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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年12月23日

二極化していく「未来」

二極化していく未来

EAのUbisoft株取得は敵対買収?あ・・・・
てっきり、両者合意の上での連合なのかと思ってましたが、ロイターによると、Ubisoft側はニュースが流れるまで株式取得の事実を知らなかった(EA
は欧州の投資会社から株を購入)らしいです。ライバルを潰す目的もあるのでしょう。EAといえば、数年前、セガを買うという話が浮上したこともあり、規模
の拡大に積極的な印象がありますね。まぁ今さらEAが日本のゲーム会社を欲しがるとは、あまり思えませんけど。
日本の業界再編は買収や合併はちょっと一段落した感がありますから、しばらくは経営破綻による淘汰が中心になりそうです。次世代になると、ますます開発の
しきいが上がっていきますから、作り手側も、市場も、大作路線と軽量路線に二極化していくんじゃないかな。
Xbox2やPS3のような次世代据置ゲーム機は前者の路線でしょうね。ただ、現世代ではまだ利益を出すことが「かろうじて」できました
が、次世代以降はどうやって回収するかという問題がますます重くなるでしょう。当面は巨大パブリッシャー同士のパワーゲームが続きそうですが、映画産業に
おいて映画以外の収入が8割以上を占めているように、何らかの利益モデルを作れないかぎり、いずれはジリ貧におちいります。
後者は据置機においてはSIMPLEシリーズを始めとする低価格路線。映画に対するTVドラマのような位置づけかな? SIMPLEシリーズは自分のポジ
ションにとても自覚的で、深夜番組的なバカゲー路線を推進していますね(成熟して「消費」されるからこそ生まれる市場)。開発会社も映画系とTVドラマ系に分かれていきそうな気がします(孫請けレベルでは同じ会社が請けてるかもしれませんが)。

しかしTV放送のように「枠」が決まっている世界ではありませんから、単純に安く売るというのも、中長期的にはつらい話です。安くても別の価値がちゃんとあって、それなりにお金を取れる、という仕組みがほしくなってきます。

二極化による追い風と逆風

その答えの1つが携帯ゲーム機市場でしょうね。据置ゲーム機とは評価軸が違いますから、中小規模のゲーム開発会社の受け皿として可能性があります。また、大手ソフトメーカーも据置ゲーム機だけで食っていける状況でもありません。携帯ゲーム機の市場拡大は業界的な潜在ニーズ
しょうね。本来PSPはそうした潜在ニーズを掘り起こす戦略に出るべきでしたが、DSのほうがニーズを掘り起こせている気がします。
顧客分析を見ても、女性比率が25%など、新規ユーザーの開拓にも成功しています。「ピクトチャット」「バンドブラザーズ」など、無線通信を中心にしたソ
フトも豊富で、もちろん「タッチパネル」もユーザーを惹きつける魅力になっています。過去の市場原理はまだ健在なものの、資金力と人数だけで勝負するパ
ワーゲームとは異なる動きも生まれつつあります。
PSPはソフト販売の傾向を見る限り、PS2(据置機)のクローン市場は作れても、相補的な市場は形成できなさそうです。もちろんクローン市場はクローン
市場で、一定の需要はあると思います。ただ、従来の携帯ゲームユーザーや、軽いものを求めるニーズを取りこぼしてしまうと、結果的に「ゲーム機以外」の
ゲーム市場(携帯電話その他)に移行するユーザーが増えるだけ。
DSとPSPのスタートダッシュは大きく差が開いていますが、PSPの出荷不足だけがすべての要因ではないでしょう。それならいまだに品切れの量販店が出
るほど、DSが高消化率で推移している理由が説明しきれません。市場とユーザーの二極化の流れの中、DSは追い風を受けている(ユーザーがそちらに寄って
くる)が、PSPは逆風が吹いている(ユーザーが離れていく領域)のでしょう。今はゲーム以外の娯楽、ゲーム機以外のゲームプレイ手段がいくらでもありま
すから、ユーザーが寄ってくるニーズ領域のど真ん中に商品を投入しないと、長期的にはつらい。

「未来」を提示できた者が勝つ
PSPの感想を見ていると、結局は圧倒的に「液晶がきれい」であって、
それってシャープがスゴいんであって、SCEがスゴいわけでも、中で動いているゲームがスゴいわけでもない。ゲームは短期間の割に良くできているけど、別
にそれは当たり前のこととして受け止められている。シャープにお金を払って、シャープの液晶のためのデモンストレーションソフトを作ってる、みんなで
シャープの宣伝をしているだけのような・・・・。「液晶といえばシャープ」ですから、液晶画面の下の「PSP」のロゴのかわりに「SHARP」のロゴを入
れたら、もっと売れるんじゃないか、とさえ思いますよ。
PSPソフトの中では比較的「リッジ」が売れていますが、「R」に拒否反応を示した旧来の「リッジ」ファンを捕まえたのと、あのきれいな液晶を実感するた
めのデモゲームとして最適だったからでしょう。性能がスゴいね、という話はゲーム開発者の視点。マニアの場合は下手すると「PS2並みといってたけど、ポ
リゴンはやっぱりPS1.5みたいな感じだね」なんて、感想も出てきちゃう。「液晶がきれい」の新鮮さが失われた後に何が残るのか?
ハードとして見た時、DSの進化形はわかりやすいんですよね。性能が無い分、いくらでも良くしようがあるから。もっと軽くなったり、もっと液晶が明るくて
きれいになったり、もっと無線LANの範囲が広がったり。まぁ任天堂のことだから、単純にスペックアップだけ追いかけたりはしないのかもしれませんが、要
は先が見えやすい。作り手側にも、ユーザー側にも喜ばれる進化がありそうな感じ。携帯機ならではの工夫を加えていきながら、順当に進化していきそう。
PSPって、進化形が見えにくい。PSP2って、イメージしにくいでしょう。UMD2になって9.8GB入りますとか、液晶の解像度が上がりましたという
だけでは、ちょっとねえ。もしかするとiPodみたいなメディアレス型になるのかもしれませんが、ドライブが無くなるとソニーと任天堂の差って、逆に縮ま
るんですよね。据置ゲーム機の「先の見えない」不透明感をそのまま携帯ゲーム機の世界に持ち込んでしまった
が痛々しい。
今は競争過多や開発費の高騰で、先行きの不透明感が増していく状況です。おそらく「次」の答えを提示したプラットフォームホルダーがより大きな支持を集め
るのでしょう。携帯ゲーム機において「未来」を提示できたのは任天堂。もっとも、ゲーム業界的には、最大の焦点は「据置ゲーム機」の未来でしょう。
「PSX」が売れてれば、まだ見えやすかったんですが、コケちゃいましたからねえ。
シェアについていえば、Xbox2とPS3の競争が激化して、Xbox2がかなりシェアを奪うんじゃないか。もしかすると欧米のシェアはXbox2が奪っ
ちゃうんじゃないか。というのが大多数の読みでしょう。その辺りは「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」
議論したとおりです(しつこく再掲していますが、最近こられた方も多いと思います)。
この記事を書いた時と若干、細かい状況は異なっていますが、大きな状況は変わっていません。PSPは間に合いましたが、初期不良の惨状を見れば、「ハッタ
リ」ではなく「デタラメ」に近い間に合わせ方だったといえますし、盛り上がるけど悪い話題ばかり、という傾向も変わっていません。細かいレベルでの差異に
ついては、SCEがここまで短絡的かつ自滅的な行動に出るとは思わなかった、というのが正直な感想。何かを予想する時は、ついつい、自分と同程度の知性
(理性?)を相手に期待してしまいがちですね。
結局、たった2ヶ月の間に、「天下二分」の現実性が予想以上に増してきました・・・・。SCEはもうちょっとがんばるかと思ってたんですがねえ・・・・。
すぐにではありませんが、いずれ続きは書きたいですね。

Posted by amanoudume at 2004年12月23日 00:00 個別リンク
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Listed below are links to weblogs that reference '二極化していく「未来」' from 発熱地帯.
任天堂「DS」は女性層を開拓・・・って分析はちょっと待った
Excerpt: 世間ではクリスマスだなんだと浮かれムードだったワケですが、どれ、僕もちょっとだけ地面から首を出して、ブログでも書いてみましょうか(@@...
Weblog: Gamer's Report
Tracked: 2004年12月25日 17:09

コメント

PSPはとりあえず「PS2のダウンコンバージョン」で稼げるけど、その後が続きそうにないのが痛い。「ダウンコンバージョン」のコストと売上が釣り合う
かどうか不透明だし。
SFCのリメイクがあふれたGBA市場の反省をしたのが任天堂、デッドコピーを作ろうとしたのがSCE。攻める側が守っていてどうするんだろう。

無線ネットワークに関して、PSP版「どこいつ」がPS1版のクローンに過ぎなかったのが私としては残念です。ソフト側の進化の無さっぷりが露呈してまし
た。「ピクトチャット」的な広がりも無いし。インターフェイスもな・・・タッチパネルがあればね・・・。

両ハードの未来についてくだりですが、
どちらも“半導体や構造の高性能化”に限った指摘であり、
表現としては「進化」と言うより「進歩」の方が適切ではないかと思いました。
NDSは 新たな可能性を秘めて従来型から変化した「進化系」。
PSPは 従来型をそのまま発展させた「進歩系」。
本記事で指摘されているように、閉塞感の漂う現在のゲーム市場に求められているのは紛れもなく「進化」であり、20年来繰り返されてきた単純なスペック
アップによる「進歩」ではないですね。
今回、もし任天堂がNDSの代わりにGBA2を投入していたとしたら、それはきっとPSPと同じ「進歩」に留まり、NDSのような賞賛は受けられなかった
と邪推しています。
そういう意味で、任天堂が Revolution でどういう質的変化(≒進化)を目論んでいるのか楽しみです。

初めまして。「不具合」発生より読ませて頂いてます。
自分は任天堂ファンの為、今回の騒動を偏った目線で見ているのは否めませんが、メディアがこれらの騒動を伝えないでいることに疑問を感じていました。
ところが・・・
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1224/config032.htm
れをせめてもの業界ライターの抵抗と見るのは穿ち過ぎですかね?
一見自分の体験を述べているのですが、商品名を置き換えればPSPおよびソニーに対する苦言ともとれます。
ひねくれ過ぎですか?自分(苦笑
あと、贔屓の引き倒しになりますが「さわるメイドインワリオ」の対応の潔さが(ある意味当たり前ですが)ファンとしては好対照で嬉しかったりします。
駄文失礼いたしました。

始めまして。いつも拝見させてもらっています。確かにXBOX2についてはかなりの脅威であると思いますし
日本のゲームメーカーにとっても悪い予感もします。
今後自分のBLOGでも自分なりに意見をまとめてみるつもりです。

↑のブログ、PSP発売後に始まってますね。
微妙にPSP寄りだし。
ご注意を・・・。

ホントだ。ちゃんと読むと、すごく偏ってる。
XBOX2を「脅威」と感じてるのはSCEか、
SCEから仕事をめぐんでもらってる開発会社ぐらいだろ。
(それ以外の仕事がくるほどの力はない連中
大多数の日本のソフトメーカーにとっては
全然悪い話じゃない。
PSPの騒動で一番割を食ってるのは
クレームに悩まされる小売店と信じて
ついていったソフトメーカー。
落ちぶれた家電屋の道具に利用されてる
現状がいかに最悪か、よくわかる実例。

zenさんのblog読んでみましたが、上の方が言うほど偏ってる様には読めなかったんですが。
ソニーハードで開発されている方ですし、多少の思い入れはあるかもしれませんけど……
もしかして騙されてます?>自分

この騒ぎに便乗して、BLOGが立ち上がってるからな。
俺も読んだ。激しくはないけど、微妙にPSP寄りかな。微妙に、というのがミソかもしんない。
初期不良祭りにはあえて触れてないのも、考えてる感じ。その割にPSPの話題が多いのも印象的。
PSPの開発環境は良いね、とか、
DSはPSPを買えなかった人が買っている(潜在需要はPSPの方がある)とか、
任天堂に協力的な開発者は「任天堂マジック」に騙されている、とか。
俺はこの時期にわざわざBLOGを立ち上げて、PSP寄りの話題を振り撒いている所は、ちょっと警戒したほうがいいと思う。

とりあえず、話題になっているBLOGへのリンクは削除しておきました。
最近の状況では、この種の疑いや議論が起こるのは仕方のないことだと
思います。しかし一方で、無実にもかかわらず、疑いがかけられて、本来
伝えたい内容がきちんと伝わらないBLOGがあれば、それは不幸な話です。
そこで、12月中に開設したゲーム系BLOGへのリンク、トラックバックは
管理人が削除することにいたします。事態が落ち着いてくるまでは
それが最善かと思います。

自分のBLOGを拝見してくださって有難う御座います。
自分はNDSもPSPも両方テストをした事がありますけど、どちらも素晴らしいハードだと思いますよ。
自分としてはどっちよりとかでは無く業界全体が盛り上がってくれることを願っております。

久夛良木さんの示すビジョンは、ハード屋寄りですね。こういうハードを作りたいというビジョンがまずあるような気がします。
これも日本企業の伝統なんでしょうが、ソフト屋を軽視している部分がないか。技術者が作りたいゲーム機の理想とユーザーがゲームソフトに何を求めているか
という現実の乖離は指摘するまでもないですね(もっとも、久夛良木さんにしてもゲームマシンとしてのこだわりはなさそうですが)
Xbox2に関しては、非常に「堅実」なハードになりそうだ、というのが堅実な予想だということに反対する人はあまりいないと思います。Liveによる
ネット戦略も非常に堅実だと。逆に言えば、あまり面白みのないGCのようなハードになるんでしょうね。
少し思うのは、両ハードとも、「こういう新しいソフトが作りたい」というソフト屋さんのビジョンが見えてこない。
だから言って、レボマンセーを唱えるつもりはありません。が、両者とも、少しはその辺をもう少し意識されてはどうか、と思いました。「伝統だから、仕方が
ない」といわれればそれまでですが。

ソフトのビジョンはソフトで示すもんだと思うけど。いたずらにハードでそれを示すのは、うっかりするとソフトの幅を狭めかねない。

NVIDIAが作るPS3メディアプロセッサのアーキテクチャ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1227/kaigai145.htm
常に参考になりました。
>
ゲーム機ベンダー3社のなかで、もっともアグレッシブなアーキテクチャを取って来たのがSCEIだ。MicrosoftがPCの技術手法をゲーム機に持ち
込み、任天堂が玩具としてのコストパフォーマンスを追求するのに対して。SCEIは、ゲーム機を新しいコンピューティングプラットフォームと成立させよう
と、斬新なアプローチをとり続けて来た。
この辺が一番、後藤さんの本音っぽいような気がしました。
よりアグレッシブな半導体の技術を見たいという欲望。
> 開発者たちは、第3世代機にはグラフィックスよりも、むしろシミュレーションのためのパフォーマンスを要求したと岡本氏は説明していた。
この辺は正直よく分かりません。
ただ、
「PS6か7は,バイオテクノロジーをベースにしたものになるだろう」 という発言もあったのも記憶しています。

ソニー批判みたいな書き方になってしまいましたが。
以下、PS3に対する個人的な意見です。
某板で少し議論したのですが、個人的には、ソニーはPS3を
出す前に、Cell搭載のLinuxPCを出すべきではないかと思います。
ワイヤードネットワークが、ゲームマシンよりもPCの方が
はるかに親和性が高いのは、明白な事実ですし。
OSやビジネスアプリ関連のカスタマイズは、米国企業に任せて、
(日米戦争という形を取らずに)、対MSという形を取るべきだと
思います。(Winのエロゲーが出来るようにエミュも入れるとか)
というか、そういうマシン、欲しいです。