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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年02月22日

北米で続くゲーム市場の縮小

北米で続くゲーム市場の縮小

Gamasutra - U.S. Game Sales Down In January, Xbox 360 Sales Slow
北米のゲームソフト市場が前年比で5%縮小したようです。ここ数年拡大し続けてきた北米市場は去年の秋から前年度割れが起きていて、数年前の日本と同じようにゲーム市場の縮小現象が起こるのではないか?という懸念が強まっています。もっとも、基本的に北米のアナリストは非常に強気ですけども。

しかしソフトメーカーはそこまで楽観していないような印象を受けます。例えば、北米ゲーム産業の成長の象徴ともいえるEAにしても、従業員の5パーセントを解雇しました。次世代ゲーム機の立ち上がりも意外と遅い。XBOX360は1月に25万台と堅調なものの、去年からの累計が85万台と少なく、供給能力の低さが改善されたとは言いがたい状況です。

また、去年のE3では2006年3月と言っていたはずのPS3が今の所3月に出る気配を見せません。いつのまにか「春」と言い出しているのが面白いわけですけど、その春にしてもコーエーの松原氏から「春と言われてますが、凄い暑い春になるかもしれませんね(笑)」というコメントが出てきている状況。ちなみにEAの予想は10月以降のようです。

1つ明快なのは、次世代据置ゲーム市場の立ち上がりが当初の予想より遅れていること。先行投資した企業にとって、これは危険な兆候です。ハードの普及台数が少ない時期には、やはり売れるソフトの本数も限界があります。


安易な「北米ゲーム開発優位論」はフェードアウト

また、2005年の国内の市場の変化や、北米ゲーム市場の縮小を受けて、「日本先行論」が勢いを持ち始め、「北米ゲーム開発優位論」が急速に支持を失いつつあります。実際、日本のソフトメーカー各社は北米市場に切り込んだはいいものの、かなり痛い目を見ていますし、一方で国内を軽視しすぎてDSの大ブレイクに代表されるような国内市場の活性化の波に乗り遅れた企業も出ています。

最近調子がいいのは任天堂以外ではセガですが、その復活には『ムシキング』『おしゃれ魔女ラブ and ベリー』が大きな貢献をしています。「国内の市場はもう駄目だ。日本は捨てて北米へゴーだ!」「これからは北米、北米、北米。日本のゲーム開発者より北米のゲーム開発者!」という主張がいかに安易なものだったかが、具体的な数字に現れてきたわけです。今年からは少しバランスの取れた議論が行われるでしょうね。(参考:ゲームのマボロシ「日本先行論」

ここ数年、北米市場の成長と国内市場の縮小が続いたため、日本のゲーム開発者は良くも悪くも自信を失ってきました。そういう不安につけ込むかのように「北米ゲーム開発優位論」が悪い形で流布し、焦ったゲーム開発者が安易な北米受けを狙って、日米両方の市場で失敗するというケースも出てきました。日米のゲーム開発者はそれぞれお互いに学べる点があるはずです。一方、人々の不安につけ込んだ議論は常にチープです。チープな議論は復活にはほとんど役に立ちませんし、いざ市場が盛り上がってくれば、みんなの頭から忘れ去られてしまいます。


クリエイティブという面では尊敬できない部分が目立ち始めた

クリエイティブの面でも、北米のゲーム開発者による日本ゲームのパクリが問題化しつつあります。
有名なのは『直感ヒトフデ』で知られるミッチェルの『パズループ』がPupcap Gamesにパクられて、『Zuma』というタイトルで売られたばかりか、ゲーム・オブ・ザ・イヤーまで受賞した事件です。
    ・ウナム日月の乱筆乱文お許しください:Real Arcadeによる盗作問題で揺れた「瞬感パズループ」がDSで任天堂から発売。
    ・IGDA Japan chapter - ニュース:「Puzzloop versus Zuma」進展を見せないものの認知が進む Pupcapアイデア盗用問題

またゲーム界のアカデミー賞といえる「9th Annual Interactive Achievement Awards」が発表されましたが、『ギターフリークス』によく似た『Guiter Hero』が『nintendogs』と並んで、ゲームデザイン部門賞を受賞しています。
    ・ゲーム界のアカデミー賞「9th Annual Interactive Achievement Awards」が決定

ギターフリークスと同じと思われるかもしれないが、本作では5弦になっていたり、トレモロアームを使ったフィーチャーが搭載されているのが特徴だ。アメリカゲームメーカーによる日本産ゲームのアイディア盗用が問題になっている昨今だが、ただコンセプトを持ってきただけのゲームであれば、本作がここまで高評価を得られることは決してなかっただろう。
記者の方はできる限り冷静かつ公平に書こうと努力しておられますが、画面写真の下についたコメント「5弦あればゲーム性も異なっているということか……」に本音がチラリとうかがえます。

まぁゲーム業界というのは、良くも悪くも「売れれば正義」というところがあって、それがゲームを世界的な産業にしたのも確か。売れている北米ゲーム産業が正義、という行き過ぎた論調も、ある時期までは正しかったのかもしれません。しかし今や、繁栄は倣岸を通り越し、クリエイティブは安易なパクリになりました。もちろん、北米のゲーム開発者の大半は、クリエイティブな方々ですし、健全な議論のできる冷静さをもっていると思います。
今後は「日本先行論」と「北米ゲーム開発優位論」が不毛な論争をせずに、むしろお互いに冷静さを維持するための装置として機能することを期待します。

Posted by amanoudume at 2006年02月22日 01:17 個別リンク
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コメント

経済に関していえば、アメリカがくしゃみをすれば
日本が風邪を引くと言われるくらいアメリカの影響が
大きいですし、流行や文化なども日本は、影響を大き
く受け易い思います。

しかし、ゲームに関していえば日本の市場でおきてい
る現象(ゲーム市場の縮小など)は、世界のゲーム市場の
指針となったり、世界にも傾向が広がっていく可能性が
あるなど、まだまだ影響力を持っている市場とといえるの
ではないでしょうか?

別に日本が一番とかそういうつもりはありません。韓国や
中国では日本以上にオインラインゲームが進んでいるらし
いですし。

ただ日本で市場傾向が早く起きるという事は、その対策に
は参考になる市場がなくやはり自らの力で切り開いていく
しかないのかな?と思います。

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