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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年11月26日

次世代ゲーム機における日米の温度差

SCEが一番必死なのは日本市場

新清士のゲームスクランブル 「PS3発売で逆転した日米の力関係・水面下で何が交渉されたのか」
ちょっと煽りぎみの記事ですが、要は本当に言いたいのは最後の方の部分なんでしょうね。

日本とアメリカとの間の力関係を完全に逆転させる事態を引き起こそうとしている。北米企業が日本企業よりも、決定的に上位に立つ時代がついに到来した。E3から東京ゲームショウの間に、一般のユーザーには見えない「ミッドウェー海戦」が起きて、戦況が完全に逆転した。
この記事の結論に至るまでの根拠は大きく2つ。EAのPS3への姿勢の変化と、日米での本体同時発売ソフトの本数の差です。

しかしPS3が日本でのみ値下げしたことを忘れてはいけないでしょう。
E3での価格発表後、PS3は日本だけでなく、北米でも欧州でも高い、高いと言われていました。欧米のパブリッシャーが「Wii60」などと言い出した原因も、PS3の価格の高さにあります。こんなに高くては普及しない、あるいは普及に時間がかかる、と判断したわけです。大手ソフトメーカーからSCEへの圧力は、日欧米3地域すべてであったことです。にも関わらず、結局SCEは北米で本体を値下げせず、日本でのみ値下げしました。

PS3の値下げについては、PS3のビジネスモデルが「コンピュータエンターテイメント」からロイヤリティ依存の「ゲーム機」へ戻った、という分析がよく行われています(例えば後藤弘茂のWeekly海外ニュース:コンピュータからゲーム機へと揺り戻したPLAYSTATION 3)。それはまあいいのですが、新氏の記事ではあたかもそれが北米主導で起きたように読めますが、それなら北米で値下げが起きなければ、つじつまが合いません。PS3の方針転換には、日本のソフトメーカーの影響力がかなり大きかったと見るべきでしょう。

というのは、日欧米3地域の中でも最も旗色が悪いのは日本だからです。DSとPSPの競争が一番早く決着したのは日本でした。また、E3の価格発表で、PS3は急速に前評判を落とし、PS3叩きが連日行われる状態になりました。ソニーブランド崩壊が顕著なのも日本です。SCEはお膝元の日本が一番負けそうという悲惨な状態です。

発売日も無理をしてでも、11月11日に間に合わせ、日本先行発売を守りました。このスケジュールは日本で先に発売したいという、感情論以外の何物でもなく、戦略的にはマイナスとさえ言えます。正直、12月3日に延期して、しっかり出荷数を確保した方が良かったでしょう。8万台が30万台になっても行列はできたはずです。


ソフトメーカーが最も冷淡なのも日本

北米の同時発売ソフトが多く、日本の同時発売ソフトが少ないのは、別に日本のソフトメーカーの開発力が落ちたからではありません。理由は主に4つあります。

まず1つ、日本のソフトメーカーは軒並み、PS3へのやる気を低下させていました。当初PS3の本体価格が高かったことで、日本のソフトメーカーはPS3の普及に時間がかかると判断しました。そのためPS3向けのタイトルを優先して作る必要性を感じなかったのです。

東京ゲームショウでの値下げ発表はソフトメーカーの関心を引き上げましたが、あのタイミングでは遅すぎましたし、年内の出荷台数が少ないことも判明したため、発売日に無理に間に合わせる必要は無いという判断は覆りませんでした。実際、PS3の出荷台数が少ないため、同時発売のソフトの売上が悪い状態です。ソフトメーカーのやる気の無い判断は、結果論として正しかったと言えます。

次に、日本ではDSが市場的に成功しているため、「据置→携帯」シフトという見方が強まっています。そのため携帯と据置の開発ライン数の見直しが行われています。ソフトメーカー各社は携帯ゲーム市場の拡大に対応しなければなりません。例えば、スクウェアエニックスはDS向けのタイトルを大量に発表する一方で、PS3向けに『FF13』、Wii向けに『ドラクエソード』『FFCC』を発表したぐらいです。

第3に、日本でWiiの前人気が高いこともあり、ソフトメーカー各社がWii向けの開発ラインを増やしているからです。実際、日本において、Wiiの同時発売本数はPS3よりもはるかに多いです。『バイオハザード5』『無双』『FF13』『MGS4』『デビルメイクライ』といった、大手ソフトメーカーの一線級ソフトや大作はPS3やXBOX360向けに予定されているものの、こうしたソフトがハードのローンチに間に合わないのは北米もいっしょです。360向けの大作『Gears of War』はハード発売から1年で登場しています。日米の優劣はありません。

第4に、Unreal Engine採用タイトルの開発が遅れています。例えば、採用タイトルの1つ、コーエーの『フェイタル・イナーシャ』は同時発売を目指していたものの、発売延期されています。Unreal Engineはマルチプラットフォームとはいえ、前世代まではPCゲームでの採用が圧倒的に多かったため、コンシューマーゲーム機での開発に不慣れです。また、最初にPC上でエンジンを作りこんでから、各ゲーム機での最適化を行うため、実際にはエンジンがこなれるまでに時間がかかります。ゲーム機のローンチ近くに発売する予定のソフトで、これを採用する方がおかしい。

ナムコの『フレームシティ』が良い例でしょう。
『フレームシティ』に見るUnreal Engine3.0の現在

川島:UE3はやはりPC生まれなので,Epic Gamesは,とりあえずPCで動くレベルのものを形として作るんですね。それで,あとから「Xbox 360はマルチコアだよ,どうする? よし,マルチスレッド化だ」みたいなことになって(笑)
川島:(略)
 これだけの物量のゲームを比較的短期間に,しかもXbox 360本体と同時期に発売する。これができたのは,UE3,とくにUnreal Editorの力が大きいと思いますよ。
国森:いや,まだ,開発終わってないでしょ(笑)
『フレームシティ』は発売延期でもなく、PS3へのプラットフォーム変更でもなく、開発中止になったという点で極めて印象的です。このインタビューでは「Unreal Engineがあるから、ローンチに出せる」などと言っていますが、結果が出た今となっては・・・・。

けれども、被害者はナムコだけじゃありません。先に挙げたコーエーもしかり。被害にあったゲーム開発者、マネージャー、経営者は他にもいらっしゃいます。ゲーム業界では、数年前に「これからはゲームエンジンを買う時代! Unreal Engineを使えば、次世代ゲームも楽に作れます!」などと、ツボを売りつける怪しい宗教のような電波理論がばら撒かれたんですね。まぁそんなのに踊らされる方が悪いんですが。

ボクは以前はプログラマーだったんで、同業他社の知合いもプログラマーが多いんですが、全員が否定していました。技術者には自明のことがわからない文系経営者や文系マネージャーは、技術を知らないライターやアナリストに踊らされて、「よーし、パパ、Unreal Engine採用して、次世代機のローンチソフト揃えちゃうぞ」と張り切ったわけです。結果はみなさんご存知の通りです(笑

面白いですよね、欧米優位論って。ここ数年の欧米ゲーム開発優位論を簡単に示します。
まぁ誰がこんなことを言ったか、1人1人槍玉にあげて批判するつもりはありませんが。

   「日本のゲーム開発者は技術力が低い。海外のゲームエンジンを買えば、
   自社でエンジンを作りこまなくていいから、ローンチソフトも心配なし!」
           ↓          ↓          ↓
   (実際には、ゲームエンジンを買ってしまったため、融通がきかず、
   ローンチに間に合わない)
           ↓          ↓          ↓
   「日本製ゲームはハードのローンチに間に合わない。同時発売本数が
   少ない日本のゲーム開発力は危機的状況」

Unreal Engineって、壮大な釣りだったって結論でオーケーですか?
次世代機のローンチに間に合ったソフトは基本的にUnreal Engineを採用していません。PS2の時を思い返せば、どこの会社も1本目が終われば、ノウハウ、ツール、使いまわせるプログラムが溜まってくるので、2本目を作るのはさほど難しくなくなっていきました。今後、外部製のエンジンを買うメリットはぐっと低くなりました。

また自社製のエンジン開発に乗り出している企業も少なくありません。
実際、自社の技術者を信頼して、自社製エンジンを開発したカプコンは『デッドライジング』が大ヒットして、業績が上向いています。同じエンジンを使っている『ロストプラネット』も前評判は高いです。また、スクウェアエニックスも『FF13』の開発にあたり、ホワイトエンジンという自社製エンジンの開発を発表しています。大手で「公表」しているのは2社ですが、レベルの高い技術者を擁する企業としては当然の選択です。自社の技術者を信じずに安易な言葉を信じた企業と、自社の技術者をきちんと信頼した企業の明暗がハッキリしつつあります。


補足

そもそもEAは極めてビジネスライクな会社なので、交渉すればソフトは供給してくれるんですよ。北米で惨敗したGCにさえ、ソフト供給していたんですから。当時は、任天堂が土下座外交したと言われ、海外サイトではロイヤリティーが1ドル!?などという真偽不明の記事まで載りました。しかし逆に言えば、条件さえ揃えれば、ソフトは出してくれるんです。ビジネスライクですから。

一方、日本のゲーム会社はムードに流されやすいんです(笑 勝ちハードに雪崩を打って移っていくことが多いんですよ。DSとPSPも結局そうなったでしょう。そうなったらいくら条件交渉しても、まったく通じません。よく考えてみてください、EAはスポーツゲームをどこにでも供給します。しかし『FF13』や『MGS4』は違います。

想像してみてください。もし仮に『FF13』と『MGS4』が360とのマルチプラットフォームタイトルになったら、お膝元の日本でさえPS3はかなり危うくなります。『FF13』と『MGS4』が360に独占供給されたら、PS3は即死します(笑 それがゲームの世界の実情です。EAの影響力? 日本のゲーム会社の影響力が低下? どこの世界のファンタジーでしょう?

Posted by amanoudume at 2006年11月26日 18:06 個別リンク
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Excerpt: おはようございます。朝からジャンジャン雨が降っております。フローリングの床から冷気が感じられ、そろそろ暖房を押し入れから出す時期だなと感じております。本日...
Weblog: とんかつ3号 隠れ亭
Tracked: 2006年11月27日 08:17

コメント

カプコンが作ったのはエンジンというより、自社の既にある開発環境を統合するようなものだったと思います。
だからこそ数人の開発者が3ヶ月で作り上げたと。
はっきりいってこの開発者達が有能だっただけだと思いますよ。
このエンジン開発がうまくいかなかったらいったいどうなってたでしょうね。

また、スクエニのホワイトエンジンは、FF13が発表されてから相当経ってますけど現時点でもまだ出来上がってません。
ファミ通でしたっけ、開発度13%、エンジンVer1が出来てないからゲーム製作にかかれないと書いてありましたよ。
エンジン製作で1年もかけられる企業がどれだけありますか。

UnrealEngine3は確かに1年前は未成熟だったでしょうけど、それでもこの冬にはUnrealEngine3製のゲームが続々登場しています。
自社製エンジンの上記2社がロンチにゲームを出せてないのを見れば、自社の技術者を信頼した明暗という結びは明らかに間違いじゃないですか。

>Dさん

>このエンジン開発がうまくいかなかったらいったいどうなってたでしょうね。

無意味すぎる仮定ではないでしょうか?
娯楽コンテンツを生み出す産業において、クリエイターが無能
だったらどうしようか、という仮定は、もはや意味不明ですね?

エンジン製作に携わった人物の名前を見ていると、PS2時代に
鬼武者3のグラフィックエンジンの開発に参加していた方が
含まれていたと思います。実績のある技術者を擁している企業が、
その技術者に仕事を任せた。運任せでも何でもありませんが?

また、過去に製作したゲームの経験値、ツール、エンジン部分を
抽出する形で、新しいエンジンを作り上げるのは、堅実で、現場
のニーズからぶれない、良いやり方だと思います。

Dさんがプログラマーかどうかは知りませんが、基本的に優秀な
数人のプログラマーが数ヶ月仕事をすれば、大概の事はできます。
俗に、プログラマーが数十人がミドルウェアを作りました的な宣伝
文句を聞きますが、実際にはコア部分は数人で、残りはさほど
重要でないコードを書いているケースがほとんどだと思います。

> エンジン製作で1年も

エンジン以外で何もしていない訳もないでしょうに(笑
シナリオ製作等の、量産体制に入る前の作業はやっているに
決まっているでしょう。ファミ通等のインタビューが全てだとお考え
ですか? どこの素人ですか、あなたは(笑

「まだ言える段階ではない」という以上の情報ではないでしょう。
また逆にFF規模のゲームで、最初から大人数を動かすほうが、
よほど開発コストの無駄遣いだと思います。DS向けに大量の
ソフトを発表していますよね。

PS3の研究開発は数人〜十数人でやっておき、DSやWii等の
リスクの少ないハードで金を稼ぐ。どっちかというと低リスク戦略を
取っているだけだと思いますが?
大手クラスなら出来て当然の事をやっているだけだと思います。
少なくとも『フレームシティ』のような破綻プロジェクトで数十人を
無駄に働かせるよりも、よほど損失は無いでしょう。

> 上記2社がロンチにゲームを出せてない

大作ソフトがローンチに出ていないのは日米同じです。記事中にも
書きましたがそこに優劣はありません。

ローンチソフトに間に合った会社は、基本的にUnreal Engineを
採用していませんよね。
それは明白な事実で、ボクの記事の文章がおかしいとすれば、
そこを強調していない点です。多少文章に補足を入れてみました。

カプコンとスクウェアエニックスの例でいえば、エンジンを自社で
作ることで技術的な蓄積も溜まりましたし、余計な資金が社外に
流出しませんので、エンジンを買ってメリットが出ない状態なら、
自社で作ったほうがいいのは自明ですね。
カプコンの場合は商業的にも成功していますし。


また、巷のUnreal Engine紹介記事がゲーム製作経験の無い
人物の思い込みによって、エンジンの良い点ばかりを強調
しがちな点を考えると、ボクは問題点をしっかり指摘する、
より現場的な見解がブログ上で増えることは大変有意義
だと考えています。

プログラム経験の無い文系人間の思い込みによる、誤った認識が
業界内に広がり、現場無視の経営者やマネージャーが技術的にも
日本の開発風土としてもマイナスの要素が多い方針を打ち出す。
これは日本のゲーム開発において百害あって一利なしです。

(ちなみにボクが大手企業を主に引き合いに出しているのは、
断片的にであっても情報が公開されているのが大手だからです。
無論、もっと規模の小さな会社の事情も知ってはいますが、
参照できる記事がほとんどないので、このブログのように非常に
たくさんの読者を前提にしたものでは書きにくいわけです。)


最後にDさん、明らかに偽のメールアドレスなのはこのコメント
欄のルールを破っているので、以後の投稿は適切なアドレスで
ご投稿ください。

Dさんがアドレスを詐称してまで何を主張したいのか、いまいち
わからないのですが、単に素人レベルの突込みを入れたかった
んでしょうか? 詐称とはいえ、ac.jpという事は学生さん?

それともDさんがUnreal Engineを使っていて、その良さをアピール
したかったんでしょうか? Dさんご自身がゲーム製作をする上で、
Unreal Engineのような物を必要としており、会社に認めさせたい
と普段から考えているのに、Unreal Engineの採用に否定的な
記事が出てきたので、反論したくなったのでしょうか?
まさか素人の欧米マンセー論者が、インタビューの切れ端を集めて、
書いてみた?(笑

社外製のゲームエンジンというのは、スクラッチで自社製エンジンを構築できるくらいの技術力を持っているところが省力化/コストダウンのため「だけ」に使う道具であって、「XXXエンジンを使ったから夢のようなゲームが3日で作れる」なんて売り方をしてるような代物は、それこそ3日で化けの皮が剥がれて沈没して行きました。

本当にコスト意識の高い現場、経営者であれば、導入の議題に上るような社外製エンジンの評価作業は徹底的に行うはずです。
死活問題ですから。それをせず、安易に導入して火の車になるというのは、最終的には経営責任以外の何者でもない。
提灯を掲げる売文屋、偽の技術評論家の罪の深さはありますが、美辞麗句を見抜けない経営者も相当に罪深い筈です。

>野川ゆかり さん

はじめまして。
ハッタリエンジン、『魔法の箱』エンジンは確かに淘汰されていきましたね。

> 社外製のゲームエンジンというのは、スクラッチで自社製エンジンを
> 構築できるくらいの技術力を持っているところが省力化/コスト
> ダウンのため「だけ」に使う道具

ただ、まぁ海外では、本当に自力でエンジンを開発できない会社が
使っているケースもあるので、一概にそうともいえないのです。

もっとも有名作品の場合は、パイロット版作成段階では、エンジン
そのままで、実製作に入るにしたがってカスタマイズしていくという
ケースもあります。

> 安易に導入して火の車になるというのは、最終的には経営
> 責任以外の何者でもない。

もちろん最終的には経営責任でしょう。開発が破綻して潰れたり、
経営が傾くのはその会社ですからね。
記事中で『まぁそんなのに踊らされる方が悪いんですが。』と書いて
いるとおり、自業自得だとボクも思います。

一方で、いい加減な事を撒き散らしても、責任も取らないですむ、
しょうもないライターやアナリストがいつまでも淘汰されないのですね。

藁をも掴む思いの人たちがついうっかり『魔法の藁』を信じてしまうのは、
しょせん弱い連中が悪いのさといえばそれまでですが、同情の余地は
感じますね。無責任に、不勉強に、『魔法の藁』をすすめる連中には
嫌悪の念しかわきませんが。

海外製のエンジンを一概に否定するつもりは無いのですが、もっと
腰の据わった記事を書いてほしいと思いますね。短所も多いし、
導入して失敗したケースもあるわけで、そういう事も拾って書くなら、
価値はあると思うのですが。

まあ商業記事を書いている人には、『それを書いてもお金(原稿)
にならない』&『ライターは儲からないから、無料でテキスト書いてる
暇は無い』というような典型的な言い訳がありますからね。

商業ライターで、自分のブログを持って、商業原稿では書けない
所も書いている方もいらっしゃるわけですが。まあ言い訳する人は
どこまでも無限に言い訳するし、タチが悪い記事をばら撒くのも大抵
そういう人ですから(笑

性懲りもなくコメントしてしまいますが・・・。

IGDAのスポンサーにミドルウェアの会社があるから?とか邪推してしまうんですけど(笑)
現場の味方でもなく、消費者の味方でもなく、単なる寄生虫だったというオチは勘弁して欲しいです。

↓文系の先生達には、技術的な話よりも、むしろ、こっち(政治)の方で力を発揮してもらったほうが有効かと思うのですが・・・。

■電脳企業税制事情
http://onosendai.jp/csc/CyberSpace99_kinrou.mp3

>bin3336さん

ん。まあ、さすがにそれは邪推では(笑
開発ツールの情報そのものは開発にとって有益ではあるので、
そういう情報が集約される場所が1つでも増えるのは悪いことでは
ないと思います。

最近の評判は知りませんが、昔は(的外れな事もありつつも)
それなりに真摯に取り組んでいた気がしますし。
それと、一応、個人団体ではないので、1メンバーの記事と団体
としての見解、方針は別ですよ。

そうは言っても代表なんで、『印象』が決まってしまうのは避け
がたいんですが。ちなみにボクがIGDAにまったく関わりたくない、
協力しないと決めたのは、『印象』に基づいてですね。同じ理由で
非協力を決め込んでいる知合いもいます。まぁ業界人全員が
賛同し、協力する団体なんてあり得ないんで、別にいいんじゃ
ないでしょうか。


ボクは欧米ゲーム開発優位論を唱える人は好きじゃないので。
ボクは好き嫌い激しいですから。

程度によりますが・・・・同業他社の人と飲む機会に、重度の欧米
ゲーム開発優位論者が混じっていたから、断ったこともあります。
考え方の違いは尊重すべきですが、お互いが気持ちよく酒を
飲める許容限界はありますし、みんなが仲良しこよしする必要も
ありませんので。

ゲーム業界はホントに未成熟な業界です。例えば小説において、
小説家でもない人が「日本の小説家は小説の書き方が悪い。
欧米にくらべて劣っている」などと言う人はまずいませんし、まず
相手にされません。
もちろん「日本の小説はつまらない。欧米の小説の方が面白い」
という意見・批評・感想はありです。

創作の結果物に対して受け手があれこれ言うのは、あらゆる
メディアで行われていますが、作り方や過程について、本職でも
何でもない人間があーだこーだ言うのは、ゲームぐらいですね。

ここまで馬鹿げた言説行為がまかり通るのは、ゲームぐらい。
こういう点はホントに幼稚ですね。うんざりします。

まぁゲームには「工学的」側面がありますからね。
もっとも、非製作者による、工学的な言説なんて読んだことも
聞いたこともありませんが(笑

> Dさんがプログラマーかどうかは知りませんが、基本的に優秀な
> 数人のプログラマーが数ヶ月仕事をすれば、大概の事はできます。
> 俗に、プログラマーが数十人がミドルウェアを作りました的な宣伝
> 文句を聞きますが、実際にはコア部分は数人で、残りはさほど
> 重要でないコードを書いているケースがほとんどだと思います。
業界は違えどプログラマとしてこれは真実だなあと実感します。根拠は示せませんが。

問題は、「優秀な数人のプログラマ」を調達するのがいかに大変か、という事です。ある程度の能力のプログラマをいくら頭数そろえてもどうにもならない壁があります。

経営者の方はほんと肝に命じておいてほしいですね。優秀なプログラマというのは希少価値の高い資産だと。
エンジン買うよりエンジン作れるエンジン(人)を雇ったほうが長期ではお得だと思います。長期の視点なんて言ってる余裕無いのも現実・現場ですが。

PS3の方はわかりませんが、360のUE3は事実上Gears of War Engine 1.0なわけで、他のタイトルの事情を考えている余裕は無かったのでしょうね。
不幸なのはそういった他のタイトルの開発者でしょう。
あるゲームのゴールに向かってバージョンアップを繰り返すエンジンで、自分たちのゴールに向かわなければいけないためベクトルがズレているほど無駄な労力がかかってしまいます。

しかもエンジンの採用は必ずしも開発者が望んだものではなくて、政治的な理由により中身を精査する前に上で採用が決まっているケースもあります。
開発者が経営者に「ねー、これ買ってぇ〜♪」とねだった結果なら自業自得なんですけどね。
今思うとUE3のプレゼンが上手かったのでしょう。
技術者ならあの廃墟やクリーチャーのデザインが良かっただけだと見ていますよね…

ちなみに、UE3のゴールであるGoWの出来は思っていたよりずっと良いです。
ゲームのエンジンはそれを使って完成したタイトルが登場して、かつ完成品にベクトルが近いゲームを作るという限定条件を付ければアリかもしれません。
「ただの2だろ?」とか「今までFPSでやってたじゃん」って言われるとその通りですが(笑)

> 360のUE3は事実上Gears of War Engine 1.0

ですね。
まぁぶっちゃけ、「Gears of War Engine 1.0」にさえならない、
つまりGOW発売延期じゃね?って観測も、今年の始め頃には
あったと思うので、ゲームが出ただけマシかなあ、と思います。
出来は良いようですし、それはいい事ですよね。

まぁ「GOWは海外サイトで点数が高かった。だからUEを使えば
日本のゲームの評価も(ry」という人が出てこなければ、みんな
喜べると思います(笑


> 技術者ならあの廃墟やクリーチャーのデザインが良かっただけ
> だと見ていますよね…

やっぱりデザイナーさんとか、デザイナー出身のマネージャーは
騙されやすいみたいですよ、一般的に。

『ロストオデッセイ』がUE使ってると聞いてるんで、色々な意味で、
現場の方々へ合掌しています。あのレベルの開発スタジオなら、
スクラッチでやっても問題ないし、むしろ早かったんじゃないの、と
思いますが・・・・。

ファミ通についてた体験版の処理落ちを見て、同情の涙を流した
開発者も少なくないかもしれませんね。


> ゲームのエンジンはそれを使って完成したタイトルが登場して

おっしゃる通り、基本はそうだと思います。
それもあって、外販のエンジンを買うメリットは無いんですよね。
自社内で使っていくのが一番手堅いんです。どんなゲーム作るか
一番よくわかってるんですから。

日本ではFPS作らないし、FPS型のエンジンで無理に他のジャンルを
作る必要もないですからね。

FPS型のエンジンで他のジャンルを作った実例も当然ありますが、
「作れた」と「作りやすかった」と「使った方が作りやすかった」は
全部別ですし。

 >次世代ゲーム機における日米の温度差

というタイトルを提示して

 >Unreal Engineって、壮大な釣りだったって結論でオーケーですか?

というところに重点的に文章が置かれているので、よくわからなくなっているのですが、
結局のところ、DAKINIさんがおっしゃりたいのは、
・Unreal Engine叩き
なのか
・日米の温度差
何なのか読解力不足の私には理解できないでいます。
私には、この2つは切り分けて書くべきであって、どこに繋がる要素があるのか読み取れませんでした。
(エンジン導入タイトルの開発の遅れが、その要素ですが、だからといって、全体の1/3近く?のテキストにするほど重要なのか?と思いました。そして、エンジンと日米の温度差について何か記述があるように読み取れなかったので。)

もし、よろしければ不勉強な私にご回答いただければ幸いです。

>くれよん さん

Unreal Engineの部分が多いのは単純に、読者に前提とする知識が
不足していそうな箇所だからです。Wiiに勢いがあるといった事は、
このブログの読者の方なら大抵わかっておられると思いますが、
Unreal Engineについてはあまり知らない方もいらっしゃると思います。
(コメント欄が盛り上がってるのはまあ業界人的には、結構思う所
のある人が多い表れですね)


PS3のローンチをどう分析するかというのが今回の記事の論点です。

・日米でのローンチソフトの本数に差があったのは
  - 日米のゲーム会社の温度差 (理由1〜3)
  - Unreal Engineの完成度の低さ (理由4)
にあるというのが今回のエントリーの大部分を占めています。

ボクは、PS3のローンチソフトについての分析としては、Unreal
Engineについて触れざるを得ないと思います。

まあ今回のタイトルに関してはあまり良いものではないですね。
「PS3の日米ローンチから読み取れること」の方がより近いかも
しれません。特に大きな問題があるとは思いませんので、修正
するつもりはありませんが。

(これの前に誤投稿やってしまいました。済みません!)

DAIKIさん、分かりやすいまとめ、ありがとうございます。

自分もちょっと文脈見失った質ですが、後半のUE関連のバックグラウンドを読み飛ばして1〜4の理由を読み直してみると、論点ははっきりしていますね!

ところで自分は日本で盛り上がらなかった理由として、最後の方で指摘されている「ムードに流されやすい」を結構重視しています。

以前量販店の販売員をされている方がコメントされていたと思うのですが、ああいうネガティブな心理が値下げ前の売り場の雰囲気で、買う側の雰囲気で、従ってそれがコンテンツベンダーにも乗り移っちゃっていた、なんて感じは発売直前には(値下げ発表の後でも)かなりあったと思います。

それに加えて、X360の日本市場における超弩級の失敗。これで「ハイデフ、まだイケテナイ?」って恐れも生まれて、ますます「DS、サイコー」だった作り手側が「Wiiでいいぢゃん」になってきたんぢゃないかと。

作り手だけではありません。営業の立場の人は新しい商品を売るときですら「過去の実績」にとらわれざるを得ないのですから、「X360でも売れたんだからPS3も勝つる!」と言い切れてしまう場合とそうでない場合では、熱の入り方に違いが出てしまうのも仕方ないのかも。

こうして「ムード」のデフレスパイラルに陥ったのが日本。(自称)「生産オイツカネー」状態もあり、当初は成功を収めていたX360のあった米国市場との差が開くのも道理かなあと思います。

>ぶらりんさん

日本市場ほど「ムード」優先の市場は類を見ませんからね。SCEの
空気読めて無さは、傍から見てて痛々しいです。まぁ今までは空気を
読む必要がありませんでしたからねえ・・・・。

> 「DS、サイコー」だった作り手側が「Wiiでいいぢゃん」

作り手にとって、脳トレパクリ系ばかり作らされて・・・とか、ネガティブな
意見はあったと思いますし、今もあると思いますが、それでも以前に
比べると減ってきた印象はありますね。

日本人はやっぱり勝ち組に乗りたがる気質です。あと、まあ実際、
性能が必要なゲームは全体の中の一部だよね、という。

開発規模が大きくなると、どうしても企画が保守的になりがちなので、
その点も含めて、企画サイドを中心に、DSとWiiを歓迎する意見が
増えているんじゃないでしょうか。

ソフトメーカー各社も、大作のPS3/360、企画のDS/Wiiと、
意識の違いを明確にしつつありますね。


360といえば、海外市場重視の流れで、日本で0本でも海外で
回収するからオッケー、という話は確かにあるんですが、モチベー
ションとして、同じ日本人に売れてほしいし、評価されたいという
気持ちはあるんですよね。

客観的に見れば「海外のXBOX360市場」は商売になるし、そちらへ
向けて作ってる会社もあるんですが、カプコンとテクモを除くと微妙な
結果です。

海外勢が手ごわいというのも、開発力以前に、士気の問題もあります。
人間、数字だけでは動きませんからね。感情論として、地元で
評価されたいと思うわけです。すると、向こうの地元企業と比べると、
モチベーションとして弱くなるんで、辛いでしょう。

そういう事を気にしない人もいますが、気にする人も多いです。
ホームで応援されないで、アウェイで戦うのは、そりゃキツい。
意地張って拗ねた発言すると、空気読めてないって叩かれるし(笑

日本は「空気」社会だから、空気読みませんという態度が許されるのは、
本当に強いヤツだけですから。でもずっと強くあり続けるのは不可能
だから、結局隙を見せた時に、叩かれますよね。

著名なクリエイターでもたまに突っ張った発言をしちゃって、
痛すぎ、と叩かれる人がいますが、長持ちした試しがないですよね。
潰されたり、心の病気になって表に出てこなくなったり・・・・。
話が脱線しすぎましたが、まぁPS3はさっさと出荷した方がいいですね。

なんというかな、
日本では論外っぽいですが
北米では360良いじゃん的な感じが漂ってる気がしますが、
なんとかPS3には踏ん張ってもらいたいんですね。
Wiiは最初からファンなら買うでしょうし(自分も)
ほっといても売れるはずだったのにバカやったPS3。
日本メーカーが頑張ってPS3を盛り上げて欲しいところ。
なんというかなパソコン=MSな世の中。
大胆なデザインで登場した旧機種XBOX(苦笑)の時から
ゲームの世界にまでMSに出しゃばって欲しくないというか。
MS帝国作る気か?とか。
外資系に買収される日本の中小企業というか。
日本のMS(モビルスーツ)だって負けてやしねぇというか。

まあ北米市場と日本はあまり関係ないような気がするんですが。
日本のメーカーに頑張って欲しいと言うことです。


>おーざきさん

ん。まー、どっちが勝ってもいいです。>PS3とXBOX360
北米市場を一度握られれば、MSから奪還するのはかなり難しいでしょうね。


> 日本メーカーが頑張ってPS3を盛り上げて欲しいところ。

まあPS3にタイトル供給するメーカーは多いですよ。記事でも書いて
ますが、ソフトは「開発中止」ではなく、「ローンチに間に合う必要は
無い」という判断ですから。一部の熱狂的な任天堂ファンの方々が
ネット上で力説しているほど、メーカーはWii一本槍ではないし、PS3も
見捨てていません。現時点では。
            ^^^^^^^^^^
Wiiは最初はファンが買うので、150万台ぐらいは楽にいきますが、
200万台超えたあたりで失速して伸び悩むか/ユーザー層を拡大
するかが分かれ目です。ユーザー層の拡大に失敗すれば、GCに
毛の生えた程度で終わるでしょうし、そこら辺は来年1年で見定め
られると思います。続編モノ以外の新規タイトルが新しいユーザーを
捕まえられるかどうかですね。

WiiがDSと違って伸び悩むようなら、ソフトメーカーはあっさり引いて
PS3とXBOX360に注力するでしょう。Wiiが「PS3市場が活性化
するまでのつなぎ」で終わるか、「そのままPS3を食っちゃうか」が
来年の焦点でしょうね。
基本的には短期決戦ですし、来年末までの1年戦争です。

※ この発言は、削除して頂いてかまいません

DAKINIさんそのDさんは私ではありません・・・。
一応ゲーム機の項に私の意見というか考えを書いておきます・・・。

以前投稿しておられた「D」さんとはアドレスが異なってますので、
別人だと把握してますので、ご心配なく。

ただ、ハンドルネーム性を主張されるのであれば、アルファベット
1文字は他人が偶然使うこともあるので、別のハンドルネームの方が
よろしいかと思います。

ボクは(メールアドレスで)わかっても、他の方にはわかりませんので。
あ、もちろん、これはオススメしてるだけで、そうしてくださいという
事ではありません。

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