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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年04月11日

オタクが鑑賞するのはストーリーでも、消費しているのはキャラクター

XREAのDNSがおかしくなっている模様・・・・。一時的に直ったり、またおかしくなったり・・・・。

ひぐらしのなく頃に テレビアニメ公式サイト
じつは全然期待していなかったのですが、なんのなんの、すばらしいクオリティでした。
ノベルゲームのアニメ化でよく問題になるのは、分岐する物語の再構成の仕方です。分岐する物語を1個の流れに再構成しなければならず、本来の伏線を描写しきれなかったり、主人公の人格が分裂してしまったりするのです。また奈須きのこ作品のように、特徴的な文体や膨大な設定をもつ作品の場合は、アニメの演出が文章に追いつかなかったり、設定が形作る雰囲気をアニメの中で再現しきれなかったりします。

一方、『ひぐらしのなく頃に』は元々選択肢が一切無く、『鬼隠し編』『綿流し編』・・・・と順番に作品がリリースされてきました。従来のノベルゲームに比べると、小説や漫画のような非インタラクティブなメディアに近い形式です。そのため、作品全体をぶつ切りにしたり、再接合することなく、他のメディアに持っていけます。
コミックでは各編それぞれを異なる漫画家が執筆するというスタイルで、各編がほぼ同時期に連載開始されました。アニメではどうやら各編が順番に流れるようです。

   <出題編>
    ・鬼隠し編
    ・綿流し編
    ・祟殺し編
    ・暇潰し編

   <解答編>
    ・目明し編
    ・罪滅し編  ←アニメ版はここまでらしい
    ・皆殺し編
    ・祭囃し編

ノベルゲームは一般に描写が多く、文章がくどくなりがちですが、アニメ版は原作の中から部活や日常描写をうまく抽出できていますね。冒頭の撲殺のシーンを外さなかったのも正解。どうしたらあのシーンにつながるんだ・・・・という興味で、視聴者を引っぱれると思います。また、沙都子のトラップの場面をけずって描写の中心をレナと魅音に絞ったことで構成が引き締まりました。視聴者もだれに注目したらいいのか、混乱しないですみます。

ノベルゲームのアニメ化では、再構成の問題とならんで、雰囲気の再現もよく問題になります。
例えば、Type-Moon作品はアニメ化が遅く、本編(シリアス進行)→ファンディスク(日常重視。公式SS、公式パロディ)→本編のアニメ化、という順番で展開されます。本編を忠実にアニメ化しようとすればするほど、物語はシリアスになり、日常描写はストイックになり、キャラクターは暴走しなくなります。しかしファンにとっては、すでにファンディスクの世界、つまりキャラクターが物語の筋におかまいなく勝手に動き出している世界こそが『月姫』や『Fate』なのです。

このため、『月姫』ではアルクェイドが笑わないという指摘がありましたし、『Fate』でもセイバーが冷たすぎるという指摘がありました。『月姫』も『Fate』も基本的にかなりシリアスな話です。そういう意味ではアニメの演出は間違いではないのですが、ファンからすると何か大切なものが欠け落ちてしまったように感じられるのです。あれ? こんなキャラだったかな? と違和感をおぼえることがよくあります。

何故かというと、オタクの作品消化の仕方、つまり二次創作、同人、アンソロジーといったものは、物語の筋などおかまいなしに、キャラクターを立たせ、自由にし、暴走させ、勝手にありもしない日常をつむぎ出すものだからです。

オタクが鑑賞しているのはストーリーかもしれませんが、消費しているのはキャラクターなんですよね。オタクは日常描写や仲良し空間に飢えていますから。実際、オタク向けのストーリーメディアでは、何らかの形で(公式あるいは非公式に)この日常分を補完しています。例えば、ライトノベルでは、長編で比較的シリアスに物語を展開させ、短編集のほうで良くも悪くもワンパターンな、退屈だけど、大切な日常を描くというスタイルが典型的です。

『ひぐらし』はまずたっぷりと日常を描いてから、ふとしたことで日常が崩壊していくサスペンスを描く作品です。ファンの間でどれだけ日常や仲良し空間やキャラの暴走があろうとも、物語の筋は崩壊しませんし、ファンの抱くキャラクターとアニメ版のキャラクターの間に、乖離が生まれないんじゃないか、と思います。

Posted by amanoudume at 2006年04月11日 03:08 個別リンク
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コメント

月姫のアニメは純粋にシナリオが駄目だったから批判されていたように思う。

あのアニメを擁護する事は私には出来ない。

別に擁護するつもりはありません。
ボクもあれは最悪だと思います。

かといって原作に忠実なアニメ版『Fate』もやっぱり駄目駄目ですし、
2本続けて失敗してますし、奈須きのこ原作のアニメ化が難しいのも
確かかと。

はじめまして、猫山01と申します。

個人的にひぐらしのアニメはデキが悪い気がするのです。
単純計算ですが、全26話を6編で割ると各編4.3話になります。

>『ひぐらし』はまずたっぷりと日常を描いてから、ふとしたことで日常が崩壊していくサスペンスを描く作品

自分もご指摘の通りだと思うのです。
個人的にはひぐらしの良い点は上記もそうですが、BGM等とキャラの「目」も大きなウェイトを占めてると思いますが。

まず「ひぐらし」には日常ありきなわけです。
しかし、各編4話で収めようとすると日常シーンが削られてしまい、視聴者に「ひぐらし」の良さが伝わらない気がするのです。

現に「鬼隠し編」一話(原作2日目・3日目)と2話(原作9日目1・2、10日目、11日目)を観た限りでは、日常シーンが少なすぎたと感じました。
二話の後半部分で圭一とレナが言い合うシーンで果たして恐怖感が伝わったのか疑問です。

それに加えて、圭一の心理描写も大事だと思うのですが、やはりアニメではあまり描写されてないと思いました。

シナリオ重視のゲームを限られた話数のアニメで表現するのはチト無理があるのではと感じます。

どうも、独りよがりなことを長々と失礼しました。

そうですねえ、2話目はちょっと残念な出来でしたね。
2話目で「嘘だッ!」までやっちゃうのは早すぎです。

漫画版と比較しても、アニメ1話と漫画1話はほぼ同じ長さでしたが、
アニメ2話は漫画2話&3話の話を詰め込んでいます。漫画の1話と
アニメの1話をほぼ同じボリュームとするのが妥当に思います。

つまり各編6話ですね。ただ暇つぶし編は短くて済みますし、
導入編である鬼隠し編を特に丁寧にやるという配分はありだと
思います。
例えば、6、5、5、2、4、4の26話とか。
が、残念ながら、製作スタッフはそういう判断をしなかったようですね。

ただ、奈須きのこ原作のアニメ版ほど、キャラクターのイメージに
ズレが無いという印象はやはりあります。

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