GOSICK 6 仮面舞踏会の夜
欧州オカルト界の秘奥たる灰色狼一族の血を引く、恐るべき頭脳をもったヴィクトリカと、日本から欧州の小国に留学に来た一弥の2人が、奇怪な事件に巻き込まれていくミステリー第5弾。
ベルゼブブの頭蓋と呼ばれた修道院から脱出した帰りの列車の中で、ヴィクトリカと一弥の2人は奇妙な乗客と一緒になります。一同は互いの正体を隠して、<孤児><公妃><木こり><死者><灰色狼><家来>を名乗ります。それは全員が偽りの仮面をかぶる仮面舞踏会ともいえるシチュエーション。しかし一夜かぎりのたわいも無い嘘だったはずが、乗客たちはあたかも真実であるかのような奇妙な振る舞いを始め・・・・そして、列車内で起こる殺人事件。
はたしてヴィクトリカと一弥は、一夜の幻想のような奇怪な事件を解決し、学園に帰れるのでしょうか。
今回は、探偵を巻き込んで事件が起こる「仮面舞踏会」と、探偵役が関係者の証言を聞いていく「宴のあと」の二部構成になっていて、ミステリ度が高くなっています。また、拳銃のシーンを筆頭に、ヴィクトリカと一弥の絆の強さを感じさせる場面が何度もあるので、ニヤニヤすることしきり。やっぱり最大の謎は「愛」なのか、ミステリー=愛なのか。さすがはゴシック、伊達に富士ミスを代表する小説じゃないぜ!
(富士見ミステリー文庫はもともとミステリー風ライトノベルを目指していましたが、売上不振のため、途中から「LOVE!」をテーマに掲げるようになった謎のレーベルです。)
第1次大戦の傷跡が癒えつつあり、しかし第2次大戦の暗い影の気配が忍び寄っている時代。2人は厳しい嵐に巻き込まれるのでしょう。もしかすると引き離されてしまうのかもしれません。不安は強まっています。でもこの2人なら大丈夫かも・・・・と思うのですね。大人たちの起こす嵐から、子供たちは逃げ延びることができるのか。読者としては、やきもきしながら、続きを待つばかり。
ま、それはそれとして、富士見ミステリー文庫におけるあとがき女王、桜庭一樹の最新作はやっぱり面白い。あとがきも読み逃せない作家です。
コメント
誰もツッコミを入れないので我慢しきれずの投稿です。
桜庭氏は富士ミスの後書き女王でしょう。電撃では確か刊行してませんでしたし。
ところで電撃で後書きと言えば時雨沢氏だと思いますが、次の仕掛けは一体どんなものになるか楽しみですね
投稿者: drydog | 2006年12月27日 18:19
おおっ、ご指摘ありがとうございます。
なんで「電撃」と書いてるんだろ、俺・・・・。ボケてますね。
投稿者: DAKINI | 2006年12月29日 21:44