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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年08月04日

ゲームクリエイターは次世代ゲーム機の夢を見るか?

最近、中島聡氏の Life is Beautiful を読むようになったのですが、「アルファギークはLonghornの夢を見るか?」が興味深いです。

単刀直入に言ってしまうと、「OSのイノベーションでは人々のライフスタイルを変えるほどの革新は起こせるとは思えなくなった」からである。
これからの10年を考えた時に、マイクロソフトがLonghornやそれに続くOSにどんな機能を入れてきたところで、OSのイノベーションに人々のライフスタイルが変わるほどのインパクトを与える力が持てるとは私にはどうしても思えないのだ。
多くのユーザーがマイクロソフトに期待しているのは、「ウィルスに犯されない」、「クラッシュしない」、「使っているうちに妙に遅くなったりしない」OSであり、それ以外のイノベーションはOSには求めていない、というのが一般的な見方ではないだろうか。
しかし、だからといって看板商品であるOSのイノベーションを止めてしまうわけにはいかず、Longhornを出さざるおえないのがマイクロソフトの宿命である。まさに「イノベーションのジレンマ」に書かれているモデル・ケースのような道をたどっているのである。その辺りのジレンマはビル・ゲイツもスティーブ・バルマーも十分に承知の上で、ウィンドウズ・ビジネスで稼いだお金を利用してウェブ・サービス・ビジネスを立ち上げようと、MSNやXBoxLiveに膨大な資金を投入しているのである。

この文章の「OS」を「ゲーム」または「ゲーム機」と読み替えてみても、まったく同じ文章が成り立ってしまうことに気がつくと面白いです。

次の10年で、ゲーム機メーカーが次世代ゲーム機にどれだけの性能と機能を入れても、ゲーム機のイノベーションに人々の娯楽スタイルを変えるほどのインパクトがあるとは思えません。大多数のユーザーがゲーム機に期待しているのは、「手ごろな値段」「デザインが良い」「場所をとらない」「ソフトも手ごろで揃っている」「あそびたい続編が出ている」ゲーム機で、それ以外の変化はゲーム機には求めていない、というのが一般的な見方でしょう。

しかし、かといってゲーム機メーカーが看板商品であるゲーム機の世代交代を止めてしまうわけにはいかず、次世代ゲームを出さざるを得ないのがゲーム機メーカーの宿命です。まさに「イノベーションのジレンマ」に書かれているとおりのジレンマに陥っているわけです。そのジレンマは○○も承知のうえで、過去のゲーム機ビジネスでかせいできたお金を投資して、△△に資金を投入しているのです。

この○○と△△は、ゲーム機メーカーそれぞれで異なっています。たとえばマイクロソフトなら、Xbox Live!を中心とするオンラインゲームサービスですし、ソニーなら半導体工場でしょう(ソフトやサービスではなく、半導体工場という点が象徴的)。任天堂ならコントローラでしょうか?

ゲーム機メーカーはどうしてもゲーム機の内部に付加価値を作ろうとしがちで、その点がまさにジレンマなわけです。しかし現実には、本当の付加価値はゲーム機の内部にはない、という時代に入りつつあります。性能も機能も似たり寄ったりですし、マルチプラットフォーム化するタイトルが増えます。スクウェアエニックスがドラクエとFFのマルチ化を示唆する時代です。

もっともゲーム機メーカーがゲーム機の内部の付加価値を高めようとして、価格が高くなっちゃったり、競争で磨耗している間に、ハンゲームあたりがおいしいところをゴッソリかっさらっていっちゃうんじゃないか、と思ったりもするのです。

参考:
    ○3つの性能
    ○次世代で加速するマルチプラットフォーム

Posted by amanoudume at 2005年08月04日 00:40 個別リンク

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