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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年10月28日

希少価値

常連の方ならご承知のとおり、ボクはゲーム系のライターに非常に辛らつな姿勢を取っています。容赦なく、毒舌の極みの極みを叩きつけます。けれども中には、その仕事を高く評価できる方もいらっしゃいます。例えば、その1人がポップ・コラムで毎回、秀逸な記事を執筆されているモリサワジュン氏です。批判精神と愛のバランス感覚の取れた方で、このBLOGでもリンクを張ることがよくあります。

そして最近、注目しているライターがもう1人います。小野憲史氏です。じつをいうと、元「ゲーム批評」の編集長ということで、始めは色眼鏡で見ていたんですよ。ゲーム批評って、あまり良い印象が残ってませんから。

評価を改めたのは、日経キャラクターズに掲載された記事を読んでから(その増強版がこちらに掲載されています)。
少し古い記事になりますが、欧米のゲーム産業の動向が非常によくまとまっていますし、バランス感覚が非常にすぐれています。こういうバランス感覚は希少で
すね。ボクは、あるライターを信頼できるかどうかの1つのポイントを、バランス感覚だと考えています。それがネット上にゴロゴロころがっている、ただの感
想文との最大の違い。
海外の情報を記事にするライターには、洋ゲー大好き、日本のゲーム嫌いな人が多いらしく、どうも偏向した記事を書く人が多い。欧米のゲーム産業の問題点に
は一切目をつむり、賢しらに日本のゲーム産業の問題点だけ嬉々として指摘する。自分の大好きなFPSはほめちぎるくせに、日本のマニアゲームは嫌悪感に満
ちた記事をつづる。おまけにたいした技術知識もないくせに、「日本は技術が劣っている。欧米はすばらしい」という。発売延期を繰り返す開発スタジオを取り
上げて、「すごい開発力。このままでは日本はやばい」などと平然とのたまう。
そういう歪んだフィルターをかける人が多いからこそ、適切なバランス感覚で現状をまとめあげる力量をもった人物が貴重になります。まさしく希少価値という
言葉の意味がよくわかります。
おまけ最近、失笑した「歪んだフィルター」は、日本のゲームは「お子様向け」「優等生」で、欧米のゲームは「大人向け」「不良」だという
言説。ちなみに恋愛ゲームも、日本のゲームはガキ向けで、大人の鑑賞に耐えないけど、(最近少しずつ増えてきた)欧米の恋愛ゲームは大人の味わいらしいで
す。
そういう痛々しい言説を読んで、ボクの頭の中に浮かんだイメージは……。
ジャンクフードの食いすぎで味覚の破壊され、辛いものしか味を感じられない人間が、「暴君ハバネロ」をもって、喫茶店に乱入。ケーキとお茶を楽しんでいる
女性の前で、バリバリとハバネロを食い散らかした挙句、「甘いものばっかり食ってるんじゃねえ。お子ちゃまが! もっと辛いもの食え、辛いもの。辛いもの
食うのが大人!」と叫んでいる。そんな光景。
いや、別段、世の中には甘党もいれば、辛党もいるわけです。なのに、甘党が子供とか辛党が大人とか……。なんつー幼いロジックだよ。小学生じゃねーんだか
ら……。今ゲームを買っている主要ユーザーの年齢層とかもろもろ、わかってんのかねえ。

Posted by amanoudume at 2004年10月28日 11:12 個別リンク
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コメント

先のエントリのソニーの資金力云々のくだりは何でさっくり消しちゃったんですか?
一部修正しましたぐらい書いとけよぅ。

はじめまして。
話題が異なるコメントを書かないでほしいものですが(ちなみに一定時間経ちましたら、削除します)。
>先のエントリのソニーの資金力云々のくだりは
???
って、どのエントリのどのあたりに書いていた内容でしょうか?
あまり意識してなかったというか、特に強い意図があったわけ
ではありません。
文章が冗長だったりした時には、段落ごと削除して縮めたり
することはありますし、1度アップしてから何度か読み直して、
細かな修正を入れることもたびたびです。
が、こちらの文章意図が明らかに変わった場合をのぞいて、
いちいち「修正しました」は入れてませんね。しょちゅうやってる
ことですので。