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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2003年12月31日

非常に素晴らしいまとめに感服の極み

非常に素晴らしいまとめに感服の極み

PCゲーム道場さんの「ゲームの発売延期・コンソールとの融合について」がPC
ゲーム(特にFPS系)の現在の問題点を非常に素晴らしくまとめられています。
このBBSに来ている日本のゲーム開発者の中には、「俺もそう思っていた」「何を今更」と思われる人もいらっしゃるでしょうし、非常に真剣に認識を深めて
いるライターの人も同様かもしれませんが、認識の確認という意味で、非常に価値の高いまとめだと思います。必読。
はっきりいえば、この種の問題はすでに日本国内の開発スタジオは経験済み(プログラマブルシェーダーはさほど普及してないとはいえ、じつはそれは本質的で
はなく、グラフィック環境のマルチ化と高品質レンダリングと独自グラフィックの構築が本質的な課題)の問題であり、そして欧米の少なからぬコンシューマー
系開発スタジオもじつは経験している問題です。
問題の表面化と克服が一番遅れていたのが、欧米のPCゲーム業界だったというだけです。良くも悪くも、少人数でのチーム開発の傾向が強いだけに深刻ではあ
りますね。
EAは強いが、課題は見えている日本は何だかんだで、開発分業化がアニメ業界的に加速しています。正直まだまだ映像産業ほどのレベルには
達していませんが、いずれ遠からず納期性とコスト性の両面で優れた状態に達するとの確信はあります。これは多くの開発者が、”苦しいけどそこには達する”
と確信していることだと思います。
欧米にしても、EAのような映像産業との連携によって開発体制を変革できたところだけが明確に強くなっており、同様のことが起きているといえます。決して
日本がEAに比べて変革が遅れているわけではない(ただ、大手や体力のある会社ほど変革が遅れてはいます。まぁ余裕があるほど変化にうといのは仕方のない
自然なことではあるのでしょう)。
変化はそれぞれの地域で、それぞれのビジネス環境にあった形で起きているというだけのことです。映画産業が弱く、アニメ産業が強い日本においては開発体制
の変化はEAと同じではありえない。今EAが強い→EAの体制が一番→日本もEAと同じであるべき、というロジックはチープなものです。全員がEAになれ
るわけではない。それは日本だけでなく、欧米でも同じことです。
またEAは遠からず、2,3年したら、一度壁にぶつかるのではないかと思います。これは忘年会の3次会でも話したことですが、単純に、映画ゲームには版権
使用料がかかりすぎており、今の売上が維持できなくなったら、とんでもないことになるのは明白です。次世代ゲームになればさらに開発費が高騰するのもまた
必然です。
映画ゲームはしばらくは好調でしょうが、映画を観に行って映画のDVDを買う額よりも、映画ゲームの値段のほうが高い、ということの馬鹿らしさに消費者が
気づいた時(つまりちょっと飽きが出てきた時)に、落ち始めると思います。そのタイミングと、開発費の高騰のタイミングはまあ大体同じ頃だろうなと予想し
ています。2004年は大丈夫でしょう。2005年もたぶんもつでしょう。2006年は……?という感じでしょうね。
EAの人たちが楽観的な欧米マンセー系ライターと同レベルの先見性しか持ち合わせていないなら、その時点で一度壁にぶつかるでしょう。まあ彼らが人並みの
知能を持ち合わせているなら、その時までに全世界規模の開発分業を達成しているでしょうね。そしてEAはかなりそれを促進している。
もう1つは、高い版権使用料を抑えにかかることで、自ら映画版権で儲ける側に回ることでしょう。映画制作そのものにも参画し、ハリウッドとのより完全な融
合を果たすことです。EAはこちらにも熱心だと思います。おそらくEAはバカではないからやり遂げるのではないかな。
これは、外部版権が強いコナミよりも自社版権の強いバンダイが国内で強くなっていることにも通じる現象かもしれません。

Posted by amanoudume at 2003年12月31日 07:27 個別リンク