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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年07月19日

日米で進む「GTA」包囲網

残虐ゲーム:グランド・セフト最新作、隠し性的描写も?
奈川県が有害図書に指定した後、注目の高まっている「GTA」ですが、米国でも「GTA」に関する問題が持ち上がっています。「GTA
サンアンドレアス」の中に、露骨な性交渉のシーンが隠されていて、改造プログラムを使うことで、ユーザーが誰でもそのシーンを見ることができるようです。

改造プログラムの作者のウェブサイトでは、性行為のシーンはゲーム本体の中に隠されていて、ユーザーが見られないようになって
いたが、それを使えるようにしただけだと主張している。事実なら、ロックスターが
ESRBへの情報開示を怠ったことになり、レーティングが現在の「M」(17歳以上)から「AO」(成人向け)に引き上げられる可能性がある。

問題の焦点は、開発元のロックスターがレーティングを行っているESRBに対して、適切な情報開示をおこなっていなかったのではないか?という点。性交渉
を表現の自由として盛りこむのは、作り手の自由でしょうが、もしウソをついていたのなら、最悪の行い。
ところでそもそもウソをつく理由はあるのでしょうか? 米国では、レーティングによっては取り扱いをしない店が多くあります。特に、現在のMature
(17歳以上)から、Adult Only(18歳以上)になると、売り場が明確に区別されるうえ、取り扱わない店舗が大幅に増えるのです。
レーティングというと、「表現の自由」のためという美しい言葉だけが持ち出されがちです。しかし実際には、レーティング結果は売上にまったく無関係ではあ
りません。
もちろん、本当にロックスターが意図的にレーティングを操作しようとしていたのかどうかはわかりません。実際、改造プログラムを使わなければオープンしな
いのであれば、グレーという気がします。
しかし今回の件で、レーティングを行うESRBの有効性には、大きな傷が入りました。ESRBは日本のCEROを設立する際に参考にした団体です。米国通
のゲーム業界関係者は「米国のほうが日本よりもレーティングが浸透している」「CEROは米国のESRBを参考にしているから大丈夫」などといいますが、
実態はこんなものです。正確には、「実態がこんなもの」だと知れ渡ってしまいました。ゲーム業界の自主規制を不十分と考える人たちが、日米で勢いを増すの
は確実でしょう。
残虐ゲーム:ヒラリー議員、「隠し性的描写」の調査要求
ヒラリー・クリントン米上院議員は14日(現地時間)、人気ゲーム「グランド・セフト・オート・サン・アンドレアス」に露骨な性
交渉の場面が隠されている疑いが浮上したため、連邦取引委員会(FTC)に調査を開始するよう要求した。既に業界団体が対応に乗り出しているが、強制力の
ある公的機関の関与を求めており、問題が大きくなってきた。
 同議員はFTCに文書を送り、隠されていたというのは事実かどうか調べるよう要求。さらに、ゲームのレーティングを現在の「M」(17歳以上)から
「AO」(成人向け)に変更すべきかどうか、業界自身によるレーティング制度が機能しているかどうか、報告するよう求めた。
(太線は引用者)

題は「GTA」1本ではなく、米国のレーティング制度そのもの、ひいてはゲーム産業への信頼感にまで広がりつつあります。

Posted by amanoudume at 2005年07月19日 00:30 個別リンク