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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年07月01日

2007年問題、そして高年齢者向けの市場の開拓

高年齢者向けの市場の開拓に注目が集まりつつあります。
2007年以降、いわゆる「団塊の世代」が定年退職を迎えます。この年代が多額の貯金をもっていることもあり、市場開拓の余地はまだまだある、と考えるの
は当然でしょう。
切込隊長BLOG 「2007年問題は日本の文化消費を押し上げるか?」

当然、携帯電話もこの層を狙って、商品を投入しています。
神尾寿の時事日想 「そろそろ真剣に「新シルバー層向けUI」を考えよう」

しかしその結果、団塊の世代は「ややこしい」ことが分かるのだという。彼らは従来の“高齢者”の概念に収まらないのだ。詳しく書
くと長くなるので割愛するが、端的に言うと、「シルバー向けを意識させるものは嫌がられる」のだという。さらに趣向にまとまりがなく、ニーズが多様化して
いる。55歳から65歳までの彼らは、枯れることを拒絶しているのかもしれない。

高年齢者向けといっても、「おじいちゃん、おばあちゃん」的なイメージに引っ張られて、単純化しすぎるのは間違いでしょう。この年代の人は、現在もなお、
あるいは、ついこの間まで、現役で働いていました。当然プライドも高いですし、意欲も低くない。学ぶ時間はいくらでもあります。実際、離れた家族とのやり
取りのために、PCを買ってメールを覚えたり、携帯電話でメールをやり取りするなんてことは、高年齢層でもふつうにやっていたりするわけです。ハッキリし
た目的と関心さえあれば、人間はついていくものです。
ただ、年を取ると顕著に落ちる能力が2つあります。1つは小さな文字が読みにくくなること、もう1つは記憶力が落ちることです。そのため、ユーザーイン
ターフェースは改善の余地が大いにあると思います。簡単に気がつくのは、文字を大きくし、メニュー等も階層を深くせず、あらゆる機能に対してヘルプをすぐ
に読めるようにすることです。もちろん他にも、短時間で中断できる、再開したときにどこまで進んでいるかをすぐに確認できる、といった機能も優先度が高い
でしょう。
そうやって理論的にインターフェースの改善やゲームデザインの改良を進めるのは良いことです。しかし一番わかりやすいのは、自分の親に自分の作ったゲーム
を遊んでもらうことかもしれません。とてもたくさんの色々なことが見えてきます。目からうろこが落ちる人が多いのではないでしょうか。
新シルバー層向けのUIの重要性は、何も日本の中に閉じたものではない。先進国の多くが高齢化社会の傾向を示しており、今後、
ITテクノロジーになじんだ世代も高齢化を迎える。
特に北米市場では、ベビーブーマーの高齢化がすぐそこに控えている。彼らは日本の団塊の世代と同じく、アンチエイジング、すなわち「枯れることを拒絶して
いる」。ITやデジタルAVにもなじんでいる。しかし、高齢化とともに洗練や使いやすさを求めるようになる彼らに、今のWindowsのような
PCのUIが応えられるか疑問だ。
世界的な「先進国の高齢化」が起きる時、一足先に高齢化社会を迎えた日本のUI技術は大きな価値を持つのではないか。新シルバー層向けUIは将来、日本の
IT産業にとって重要な武器になる。

今回は引用がやや多めになってしまいましたが、神尾寿氏の主張はたいへんすばらしいと思います。最近、日本市場が縮小しているせいで、日本のソフトメー
カーの多くが海外市場でのシェア争いにやっきになっています。それ自体は良いことですが、単純に欧米の作品のデッドコピーのような作品ばかり投入しても、
しかたないはずです。それは競争力ではありません。競争力の基本は、他と違う、ということです。そして違う部分が市場において武器になる、ということで
す。
日本のソフトメーカーの競争力はどこにあるのか? 海外市場での売れ線を追いかけながらも、その点を常に意識したほうがいいでしょう。
参考:
    ●ITmedia Mobile 「エルダー層に受け入れられるか? 55歳と78歳のW32Kレビュー 」
    ●ITmedia Mobile 「85歳と78歳のツーカーSレビュー」-----
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Posted by amanoudume at 2005年07月01日 21:43 個別リンク
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