E3とかゲームショウみたいなイベントがあると、ゲーム系サイトやブログへのアクセスが増えるんですよね。そういう時こそ、何か気のきいたことでも書けばいいんでしょうが、うーん、今回は特に無いな。東京ゲームショウの話題としては、ネットを軽く周回したかぎり、「MGS4」の映像公開とレボリューションのコントローラ発表の2つが話題性トップかな。XBOX360、発売が一番近いのに、一番話題が無いってどういうことよ? 本当にいいのか、それで? ではPS3とXBOX360についてそれぞれ簡単に雑感を。
まずはPS3。公開された映像はE3+αで、「MGS4」が無かったら寒かったかも。ただ、相変わらずXBOX360より一段上の映像世界を提示できている点は良いですね。そういう所ははずさないのがSCE。PS2でシェアを守りきったのも、そうやって節目節目で、最低限のポイントを満たしていたからです。
(「MGS4」の動きはみんな誉めてますね、さすが。)
もっともこの時期にプレイアブルが0本という時点で、今年度中(来年3月)に発売するという話にまったくリアリティーがありません。普通に考えたら出るわけないですね。ただ「普通に考えたら出るわけない」PSPを出しちゃった実績があるので、「出しちゃう」可能性はゼロではないです。ハードの生産体制やソフトの完成度に
関わりなく、ソニーグループの決算の都合で決まるのでしょう。
んー、ただ、PSPは「出しちゃって」失敗したわけですから、さすがに同じ失敗は繰り返さないと思うんですけどね。PSPの欧米での出だしが日本より良かったのも、きちんと時間を取ったためにソフトが揃っていたからです。FF12が3月発売ということもあって、来年5月、あるいは夏に延期するのが妥当な線でしょう。出るか出ないかでいえば、出ない。出しちゃうか出しちゃわないかでいえば、出しちゃうかも。まあそんなところですか。
で、価格と同時発売のラインナップですが、どちらもダメでしょう。HDD標準搭載で4万円を切るのが安いとかどうとか言ってますが、ゲーム機として今どき4万円近い値段は高すぎです。この2年ほどで、マニア層の財布は手
堅くなっています。「スパロボ」ぐらい強力なタイトルはまだ維持できていますが、マニア向けのタイトルのうち、かなりの数のタイトルが売上を落としています。少し前は「マニアなら買ってくれる」時代でしたが、今は「マニアでさえ買わない」時代です。PS2が出た頃や、初代XBOXが出た頃とは、状況が違います。
同時発売のラインナップも、初代XBOXよりはずいぶんマシですが、貧弱。予定ラインナップを見れば、「アーマードコア4」「天誅」などフロムソフトウェアから総計4タイトルの供給を受けていますし、がんばってはいるんですが。単純に発売までの時間が足りないんでしょう。同時発売のソフトのグラフィックも、もうちょっと時間をかけられたらなあ・・・・という感じ。
まあXBOX360の日本での最終目標は300万〜600万台程度だと思います。本当の勝負は北米市場でしょう。日本ではセガハードぐらいの台数で、北米で勝った分を合計して、全世界合計でPS3に勝つというシナリオでしょう。序盤戦、日本では、PS3発売前に100万台積み上げられたら理想ですが、まず無理でしょうね。PS3発売前に50万台というのがとりあえずの目標。つまり年内20万台、それから1ヶ月に10万台売って、来年3月までに50万台に届けば、ひとまずオーケー。目標台数が低いと思われるかもしれませんが、あの価格ではそんなに簡単ではありません。
また最後に、初代XBOXは初期不良への対応が悪く、大失敗したことをマイクロソフトには忘れないでいただきたい。どんな製品であれ、多少の初期不良は存在します。隠蔽しない、迅速に対応する、という基本を大切にしてください。初代XBOX、そしてPSPと、初期不良への対応を誤ったハードは日本では成功しない、という法則が確立しました。ゲーム機メーカー各社にとって、良い教訓となったと信じます。
全体的な印象としては、次世代ゲーム機の立ち上がりはゆるやかなんじゃないか、と。ソフト開発も手間がかかるでしょうし、現行機の時ほどのペースで立ち上がるとはちょっと思えません。発売時の価格がいくらであれ、普及価格は3万円以下でしょう。ソフトメーカー各社は、立ち上げ期→普及期までの期間が長くなることを想定(覚悟)しておかなければならないでしょう。次世代機向けのソフトと現世代機向けのソフトの比率は、判断が難しいところです。ソフト開発に手間がかかることもあり、映像面で「これぞ次世代」という感じのソフトは来年中に出てくるでしょうが、ゲーム性という点で次世代を感じさせるゲームが出てくるのはもしかすると再来年になっちゃうんじゃないかな、と思います。
Posted by amanoudume at 2005年09月17日 10:54 個別リンク