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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年10月25日

日増しにふえつつある「SCEの失墜とマイクロソフトの台頭」論

ここ最近、急速に1つの見解が支持を集めつつある。それはPSX、PSPと失敗を続けたSCEがPS3でも同様の失敗をくり返し、マイクロソフトに欧米で
のシェアをうばわれる、という未来予測である。今月に入ってから、ボクはいろいろなBLOGで、同じ予測をいくつも見かけた。
ボク自身、このBLOGにおいて「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」という記事をかいたが、賛同の意見をトラックバック、メール等でいくつもいただいている。

2つばかり、他のBLOGの記事をあげる。
「さて次の企画は」さんのSCE上層部の腐敗と、ゲーム業界ヘゲモニーの移行
まこなこさんの2004年10月22日:次世代Xboxが世界シェアトップになる可能性を語る
いずれの記事も視点はそれぞれ異なっていて、逆にいえばそれだけたくさんの「根拠」が挙げられているということだ。ボクの記事はSCEIが魅力ある製品を
打ち出せなくなりつつあること、ソニーグループの戦略が露骨に前面に出た製品がことごとく失敗していることを中心に書いている。「さて次の企画は」さんの
記事はSCEの上層部の腐敗と、ソニーグループ内の(実際のところの)足並みの悪さをクローズアップされているし、まこなこさんの記事は日米の市場規模
や、日米の開発力の変化を論点にされている。
他にも同様の記事は日増しに増えているが、ざっと見渡しても、じつに不安要因が多い。
  ・ソニーショック以降のソニーブランドの急速な失墜
  ・PSXの大失敗によるPSブランドの失墜 (PS神話の崩壊)
  ・ソニーと消費者とのズレっぷりが顕著 (アテネ需要を逃す、ネットワークウォークマンの不振、等々)
  ・PSPの壮大な失敗 (が予感される現状)
  ・PS3でのBD採用 (消費者を刺激するとは思えない)
  ・マイクロソフトがソフトメーカーを取り込むべく堅実に動いているのに、ソニーは半導体やディスクの話しか出てこない
  ・PS twoでHDD非対応など、当初の構想が大幅にこけている
こうしたソニー周辺の事情のほか、北米のゲーム産業の現状も不安要因のひとつだ。
北米の据置型ゲーム市場において、EAがますます存在感を増している。今年のE3のカンファレンスでは、マイクロソフトもソニーも、ともに「EAタイム」
とでもよぶべき、EAのゲームのためだけの時間をもうけていた。「うちのハードにはEA様のゲームが○○本、出るんです」と自慢しあったわけだ。それぐら
いEAの影響力は大きい。逆にいえば、据置機の競争においては、EAのより強い協力を得た者がそれだけ有利に戦える。
EAはこれまでのところ比較的ソニー寄りではあるのだが、別段ソニー信者の集団でもなんでもないわけだから、条件さえ整えれば、非常にビジネスライクに対
応してくれる。据置機の競争において、強い決定力はEAにあって、じつはソニーの手の中にはないのである。EAはプラットフォームの切り替えの早いメー
カーとして有名だ。だから、北米のソニー陣営は、崩れるときは面白いぐらいあっという間に崩れることになる。
かくのごとく、不安要因は非常に多いのだが、もっとも大きな不安要因は、SCEが構想を具現化する材料をほとんど打ち出せないでいるうちに、こうも多数の
不安要因が次から次へと浮き上がっている事実だ。不安要因を消して回る余裕がないのか、あるいはそんな危機感さえなくしてしまったのか?
いずれにしろ、余裕ぶっていられないはずの状態で余裕顔でいるのは、傍から見れば、失笑ものである。そして今、ネット上に失笑の輪が広がっている、というわけだ。

Posted by amanoudume at 2004年10月25日 12:09 個別リンク