前回のエントリーで予告した通り、発熱地帯はこのエントリーを最後に、更新停止して、移転&リニューアルします。
かさぶた。
我ながらネーミングセンスはますます謎ですが(笑
間抜けな名前にふさわしく、発熱地帯よりも肩の力を抜いた感じで続けようと思います。
発熱地帯を始めて3年が経ちました。携帯ゲーム機中心の時代の到来で、未来は誰の目にも明らかです。PS3、XBOX360、Wiiのシェア争いはまだこれからですが、所詮は携帯ゲーム機に対するサブ市場にすぎません。大局に影響は無いでしょう。
ひと区切りついたと言えます。また、古くからの読者の方々がお察しの通り、話のネタが無くなっているのが実情です。今年は『ハルヒ』を始めとして、話題が非常に拡散した1年でした。おそらく来年はさらに「ゲーム離れ」が進むと思います。ゲーム系ブログとは言いがたい状態になりつつあるので、いっそリニューアルしようというわけです。
今までは場所だけ借りてMovable Typeを入れていたのですが、レンタルブログを利用することにしました。最近はサービスやカスタマイズ性が上がってますし、全部自分で管理するのもけっこう面倒になってきたんですよね。ライトノベルに関するエントリーは暇を見つけて、新しいブログに移行しようかな、と思っていますが、その他のエントリーはこちらに置いておきます。
(なお、このブログへのコメント、トラックバックは停止しています)
発熱地帯を始めて3年、「ゲームの次世代」を考察しつつ続けてきましたが、携帯ゲーム機中心の時代の到来で、誰の目にも未来が見えてきました。そういう意味では、『ドラクエ9』のDSでの発売決定は、今年1年を締めくくるにふさわしい象徴的な事件でした。
ひと区切りということで、移転&リニューアルしようかなと思ってます。ぶっちゃけ、そろそろ話のネタが無くなってますしね。PS3もXBOX360もWiiも所詮は、携帯ゲーム機に対するサブ市場ですから。大局に変化は無いと思います。
移転先については、特にトラブルが無ければ、年内には告知したいと思います。
SHI-NO 愛の証明
放っておけば最悪の殺人鬼になる魂と断言された黒い少女志乃と、年の離れた幼なじみである大学生の「僕」の2人の物語。その第4巻にして、第一部完。
シリーズの中で最も緊迫した状況が展開します。
狂信的な自殺サイト「デッドエンドコンプレックス」の残党からつけ狙われていた志乃は、「僕」と共にデパートに閉じ込められ、あと2時間で毒ガス付きの時限爆弾が爆発する状況に追い詰められます。志乃は最悪でも、「僕」だけは助けると断言します。それは、誰であろうと、自分であろうと必要であればためらわず殺して、僕を助けるという事。
普通なら小学生の少女がそんな事できるはずがないし、考えるはずがないと一笑に付す話。けれども年の離れた幼なじみである大学生の「僕」は、彼女が本気なことを知っています。志乃は普通である僕の理解できない、黒い魂を持っています。かつて兄弟同然の幼なじみで、再会してからも同様に、家族のように暮らしている「僕」だから気づけた事。
この巻で、ついに「僕」は志乃ちゃんとどう係わり、生きていくのかを決意します。殺人鬼の魂をもつ彼女の全てを、その理解できないほど黒い精神を、僕はすべて肯定して生きていくのか。彼女は僕に愛されるために自分の魂を殺して、生きた抜け殻として在ることを願うのか。それとも・・・・。
そして「僕」と志乃ちゃんは歩き出す、最悪を回避するために、次の一歩へ。
生きる事の意味をわりと真っ向から、愚直に書いた部分が多いので、リアル中高生でないと青臭いというか拍子抜けするかもしれませんが、そういう読者は志乃ちゃんに萌えればいいと思います。(結局、それか、俺orz
支倉志乃といえば、ライトノベル3大小学生ヒロインの1人ですからね!
(他の2人は『紅』の九鳳院紫、『円環少女』の鴉木メイゼル)
GOSICK 6 仮面舞踏会の夜
欧州オカルト界の秘奥たる灰色狼一族の血を引く、恐るべき頭脳をもったヴィクトリカと、日本から欧州の小国に留学に来た一弥の2人が、奇怪な事件に巻き込まれていくミステリー第5弾。
ベルゼブブの頭蓋と呼ばれた修道院から脱出した帰りの列車の中で、ヴィクトリカと一弥の2人は奇妙な乗客と一緒になります。一同は互いの正体を隠して、<孤児><公妃><木こり><死者><灰色狼><家来>を名乗ります。それは全員が偽りの仮面をかぶる仮面舞踏会ともいえるシチュエーション。しかし一夜かぎりのたわいも無い嘘だったはずが、乗客たちはあたかも真実であるかのような奇妙な振る舞いを始め・・・・そして、列車内で起こる殺人事件。
はたしてヴィクトリカと一弥は、一夜の幻想のような奇怪な事件を解決し、学園に帰れるのでしょうか。
今回は、探偵を巻き込んで事件が起こる「仮面舞踏会」と、探偵役が関係者の証言を聞いていく「宴のあと」の二部構成になっていて、ミステリ度が高くなっています。また、拳銃のシーンを筆頭に、ヴィクトリカと一弥の絆の強さを感じさせる場面が何度もあるので、ニヤニヤすることしきり。やっぱり最大の謎は「愛」なのか、ミステリー=愛なのか。さすがはゴシック、伊達に富士ミスを代表する小説じゃないぜ!
(富士見ミステリー文庫はもともとミステリー風ライトノベルを目指していましたが、売上不振のため、途中から「LOVE!」をテーマに掲げるようになった謎のレーベルです。)
第1次大戦の傷跡が癒えつつあり、しかし第2次大戦の暗い影の気配が忍び寄っている時代。2人は厳しい嵐に巻き込まれるのでしょう。もしかすると引き離されてしまうのかもしれません。不安は強まっています。でもこの2人なら大丈夫かも・・・・と思うのですね。大人たちの起こす嵐から、子供たちは逃げ延びることができるのか。読者としては、やきもきしながら、続きを待つばかり。
ま、それはそれとして、富士見ミステリー文庫におけるあとがき女王、桜庭一樹の最新作はやっぱり面白い。あとがきも読み逃せない作家です。
年内はライトノベルの感想だけにして、ゲームの話はやめようかなと思っていたのですが、Wiiの「お天気チャンネル」「インターネットチャンネル」が配信され、大きく話題になってるので、少し書きます。つってもタイトルの通りなんですが。
他:Wiiの勝利を支えるのはお母さん達かもしれない (Nao_uの日記さん経由)
この調査によると、30歳〜40歳の専業主婦層では地上デジタル放送について「詳しい内容は知らない」という回答が56.0%だったそうです。そこで次に地上デジタル放送の機能概要の説明をして利用意向を尋ねると、専業主婦層の利用意向が87.0%と最も高いものになった、と記事は伝えています。地デジの機能が主婦層に全然浸透していないという話。ちなみに恥ずかしながら、ボクもほとんど知らなかったんですけどね。テレビにそんな機能を期待してなかったといいますか。何でもできる機械になればなるほど、何ができるかユーザーに理解されなくなるというジレンマ。注目すべきなのは、専業主婦層が最も興味を持った機能が、「最新のニュースがいつでも見られること」、「番組で紹介された料理レシピがいつでも見られること」、「地域ごとの天気予報を見られること」だった事です。
記事中では、「画面操作が難しく使いこなせるか不安」と回答した人が 46.0%だった事も伝えられています。
PCが実質Web専用機になって、それに「年賀状を書く」「デジカメの写真を整理する」需要がちょっとくっついてるのと同じようなもんですね。ちなみにPS3で年賀状作成ソフトを出したら?と思ってるんですが、そういうこと真顔で言えない雰囲気がPS3の一番の問題ですよね。
Wiiで配信開始された「お天気チャンネル」はモロにお母さん需要を狙ったサービス。かなり受動的なユーザーを対象にしていると思います。「インターネットチャンネル」があるからWebブラウザで天気予報を見ればいい、と考えずに、わざわざ専用のサービスとして切り出しています。また「ニュースチャンネル」も同様で、Webブラウザでヤフーニュースを見ればいいという発想ではありません。お母さん向けのニーズはそれぞれ独立したチャンネルにし、能動的に情報を求める人には「インターネット」を見てくださいと提示しています。
家庭内の情報格差にきわめて意識的な設計といえます。同じような指摘はいくつかのブログでなされています。
おそらく任天堂としては「家族の前で見られるサイトだけ見られれば十分」なのだろう。(中略)操作するのもお母さんというより、少しはパソコンが使えるお父さん、というイメージなのでは?
パソコンが苦手でアレルギーの強そうなお母さんには「お天気チャンネル」や「ニュースチャンネル」で情報を提供するつもりなのだろう。つまりWiiを使う家族の間でのデジタルディバイドも、視野に入っているわけだ。
任天堂という企業が考え抜いた、インターネットに対しての回答の結集。いや、それでも表現としては十分と言えない。コンピュータの発達によって年齢差によって起きているデバイド=格差を完全に解消するための解答。若者向け、お父さん向けの情報端末は過去に例がありますが、お母さん向けをここまで強く打ち出した情報端末は、ひょっとすると世界初なんじゃないかと思います。PS3やXBOX360が男性向けのマッチョなイメージが強いのに比べて、WiiはPCの主要ユーザーと被らない、PCが取りこぼしている層を狙っていますね。
嫌われないどころか,筆者の感覚では「お母さんをとりこにするゲーム」なのである。巷では,子供と母親のリモコンの奪い合いが始まっていると聞く。何を隠そうわが家も同じ状況だ。ゲームの外の経験値についての指摘が面白いです。
「親が子供に勝てる初めてのゲーム機」,それがWiiだ。
(略)
このように母親がゲームを嫌う理由の一端には,ゲームの内容に興味が持てないことのほかに,子供と対戦しても絶対に勝てないくやしさも潜んでいる。その点,Wiiの「操作が簡単」「経験が生かせる」という要素は大きい。
女性および中高年ゲームユーザーが急増中 - 英国でも任天堂のDS効果
英国でもDS効果によって女性ユーザーが急速に増加しているようです。海外でも「お母さん」マーケットの拡大が期待できそうです。まぁ人類の約半数は女性ですし、それに関しては日本も欧米も無いですからね。日本の女性と海外の女性が同じ嗜好を持つとは限りませんが、女性市場への注目が高まっているのは全世界的な現象です。
日本ではここ数年『おしゃれ魔女ラブ&ベリー』『たまごっちのプチプチおみせっち』『nintendogs』『どうぶつの森』とヒット作が続き、女児〜大人の女性向けマーケットが賑わっています。女性をターゲットにしたゲームデザインではかなり先行しているといえるでしょう。
Wiiの体験ゲームは身体を動かすものが多いため、長時間遊ぶには適さず、時間をかけてゲーム内に経験値をコツコツ蓄積するゲームデザインよりも、「ゲームの外の経験値」を短時間で発揮する設計のほうが向いています。また、ゲームの短時間性により、適度なスパンで交代して遊ぶことが多くなるでしょうから、家族のメンバー全員に遊ぶ機会が均等に回ってきやすいです。
(反面、ゲーム内に経験値を蓄積するタイプというか、1人用のゲームはあまり面白くないですね。Wiiのローンチソフトの大半を遊びましたが、PS2とDSでいいやというのが率直な感想です。)
この記事の主題からは逸れるのですが、インターネットチャンネルが配信されたばかりにも関わらず、Wii向けに特化したデザインのサイトを作っている人が続々と現れています。ブームになるかどうかはよくわかりませんが、Wiiの場合、DSと違って本体に内蔵されるわけで、本体装着率は桁違いに高いでしょう。
ゲーム業界人の「PS3&360=HDTV、Wii=SDTV」という思い込みとは裏腹に、「Wii=薄型大画面テレビ」という意見が日増しに増えています。後藤氏はゲーム業界に片足突っ込んでるとしても、家電メーカーのwaren氏や、放送コンサルティングの江口靖二氏といった、ゲームの外の人のほうが常識にとらわれずに、素直に実情を指摘しておられます。
ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン
富士見書房および富士見ミステリー文庫が誇る7人の作家によるリレー小説。2話目までは普通に『ROOM No.1301』と『まぶらほ』をやってるんですが、3話目で作者自身が登場してからタガが外れたような暴走が始まります。リレー小説に名作無し。つーか、累乗的に矛盾点が増えていき、最後に破綻に向かう運命なのか。
しかしどうせならリレー小説じゃなくて、クロスオーバーを書いてほしい気がするんですが、ダメですかねー。同人的なノリ&お祭り的趣旨としては、そっちの方がいいんじゃないかなー。その場合は、リレー体制ではなく、1人の作家が中心になって執筆しないと完成しなさそうですが。
ところでクロスオーバーの最古って、ルパン対ホームズでいいんでしょうかね?
カイ氏伝:「ブロガー対抗 漢字力テスト」行ってきました
「ブロガー対抗 漢字力テスト」というイベントが開催されていたようです。いくつかのブログでこのイベントの記事を目にしました。参加者には自分の漢字力を痛感してもらい、かつ『漢検DS』をお持ち帰りしてもらったようです。
PCの普及で文字を書かなくなっている人が多い昨今、中でもPC依存度が高いであろうブロガーは「きっと漢字が書けないのではないか」という雑談からスタートしたというこの企画。DSソフト「漢検DS」のバックアップを受け、ブロガーを集めたこの企画が12月12日という漢字の日に行なわれたという次第です。『漢検DS』のプロモーションでは、専用のブログパーツを提供していて、しかも完成度が高い。漢字力を試すだけではなく、漢字力の高さが都道府県別にされるので、競争心が刺激されます。DS Liteが開くアニメーションも凝っています。設置者が自分のアフィリエイトを設定できるのも良い心づかい。
『漢検DS』は55万本を突破した大ヒットソフト。
開発元のロケットカンパニーは、地味ながら評判のいい『みんなのDSカーリング』や、テレビ番組とのタイアップ企画である『東京フレンドパークII』を開発するなど、最近DS市場で活躍中です。漢字の日にあわせて積極的に話題を作ったり、秀逸なブログパーツを配布したりと、小回りよく話題を提供し、DS市場の盛り上がりにうまく乗っています。
漢検DS、漢字の日で“日本人の漢字力調査”を発表
アイデア重視とされるDS市場では、小回りの良い中小企業のほうがうまく利益につなげています。複数のプラットフォームに手を出して、DSで稼いだ利益を他のハードで捨てている大手企業とは対照的です。ぶっちゃけ、知育系ゲームが嫌いで、イヤイヤ作っている開発者もいると思いますが、もったいないなーと思う次第。まぁモチベーションの持ち方はそれぞれなんですけど。どこの世界でも、何事においても、チャンスを見出してどんどん積極的に攻めていく人たちと、消極的で停滞する人たちの差はとても大きい。
すぐに稼げる文章術
ブログが流行った影響か、文章術についての本は需要が高いです。実際、うちのブログで本を紹介しても、文章術の本は購入率が高いです。これまで紹介してきた本はどれも、よりわかりやすく、より伝わりやすく、より上手く文章を書くための手引きでした。
しかしこの本は、まぁそういう文章作法的な話も載ってはいるのですが、基本的には文章をお金にする方法や心構えに重きを置いています。筆者の日垣隆氏が自分のサイトで有料メルマガをやっていたり、本以外の商品を売っていたりするため、「文章で稼ぐ」ことの説得力は確かなものがあります。
既存のマスメディアでも、「日刊ゲンダイ」は通販サイトを作り、読者にモノを買わせています。私もメルマガを通じ、これまでオーダーメイドシャツや塩や本棚や椅子などいろいろなものを売ってきました。私の場合、まだ小さい市場ではありますが、たとえ小さくても自分の市場を持っていれば、モノを売ることができます。
(略)
朝日新聞は購読者が800万人いると威張っていながら、その800万人の購読者名簿すらもっていない。購読者の名簿をもっているのは販売店です。こんなことは、モノを売る側にとっては異常なことだと知るべきでしょう。
(略)
サイトに日垣の本の注文が入ると、すぐに名前を検索してメルマガの定期購読者か否かを調べます。注文者が岡山の方でしたら、「岡山では昨日の台風はいかがでしたか?」など、何かしら個人に宛てた一文を添える。もし注文者がメルマガの購読者でなければ、メッセージとともに「よろしければ本が届くまでお楽しみください」とメルマガを2号ほどサンプルとして送ります。こうした工夫をするだけで、一度でも私の本を注文した人がメルマガの購読者になる割合は58%にものぼるのです。
では、この本は文章で食べていく人以外には価値が無いのかというと、そうではありません。
そこそこの規模のブログを持っている人なら、アクセス解析やコメント欄での反応などから読者層の推定を行っているはずです。基本的にブログは無料でやっていると思いますが、初歩的なマーケティングに通じる行動といえます。
ボクもブログを割りと長いことやってますから、自分のブログでこういう話題を取り上げると、どれぐらいアクセスがあるかというのは大体読めるようになっています。ライトノベルの書評は人気が無いとかも、まぁわかるわけです(笑 発熱地帯ならではの売りもなく、踏み込みも浅い。出版やケータイ小説の「市場論」のほうがよっぽど人気が高いです。ただ、ボクが増やしたいのはゲームではなくてライトノベルなので、最近比率が増えているわけですね。「売りたい」商品と「売れる」商品の違いです(実際に売っているわけではありませんが)。
最近だと『薔薇のマリア』の紹介記事のアクセス数が飛び抜けてよかったのですが、これは単純に、『ウィザードリィ』と絡めた書評だったので、関心を引いたんでしょうね。うちのブログの読者層は、ゲームに関心があるファミコン世代の人が多いようなので、ふだんはライトノベルの記事をスルーする人の目にも止まったのでしょう(年齢構成を正確に分析する手段はありませんが、長いこと色々な記事を掲載していれば、大雑把な読者層は感覚的に掴めます)。
アフィリエイトをやっていると、さらに市場を意識することになります。全体に占める比率でいうと、映画のDVDみたいにまったく紹介してない物が案外、売れるんですけどね。要はそのブログがポータル的に機能していたり、アマゾン内部でのオススメ機能が効果的に機能しているということです。ただ、商品1個あたりの売上は紹介している物が高く、書評の質がある程度判断できます。
「市場」をもつという考え方は、何も本に限ったことではなく、PC美少女ゲームの会社では自社サイトで通販している所が多いですし、ファンクラブを運営したり、購入後のアンケートを送るとファンディスクを送付するなど、ユーザーを囲い込む努力をしています。ユーザー向けのイベントに熱心な会社がいくつもあります。一方、コンシューマーゲーム機は市場規模の大きさや、既存の流通システムに大きく依存していて、あえて悪く言えば、かなり甘えているので、そこまで「売る」ことに熱心になりきれてないし、「市場」を意識できてない感じですね。
参考2
人の心を動かす文章術
純粋な文章術の本としてオススメできるのはこちら。添削指導をしていた方だけあって、修正前と修正後の文章が載っていて、どこをどう直すべきか非常に明快で実践的な本です。
擬人化といえば、IKaのマホ釣りNo.1さんの『P.S.すりーさん』が面白い。いや切ない。
これでゲーム機戦争がどう転ぼうが怖くないぜ!とはいうものの、『ドラクエ』のDS移籍で「じつは全部要らなかったんじゃね?」と思ったり。来年の今頃全部売り払っているような事がないように祈ります・・・・。3機種+PCをテレビにつなぐと、配線汚いんですよね・・・・。ちなみについに『戦国ランス』が発売されたので、年内はゲーム機起動しない可能性高し・・・・3人娘の撮影のためだけに買ったようなもんだな、俺。←ならもっと美しく撮ってやれ、俺。
PC美少女ゲーム『Shuffle!』のアニメが去年放映されましたが、ディレクターズカット版が放映されるそうです。
「SHUFFLE! MEMORIES」
番組タイトルは、「SHUFFLE!MEMORIES(シャッフル!メモリーズ)」。今回のシリーズは、シア、ネリネ、楓、亜沙、プリムラの各5人のメインキャラクターをフィーチャーした総集編仕立ての内容で、シリーズ中には、完全新作オリジナル話も予定されています。おりしも11月24日に楓エンド後の続編『Really? Really!』が発売されたこともあり、楓エンドに改変するのでは?と期待する声もあるようです。そういう推測をどこかのブログで目にしたんですが、どこだったかちょっと覚えてません・・・・orz
続編『Tick! Tack!』がネリネエンド後、続編第2弾『Really? Really!』が楓エンド後ということを考えると、ゲームメーカー側の認識として、ファンの人気が高いのはネリネ、楓という事になりそうですが、アニメが亜沙先輩エンドだったため、騒がれたんですよね。
マルチエンディングの美少女ゲームのアニメ化では、分岐ありのストーリーから分岐無しのストーリーを作る必要があり、「プレイヤーにかわって製作者が選択肢を選ぶ」必要があります。特定の誰かを選んでしまうと、他の女の子のファンから不満の声が上がりやすいため、ハーレムエンド(特定の誰か1人を選ばず、主人公の周りの女の子はみんな仲良し)を選ぶことが割と多いんですね。
もう1つは、特定の誰かを選ぶ方式で、「誰のエンドになるか!?」観ていて退屈しないのはこちらです。ただし物議をかもし出すことも多いです。特に、メインヒロイン(主人公に最初から好意を示している女の子。幼なじみである事が多い)以外のエンドにしようとすると、騒がれやすいです。ファン心理といえばそれまでですが、シナリオが歪みがちなのも事実です。最初から好意を示している女の子が自分の目の前にいるにも関わらず、それを無視して他の女の子とくっつく場合、1)主人公が異様に鈍感、2)主人公が他人の痛みに気づかない自己中人間、3)主人公が冷淡、といった印象につながりやすいからです。
アニメ版・第1期の騒動 (Wikipedia)
しかし、亜沙とのエンディングに話を収斂させる反動で、主人公の土見稟の性格が話数によってまるで別人のように異なる一貫性の無い、また原作設定の「人の悲しむ姿、他人が傷つく事を誰よりも嫌う」を否定したキャラクターとなり、亜沙以外のヒロインとのエピソードが改変・縮小されるなどの弊害が出た為、原作のファンからの反発を招く事になった。こういう事情があるため、楓エンドに改変するという期待・推測は、まったく根拠が無いとも言い切れません。マルチエンディングゲームのアニメ化に特有の問題点として、どういう結果になるか注目しています。特に楓のエピソードが描かれた19話〜20話は「明るい物語」という原作のコンセプトを無視し、楓がさながら精神錯乱者のように描かれた陰惨なストーリーだった為、19話放送直後からNavelオフィシャルウェブのBBSは大量の賛否両論の書き込みで一時サーバーがダウンする事態となった。
この様に結果から見れば原作ファンからの支持を得る事に失敗したと言わざるを得ない状況であり、ファンの間では、このアニメについてはもはや無かったことにして、製作会社やスタッフを完全に変更してのアニメの作り直しや、OVAで21話以降の楓への分岐シナリオを希望するファンの声は現在でも少なくない。
「ドラゴンクエストIX」ニンテンドーDSで登場
YouTube ドラクエ9 TVCM第1弾
あまりにも正しすぎる決断ゆえに予想外でした。
この英断が国内のゲーム業界に与えるインパクトは大きいですね。
このブログを始め、じつに多くの人が「据置→携帯」シフトについて書いてきました。実際に市場が証明しました。けれども、まだ納得できていない業界人はいたわけです。しかしこの決断を前にしては、ぐうの音も出ないでしょう。
また「別に焦って決めなくても、1年ぐらいDSやって様子見しとこう」どころか、「あれ? このままずっとDSでもいいっすかね?」と選択肢が広がりました。ソフトメーカーの本気タイトルがDSで増えていく可能性がさらに高まりました。
据置ゲーム機への影響はある意味小さく、しかし絶大です。『ドラクエ』が特定のハードに発売されることで、シェア争いを左右する、という意味での影響はほぼ無くなりました。一方、『ドラクエ』が据置機から離脱することで、「ドラクエ本編がやりたいから、ゲーム機を買っている」というユーザーが据置機から離れていくでしょう。据置市場の縮小傾向に拍車がかかると思われます。
ぼかした言い方をせず、Wiiとの連動や移植の可能性をハッキリ否定したのも素晴らしいですね。据置ゲーム機の競争に巻き込まれたくないという表明であり、そんなくだらないことは勝手にやっていろ、という頼もしい発言です。まさに日本のソフトメーカーの鑑であり、万来の拍手を送りたい。
−−Wiiとの連動はあるのか?
和田 今回はニンテンドーDSの通信機能をフューチャーしている作品。Wiiとの連動はないと思います。また、新しい『ドラクエIX』のゲームデザインの面からも、ほかのハードへの移植などはありません。
ハードごとにお客様は違います。新しいユーザー、お客様に喜んでいただきたいという思いで、今回ニンテンドーDSで『ドラクエIX』を発売することとなりました。
参考
FIFTH EDITION 「据置は死んだ。次いってみよう。」
国内における据置市場と携帯市場の比率の変化や、日米のゲーム機売上などのデータを引用しておられます。
GAME NEVER SLEEPS 「ドラクエのDS移籍から始まるRPG2.0元年」
要望に応えて書き足しました(笑
化物語 上・下
西尾維新、最新作『化物語』。
中高生向けのハードカバー、あるいはライトノベル世代へのハードカバー、講談社BOX。試みは面白いものの、書店では割と置き場所に困っている風にも見えますね。ハードカバーの棚には置けないし、結局ノベルスと同じあたりに置いてあって、あんまり意味無い気が少し。値段に見合う中身があるとも思えず、敷居を上げてしまったような。出版社にとっては単価が上がって利益率が上がる方がうれしいのかもしれませんが。
内容は西尾版『学校の怪談』といったところです。
『ひたぎクラブ』『まよいマイマイ』『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』の計5編の短編連作で、怪異に取り憑かれて困っている女の子を、「僕」=阿良々木暦(あららぎ・こよみ)が助けていきます。主人公の周りに女の子が増えていく構造なので、5人で止めておかないと、収拾がつかなかったかもしれません。
主人公はいーちゃんの「いい人」っぽい部分だけを抽出したようなキャラクター。また他の人も基本的にいい人ばかりなので、作者が趣味で書いたというように、読者も気軽に読める1作。女の子との漫才的な掛け合いが多く、脱線する会話がとても楽しい。
女の子と主人公の関係といい、脱線する日常会話といい、西尾維新によるギャルゲー小説といっていいでしょう。作中でも、「一番難易度の高いキャラ、もう攻略しちまってるからさ」「虹色町」等々、かなり自覚的に自己言及しています。
銀盤カレイドスコープ 8 コズミック・プログラム:Big time again!
銀盤カレイドスコープ 9 シンデレラ・プログラム:Say it ain’t so
女子フィギュアスケートを題材にした『銀盤カレイドスコープ』がついに完結。
デビュー作(1巻と2巻)の時点では16歳、オリンピック出場の座をかけて、日本のライバルたちと争っている未熟な1人のスケーターでした。才能こそあるものの、本番が苦手で、人形のように表情が硬く、一言余計な性格が災いして、マスコミを敵に回しがち。敵を作りやすい桜野タズサはとある出会いをきっかけに、さらに爆弾を抱え込んでしまうのですが、やがてそれが良いきっかけに・・・・。
コメディ調の少女小説のように見えて、じつはスポ根小説。スケートの演技シーンは圧倒的な躍動感で描かれていて、作者のスケートへの強い愛情がうかがえます。フィギュアに詳しくなくても、最低限の解説はありますし、生き生きとした描写で、スケーター1人1人の演技の様子が目に浮かぶようです。
それから4年、今や世界的なスケーターになったタズサはついに、フィギュア界に君臨する不敗の天才スケーター、女帝リア・ガーネット・ジュイティエフに宣戦布告します。桜野タズサを天才とするなら、リアは神に愛でられし天才。タズサを始めとする、同時代の世界的スケーターは誰もリアに勝てません。
言ってしまえば、『修羅の門』における陸奥に挑む海堂晃や片山右京たちの立場であり、『YAWARA』における本阿弥さやかやジュディ、テレシコワたちの立場です。柔の父、猪熊 虎滋郎はかつて本阿弥さやかにこう言いました、凡人が天才に勝つには天才をはるかに上回る努力とそして運が必要なのだ、と。努力だけで勝てるような相手を天才とは言いません。しかし神に愛でられし天才は、その運さえも軽々と超えていきます。
『修羅の門』や『YAWARA』では、主人公は神に愛でられし天才の側でした。しかし『銀盤』7〜9巻における桜野タズサは天才に翻弄される凡人の側です。リアの元コーチ、マイヤ・キーフラの元にいき、一流スケーターが続々とやめていった過酷なトレーニングを続けます。しかし女帝の逆鱗に触れたタズサは、怒れる圧倒的天才によって打ちのめされ、翻弄され、蹂躙されます。
「なんでなのよ……」
リアが現れただけで、突然何もかもがおかしくなるなんて――
「あり得ない……」
こんな種類の失望感は初めてだった。
不眠――ここまで積み上げてきた全てが、こんな理由でオジャンになろうとしている。リンクに乗る前に、決着がつこうとしている。
(略)
「一睡もできなかったわ」
投げやりな心情、投げやりな口調で事実を告げた。さぞかし呆れ返られるだろうと予期しながら。
「そうですか。それで?」
「……ダメかもしれないわね」
「マイヤッ……」
必死で背後を顧みた。
なに? あれはなにっ!? ……声にならない。
「タスザ、落ち着きなさ―」
「――あれはなにっ!?」
去年の夏――世界トップクラスのアスリートがリアの本気を前にして、自分を保てない。かつてない重圧と戦いながら、桜野タズサはオリンピックにて、女帝リアとついに対決します。はたして桜野タズサはリアに勝つことができるのか!
女帝リアは、私の腕の中であどけない寝顔を晒していた。
……それでよかった。それでよかったのだ。
だって今は。今は……。
「なんで……」
なんで、壊しちゃったんだろう。
その先の展開はまさに神がかっているとしか。9巻の物語を締めるにすさわしい、片時も目を離せない展開が続きます。1巻、2巻の時点ではスポ根の装いをもった少女小説でした。しかし3巻以降、少女小説的における王子様的な要素は、周到に排除されていき、タズサを取り巻くアスリートたちを描いたのち、8巻、9巻では幼い頃から勝ち続ける女帝リアと彼女に挑むタズサの姿を描き出します。少女小説から、自分の力で戦うスケーターを描いたアスリート小説に見事に「化け」ました。
戦闘城塞マスラヲ 1巻 負け犬にウイルス
就職のために上京したものの34社すべてに書類で落とされ、ひきこもりをすること2年間、親からの仕送りも止められ、死のうと決意した川村ヒデオ20歳。極悪なアンチウイルスソフトの目から逃れるため、ノートパソコンに潜んでいたものの、ノートパソコンごとゴミ捨て場に廃棄されてしまった、超愉快型極悪感染ウイルスのウィル子。
ヒデオは負け犬を返上するため、ウィル子は電子世界の神になるため、ペアを組んで究極の武闘大会「聖魔杯」に参加します。
優勝者には世界を律する権利が与えられるこの大会には、武闘家、軍人、吸血鬼、魔族、警官、正義の味方、・・・・世界中からあらゆる種族の強者が集まっていました。3024人、1512組の参加者の中、ひきこもりで負け犬な、最弱のヒデオは勝ち進んでいけるのでしょうか。
1巻ではスニーカー連載の4話と書き下ろし1話が収録されています。スニーカー最新号には連載第5話が掲載中。前作である『お・り・が・み』の最重要キャラクターたちもついに登場して、ますます先の展開が読めなくなってきました。
ボクは『スニーカー』は買ってなかったんですが、『マスラヲ』のためにしばらく買ってみようかなと思ってます。1月号では初特集が載りますし。『マスラヲ』単独でも楽しめますが、『お・り・が・み』もおさえておけば、2倍に面白い。
ネクラ少女は黒魔法で恋をする 1〜3
自分の容姿に自信が無い、クラスでも存在感が皆無で空気みたいな存在感、嫌なことも押し付けられやすく、内心すんごいウルトラ毒舌を吐いているけど、口には出せない。いつも背を曲げてうつむいて歩いているし、家ではローブを着て黒魔法に凝っている。なにしろあだ名が黒魔法(本名が空口真帆で、クウロまほで黒魔法)。対照的に明るくて運動が得意な妹に悪口を言われるけど、気にしない。
極まったネクラ少女の真帆は、クラスメイトを見返すために黒魔法を使い、悪魔を呼び出すことに成功する。悪魔の出した条件はただ一つ。誰も好きになってはいけない。「そんなこと、全然OKです!」と簡単に契約して、可愛い姿を手に入れたものの・・・・。
フォーマットとしては完全にベタな少女小説(シンデレラ・フォーマット)です。
萌えライトノベルではありません。イラストはともかく、本文はそのままコバルト文庫に入れることも可能です。話の筋は典型的ではあるものの、この小説が面白さは、文体にあります。主人公・真帆の一人称が非常に魅力にあふれているからです。超内弁慶の毒舌少女の心のつぶやきは、1ページ目から、自分と自分を取り巻くすべてに対する呪詛に満ちています。まさに黒魔法少女の内面。陰鬱きわまりない。しかし、ゆえにその後の彼女の内面の成長がダイレクトに伝わってくるのです。
長期休暇が空けて、出社始めたのですが、昼夜逆転している2次元の国から3次元の国への”時差ぼけ”がチトつらいです。とりあえず月曜の夜はさっさと寝ました。早寝早起きというと、健康的に聞こえますよね(笑
さて、先月は非常にアクセス数が好調で、びっくりしています。
アクセス解析を見ると、色々なニュースサイトやブログの方からリンクを張っていただいたおかげです。1度や2度でなく、何回も記事を取り上げていただいたので、固定の読者も大幅に増えました。
うちのブログへのアクセス流入は、かーずSPさんがトップ、次いでカトゆー家断絶さんの2トップで、いつも記事へのリンクをいただき、ありがとうございます。また最近はゲーマーホリックさんにも、かなりの頻度で取り上げていただいています。先月に限れば、everything is goneさんを始め、色々なニュースサイトさんに紹介していただいたおかげで、かなり多数のアクセスがあり、新しい読者の方が大幅に増えました。
ゲーム系以外の記事が増えて話題のバリエーションが広がったことや、ゲーム系の記事の立ち位置を意識的に中立にしたことが良かったのかな、と思っています。やや強引に立ち位置を修正したため、コメント欄での反応を見ると、予想どおり反発を覚えた方もいらっしゃったのですが、結果的には良かったようです。
日本国内のゲーマーは、PS3、Wii、XBOX360のどれを買うか、かなり迷っていたり、様子見モードの人が多数派だと思います。その辺りのムードを反映した感じですね。ソフトメーカー各社もDSにシフトして稼ぎながら、エンジン開発などの技術開発を先行させ、少しずつ次世代機のタイトルを増やしていく様子見のムードが強いです。海外市場の動向を気にしなくていい流通は、かなりWii寄りになっている印象を受けます。コアゲーマーとソフトメーカーは様子見、流通はややWii寄りというのが、国内のゲーム業界の現状でしょう。
HDTV=PS3、SDTV=Wiiって誰が決めたの?
そもそもHDTV=PS3、SDTV=Wiiって考えている人って、まだほとんどいないよね? ファミ通読んでいるような層だけじゃないの? 前回の記事では「HDTV=PS3」という図式の認知度が低いことをSCEの課題として指摘しました。またHDTV=薄型大画面テレビ=Wiiという図式もあると書きました。
実際、Wiiを買うユーザーでも、一緒に薄型液晶テレビを買うと言っている人をブログで見かけます。大画面化することで、Wiiもまた恩恵を受けるからです。テレビを薄型化すると、奥行き方向のスペースの確保がしやすくなりますから、リモコンを振り回すWiiがより遊びやすくなります。また、体験ゲーム機としてみると、画面がある程度大きいほうがより一体感が得やすいと思います。同じような意見の人はやはり少なくないようです。キャズムを超えろ!さんは、最近定期巡回に入れたブログで、デジタル家電の商品企画の立場から、携帯電話、デジタル家電、ゲーム機のインターフェイスについて鋭い分析を多数掲載しておられます。今年の年末商戦は、HDTV=薄型大画面テレビの普及とWiiの発売が重なり、各家庭に爆発的な勢いでHDTVとWiiが浸透し始めました。このタイミングで、「実はHDTV=薄型大画面テレビって、Wiiと親和性がいいんじゃない?」という意見が急激に目立ってきたのはなかなか面白い現象です。
HDTVという言い方をするけれども、消費者が買っているのは薄型大型テレビだったり、デジタル放送表示テレビなんですね。薄型大型テレビは、「高精細ゲーム」と「体験ゲーム」の両方に恩恵をもたらします。シェア争いという視点からは、「高精細ゲーム」と「体験ゲーム」のどちらの恩恵が大きいのか、気になる所ですが、パッと結論は出しにくいですね。しかしこういう視点、論点が生まれてきたことは、頭の片隅に置いておいても損はないと思います。
久多良木氏が一線を退くというのは、端的にいえば、「プロセッサ性能至上主義の崩壊」を遅まきながらSCEも認めざるを得なかったという事です。「プロセッサ性能至上主義の崩壊」については、このブログでもずっと書いてきたことです。
しかしそうは言っても、PS3を作ってしまったのは事実で、今からタイムマシンで昔に戻ってやり直すことはできません。SCEはPS3で戦うしかありません。「ブルーレイディスクプレイヤー」「世界一のHDゲーム機」というアイデンティティーを貫くしかありません。今さらDVD対応に落としたり、SD対応に落とすわけにはいきませんし、HDDもあっさり捨てるのは難しいでしょう。
たとえゲーム業界が「ユーザーは映像よりも面白さを求めている」という風潮に変わっていたとしても、SCEだけはPS3から逃げられません。もっと没入感のあるゲームを遊びたいというユーザーと、映像表現を追求したゲームを作りたいというゲーム開発者に、PS3をアピールする他ありません。また、世間での認知度が低いブルーレイやHDゲームの映像の魅力を、広く訴えていかなければならないでしょう。
ある意味、DSによってゲーム業界の風潮をくつがえした任天堂と同じ事をしなければならないのです。任天堂はDSでもWiiでも、インターフェイスの変化による面白さの向上が伝えにくい事に自覚的でした。一方、SCEはグラフィックは見ればわかるんだから、みんな勝手にわかってくれるという考え方でした。それが実際どうだったかは、みなさんご承知の通りです。見ればわかるはずの魅力が伝わらない。今の日本では、PS3はWiiよりも魅力が伝わりにくいゲーム機になってしまいました。
HDTVが普及すれば・・・・という楽観論もありますが。
ARTIFACT:「おいでよ ハイデフの森」 Xbox360やPS3で胸をときめかせるためにはゲーム機本体より高い価格の環境が必要
HDTVが普及していない現在はWiiの方がいいと言われてるけど、HDTVが普及すればXBOX360やPS3のようなハイスペック路線が支持される、という論。まぁ「一端綺麗になった映像を見たら、元の映像には戻れなくなる」というのはわからなくもないんですが、積極的にキレイな映像を求めるかどうかはまた別の話ですからね。
例えば、DS Liteで遊んでいたら、今さら初期DSに戻りたくないのはわかります。DS Liteの魅力はいくつもありますが、明るい画面も支持される理由でしょう。しかし『脳トレ』を目当てに初代DSを買った一般ユーザーが、画面が明るくてキレイなPSPがいいと言い出して、PSPに飛びつき始めるでしょうか? 0人ではないかもしれませんが、市場動向を見る限り、ほとんどいなかったと言っていいでしょう。
画面がキレイだからイヤだという人はいません。ただし映像が最優先な人と最優先ではない人がいて、映像がより高精細化するにしたがって、最優先ではない人の比率が多くなっています。つまり「映像がキレイになるのは歓迎。でもソフトが揃っていて、軽快に動作して、値段もほとんど変わらないなら!」という人が多いわけです。1度見慣れた映像品質を捨てて、劣化した映像品質でガマンしたい人はほとんどいないでしょう。しかし映像品質の高いものと低いものがあった時、進んで映像品質の高いものを選ぶわけではないのです。
SDTVを持っている人がWiiを買って、それからHDTVを購入したとします。
では途端にWiiは要らない子になるのでしょうか? 「よーし、ボク、Wiiを窓から投げ捨てちゃって、HD対応のPS3とXBOX360を買うんだ。ソフト1本も持ってないけど、頑張って揃えよう」と言い出してお店に走るんでしょうか?(笑 なかなか愉快なジョークです。
一般層がそういう反応をするとは、とても想像できません。例えば、ドリキャスは標準で「ハイレゾ」ゲームが揃った初めてのゲーム機でした。しかし当時PS1が普及していたため、一般層は完全にスルーしました。「テレビの性能を使い切ってないローレゾなんて耐えられないよ! やっぱりハイレゾだね!」などと叫んで、お店に走った一般ユーザーがどれだけいましたか?
もちろんコアゲーマーの中には、そのような叫び声を上げた・・・・かどうかは知りませんが、ドリキャスを購入して、ハイレゾゲームを堪能した人もいらっしゃいます。まぁセガファンと呼ばれる、コアゲーマーの一部の人たちに限定されますが。
しかし一般ユーザーも、PS2が出れば、喜んで飛びつきました。要するに、一般ユーザーは「キレイな映像のPS」が欲しかったんであって、「キレイな映像のゲーム機」が欲しかったわけではないのです。高品質な映像の優先度が高い人と、高くない人の差がよく表れています。
Wiiが先に普及したら、その後HDTVが普及しようがしまいが、シェアは覆られないと思います。再び変動があるとすれば、次次世代機が出る頃でしょう。ゲーム機の寿命はたかだか5年ですからね。逆に、Wiiが普及していなければ、HDTVが普及した段階でPS3が伸びていくと思います。ボクが次世代ゲーム機戦争は短期決戦、1年戦争とくり返しているのも、そのためです。
HDTVはかなり安くなっていて、売れ筋の32インチも10数万で買えます。いよいよ本格普及に入ろうとしています。今年の年末、来年の夏、来年の年末の3回のボーナス商戦で世帯普及率は飛躍的に伸びるでしょう。次世代ゲーム機の普及時期とHDTVの普及時期が重なるため、少しややこしい。
SCEはHDTVとPS3を一緒に買ってもらうような戦略を取るべきです。少なくとも、HDTVとPS3が関係あるものだということぐらいは、わかってもらわないとお話になりません。ここの読者は当然知ってるでしょう。でも一般の人はそんな事知らないわけですよ。HDTV買って、ついでに「CMやってるし。楽しそうだから」とWiiを買っていったりもするわけです。コアゲーマーの人からすれば、「HDTV=PS3、SDTV=Wii」の図式は絶対の定理なのかもしれませんが、一般の人からすれば、そんなの関係ありません。楽しそうな物を買うだけでしょう。
しかしSCEは、それでは困るわけです。HDTVを買ったら、家のPS2をPS3に買い換えるのが当然なんだ、という認識を浸透させなければいけません。例えば、ブラビアとPS3をセットで買ったら、割引が利くというキャンペーンもありでしょう(流通の違いがネックですが)。あるいは、ソニー以外のテレビメーカーともタイアップして、各社のHDTVのCM内にPS3を登場させてもらうという作戦もありでしょう(メーカーの垣根を越える交渉と宣伝費の供与が必要ですが)。考えられるあらゆる手段をもちいて、「HDTV=PS3=ブルーレイ」という図式をユーザーに浸透させなければいけません。
すげー大変だな、と思いますが、まあ頑張るのはSCEなんで。ソフトメーカー各社は程々につき合いつつ、基本は様子見でいいわけです。
さて、一般ユーザーがHDTVを買ったとして、PS2で遊べないでしょうか? 何の問題もありません。PS2は大画面で十分に堪能できます。当たり前ですが、薄型液晶テレビは大画面になることにまずインパクトがあります。例えば、ボクなんかHDTVを買ってから一番稼動してるのはPS2です。画面がデカくなっただけで、3D映像は迫力が増し、2Dの美少女はよりかわいらしく見えます(笑
実際、Wiiを買うユーザーでも、一緒に薄型液晶テレビを買うと言っている人をブログで見かけます。大画面化することで、Wiiもまた恩恵を受けるからです。テレビを薄型化すると、奥行き方向のスペースの確保がしやすくなりますから、リモコンを振り回すWiiがより遊びやすくなります。また、体験ゲーム機としてみると、画面がある程度大きいほうがより一体感が得やすいと思います。
まぁとっくの昔に「黄昏」の時代でしたが。
コンシューマー専門のギャルゲーメーカーであるキッドが倒産したそうです。
キッド:負債額約5億3000万円、自己破産申請へ
『メモリーズオフ』『infinity』シリーズなど、コンシューマーのみで美少女ゲームを発売してきた数少ないメーカーでしたが、コンシューマーギャルゲー市場がPC美少女ゲーム市場よりはるかに小さくなった現在、ついに経営が耐えきれなくなったのでしょうか。
シナリオライターの打越鋼太郎氏、中澤工氏、またゼロサムにて『水の旋律』をコミック連載している如月芳規氏のブログで、今回の件についてコメントが出ています。
中心ユーザーの年齢が上昇している今、PC美少女ゲーム市場を無視しては商売ができなくなっているのは確かでしょう。CD-ROM全盛期には、コンシューマーのギャルゲー市場も盛り上がったものですが、結局はPCに吸収されてしまいましたね。
キッド作品の版権がどうなるかはわかりませんが、どこかの会社が買い取って続くにしても、今後はコンシューマー版に加えて、PC18禁バージョンも発売されるようになるかもしれません。PC18禁美少女ゲーム市場とコンシューマー市場の両方で発売されるのは当たり前になっていますし、『ToHeart2』のようにコンシューマー版を先に発売し、その後PC18禁バージョンを発売するケースも出てきています。また今年に入って、オーガストがコンシューマーブランド「ARIA」を立ち上げるなど、有力メーカーが自らコンシューマー移植を手がける動きも強まっています。
市場の競争が厳しくなったため、1タイトルあたりの収益を最大化しようとする動きは、より強まるでしょう。実際、アクアプラスもPS2『To Heart2』をPS2、PCと発売し、さらに『ToHeart2 Another Days』を発表しています。Navelにしても、『Shuffle!』の外伝『Tick! Tack!』を出したら、さらに外伝をもう1作(『Really? Really!』)発売するなど、ヒット商品の派生作品を続ける傾向が顕著になっています。
美少女ゲームは市場的にも、話題的にも、PC18禁ゲームを中心に回っています。以前も書いたとおりPSPはエロゲー解禁したほうがいいです。PSPは美少女ゲーム(エロゲーの移植)がそこそこリリースされているものの、吸引力が弱い。中高生の背伸びアイテム需要とこっそりエロ需要で売れているのだし、合理的な判断だと思いますね。
ソフトメーカーがDSにシフトしている現状では、ソフトラインナップの挽回は難しいです。PS3のタイトル不足が指摘される中、SCE自身にはPSPのタイトルをテコ入れしている余裕はないでしょう。実際、年末商戦が始まってもこの有り様(11月20日〜11月26日週間販売)です。覚悟を決めて、かなり思い切った手を打たないと、400万台のPSPの稼働率がどんどん落ちていくだけです。
PS1のソフトがPSPで遊べる件も、PS3を介さなければダウンロードできない時点で、敷居が高すぎて効果が無いでしょう。体験版配布の時は、PCで落としてメモステに書き込めば、起動できたはず。任天堂のGCの連動商法と同じく、無理やり絡ませたサービスは未来が見えています。
ちょっと古い話題ですが。
公式サイトの「ダウンロード」にシナリオ作成のチュートリアルムービーが掲載されています。新規シナリオを作成するまでの一連の流れをオルトとコピペの2人がわかりやすく解説しています。また素材のバリエーションがどれぐらい用意されているかを知りたい人は、「オンラインマニュアル」のページに素材カタログがアップされています。素材は今後も追加されるらしく、「アップデート情報」のページで紹介されています。
美少女ゲームオンラインの第1弾は『家族交感〜ANOTHER ONLINE〜』で、11月22日に発売済みです。
以前に発売されている『家族交感 姉・母・妹』を本編とし、シナリオ作成用のエディタが付加されているみたいです。発売メーカーはアーカムプロダクツですが、開発のメインスタッフとして同人サークル・トリニトロンCGが参加しているそうです。
トリニトロンCG (公式)
ここの『逆転陵辱エンジェルオンライン』が同様にシナリオのアップロード、ダウンロードが可能な同人エロゲーなようです。
で、最初のシナリオというか本編シナリオの出来は・・・・検索して調べてみるとチト微妙な感じ。
これって要はノベルゲームのMODなんですよね。日本ではあまり浸透していない仕組みですが、2次創作系のユーザーを取り込めれば・・・・。このシステムの可能性を簡単に検討してみると、