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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年06月30日

進むPCのスリム化

PCWatch HotHot Review 「BTX採用のスリムデスクトップPC デル Dimension 5100C」うー
ん、小さい・・・・。次買うならこのサイズがいいかも。
購入選択としてデルがいいかどうかはさておき、それなりのパフォーマンスを持ったデスクトップでも、スリムタイプが増えてますね。2、3年前だと、小型
PCというと「メールとブラウザしか使わないエントリー向け」オンリーという印象でした。今はミドルレンジ向けのPCにも小型化(スリム化)の波が押し寄
せてます。
PC全体で見て、ここ数年、「小型化」「静音化」「低価格化」が顕著です。とくに「小型化」「静音化」はかつてはニッチ市場でしたが、いまや本格的な市場
に成長しました。ノートPCの販売が順調なのも、小型で静かで片付けられるPCとして、デスクトップのかわりに買っている人がかなり増えたおかげですし。
そしていわゆるケータイ世代の台頭で、「小型化」「静音化」「低価格化」はますます力強い潮流となります。
神尾寿の時事日想 「ケータイ世代のPC選び」

ふと考えてみると、この選び方は「ケータイ的」だと気づく。実際男女を問わず、ケータイを使いこなしているユーザーの方がすっぱ
りと割り切る傾向が強い。彼らの多くが、かつてのPCユーザーのように拡張性や自由度を重視しない。Webブラウズとメール、そしてオフィススイート
(ワープロと表計算)ができればよく、必要に応じてソフトウェアの追加はするが、周辺機器などハードウェアにはほとんど投資しない。目的意識がハッキリし
ていて、シンプルだ。一方で、価格とデザインはやたらと気にする。

PCは「もうこれぐらいあれば困らないよね」という性能水準がユーザーに見えてしまいました。もちろん最先端のグラフィックスボードを買って、パフォーマ
ンスを追及するユーザーもいますが、逆にそちらがニッチ化していくのでしょう。グラフィックスボード1枚で普通のPCが1台変えてしまうというのは、まと
もな消費感覚すれば、異常なわけです。いまなお最先端な性能が必要な理由は、クリエイティブ系の仕事(動画編集、3DCG、等)と最先端ゲームぐらいで
しょう。
また米国のPCゲーム市場は年々縮小していて、逆に家庭用ゲーム機市場が年々成長しています。PS2やXBOXの発売で、従来はPCゲームを遊んでいた大
人の層が、家庭用ゲーム機に移ってきたからです。そしてXBOX360で、その流れはさらに加速します。
1つは、HD対応(=高解像度化)によって、「Age Of
Empire」シリーズなどのRTS(リアルタイムストラテジー)が持ってきやすくなるからです。あの手のシミュレーションゲームは、解像度が高くないと
遊びにくいですから、HD化の恩恵をもっとも受けるでしょう。
もう1つは、マイクロソフトが戦略として、「PCゲーム→XBOX360」を顕著にしているためです。もちろんマイクロソフトも、PCを家庭内のゲームプ
ラットフォームにする、という路線を完全にあきらめてはいないでしょう。しかし少なくとも今後5年間を考えると、XBOX360寄りの戦略が妥当でしょ
う。
PCは当面、低価格化が推し進められて、新興市場にどんどん浸透していく。その一方、ハイエンドのゲームを楽しみたい人はXBOX360やPS3などの次
世代機に流れ、それでは環境的に満足できない一部のウルトラコア層がPCで超ハイエンドゲームを楽しむようになると思います。
ただし、2Dやローポリゴン等の低性能で動くゲーム、FLASHレベルのゲームについては、小型で静かで低価格なPCで、十分な安定性で動かせます。ソフ
トウェアのレイヤーで十分互換性や安定性を取れますから。その手のゲームはPC全体のインストールベースが世界規模で拡大していくにつれて、ユーザーが拡
大していくでしょう。
次の5年では、PCのローエンド化/スリム化と、家庭用ゲームのハイエンド化/巨大化が同時に進みます。そしてさらに次の5年で、両者はかなり近い世界に
なっていくのではないか、と思います。
(もっともそこに、携帯電話やポータブル音楽プレーヤーも割り込んでくる気はしますが)

Posted by amanoudume at 2005年06月30日 22:25 個別リンク