「日米で進む「GTA」包囲網」で取り上げた「GTA」の隠し性的描写の問題が進展しました。
ITmedia 「GTA開発元、わいせつシーン作成認める。レーティングは”成人のみ”に」
レーティング機関であるESRBが「GTA」のレーティングをM(Mature)からAO(Adult
Only)に変更しました。これに伴い、ウォルマート、ターゲットコープ、ベストバイなどの小売店チェーンが店頭から「GTA」を撤去すると表明。北米で
はレーティングがAOのソフトは取り扱わない流通が多いのです。
発売から半年以上経過していますから、売上への打撃は限定的でしょう。とはいえ、多大な売上をほこるソフトだけに損失も大きい。パブリッシャーのTake
-Two は四半期の売上が5000万ドル以上低下し、流通からの返品に対応しなければならない、と業績を下方修正しました。
売上高13億〜13億5000万ドル 1株利益1.40〜1.47ドル
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売上高12億6000万〜13億1000万ドル 1株利益1.05〜1.12ドル
今回「GTA」に隠されていた性的描写は、改造プログラムを使わない限り、オープンしませんが、XBOX版、PS2版にも隠されているようです。問題は、
開発元のロックスターが途中で隠しデータの存在に気づきながらも、納期などを理由にそのままマスターアップしてしまったのか、それとも一部の内部スタッフ
がいたずらで入れてしまっただけなのか。
おそらく後者だとは思いますが、ゲーム業界関係者が何の根拠もなく、そう主張しても説得力はもたないでしょう。徹底的な原因追及がおこなわれると思いま
す。
「明らかに、このゲームには性的な素材が埋め込まれていた。開発元はそれを認めた」とクリントン議員。「しかし、この会社が
レーティングシステムを操ったという事実は依然として残る」
同議員は米連邦取引委員会(FTC)の調査を要求し、ESRBはもっとコンテンツの取り締まりを行わなくてはならないと主張した。
「同社の責任を示す上でのこの最初の一歩を賞賛する」とESRBのエグゼクティブディレクター、ティム・ウィンター氏。「たぶん、このコーディング問題に
ついては両社がとことん真相を究明する必要がある。問題のシーンがどのようにしてゲームに入り込んだのか、どうやってレーティング委員会を通過したのかを
明らかにしなければ」
ここまで問題が広がってくると、「GTA サンアンドレアス」の日本での発売に影響が出る恐れもあります。少なくとも、隠し性的描画シーンがゲーム内から完全に削除されたバージョンでなければ、またぞろ週刊誌にネタを提供することになりそうです。
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