前回のエントリーで予告した通り、発熱地帯はこのエントリーを最後に、更新停止して、移転&リニューアルします。
かさぶた。
我ながらネーミングセンスはますます謎ですが(笑
間抜けな名前にふさわしく、発熱地帯よりも肩の力を抜いた感じで続けようと思います。
発熱地帯を始めて3年が経ちました。携帯ゲーム機中心の時代の到来で、未来は誰の目にも明らかです。PS3、XBOX360、Wiiのシェア争いはまだこれからですが、所詮は携帯ゲーム機に対するサブ市場にすぎません。大局に影響は無いでしょう。
ひと区切りついたと言えます。また、古くからの読者の方々がお察しの通り、話のネタが無くなっているのが実情です。今年は『ハルヒ』を始めとして、話題が非常に拡散した1年でした。おそらく来年はさらに「ゲーム離れ」が進むと思います。ゲーム系ブログとは言いがたい状態になりつつあるので、いっそリニューアルしようというわけです。
今までは場所だけ借りてMovable Typeを入れていたのですが、レンタルブログを利用することにしました。最近はサービスやカスタマイズ性が上がってますし、全部自分で管理するのもけっこう面倒になってきたんですよね。ライトノベルに関するエントリーは暇を見つけて、新しいブログに移行しようかな、と思っていますが、その他のエントリーはこちらに置いておきます。
(なお、このブログへのコメント、トラックバックは停止しています)
ケータイ小説や電子書籍の可能性についてのエントリーをまとめて、「ケータイ小説」というカテゴリーを作りました。去年からたびたび書いてますが、そろそろエントリーもたまってきたので。
去年と比べて変化は3つ。
まず1つ目。ライトノベル作品のケータイへの進出が加速していること。作品数がぐっと増えています。
2つ目はケータイ小説新人賞の乱立が落ち着いてきたこと。ケータイ小説賞は必然的にショートショートが中心になりますが、結局あまり話題になってない印象です。やはりコンテンツとして弱いかな〜と。ショートショートよりも毎日掲載の連載モノの方が集客力は強いみたいです。書籍化もしやすいですし。
3つ目は携帯ゲーム機での電子書籍的なソフトの増加です。『脳トレ』『えいご漬け』『漢検』『旅のゆびさし手帳』『楽引辞典』『お料理ナビ』・・・・。そして電撃DS文庫。DSの実用ソフトブームの盛り上がりがどういう可能性に結実するのか、なかなか楽しみです。この所ゲーム会社以外の参入が目立ってきていますし、売上の縮小が続く据置(PS2)はやらずに、DSに集中している中小メーカーがDS市場拡大の影響をダイレクトに受けて、業績が好調です。
さぁー、長期休暇の始まりだ。
つーわけで、ただ今から2次元へ帰ります。
さっそく大画面で『ハルヒ』や『なのは』をもう一度観ています。
しかし一方で遊ぶゲームが無いんですよね。
まぁいい歳こいて、ゲームなんてやってるなよ、という感じでしょうか(ぉい
エロゲーぐらいしかやる気がしない。つまりゲーム単体の魅力では、ゲームをプレイし続ける気力が維持できないんですよね。エロというか、なんか+αが無いと。
純・無駄だもんなぁ、ゲームって。
まっ、研究のためにゲームをプレイする事はあるんですが、最後までは遊びませんから。『デッドライジング』も『Test Drive:Unlimited』もどちらもプレイする価値のあるソフトですし、特に『Test Drive:Unlimited』や『Just Cause』あたりは次世代の箱庭ゲームがどういうものかを端的に示しています。まぁここまでくると、「箱庭」という言葉はおかしくて、どっちかというと「グーグルマップ感」という言葉でくくるべきですね。
それでも途中でやめちゃうわけですが。
そういう人間にとっての「次」のゲームってなんでしょうね?
というのが目下の課題でしょうか。
んー。まぁお互い大意は通じていると思いますし、別に論争する気は無いと思いますが。
じゃあ、この記事はなんだ?というと、愚痴か嘆きみたいなもんですか?
「SCEって要はプロモだよね」みたいな言説の10年後に「DSって要はプロモだよね?」って言説。ライトゲーム批判の次はプロモ論。次から次へと10年前。ループ現象はウンザリなんですけどね、真面目に。たしか10年前も、新しいゲームのゲームデザインの話がいつのまにかプロモーション論に摩り替わっちゃったんだよな。その後どうなったかは(以下略
さて、ではどうしてそんな荒唐無稽な議論のすり替えが起きたのでしょうか?
要は当時のSCEの生み出したライトユーザー向けゲーム、例えば『パラッパラッパー』のようなソフトを認めることができない人たちがいたからです。ゲーム作りの専門家たる自分たちが理解できない、認められないゲーム・・・・そんな物が素晴らしいはずがない、でも売れてる・・・・そうか、あれはCMで売れたんだ! そうだ、そうに違いない、そうしよう、絶対そうだね決定、決定、大決定!
・・・・・・orz
今からふり返れば、愚劣極まりない行為ですが、当時真顔でそんな馬鹿げた事をやっていた制作者やライターがいるわけです。確かに当時のSCEの広報宣伝力はめざましかったし、他のゲーム会社が学ぶべき点も多かったでしょう。けれども変化に適応することを拒絶し、自分たちの理解の及ばないものを否定するために、空虚空理空論をでっち上げた連中もいるわけです。
BAN/ さんがコメント欄で、ボクの言いたい事を的確にまとめてくださいました。
あ〜、なんか、DAKINI氏の言いたい事が一言で表わせる気がしてきました。「わからない」なら、「わからない」と書くか、何も書かなきゃいいんですよ。無理に「プロモ」などと主張する必要はありません。まー、どうしてもプロモ論をぶちたいなら、そりゃ自由ですけどね。でも今時、結論がテレビCM? CMの投下量が違う?
「わからない(理解できない、したくない)事をプロモのせいにするな。」
おそらく、こういう事ですよね?
「プロモを第一に挙げる時点でゲーム関係者として思考停止している。」と。
プロモと騒ぐ時点で“自分はわかっていない”と垂れ流している。こんなに恥ずかしい事はないだろ、いい加減気付けと。
そういえば、あの頃もテレビCMが騒がれてたっけ。で、10年経った今もテレビCM? ジョークとしか思えないんですが。いや、なんつーか、ゲーム開発者がプロモーションを語るにしても、そんな時代錯誤な話じゃなくって、2006年の話ができないんでしょうか?
あのー、ボクも、マーケティングや広報や販促についての話は、これまでに何度も書いています。でもそれは、他の産業はもっと進んでいるのに、ゲームはこんなに遅れてていいの?とか、ゲームの価格帯やパッケージも変わってきているから、色々と見直した方がいいんじゃないの?というような視点です。(参考:ゲームソフトも本の売り方を見習ってもいい)
ちなみにわからないのに、『ハルヒ』を引き合いに出しているのは、もう何と言ったらいいのか。
ゲームのマボロシ: プロモーションについて補足
「涼宮ハルヒの憂鬱」も、深夜テレビアニメというある種のプロモーション(DVDを売るための)があって、これだけの話題の爆発を引き起こせたと表現することも可能だと思います。なんつーか、脱力全開(訳わからんけど)。テレビアニメはそりゃ全部テレビで流れますがね。ていうか、別に現象が理解できないなら、わざわざ話題にしなきゃいいと思うんですが。マリオ本編とカートの比較もそうでしたが、これも議論のための議論じゃないですか。自分で「極論」と書くぐらいなら、書かなきゃいいのに(笑
※凡百の話題が爆発しないテレビアニメがあっての話ですから、もちろんこれは極論なのですが。
オマケに超理論も完成。携帯電話はテレビCMが打てないから、大ヒットが出ない。
・・・・・・・・・・・・orz
・・・・・・・・・・・・orz
・・・・・・・・・・・・はっ!
わーぉ、スゴイ、最高の理論に拍手。マスマーケティング万歳、パッケージ万歳。なるほどなー。携帯電話では大ヒットが出ないし、パッケージは健在で、ロイヤリティーも搾取し続けられますし、なんともゲーム機メーカーに都合のいいステキ理論ですね!
こりゃ、議論以前の認識差が大きすぎるんだな・・・・。
ふう。やれやれ。もういいや、ウンザリ素敵です。
うちのブログの読者の方々には、今回挙げたYouTubeを巡る4つの記事を一読されることをオススメしておきます。
反応したいネタがあるのですが、今晩は書いている余裕が無いです・・・・。
ところで何がそこまで受けたのかは正直よくわからんのですが、「先鋭的なまでのオープン主義」がはてなで結構ブクマされていました(83件)。アクセス数も普段より大幅に増えています。経営方針説明会をネタにしたエントリーなのに、経営方針説明会のブックマーク件数(53件)より多いというのが微妙に謎ですが・・・・。
ブックマーク件数やアクセス数は、エントリーの品質とは必ずしも関係がありません。けれどもここまで明確に普段と違うと、要因をちょっと考えたくなります。
情報考学 Passion For The Future 「書きたがる脳 言語と創造性の科学」
自分と無関係とは思えず、とても興味深く読んだ記事。
ハイパーグラフィア(書かずにいられない病)とライターズ・ブロック(書きたくても書けない病)について考察した本の紹介。書かずにはいられない病というのは、身におぼえがあります。実際、お金をもらっているわけでもないのに、こうやってブログを毎日つけているのは何故なんだろう、と考えてみれば、「ただの病気です」と言うほかありません。
確実に言えるのは楽しいということ。
Passion For The Futureさんのもう1つの記事、「ぶっちぎり世界記録保持者の記憶術―円周率10万桁への挑戦」にも同じような事が書かれています。
「続けるのが大事なのではない。続けられるのが大事なのだ」本当にその通りで、このブログにしても楽しいから書いているだけで、別段「ゲーム開発者の情報共有を促進しよう!」とか、「ゲーム市場の分析を多くの開発者と共有したい!」などとは、微塵も考えていません。たまたま話題がゲーム開発だったり、ゲーム市場だっただけのこと。
「楽しくやることが肝心なのではない。楽しくやれるのが肝心なのだ」
根性や努力はまったく不要で、続けられる方法、楽しくやれる方法こそ大切だという。
去年、夏頃から更新頻度を落としていましたけど、あれは実は年末にこのブログをたたむつもりで、徐々に更新しなくなって消えていこうと思っていたからです。静かに消えていこうかな、と(笑 忙しかったから更新が落ちていたわけでは全然無いんですよ。で、まぁ文章を書きたい病気を鎮めるために、他のブログをこっそり立ち上げたり、小説を書いていました。しかし結局、年が明けても続けちゃってますね。なんていい加減な! そのかわり萌えとかエロとか、かなり内容に変化が出てきましたけど。
時々「ゲーム開発が本業なので、ブログの更新ばかりしていられない」とか、「現在の仕事がずっと忙しいから、ブログなんて書いていられない」とか、「ブログを書いている暇があったら、ゲームを作れと言われてしまいそうですが・・・・」などと、言い訳なのかなんなのか、そんな前置きをする人がいます。まぁ本人は正論を書いているつもりなんでしょうし、一般的にも間違っていないんですが、ボクには強い違和感があります。
文章を書くというのは忙しいから書かないとか、ヒマだから書くということではない。そもそも忙しい時ほど書きたくなるのが普通じゃないのかな? 頭の中から文章を吐き出さないと、落ち着いて眠れませんし。書きたければ、睡眠時間を4時間なのを3時間にしたり、あるいは徹夜して1時間ほど目を瞑っているだけで会社に行ったりすればいいわけで、実際ボクはそうしていたし。
結局のところ、単に病気がどれぐらい深刻かということと、文章を書きたいという獣をいかに飼いならすかであって、もちろんその病気のせいで寿命を縮めるようなこともやってしまうわけです。で、年を食うと、「あっ、不摂生だなあ・・・・」と気づいて、健康を維持しようと頑張る・・・・。
そもそも根源的には、クリエイティブというのは「本業」もクソも無いんですよね。ゲームを作ってもいいし、小説を書いてもいいし、漫画を描いてもいいし、作曲してもいいし、アニメを作ってもいいでしょう。もちろんブログに熱中してもいい。何というかな、自分の中のドロドロしたものを便宜的にメディアで分けたり、ジャンルで分けているだけのことで。
ただ、お金をもらう場合には、こちらから吐き出すだけではいかんので、自分の作りたいモノとユーザーの望むモノのバランスを取らないといけません。プロ意識、「それで飯を食っている」という意識はとても大切です。しかしそれさえも、同人まで視野に入れれば、あやふやになってしまう部分はあって。ある意味、クリエイティブの本来の形に近いことができるようになりつつあるのかもしれません。まだボクの中でも自信をもって結論を出せませんけど。
ボクにとってはあらゆる表現は等価。だから去年末に一瞬持ち上がった「ゲームとWeb2.0」への反論も、心の狭い事を言っているように思えましたし、「はいはい。ただの象牙の塔ね」「伝統工芸ゲーム1.0を守る会、万歳」以上の感想はありません。お金を稼ごうとした時に、「過去の経験・ノウハウの蓄積」というリソースをどう利用していくか?という話なら、建設的なんですがね。
ボクなんかも一応、今の所はゲームで飯を食っていますが、10年後にはわからんわけですよ。近年は少しずつ複数のメディアで活躍するマルチクリエイターが増えていますし。これからはもっと混ざっていくんじゃないかな。ネットのおかげもあって、混ざる速度が加速した気がしています。
ただ、そうなっては困るという人もいるでしょうね。長いことやってきて、ノウハウを溜めた人は、自分のノウハウが無価値になっちゃんじゃないかって不安になるかもしれません。そういう不安をどう取り除くか。単純な新旧対立なんて、みっともないでしょう。古いものと新しいものをどう使い分けるか、どう混ぜていくか。それがマネージャーの手腕で、対立だけならサルでもできるし、新しいものに飛びつくだけならコンビニに行って雑誌でも立ち読みしていればいい。
メディア固有の問題というのがあって、そこをおろそかにすると、雑なもの、いい加減なものになってしまいます。ゲームで言うと操作感、インターフェース、手応えかな。例えば、アニメを作っていた人がある日突然ゲームを作ってもいいですし、実際10年前のライトユーザーバブルの頃はそういう事が起きていたんですが、おろそかにしてはいけない部分をおろそかにしてしまうと、結局長くは生き残れません。すぐに消えて、忘れられてしまいます。
・「実用性と娯楽のバランスは難しい」
・「10年前の状況と似てきましたね」
・プレイヤーから「手ごたえ」を奪うゲーム
最近ボクがゲームの手応えについて、ゲームの面白さの重要性について書いているのはそういう理由からです。ライトユーザーブームみたいな時期は、おおらかに受け止めてくれるユーザーが多いから、おおらかに作った物がすごく評価されます。けれどもいい加減に、雑に作った物も、おおらかに受け止められて売れてしまいます。ただ、そういう物は最初はうまくいっても、それほど長続きしません。
「ゲームらしいゲーム」の長く生き残ってきた知恵はバカにしたものではありません。そこら辺をどう使っていくかが手腕なんですね。一瞬輝くだけなら割とできるんですけど、長く生き残ろうとすると、知恵が必要になります。内なる病気を飼いならしつつ、知恵を継続的に蓄積していった人だけが、プロとして長く生き残れるのだと思います。
うーん、http://amanoudume.s41.xrea.com/からindex.htmlに飛ばない症状が出ていました。
http://amanoudume.s41.xrea.com/index.htmlを直接指定すると飛べるんですけどね。
原因がよくわからないんですが、そういえば以前も1度起きたことがあったのを思い出しました。
何となく、XREAのバナー広告とMovable Typeの吐き出したhtmlが干渉を起こしたのかなあ・・・・と思うんですが。
(Movable Typeの最新バージョンをインストールした時のトラブルも、バナー広告との干渉が原因だったので)
Type-Moonのアニメってやつは、まったくもって、原作ファンをやきもきさせるよねえ。
やっぱり他の方々も同意見のご様子ですし。
ていうか、ぶっちゃけ、『Fate / stay night』も期待はずれに終わりそうな予感がしてきたのは俺だけですか?
『真月譚 月姫』のような致命的な作品無理解は無いものの、戦闘がショボすぎるんだよ!
文字と静止画のノベルゲームよりも、アニメの方が迫力が無いという悲しい現実!
奈須きのこという1人の才能の足元にもおよばない集団制作のアニメって・・・・。
第3話のあのゲイボルグは・・・・。
凛の魔法攻撃は・・・・。
設定が多い作品だからって、あまりに退屈な語りといい・・・・。
第1話は無難な出来だったのに! のに! のに!
そうか、藤ねえの出番が無かったからだよ。
タイガー分が足りないんだ。
露骨にスタッフに愛されまくっている藤ねえに比べて、サーヴァント諸君の微妙なことといったら・・・・。
まぁ奈須きのこ氏自ら全体構成に携わっているだけあって、黒歴史にはならないと思いますが。
第4話は藤ねえも出てくるようですし、持ち直しそうな雰囲気。
あ、結局キーは藤ねえですかorz
参加者の皆様、お疲れ様でした。
良いお年を。
27日の午後4時から−1次会が始まって、28日の午後5時に?次会が解散するまで25時間。最長記録更新ですね。最初から最後までつき合った幹事のげーはなさん、本当にお疲れ様でした。
ゲーム業界の先行きが微妙にアレげな今日この頃ですが、今年も親睦をかねてひっそりと忘年会をやります。
現在決まっているのは以下の通りです。
●日時は12月27日(火)の夜。
●店は決まってません。場所は山手線沿線のどこかです。
●参加募集の締切は23日の夜です。
●一応、メンツはゲーム業界および周辺産業の人たち、とします。
周辺産業にどこまで含まれるかは、解釈におまかせします。
半導体屋さんでも、ケータイな人でも、PCアプリ作ってる人でも、証券アナリストでも、Web2.0な人でも、出版でも、アニメでも、まぁ適当に解釈してください。単に「ただのゲーマーです」という人は困るというだけなので。
参加希望はメールでお願いします。
amanoudume@s41.xrea.com
スパムと区別しやすいように、タイトルに「忘年会参加希望」と書いていただけるとありがたいです。
ボクと面識の無い人は、できれば、簡単な自己紹介(どこの業種の人か、とか)を書いていただけると助かります。
私的連絡。
この間、言った通りに今年は早めに休み取ったんで、23日〜30日のいつでもいいです。
ギリギリまで働いてる人のご都合に合わせますので。とはいえ、さすがにクリスマス後でしょうか。
大晦日〜元旦は『ひぐらし』やります。
それはそうと、先週、年末商戦の速報的分析の記事を書いたのに、Movable Typeがおかしな挙動して、記事が丸ごと文字化けしちゃったんですよねえ!!! 書く気、萎えてますorz
とりあえず簡単にメモを。まだ年末商戦が終わってませんので、そこは差っ引いて読んでください。クリスマスの状況も含めて正確に分析できるのは来年になってからです。
<日本>
・市場の中心はDSとPS2。全機種でオンライン対応タイトルが非常にいい動きをしている。
・軽いゲームを好む傾向は持続している。
・子供にとっては、GBA SPはまだまだ大きなプラットフォーム。
<米国>
・PSPは勢いがあった。しかし日本同様、徐々に落ちていた。
9月には月間販売数でDSに負けていた。
・DSは値下げと「nintendogs」で復調した。
・XBOX360、PSP、iPodは年末商戦で、同じ客層を奪い合う競合商品。
・北米のゲーム市場が落ち込んだのは、XBOX360の供給不足とPSPの失速が原因。
- 11月の北米ゲーム市場が30%以上減少
・XBOX360は圧倒的な人気で、数時間で品切れになった。
- 米Microsoft、Xbox 360を北米地域で発売 シアトルのショップにビル・ゲイツ氏が来店
- 【Xbox 360北米ロンチ】宴のあと――Xbox 360は完売!
・PSPはおそらくXBOX360とiPodに食われたと思われる。
ゲーマーは360とPSPなら360を選んだし、若者はPSPとiPodならiPodを選んだ。
- Life is beautiful 「北米の年末商戦を制するのはアップル、任天堂、キャノンか」
・GBA SPはいまだに強い。日本に比べて、携帯ゲーム機の世代交代が遅れている。
・11月のNPD集計データは、GBAが89万台、DSが38万台、PSPが36万台。
誰だよ、海外ならPSPがDSに勝つなんて言ってたやつ。
しかし日本同様、その種のネット上の偏った予想は全部外れてるな、結局。
とはいっても、GBA強すぎ・・・・。DSとPSP足してもGBAに届かない!
次世代携帯ゲーム機戦争なんて起きてないよなあ・・・・。
・PS2が55万台、GCが28万台、Xboxが19万台。
・XBOX360が33万台。360はやっぱり出荷が少ないよな。
しかしソフトは130万本売れていて、非常に活発に動いている。コアゲーマーに大人気!
・今月のNPDデータ集計は、集計店舗がいつもより少ない(63%→53%)ため、誤差が大きい。
<欧州>
・9月のPSP発売直後は、確かにかなりの勢いがあった。
・メディアプレイヤー機能を評価しているユーザーがかなり多かった。
欧州は発売が最後だったため、ファームウェアでWebブラウザまで揃っていた。
・「nintendogs」の発売以降、DSは劇的に伸びた。
- フランス市場でのニンテンドーDS―『Nintendogs』が転機に
- 英国で『Nintendogs』が大人気―クリスマスに手に入る?
・Xbox 360が欧州上陸し数時間で完売,今週末は日本で発売
<感想>
E3時点で見えていたことを再確認したにすぎません。
ソニーはPSPの携帯ゲーム機としての魅力を高めるよりも先に、メディアプレイヤーとしての魅力を強く訴えていきました。なるほど、UMDビデオはDVDの販売低迷に悩むハリウッドにとって良い「小遣い稼ぎ」でした。メディアプレイヤーとして売っていたPSPは、対DSでは確かに優位に進んでいました。
しかし強烈なメディアレス派のボクは強い違和感をおぼえていました。ディスクに未来は無いのです。実際、9月のiPod nano、10月のビデオiPodの発表で、PSPは古い機械になってしまいました。PSPの失速の要因は、メディアプレイヤーとしての魅力でiPodに劣り、ゲーム機としての魅力でXBOX360に劣ったことでしょう。結局、中途半端な製品になってしまいました。
一方、DSは「nintendogs」やWi-Fi Connectionで地道にゲーム機としての魅力を高めて、アップルに客を奪われずにすみました。とはいえ、現実の構図は「DS 対 PSP」ではない印象を受けます。市場の構図は「XBOX360 対 PSP 対 iPod」と「DS 対 GBA SP」なんじゃないか。
また、XBOX360は欧米で共に、爆発的なスタートを切りました。この勢いがどこまで続くか。PS3の発売が遅れれば、その分XBOX360は無人の荒野を独走します。欧米市場では次世代据置ゲーム機を求める熱狂的なユーザーがかなりいます。ゲーム市場が縮小し、ゲーム離れが進んだ日本とは全然状況が違います。市場の温度差はかなりのもの。日本ではルールが変わりましたが、欧米ではまだ変わっていません。唯一変わった点があるとすれば、アップルがゲーム機市場にとって手強いライバルになってきたこと。
切込隊長から財布バトンをいただきました。
Q1.どんな財布使ってはります?
茶色の革の財布。社会人2年目の時に購入。
Q2.ズバリ、現在中身の金額は?
1万円札2枚と1000円札3枚。小銭の合計は191円なり。
Q3.ポイント・メンバーズカードあったりして?
財布に入ってるのは、ソフマップぐらい。それと近所の総菜屋のスタンプカード。
メンバーズカードとは言わないかもしれませんが、アイドルマスターのプロデューサーカード。
Q4.診察券あったりして?
歯医者のが1枚。歩いて行ける距離にあると便利ですね。開発末期のお菓子の食べすぎは注意しましょう。
つーかどんなに眠くても歯を磨いて寝ましょう。
Q5.なにかレシートあったりして?
無い。
Q6.なにか割引券あったりして?
無い。
Q7.その他あんなものこんなものあったりして?
名刺、健康保険証。キャッシュカード2枚、クレジットカード2枚、社員証。
Q8.財布おとしたことある?
ガキの頃に2度ほど。
Q9.財布拾ったことある?
ガキの頃に1度。お金が入ってなかったので、そのまま放置。
つかすでに空だったorz
世の中を知った10歳の夏。
Q10.誰の財布の中身知りたい?
ゲーム業界の人の財布の中身は想像がつくので・・・・。
止めちゃいます。
『Fate/ hollow atraxia』がの売上とんでもないことになってる件について。
PC NEWSの売り上げランキングから見る今年のエロゲ
エロゲの売り上げを語ろう 36 (一応、本数ではなくポイント表記)
受注が20万本集まったという噂が流れていましたが。
発売から4日間で14万って・・・・。
エロゲの売上じゃないよなー。エロゲの市場が大きいんじゃなくて、『Fate』が怪物なだけですが。
年間ランキングの方は、順当なところ。
『AYAKASHI』は確かに『Fate』と同日というのは、無謀すぎでした。ボクもスルーしちゃいましたし。
じつは『ワンダ』をスルーした理由も、『Fate』とかぶってたからですが。
(客層はかぶってないと思うので、ボクみたいのは例外でしょう)
『Fate』だけで、20時間+10時間(読み返したり、色々)使ったから、とても無理。
でもやっぱり初週売上は同じぐらいでしたね。『ワンダ』負けちゃうんじゃねーの?と密かに思ってたのは秘密です。
一度買い逃すとどうでも良くなるという昨今のゲーマー心理を身をもって実感。
まぁレビューを読むと、『ICO』とはかなり別物な感じのようですし。
が、そのうち買います。年末年始にでも。でもクリアするかどうかはわかりません。面白いんだろうけど、面倒くさそうな気がして。
それはそれとして、研究用に遊んだ2本。
『God or War』と『サイオプス』。
へたれゲーマー駄文 洋風3Dアクションゲーム『God of War』
・『時間の砂』もそうでした。共通するのは、ハリウッド映画のようなつくりであること。
観客の感情盛り上げ曲線が、ゲーム全体で考えられているように見えます。
ゲーム内の1つ1つの要素は、日本のゲームで見たことあるものなので、クリエイティビティーという点ではさほど尊敬に値するものではありません。ただ、それらの要素を配置し、つなげる「構成術」においては、脅威を感じます。まだハリウッド映画ほどには成熟していませんが、「脚本術」ならぬ「ゲーム構成術」を着実に積み上げているのがわかります。
というか、日本のゲームって「構成」については、悪くなってますからねえ。木を見て森を見ず。1つ1つのゲーム要素においては、日本のゲームのほうが上ですが、「構成」がなってないので、全体として生きてこない。
それと、向こうでもここまで徹底したストレスフリーなゲームが売れるんだなあ、というのを再確認。どういう形で具現されるかは異なってますが、ユーザーのニーズという点では、2、3年前の日本と変わりませんな。
『サイオプス』はゲームそのものよりも、物理エンジン「Havok」とAIエンジン「AI.implant」を両方採用している点でチェック。次世代機では珍しくなくなるのかもしれませんが、PS2で両方使ってるというのはなかなか意欲的。ゲームに活かせてますしね。ゲーム内のネタは『Half-Life2』の影響受けすぎですが。逆にいえば、堅実な方向性ともいえます。(日本版が最近出ただけで、海外版は2004年前半でした。『Half-Life2』より先に発売されてますね。ごめんなさいorz)
お気づきの人もいらっしゃると思いますが、ここ数週間ブログの更新は朝やってます(アンテナ経由で飛んでくる人はけっこう気づいてたかも)。
まぁゲーム開発だと当然、開発の進行につれて、夜遅くなる日が増えていくわけですが。ただ色々な会社の何人もの人の様子を見たり、話を聞いたりしたかぎ
り、どこまで生活サイクルを維持できるかは、けっこうバラバラ。終電レベルであっさり崩れる人もいれば、本当のギリギリ、いわゆるクランチタイム(いわゆ
る修羅場)までは保つ人もいます。ギリギリまで保つ人は、開発が終わってもすぐに生活サイクルを取り戻します。さすがに365日すべては無理でも、8割
〜9割ぐらいは何とかなるはず。まあ悪い人で7割かな。忙しいから無理という人は大抵、忙しくない時にもできません。これは法則ですね。
朝型シフトしている間に見かけた記事なので、気になってクリップ。
はてなの近藤氏の「早寝早起き」
9時就寝、5時起床というのはスゲー。
探してみると、早起きしているブロガーの人はまだまだいらっしゃるようです。
●ネタフル「早起きは三文の得」
●百式管理人の田口氏も早起きを公言されています。
●情報考学 Passion For The Future「朝10時までに仕事は片づける―モーニング・マネジメントのすすめ」(朝
型仕事術についての記事)
ネット上にて、悪意ある想像を元に、中傷行為をおこなっている人がいらっしゃいますが、
僕はゲーム機メーカーの社員ではありません。
SCE社員、マイクロソフト社員、任天堂社員ではありません。
関連会社社員でもありません。
なお、鶴見さんからは誤解を招く表現を修正されたとのご連絡を受けました。
切込隊長BLOGや、ガ島通信と
大手BLOGの炎上が続いてて、「あー、デカくなると大変だよなあ・・・・」と思ってましたが、まさかボクん所もそうなるとは・・・・。ついでに鶴見さん
所も、炎上しちゃいましたが。まあ良かれ悪しかれ、良質なBLOGの認知度が上がるのは良いことなんじゃないでしょうか。そのうち収まるもんですし。
つっても、最近の炎上はちょっと長引きがちですが。
切込隊長はコメント欄を放置プレイ、ガ島通信さんはコメント欄を閉じる対処ですね。うちもとりあえずは閉じましたが。対処方法は参考になりますね。
切込隊長はしばらく時間を置いてから、ある程度回答してますね。ただ、結局荒らしは何と回答されてもその後も行動は変わりませんでした。やっぱり時間が経
つまでは鎮火しないものらしい。1ヶ月ぐらいが目安でしょうか。それまでコメント欄を閉じるのは厄介ですねえ。うーん。
BLOGの炎上については、真性引き篭もりさんがいくつも面白い記事を書いておられるのですが、
「荒れるブログの作り方」、
これも参考になりますな。
> 飽きさせる、という選択はコスト的に楽である。
> 呆れさせる、という手法はリスクが高い。
> 抹殺する、という選択肢は最も合理的である。
> また、コメント欄を閉鎖するというのもよい。
さて。
みなさまのおかげで2004年元旦に
「発熱地帯」を始めて1年5ヶ月、100万ヒットに届きました。
・・・・。
・・・・。
・・・・。
えー、まあ、だからどうしたって訳でもなく、キリ番の人へのプレゼントをするわけでもないんですが、ちょっとこれまでをふりかえってみようかな〜、などと
思ったわけです。発熱地帯という形では1年5ヶ月ですけど、ボクが最初の個人ホームページを立ち上げて、WEBデビュー(謎)したのがちょうど5年前の
GW明けなんですよね。
2000年5月 Dakini's 3D Collection
2002年9月 (潜伏期間)
2003年1月 Dakini's BBS (毒舌BBSほか、名称がコロコロ変わってます)
2004年1月 発熱地帯
2005年5月 現在
そもそも始めた経緯なんですが・・・・。
せっかくだから書いちゃおうかな。
ボクは最初ですねー、サイト作るよー、ってなことを99年の秋ぐらいからいってたんです。ところがいっこうに作らない。なんつーか、ついついサボってたわ
けです(ちなみに最初に作ろうとしてたのは書評サイトでした)。で、それから半年あまりの時間が経って、会社の同僚の・・・・まぁAでもBでもCでもいい
んですが、仮称のKということでK氏が先に日記ページを立ち上げたんですよ、社内ネットワークで。で、思いっきりネタにされてしまって、
> 作る、作る、言ってて何ヶ月も経ちます。
> いつも口ばっかり。これではダメだなと思って、ボクが先に立ち上げちゃいました。
> まったく彼はすっからかんの口先だけのダメ人間ですね(プゲラ
いや、まあ、正確に記憶してないんで文面は微妙に違いますけど、口調とかニュアンスはだいたいこんな感じでした。
もうっ、これってただの「羞恥プレイ」ですよっ!
まー、ゲーム開発してるとですね、一般的に、
開発末期にやってくる「徹夜プレイ」とか、
いつまでも仕様がこない、スタッフがそろわない「放置プレイ」とか、
ゲームの問題点の槍玉に挙げられる「羞恥プレイ」とか、
さまざまな「プレイ」を経験することになりますから、今のボクなら別段なんてことはない。
むしろポッと顔を赤らめつつ、「羞恥プレイ、ハァハァ」などと呟いていたかもしれませんw
が、まだ若かったんだなあ・・・・。
うわーん、このままじゃ、恥ずかしいよ、ママーン!などと心の中で泣いたボクは
GW中に何かサイトをでっち上げなきゃいかん、と思ったわけです。
で、当時一番手っ取り早かったのが3D技術の紹介だったんで、そういうサイトを立ち上げたんです。
今ふりかえると、ただのバカですな・・・・。
【2000年5月 Dakini's 3D Collection】
最初はリアルタイム3D技術の紹介、特にSIGGRAPHの論文紹介からスタートしたんですけど、ずるずる続けているうちにゲーム系ニュースについてのコ
メントが増えていきました。「おまえはCG Worldの手先かっ!」ってぐらい、CG World読もうよー、と書いていた記憶があります。
スタンスとしては割りと中立だったんですが、20001年秋ごろにはビミョーにGCの状況に批判的で、「スマブラ無かったら、終わってたね(w」なんて書
いてました。ただ、XBOXには好意的でしたね。それもXBOXの日本発売まで。あの「研磨機」騒動でぶち切れて、初期不良特集を連日書きまくり、以後
XBOX信者が寄ってきても撃退するようになったわけですが・・・・。
【2003年1月 Dakini's BBS (毒舌BBSほか、名称がコロコロ変わってます)】ちょうどCellの特許文献が話題に
なった頃に、BBSにこっそり記事を投稿し始めていました。当初は「Cellぐらいのパフォーマンスがあったら、どんなゲームが作れるか?」とか、
「PS2とXboxとGC、どれが一番性能が高いのか?」とか、ちょっと技術から入ったゲームの話題が中心でした。ちょうどNVIDIAがだめぽで、
ATIの評価が上がってきた頃。NVIDIA対ATIの話題もけっこう多かったですね。そして「ラチェット&クランク」「Half-Life2」の話題が
出始めた頃から、ゲーム開発論みたいな話に移行していきました。
この頃はちょうど、「日本のゲーム開発者は技術力が足りない」みたいな記事が非開発者系のライターによって書かれていた頃で、不正確極まりない3D技術解
説記事が横行していた時代でもあります。
また、E3出展では、プレイアブル出展されているゲームが「並んでいる暇がないのでやってません」と書かれ、ゲーム画面の動画を見せただけのゲームが「も
うここまで完成している。すごいっ。本当にすごいゲームですよ!」などと賞賛されていたりしました。その後、糞ライターが絶賛したゲームは予想通り発売延
期になり、リークなどによって、全然できていなかったことが露呈しました。
そういう一部ライターを批判してましたね。「ゲームはインタラクティブなメディアなんだから、あくまでプレイアブルを評価すべき。シアター出展で、ムー
ビーを垂れ流しているだけのゲームばかり注目して絶賛するのっておかしいだろー」。
当時は全般的にライター批判が多かった。
また基本的なスタンスとして、PS2断固支持。久多良木氏を高く評価していた頃です。
GCは無視か、批判のどちらか。マイクロソフトは敵の中の敵。まさに凶箱。
世間様では、BLOGが浸透し始めていて、「ブログってどうよ?」みたいな話題が目新しかった時期ですね。なつかしー。まぁ当時は、BBSのCGIを使っ
て、BLOGを書いてるようなもんだったんですが。
話題の中心が3D技術→ゲーム開発→ゲーム産業論と変わっていって、この頃に模索した結果、「発熱地帯」が生まれました。
【2004年1月 発熱地帯】ゲーム産業についての分析が中心で、もはや技術系の記事はほぼゼロ。何気に開発系の記事もこの頃から単調
減少してるんですよね。ううむ。当初はアニメバブルに乗っかって、アニメ感想を書いたり、あるいはラノベ感想を書いたりしていましたが・・・・。GW前か
ら忙しくなって更新が減っていきました。途中でPCがぶっ壊れるし。
秋ごろから更新頻度が復活。
「日増しにリアリティをおびてきた新時代の天下二分の構図」以降、DSとPSPの競争を中心にした記事が増えていきました。そして12月の初期不良騒動があってからは、しばらくの間、批判記事が続きました。
年が明けてからは、DSのソフトの売行きをベースに、ゲームの難易度、ゲームマニアとライトユーザーの違い、ゲームデザインの方向性(スキル主義の10年、コスト主義の10年ときて、次の10年は?)、といったゲームの方向性についての議論に戻ってきました。
またゲーム産業については、ゲーム市場が二極化しつつあるという状況をふまえて、いくつか記事を書いてきました。ゲーム会社が「パブリッシャー」と「スタジオ」に分かれていくこと、枯れたジャンルについては「作家」が台頭しつつあること。(「二極化していく「未来」」「ゲームの二極化の果てはパブリッシャー/スタジオ/作家の3階層モデル?」)
・・・・と、まあこんな感じでやってきたわけですけど、Collection→BBS→発熱地帯と形を変えている間に、プラットフォームホルダーに対する
評価が変わっていますね。
んー、まあ、うちの読者の大半は「天下二分論」以降に来られた方々です。ですから、圧倒的多数の人にとっては一貫して「あー、この人、ソニーがものすごく
嫌いなのね」という印象しかないわけです。昔から読んでいるごく一部の人たちは「こいつ、コロッと意見変えやがって」と思ってるかもしれませんが。
まなざしの快楽さん なぜ知識人は2ちゃんねるにショックをうけるのか?
(関連:知識人はなぜ2ちゃんねるを嫌うのか?)
ised@glocomの倫理研第1回の議事録に
対してのこのエントリーが非常に面白いです。
倫理研第1回は、ネットにおける現状分析や総括が面白いというよりも、むしろその総括の仕方によって、参加者の側の「本音」を露呈してしまった点が面白い
と思っています。このエントリーでは、その本音を鋭く分析されています。
> 「そのうごめきには不透明さと無根拠さがつきまとうハイパーポピュリズムとでも呼ぶ
> べきもの」である2ちゃんねる的なものにどのように対峙していけばいいのか、という
> ことになるのではないでしょうか。今回の議事録からも、知識人たちに広がるこの
> ようなコントロール不可能性へのショック=「2ちゃんねるショック」とでも言うものが
> あるように感じました。
> しかし、「サイバーカスケードにいかに対応していくのか」と言うときには、むしろ
> 「「ニュー速」的なものこそが2ちゃんねるであると思える時代」が終わった今、
> 「そのうごめきには不透明さと無根拠さがつきまとうハイパーポピュリズムとでも
> 呼ぶべき」2ちゃんねるといかに対峙するかということではないでしょうか。
「2ch終わった」論者が安易に2chの1要素をさも2chの本質的機能であるかのようにレッテル貼りし、それを終わったことにすることで、自分たちが理
解できないある種不気味なものを「終わったもの」とみなして、安心感を得る。逆にいえば、そこには理解しがたいものへの恐怖があるのでしょうね。
BLOGの登場等によって、ここ最近2chから失われたのは情報源としての価値であって、意見形成の場、まったり空間、おしゃべり空間、あるいは便所の落
書きとしての価値は減じていないんですよね。むしろ本質に特化し始めたというべきでしょう。
情報源としての価値はBLOGに移行していて、企業や体制の側が隠しておきたい情報を暴露する場になりつつあります。ただ、BLOGはやはり2chあたり
に比べると、リスクは高いんですがね。例えば、PSPについて、やたらと情報が漏れていましたが、BLOGを畳んでしまったり、記事をすべて削除したり、
該当記事を削除した例がいくつもあるでしょう。まぁ有形にしろ、無形にしろ、単なる自意識にしろ、そうした事例が逆に、BLOGの信頼性にリアリティを与
えているわけですが。
関連:「まったり空間」としての2chはいまだ健在。
補足
今回の記事で「情報源」と書いたのは、ニュース的な情報を意図しています。
したがって、コメント欄でご指摘のあったような、生活情報や評判などの情報は、いまだ2chは信頼感があります。ややネガティブな方に流れやすい特性を
持っていますが、本音を書きやすい雰囲気は2chに勝る場はなかなかありませんね。
倫理研第1回: 共同討議 第1部 「2ちゃんねるの時代」の終焉をめぐってを読んで、思ったことを適当に書き流します。まとまってませんが。
いつの間にか、こういう指摘を
受けていたので、少し補足が必要かな?と思いました。2chとBLOGの意味的関係についての考え方は、自分の中ではあまり変化していないつもりですので
(正直、表層的な言葉だけ捉えられても困ります……。まぁ実際、リンク先の記事も、「印象」というあいまいな言葉で表現されてますが)。
> 実際、有名なBLOGの人の中には、(直接否定的な記事を書くのは避けるけれども)
> 2chに対してネガティブな言い回しをする人がかなりいるんですよね。「もう2chは古い」
> 「2chから新しい物は生まれない」「2ch=性悪説」「2chのようなところから」「2chで
> 性善説的なツールが使われるとどうなるのか」などなど……。
(真っ先にBLOGに飛びついた層の2chへの意識を鋭く分析した文章としては、世間虚仮 唯萌是真さんの「自意識キモイ」とblogの隆盛が参考になります。)
さて、そして時間が経過し、BLOGがさらに普及していきます。すると、2chになじめなかったという理由よりも、流行っているからとか、便利だからとか、そういう理由でBLOGに移行していく書き手が増えていきます。
> この1年ほどの間に、ネット上の言説活動は2chが空洞化しつつあって、積極的に
> 情報を発信する人たちはその外に移住して、BLOG網をきずいている。
現在では、書き手の移行がかなり進んでいるように思います。積極的に情報を発信する人々がBLOGに移っていったため、ネット上の「意見の趨勢」に対するBLOGの影響力が増大し、2chの影響力が相対的に落ちている、とボクは観察しています。
ただし、比較的あたらしい書き手は、2chへの敵意というかルサンチマンのようなものはあまり持っていない、
と思います。出力の比重はBLOGに移っていますが、別段、2chに敵意があるわけでもないし、どちらにも関わっている人も少なくないでしょう。
2chは1次情報源と2次情報源の両方の性質を備えています。ここでいう1次情報源とは、直接2chへの投稿のことです。2次情報源とは、ニュースサイト
やBLOGの文章を貼り付けて、それを元にああだこうだいっている文章のことです。1次情報源と2次情報源の比率は実際には、板ごとに異なりますが、たと
えばゲーム系に関しては2次情報源としての文章がかなり多いといえます。BLOG→2chという流れが最近強いから、BLOGが言論を形勢する素となりや
すいのでしょう。逆にいうと、2chの住人が情報源とするようなサイトがBLOGに移行したと
いうことです。
BLOGの影響力が増している要因は他にもあります。その道の専門家がBLOGを書くようになったためです。2chにしろ、BLOGにしろ、どちらも匿名
で書いている人が多いのですが、書き手への信頼性はかなり違うようです(メールアドレスの公開など匿名レベルに差はありますし、BLOGには書き手の人格
の一貫性がありますね)。例えば、ゲーム開発者が2chに文章を書いた場合は、「自称開発者」などと呼ばれることは珍しくありませんが、BLOGの場合は
そういう風にいわれることはほとんどないです。まぁ、さすがにわざわざBLOGを立ち上げてまで、詐称する人間はあまりいない、という理解でしょうか。
2chの「匿名多数派」的な影響力と、BLOGのオピニヨンリーダー的な影響力。以前は2chを読んで、BLOGの書き手が「みんな、こう思ってるのか
な……」と思い込むことが多かった。しかし今はBLOGの文章をもとに、2chの住人が「みんな、こう思ってるのかな……」と思い込むことが多いんじゃな
いか。
まぁ、大雑把にいえば、意味的な関係は変わってないけど、情報の流れ方に変化が起きつつあるということです。だから、広報戦略にも変化が必要、と書いたわけです。情報の上流を説得しなければ、下流も説得しきれない、ただそれだけのことです。
補足
初期においては、BLOG界隈と2chの間の情報の流れは、かなり疎だったと思います。その一例は、世間虚仮 唯萌是真さんが上記記事において指摘されて
いる「ファウスト」についての温度差です。
> 何故「ファウスト」について語る人がはてなダイアリーには多いのに2chでは
> 冷め切っているのか。
ちょっと古い話題になってしまいますが、Passion For The Future「企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法」が
面白かったです。ボクもこういうことはやっているので、他人がどういう方法を採っているのか、という点は多少興味があります。
アイデアマラソンというのは単純にいえば、1日最低1個の発想を毎日ノートに書いていき、数千数万蓄積していくことです。根本はそこで、記述の方法の詳細
は人によって色々あり得るでしょう。例えばこの著者の人とボクが採っている方法は、多少の違いがありますし。
(とはいえ、この「アイデアマラソン」の著者のように20年間欠かさずにマラソンしてきた人の方法論は読むに値する価値はあるかもしれません)。
ボクは検索性を重視しているので、テキストファイルに書きためていますし、この著者の人のいう「1個の発想」よりも大きな単位で「1個の発想」をとらえて
います。というのも、最初は短く書いていたんですが、かなり詳細に書いておかないと、メモを読んでも、後々思い出せなかったり、その時の勢いが再現できな
かったりしたからです。記録の仕方自体も、数ヶ月ごとに方法を見直して、改良を加えることにしています。
こうした毎日のメモの効能の1つは、思考のサブアセンブリをたくさん作れるということで、すぐに形にならないとしても、なりそうな状態のものが毎日たまっ
ていきます。しかし実の所、溜まっていった結果(メモ)そのものよりも、毎日考えた結果、思考に筋力がつくことにむしろ価値の本質があるのでしょう。
すでに成功している人であれ、これからの人であれ、毎日考えている人とそうでない人には、圧倒的な差があります。ちょっとした雑談程度であれ、真面目な議論であれ、話していて明らかに有意の差が出ます。(もちろん、考えてない人は常にその現実に無自覚です)
考えてない人は、見通しが狭いですね。先々のことについて何をいっても、そのほとんどが外れていく。また、反省能力がないので、いっこうに良くならない。