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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年03月03日

定価分の満足

少し前に、「ゲーム市場(ユーザー)を把握しているEA」でふれたテーマに関連して。
あの記事で「今時のユーザー(じつは昔もだけど)は最後までゲームを遊ばない」と書いたのですが、そこから派生するテーマが2つあります。1つはそういう人に次も買ってもらう、というけっこう無茶げに聞こえる話。もう1つは、なるべく多くの人にゲームを最後まで遊んでもらう、という話。課題としては後者のほうが圧倒的にわかりやすく、ある意味健全ですよね。ですから、今回はそちらについてだけ書きます。

よくいわれる議論なんですが、「最後まで味わってもらえるかどうか」というのが課題になるメディアは、ゲームぐらいですね。映画もまぁつまんなかったら途中で出るってことはありえますし、小説も途中で読むのをやめるってことがなくもない。でも、圧倒的大多数の人は大抵の場合、ちゃんと最後までたどり着く。ゲームはこの比率が断然低い、といわれていますし、実際そうでしょう。

にも関わらず、意外なことに、この問題についてきちんと公の場で話をしている人って、ほとんどいないんですよね。ボクが知る範囲では、任天堂の山上氏ぐらいなんですよね。当たり前すぎて忘れるってことかもしれませんが、その当たり前のことができてなかったりするのが現実
# 他にそういう話を公言している開発者の人がいたら、是非おしえてください。

「罪と罰」〜地球の継承者〜 クリエイターの炎を消さずにゲームに命を吹き込むとは?

やはりゲームを買ってくれた人の8割以上の人に満足していただかないと、「よかった」という声は響かないですからね。つまり、買ってくれた人の8割以上の人に、ゲームの最後まで行ってもらう必要があるんですね。ところが、「初めてシューティングゲームをやる人に最後まで行ってもらっていいのか?」という作り手側の疑問も出てくるんですね。そのときに、単純にそう考えるのはよくない、と。やはり買ったものは最後まで味わえて初めて定価分の満足をしてもらえるわけで、最後まで味わってもらえる工夫を作り手側が提供してあげなければいけないでしょ、と。

「ファイヤーエムブレム」を噛み砕け

はい。やはり、買ってもらった方全員にね、最後まで遊んでほしいんです。これは個人的な意見になりますが、僕は、4800円を払って買ったゲームがあって、そのゲームが難しくて半分までしか遊べなかったら、「2400円ぶんを返せ!」と言いたい。

まぁ、最後まで遊んでもらうための手法ってのは、具体論としては、じつに色々あると思います。パッと思いつくだけでも:
  1)クリアまでの時間・手間を短くする → ただしすぐに中古に叩き売られるリスクがある
  2)ストーリーをつける (モチベーションの維持) → 本末転倒すると、開発費の増大をまねきやすい
  3)RPG的な成長要素を入れる (難易度の吸収とデッドロックの排除) 
  4)チュートリアルとヒントを充実させる
  5)ブーストをつける (何回か同じ場所でミスを繰り返したら、パワーアップが与えられたり、イージーモードが出現する、など)
  ……等々。

他にもまだまだ挙がるでしょうね。
もちろん、いわゆる「最初から最後」ってのがほとんど無いゲームもあるわけですけど。ただ、そうしたものもある程度は、共通の考え方で作り磨き上げることで、きっちり遊んでもらえるでしょうね。

しかしまぁ、「顧客満足度」っていう指標はあまりにもありきたりすぎて、ネットを見ても、「わかってる」とか「よくいうよね」とか、サラっと流しちゃう人が意外と多いような気がしてます。でもわかってる人が本当に多いんだったら、今ゲームはこんなことになってねえよ。もうちょっと真面目に売れなかった理由、不評だった理由を考え直せ、ってことですね。もちろん、宣伝や話題性って要素は大きいですよ。

けれども、今ゲーム業界って、続編とキャラ物がじつに多いわけですね。ということは、まぁ宣伝や話題性はもちろんあるけれども、前作に満足したから買う、不満足だから買わない、という要素もかなり大きいわけです。だって続編とキャラ物ばっかりなんだから。

たとえばガンダムゲームの売上が堅調です。でもそれは、ここ数年、ガンダムゲームの品質が安定していて、ボリュームもしっかりあって……ということをちゃんと積み上げているのがすごく大きいんですよ。実際、評判はかなり上がっているでしょう。そこで、「ゲーム市場(ユーザー)を把握しているEA」で書いた、なんで売れたのかはわからなくても、なんで売れ続けるのかは明らかだ、という話につながるんですけどね。

# まぁゲームがメインメディアではなく、サブメディアになっちゃってることに対しては苦い思いはありますけどね、やはり。ただ、少なくとも、一定以上の満足度を維持できなければ、サブメディアとしてさえ認めてもらえないんですよ。数千円もするものですから。

Posted by amanoudume at 2004年03月03日 01:38 個別リンク

コメント

ここなんかどうでしょ。
http://jbbs.shitaraba.com/game/8773/

はじめまして。
あ、いえ、文脈から明らかかと思いますが、匿名掲示板等のことではないんですが……>公言している開発者

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