側も不毛というか。

次のステップは『グーグルマップ』的なスケール観の拡大縮小だと
思いますが、それはストーリー的な要請ではなくて。

仮想世界にしても、現実世界ベースにしても、神の視点的な利便性
の世界と人間視点的な没入感の世界は両方ほしいですよね。
特にコミュニケーションベースになると。仮想世界においても、
『地球の裏側』のことは知りたいし。
(SCEが頑張ってるけど、個人向けのGPS端末はなかなか面白い。)

箱庭系とストーリー系の蜜月はもう終わっていて、いや終わっている
というより、かなり行き着いていて、そこに拘っている欧米勢は
やっぱり日本より遅れているなあと思います。

しかし箱庭とコミュニケーションって、一歩間違うとMMORPG
だからウンザリしますなあ。。。。そういうキモい方向に行かない
ためには、GPSみたいな物が必要なのかなあ。。。。
まーボクはそもそも箱庭系という方向にもはや興味をもてません。
しばらくは停滞が続くんじゃないかな。
(5年後か10年後に、いずれ揺り戻しはくるんでしょうが)


2)の半完成型メディアという点では、今はネットがまさにそうなので、
ゲームというメディアの特権性は無いですよね。広い意味で
Webもゲームもインタラクティブメディアだよね、っていえば、
それまでですが。

ゲーム→Web(→Web2.0?つか同人系)
って所でしょうか。

ただ、シェアードワールドっていう仕組みを前面に押し出したものは、
そんなに上手くいってない気がするんですよね。それは仕組みの
話でしょう。人間が興味をもつのは作品とか製品とか商品で、
それを作っている仕組みの方じゃないので。

はてな界隈のシェアードワールドを巡る議論もちらっと読んだ
ことがあるんですが、ちょっと理屈先行型に陥っているなあ、と。

ボクは因果逆転系って呼んでいるんだけど、結局面白い作品や、
キャラクターなんかがあって、それから派生していくものでしょう。
派生する仕組みがあるから、面白いわけではないし、それで
ヒットするわけでもないんですよね。分析は後付だから、どれだけ
分析を並べても『傾向と対策』は作れても、それ以上の物には
ならないんですよね。
(ボクがこのブログで書いてるのもそこまで。そこから先を書いたら、
商売に差し障るから書かない。ゲーム2.0も傾向にすぎません。)

あと、これは禅問答的なクリエイティブ論になるかもしれませんが、
基本的に『きっちり完成した物』って面白くないですよ。ヒット作ほど
未完成というと、ちと語弊がありますが。

教科書的、作品分析的、文法的な意味での完成度がどこかで『崩れ』
ている作品のほうが面白いし、現実にはヒットになります。それを
素でやれてしまう人をセンスが良いとか才能があるとか、もっと極端に
天才というんですけれども。クリエイティブは最後は理屈じゃないんで。
(『崩し』というのは日本人には納得のいく感覚だと思いますね。)

<補足>
ただスクウェアエニックスが1つの世界観から何作も作ろうと
していたり、ライトノベルでも最近シェアードワールドを始めて
いたりするのは、要は1作ごとに世界を作ったり壊したりしていたら、
割に合わないという事情があるからですよね。まぁ当たれば、
おいしそうとか、短期間に何作品も作れるとか、そういった事情が
あるわけですけども。

> 正直そろそろうちのコメント欄ではもったいない気もします。

まあ、そう言わずに(笑)
私の場合、コメント欄だと気が楽なので、ここを利用させていただいている訳でして。

私の場合、DAKINIさんに議論に勝つ…というより、太刀打ちできるくらいの「面白さ」を持つリアクション芸人を目指し、それをコンセプトにしてコメントしているわけですが、今回のようなレベルの長文は書いた後は、ヘロヘロになるので、連発はできません(面白いといっても、ギャグは苦手だしなあ…)。ですので、ここのように(コメントの相手にしながら)質と生産性を両立されているブログは、すごいと思いますし、創作にはものすごいエネルギーが必要であり、そういった意味では全てのクリエーターを尊敬しますね。(さらに言えば、私は飽きっぽいし、それほどサービス精神もありませんし)

あと、今年中はコメントをつけれそうですが、来年はどうなるか分からない状態です。ふと、いなくなるかもしれませんし、何食わぬ顔でコメントしているかも知れませんし、再び、ひょっこり現れるかもしれませんが、そのときもよろしくお願いします。

昔はRPGの中だるみの問題を解消する方法として、ストーリーが生かされてましたね
今はストーリーを肥大化さそようとしてRPG部分が足かせになってそうです
おまけにプレイ時間を引き延ばすためのやりこみ要素も肥大化させようとして
混ぜるな危険みたいな怖さです

ストーリーをインタラクティブに見せるのって本当に未開拓の気がします
RPGも、箱庭も、デジコミも演出で全然行き着いた風には思えないんですよね
ムービーとアップキャラ絵の小芝居に差がありすぎです

キャラが横むきで2人ならんで会話する場面でも
システムとして確率してなさそうです
文字スーパー、書き文字の効果音、顔に斜をいれる、表情をかえる
構図をかえる、ポーズをかえる、頭に絆創膏をつけるなどは
関数1個で変えられる紙芝居ツクールみたいなので工夫してほしいところ

ポリゴン人形劇も残像や光効果くらいしか定番化してないんじゃないでしょうか
せめて漫画・TV的な表現はおさえて、そのうえで新たな演出方法も開拓してほしいところ
でも正直ジョジョの表現のショボさは泣けました
半端なものでダメだしくらうと、またこんな工夫は数年遅れる気がします

うーむ、はてなのエロ編さんの考察を読んでいたら、「ええっ?ぢゃあ、真っ黒オヤジ仕様のPS3で熟女ゲームが流行るん?!?」って思えてきました。

ギャルゲーがコンシューマー機に移ってきてるのもそういう流れと関係あるのかもですね。

むかしから「ギャルゲーファンって、どこかメンタルにはとっくにオヤジぢゃない?」って思ってました。。。。(失礼!!)

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