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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年03月08日

時代は天下二分へと加速

まぁ乾杯!乾杯!だけで済ませておいてもよかったのですが、もうちょっと書いておきます。

一夜明けて、憶測流れる

昨日、ソニー経営陣刷新のニュースが流れて以来、いろいろな憶測が流れていますが、おおむね
  (A) 反主流派による「実質的なクーデター」 (大賀氏の黙認、示唆があった?)
  (B) 経営陣刷新に見せかけた出井氏による院政の始まり。傀儡を打ち立て、自分と安藤氏だけは顧問になり、残りの旧経営陣は追っ払う
  (C) 経営の正義がつらぬかれた画期的な出来事
ぐらいに分類できるでしょうか。

あらかじめ宣言しておきますが、真顔で(C)を主張してもつまらないのでしませんし、そんな人とは議論するつもりがありません。ボクは断然(A)を主張しますが、(A)も積極的クーデター派と消極的クーデター派に分かれそうですね。

  (A−1) 社長レースに敗れた井原氏の一発逆転ねらい。外国人をトップにすることで、大リストラをやりやすくし、汚れ役を引き受けてもらう。数年後に政権をつぐ。
  (A−2) 大賀氏の示唆。出井氏はとっくに見限っていたし、引き時を誤っていると考えていた。以前は久多良木氏を評価していたが、今は失望している。失望の理由はPSXの失敗、PSPの失敗、ソニーブランドを傷つけたなど多数。

個人的な好みからいえば、A−1を推したいところですが、ZAKZAKの記事
は大賀氏が何らかの影響をおよぼしたのでは?という推測を取り上げています。
> 「2月28日の日本経済新聞で、数年前、大病に見舞われた大手メーカー
> 元首脳の話として、≪退任前に社外取締役を起用し、後継者の能力が
> 落ちれば更迭するための起爆装置を埋め込んだ(中略)株価はこのところ
> 低迷したままなのに、社外取締役は現経営者の『知人』ばかりになったのか、
> 起爆装置は作動しない≫という内容の記事が掲載された。これが大賀氏の
> ことではないかと推測されている」(業界関係者)
> つまり、現体制に強い不満を持つ大賀氏が、何らかの形で今回の人事を
> 動かしたのではないかとの見方が強まっているのだ。真相は藪の中だが、
> 出井氏らが語るような、クリーンな経営刷新ではないことだけは確実なようだ。 
クーデター説の中には、日経ビジネスの「それがPSPの仕様だ」発言も罠だったという見方もあるようです。ふだんはあまりソニー非難をしない日経が、露骨
なまでに久多良木氏を皮肉った記事を掲載し、すみやかに海外にも報道。この不自然な報道姿勢の裏には、政権転覆までは考えておらずとも、久多良木氏の失点
を増やしておこうという、反久多良木派の目論見があったのでは?という意見。
まぁそこまで陰謀論で語ってしまうのもどうかと思いますが、所詮対岸の火事ではあるわけで、色々な憶測・想像をめぐらして楽しむのも一興かもしれません。

縮小に向かう?CELL路線とPSシリーズ

後藤弘茂のWeekly海外ニュース「久夛良木氏のポジションがCellにもたらす影響」
久多良木氏のソニーグループ全体への影響力が下がった今、Cellの先行きは不透明感を増しています。一番推進していた人が失脚し、経営陣の中に長期的な
ビジョンをもっている人がいなくなった以上、将来的な投資は縮小に向かうと考えるのが妥当でしょう。すでに投資をした分は回収しなければなりませんが、逆
にいえば、投資した分だけ回収できれば、それ以上博打は打たずにさっさと風呂敷を畳みたい、というのが本音でしょうね。
Cellは当初65nmから立ち上がるはずでしたが、日経エレクトロニクスのCell特集記事からの情報では、90nm版からスタートする公算が高いらし
いです。新プロセスの立上げには時間がかかるため、無難な判断といえますが、それでは65nmプロセスのラインはどうなるのか? この時期に久多良木氏が
影響力を失ったため、65nmのラインの規模縮小の可能性も出てきました。まぁタイミングがタイミングなだけに今さら止まらないとしても、その先の
45nmラインへの投資は凍結する可能性が高そうです。
おそらく新経営陣にはCellアーキテクチャを将来にわたって育てていくつもりは無い、と思います。あくまで久多良木氏が強引に推し進めた投資分の回収が
優先課題で、半導体部門は久多良木氏の将来構想からは大きく後退したものに落ち着くのでしょう。最悪、5,6年後の売却さえありえないとはいえません。
(現時点ではそんなことは決していわないでしょうけど)
技術論としては、PS4ではCellほどアグレッシブなCPUを作れるとは思えず、プロセッサレベルでのゲーム機ごとの個性はますます無くなっていくので
しょう。ますますPCに近くなっていくんでしょうね。
プラットフォーム競争でいえば、対任天堂よりも、対マイクロソフトにおいて大きな影響が出てくるでしょうね。PS1時代のSCEのように、ゲーム部門が純
粋にゲーム部門単独で利益を上げていくことが求められるでしょうから、資金力の勝負でますます不利になります。
PS3対XBOX2の競争の行方にもよりますが、ゲーム部門が十分なシェアをとれず、十分な利益を上げられないのであれば、PS4は予算縮小のもとで競争
しなければならないでしょうし、最終的にはゲーム機ビジネス撤退もありえない話ではないでしょう。もちろんその間に、ソニー新首脳部がゲーム事業の失敗を
理由に、久多良木氏をSCEからも追い落とす、というイベントが入るわけですが。
もちろんこれは可能性の議論。しかし「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」「天下二分の構図にまた一歩」
論じた未来がますます身近なものとして感じられますね。
天下二分の記事をはじめて書いたのは去年の秋。それから半年ばかりでこの状況。半年前に久多良木氏の失脚を予見した人が何人いたでしょうか? これから半
年でいったい何が起こるでしょうか? 最初の記事を書いて、たかだか1年ちょっとで、いったいどれほどこの未来が具現化するのか。非常に楽しみです。

Posted by amanoudume at 2005年03月08日 00:04 個別リンク
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Listed below are links to weblogs that reference '時代は天下二分へと加速' from 発熱地帯.
GDC(3月9日)/嗚呼痛恨は鶴見に輝く
Excerpt: さてGDCも鶴見にとっては今日からが本番。朝イチから早速レクチャーに吶喊だ。 "...
Weblog: 六百デザインの「嘘六百」
Tracked: 2005年03月10日 14:17

コメント

ストリンガー氏は大リストラを敢行しそうな予感はしますね。。。
東京に常駐しない会長兼CEOって。。。

SCEで1,2年内に大規模リストラが起こると予想
  ・半導体ビジネスの縮小
  ・PSP部門の失敗の責任追及
  ・PS3関連の立て直しに伴う無能社員の放逐

ソニー内部で経営陣の刷新が起きたのは
本当につい最近なんでしょうね。
先週後半?
日経ビジネスの記事は大賀氏=日経ラインの側面射撃?
> ITジャーナリストは「安藤氏は7日、愛知万博会場での
> 記者発表を予定していたが、直前にキャンセルしており、
> 急速に話が進んだのは間違いない」とみる。

ソニーグループが内部分裂しかかったため、
窮余の策として、しがらみの少ないストリンガー氏を
CEOに据えて、調整役として中鉢氏を社長に据えた
という説もあるようです。
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/sony/1109604686/332-----
COMMENT:
AUTHOR: 北米在住
EMAIL: IP: 207.105.76.114
URL: DATE: 03/08/2005 11:52:56 PM
内紛の上、調整型社長というのは実は
最悪ではないかと。
こういう混乱期にこそカリスマ型が必要だと
思うんですが、ソニーにくた以外にそういう
(それ以上の)人物が居ないんでしょうか。
別にくたファンではないですが、MS+Intelに
はむかう人がまた一人減ったという意味では
ちょっと寂しいですね。

PS3の原価が高そうな上に、XBOX2の脅威にさらされ、技術・開発コストが高騰してソフトの発売タイトル数そのものが減りソフトのロイヤリティー収入
も少なくなったら、ソニーには厳しすぎるのではと思うので、そうなったらPS4に資金投入する余裕などなくなってしまうのではないでしょうか。
ソフトの価格も次世代機では高騰していきそうな気がします。 それともゲーム内に広告とかが増えるのでしょうか?

XBOX2へのソフト投入が期待され、株価が上がるようです。
勝ち馬にうまく乗ったソフトメーカーは成長しますし、
乗る馬を間違えたメーカーは悲惨なことになりますからね。
> テクモが高い、人気ソフト「DOA」の新作に期待−UFJ証が格上げ > March 8, 2005 20:43 EST --
中堅ゲームソフトメーカーのテクモが2日続伸。
> 米マイクロソフトの次世代家庭用ゲーム機の発売に合わせて、
> 同社の人気格闘ゲームソフト「デッド・オア・アライブ(通称DOA)」
> の新作が投入されるとの期待が広がった。 -----
COMMENT:
AUTHOR: N
EMAIL: IP: 219.122.115.250
URL: DATE: 03/10/2005 10:33:45 AM
私は、DAKINI氏とは違い、出井院政説をとっています。
どちらが正しいかは、ソニービルが今年中に変わるかどうかで分かると思います。
出井の院政が続けは、相変わらずクオリアをはべらせて、旧態依然としたまま。
マニンガーが外人らしくドライに手腕を振るえば、大改装。
ビルごと売却する可能性もあると思います。
但し、どちらの説であっても、今回の人事で一番惨めなのは、
将来がほぼ絶望的になった久夛良木氏であろうことは、疑いありません。
また、天下二分と言われましたが、脱落するとしたら、
任天堂では無くPS3だと思います。
理由は、現状でGCの採算が取れているからです。
任天堂一社だけでも、市場を維持出来る。
一方のSCEは、クリエーターのX-BOX2移籍の影響を、直接受けるでしょう。
MSとSCEでは、同じヤングアダルト層の奪い合いになるので、
かつてのSEGAのように、どちらかが倒れるしかありません。

また狂信的な妊娠の登場か。
さっそく論破されてしまったな。
書いてる事がまったく論理的でない。
(信者の頭の中では論理的らしいw)

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