戦闘城塞マスラヲ 1巻 負け犬にウイルス
就職のために上京したものの34社すべてに書類で落とされ、ひきこもりをすること2年間、親からの仕送りも止められ、死のうと決意した川村ヒデオ20歳。極悪なアンチウイルスソフトの目から逃れるため、ノートパソコンに潜んでいたものの、ノートパソコンごとゴミ捨て場に廃棄されてしまった、超愉快型極悪感染ウイルスのウィル子。
ヒデオは負け犬を返上するため、ウィル子は電子世界の神になるため、ペアを組んで究極の武闘大会「聖魔杯」に参加します。
優勝者には世界を律する権利が与えられるこの大会には、武闘家、軍人、吸血鬼、魔族、警官、正義の味方、・・・・世界中からあらゆる種族の強者が集まっていました。3024人、1512組の参加者の中、ひきこもりで負け犬な、最弱のヒデオは勝ち進んでいけるのでしょうか。
1巻ではスニーカー連載の4話と書き下ろし1話が収録されています。スニーカー最新号には連載第5話が掲載中。前作である『お・り・が・み』の最重要キャラクターたちもついに登場して、ますます先の展開が読めなくなってきました。
ボクは『スニーカー』は買ってなかったんですが、『マスラヲ』のためにしばらく買ってみようかなと思ってます。1月号では初特集が載りますし。『マスラヲ』単独でも楽しめますが、『お・り・が・み』もおさえておけば、2倍に面白い。
ネクラ少女は黒魔法で恋をする 1〜3
自分の容姿に自信が無い、クラスでも存在感が皆無で空気みたいな存在感、嫌なことも押し付けられやすく、内心すんごいウルトラ毒舌を吐いているけど、口には出せない。いつも背を曲げてうつむいて歩いているし、家ではローブを着て黒魔法に凝っている。なにしろあだ名が黒魔法(本名が空口真帆で、クウロまほで黒魔法)。対照的に明るくて運動が得意な妹に悪口を言われるけど、気にしない。
極まったネクラ少女の真帆は、クラスメイトを見返すために黒魔法を使い、悪魔を呼び出すことに成功する。悪魔の出した条件はただ一つ。誰も好きになってはいけない。「そんなこと、全然OKです!」と簡単に契約して、可愛い姿を手に入れたものの・・・・。
フォーマットとしては完全にベタな少女小説(シンデレラ・フォーマット)です。
萌えライトノベルではありません。イラストはともかく、本文はそのままコバルト文庫に入れることも可能です。話の筋は典型的ではあるものの、この小説が面白さは、文体にあります。主人公・真帆の一人称が非常に魅力にあふれているからです。超内弁慶の毒舌少女の心のつぶやきは、1ページ目から、自分と自分を取り巻くすべてに対する呪詛に満ちています。まさに黒魔法少女の内面。陰鬱きわまりない。しかし、ゆえにその後の彼女の内面の成長がダイレクトに伝わってくるのです。