・米Microsoft、Rareの新作「Viva Pinata」を発表 2006年末に全世界で発売予定
・XNEWS Games -Viva Pinataについてシェーン・キム氏のインタビュー-
社内ブログではちょっとしか触れなかったのですが、このソフト、けっこう注目しています。
ぬいぐるみっぽい四角い毛(Fur)の質感がとてもユニークです。シェーダーの善用例。PS3的な絵作りとは方向性が異なるものの、次世代機という水準を満たし、明るくて楽しそうな雰囲気がよく出ている素敵な絵作りです。前世代機でしつこく毛(Fur)にこだわってきた1つの成果かもしれません。
日本で受ける造詣かといわれればたぶん受けないでしょう。けれども北米ではアニメも展開するようですし、コアゲーマー以外の市場を取る!というマイクロソフトの強い意気込みを感じます。初代XBOXの時は、お膝元の北米でさえ、ファミリー市場への進出が不十分でした。いよいよ本気で乗り出すつもりでしょう。ファミリー市場といえば任天堂ですが、ここ数年北米では退潮傾向が鮮明になっていますから、他陣営が「根こそぎ奪い」にきたら、厳しい結果になるかもしれませんね。まぁそれはそれで運命でしょう。
『どうぶつの森』の影響を色濃く感じますが、元々レアは任天堂と蜜月関係にあった開発会社ですから、自然な影響でしょうね。それにしても、従来のレアの路線である3Dアクションゲーム、FPSとは方向性が大きく異なります。良くも悪くもマニアックだったレアが、このソフトをどう仕上げてくるのか、どれぐらいゲーム1.0っぽいのか2.0っぽいのか、興味深いです。
面白いのは『どうぶつの森』のフォロワーとも言えるタイトルが、日本ではなく欧米から生まれつつあることです。しかしよく考えてみれば、欧米ではすでに同じような傾向のゲームとして、ウィル・ライト氏の手がけた『シムズ』があります。海外において『シムズ』シリーズは大成功していますし、『シムズ』のフォロワーといえるタイトルも何本も出ています。また、MMORPGのような仮想世界での生活を楽しむゲームもかなり浸透しています。日本以上に、開発者がライフ(生活)ゲームを受け入れやすい、作りたがる土壌が存在したのかもしれません。
もっとも、PCゲームに詳しい人に言わせれば、なにを今さら・・・・ではあるのでしょう。PCでは伝統的に、シミュレーションゲームが数多く発売されていましたから。もっとも欧米のコンシューマ市場では、あまり成功例がなく、PCゲームの劣化移植がせいぜいでした。というのは、テレビの解像度がPCのディスプレイに比べて格段に低かったり、ゲーム機がネットワークに繋がっていなかったり、良い入力デバイスが無かったりしたためです。
次世代据置ゲーム機になると、こうした問題点のいくつかは改善されますから、PCで培ってきたその種のゲーム資産を活用できるようになるでしょうね。コンシューマーゲームの開発者にも、ゲームデザインの幅を広げようという動きが出てくるかもしれません。レアの『Viva Pinata』はその先触れになるのかも?
欧米のコンシューマーゲーム開発者にはいつまでも、映画版権とスポーツゲームとFPSばかりに目を向けていてほしかったんですがねえ。いつまでも好きなだけレッドオーシャンで泳いでいてくれよなー。欧米ではパブリッシャーの統廃合が進んだり、パブリッシャーが保守的な案件を好むようになったため、企画の自由度が低下していました。そこが日本勢のつけ込む隙だったんですけどね。ふーむ。
蛇足
日本でも、企画の自由度が上がってきた会社が元気ですよね。狭い意味でのゲームの縛りから脱した任天堂。『ムシキング』『おしゃれ魔女』やセガトイズ関連もふくめて全方位に「数撃ちゃ当たる」ができるようになってきたセガ。一方で、企画の自由度が低下している会社は危うげなムードになっています。何でもかんでも『無双』一色になっているコーエーや、予算を厳しく縛りすぎて企画の自由度が低下しつつあるコナミ、ナムコ。