続々とってのは言いすぎですね。すいません(笑
今年はTYPE-MOON関連作品が2本、PS2で発売されます。1本は同人ノベルゲーム『月姫』の2D格闘ゲームである『メルティブラッド アクトカデンツァ』。同人ゲーム→アーケード→PS2という流れをたどっています。8月に発売予定です。
Wikipedia 「メルティブラッド」
もう1本は1月からテレビアニメが放映されていた『Fate / stay night』。PS2版が年末に発売されます。PC美少女ゲームをゲーム機向けに移植する場合、別の会社が開発を担当することが多いんですが、原作を開発したTYPE-MOON自らが開発しています。
電撃オンライン:インタビュー『Fate/stay night for PS2』
おお、そういえば、TYPE-MOONがコンシューマ機のメディアに登場するのって、実は初めてですね。元コンパイルの竹内崇氏にしてみると、同人発でついにコンシューマ市場へ凱旋。
『Fate / stay night』が2004年1月発売、『Fate / hollow atraxia』が2005年10月。そしてPS2版が2006年年末。『Fate』が3年続いていることを考えると、移植は他所にまかせて、そろそろ新作を作ってほしいという気持ちが強いですね、正直。いや、まあ変な移植をされるのは悲しいんですけども。
それにしてもいつの間にか美少女ゲーム界は、1つ作品を出してから新作を出すまでの期間が長くなってますね。「大本の作品」→「ファンディスク発売」→「コンシューマ」→「アニメ化」といった流れが割と当たり前になっています。『Shuffle』なんて、続編的な外伝『Tick! Tack!』が出たと思ったら、今度は『Really? Really!』が出ますし。『CLANNAD』→『智代アフタ』、『斬魔大聖デモンベイン』→『機神飛翔デモンベイン』、『SchoolDays』→『SummerDays』。いくらでも例を挙げられます。
まー、新しいのを出しても人気が出るとは限りませんから、当たった作品の世界観とキャラクターでしばらく食っていきたいというのは、当然の判断ではあるんですけども。ちょっと腰が重くなってきている印象。まぁユーザーの側が支持しているのも確かなんですけどね。「終わらない世界が良い」という考え方がオタク向けコンテンツでは支配的なんでしょう。
(今年に入ってからのエントリーでは「ホントにそうかなあ?」と疑問を投げかけているわけですが)
美少女ゲームに限らず、RPGもそうなってますよね。スクウェアエニックスが『FF7』や『FF13』で展開している戦略はまさにそれですし。『ドラクエ』はともかく、『FF』についてはユーザー数を増やすよりも、濃い人を囲い込む方針を採っています。それは間違いではないんですが。ただ、10年前に坂口博信氏が『FF』を「映画」という方向に押し進めた時は、CGブームもあって、ユーザー数が大幅に増えたんですよね。300万本を優に超えるタイトルになったわけで。それが今では200万本を越えるぐらい。明らかに10年前に集めたユーザーの濃度と数を食い潰しているんですよね。ナムコの『テイルズ』の乱発ぶりも、必死な感じしかしませんしね・・・・。
うーん、いや、そうした手法は間違いではないんですけど、どうも違和感が。なんだろうな、例えばDSの大成功や、カジュアルゲームブームが良い例ですが、今はユーザーを増やそうというフェーズなんだと思うんですよ。ライトとかオタクとか関係無しに。濃い人たちを囲い込むという戦略がオタク向けコンテンツの常道になってしばらく経ちます。みんな同じ事をやっている中で、ユーザーに見抜かれたり、飽きられています。結局そのままではジリ貧です。
ここ数年当たり前だと思っていた手法を少し疑ってみるというのが必要じゃないですかね。「ライト対ヘビー」みたいな構図を批判する人たちがいて、でも実はその人たちが一番「ライト対ヘビー」という構図を信じてるんですよね。つまり「ライトユーザーは変化してるけど、ヘビーは変化してないんだよ。けっ」みたいな。ライトユーザーは数が多いからそっちに目がいくんですけど、現実にはヘビーユーザーも大きく変化してますからね。DS市場の急成長はライトユーザーの増加で説明がつくとしても、PS2市場の急激な縮小はヘビーユーザーの変化を考慮しないと説明できません。
オタクマーケットの変化を示すという点で、『ハルヒ』は良い例だったと思うんですが。それがピンと来てない人はまだまだ多そう。む。今回の記事、微妙に結論が出てませんね。まぁ脳内垂れ流し。「ただの雑感」です。
Posted by amanoudume at 2006年06月24日 04:32 個別リンク
コメント
初めてコメントさせていただきます。
最近のスクエニ作品(というかFF関連)の「シリーズ作品濫発商法」については、
正直私も疑問に感じておりました。
結局「そこまでやらなければ利潤が出せない」位に追い込まれているのでしょうけれど、
その結果一時的な増収効果が有ったとしても、
「ごく普通の一般ユーザー」が離れていってしまっては元も子もないと思うのですが・・・。
日本のゲーム業界発展に多大な貢献を果たしたメーカーさんなだけに、
このような形で衰退していくのは見ていて本当にしのびないですね。
投稿者: ほたるいか | 2006年06月25日 09:10
コーエー、ナムコあたりに比べると、まだ耐えている方ではあるんでしょうが、
厳しい状況になってきてますね。
株主総会のレポートがネットに上がっていますが、例年に比べて
面白みに欠けます。まあ業績が悪化してますからね。
http://www.makonako.com/mt/archives/2006/06/post_484.html
http://www.i-mezzo.net/report/2006smeeting/
単純にラインナップのバランスが悪いと思うんですよね。もっと
軽い、低予算、短期開発のゲームを出したらいいと思います。
松下との提携も将来性という点では良いのですが、あそこにライト
ゲームを供給するなら、携帯ゲーム機向けにも出せばいいのに、
と思います。携帯ゲーム機向けにパーティゲーム(いたスト)
出してどうするんだ?とか、ソフト投入計画が意外とズサンです。
任天堂が過去にGBAに「マリオパーティ」を出して大して売れ
ませんでしたが、もうその時点で携帯機でパーティは合わない
とわかるわけです。さらにPSPなんてファミリー層が買ってない
ハードなんですから・・・。携帯ゲーム機の場合、休み時間や
昼休みに遊べる程度の短いスパンで終わるゲーム集の方が
向いてますね。DQ&FFを使ったアソビ大全を出せばいいん
じゃないかな。当然WiFiコネクション対応で。
傍から見ると、変化に対応していない既存の路線と、将来性と
いう言葉を掲げるしかない先行投資がそれぞれバラバラに存在
している感じです。短期間の利益を追いすぎるのは危険なん
ですが、今は「追わなすぎ」。やっぱりゲーム開発者って、説得
しようと思ったら、良くも悪くもヒットを出すしかないんですよね。
結果主義者ですから。『脳トレ』が説得力があるのは売れたからで、
全然売れなかったら、経営陣が何を言っても、Touch Generations!
を継続できたかどうかは疑問ですよね。そもそもDSの今の成功が
無かったわけですし。
あと、せっかく出版を持っている数少ないメーカーなのに、出版
とのシナジーが薄いのも気になる点です。DSの実用ソフトは
『脳トレ』『楽引辞典』『ゆびさし』を始め、その多くが「本」の
ゲーム化を軸にしているわけです。言い換えると、「世の中の
人に興味を持ってもらうテーマ」探しという点では、出版や玩具の
人たちの方が格段に優れているわけです。実際、本が当たって
から出しても、間に合っているでしょう。『脳ドリル』→セガトイズ
の『脳トレ』→任天堂の『脳トレ』→セガのPSP『脳トレ』という
順序が現状を表してますよね。
まぁさすがにセガあたりは、悔しさもあるでしょうから、シナジー
効果を高めるような経営努力をしているんじゃないかと思いますが。
セガトイズの人とゲーム作ってる人たちが一緒にプロジェクトやる
だけで、色々可能性が広がると思うんです。ブレストだけでもまだ
マシかもしれない。
ゲーム制作がコスト高で、試行錯誤しにくく、開発も腰が重く
なっていますから。出版を持っているという強みはあるはず。
とはいえ、中高生向け、オタク向けの書籍が中心だから、既存
のメディアミックス手法を除くと、シナジーを出しにくいのかな?
投稿者: DAKINI | 2006年06月25日 10:54