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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年07月04日

涼宮ハルヒ、原作者が明かすあの構成の理由

アニメの放映もいよいよ最終回を迎えましたが、原作者の谷川流×賀東招二の対談や、監督インタビューが雑誌に掲載されていて、それぞれ一読の価値があります。

■ザ・スニーカー8月号
1)原作者である谷川流の書き下ろし脚本『サムデイ イン ザ レイン』を完全掲載。
2)また、谷川流と『フルメタルパニック』の賀東招二が対談。
賀東氏は第11話『射手座の日』の脚本を担当。
谷川氏、いっそフルメタを1話やってもいいじゃないか(笑
「ハルヒと思って観てたら一話まるまる『フルメタ』だったみたいな」

(注:賀東氏は『ふもっふ』『セカンドレイド』を京都アニメーションでアニメ化してもらっています。脚本をすべて自分で手がけるなど、がっちり協力体制を築いていた珍しい例。通常、ライトノベルのアニメ化に際し、原作者はそこまで関わりません。投げっぱなし、名目だけの監修、シナリオ構成だけお手伝い、・・・・。京アニのスタッフとも仲が良く、今回も会議の中で脚本家として名前が出てきたとか。)

あの構成にした理由は、まず『憂鬱』のラストを最終話にすることが決まった。その間のエピソードをどうするかという時に、短編エピソードを入れていくしかないが、時系列がゴチャゴチャになる。原作のプロットを変更して、短編の時系列を長編の間に持ってくるのは、嫌だった。短編は『憂鬱』の後の出来事だから、キャラの心情が変わってしまう。
第1話はふつうに『憂鬱』の第1話を持ってくることもできたが、これから時系列がゴチャゴチャになるのに1話をまともにしても不親切。最初からメチャクチャになると明示した方がいいと考えた。(短編の並びは)サイコロ振って決めたわけではなく、計算されたメチャクチャさ。

(注:おそらく涼宮ハルヒのアニメ化で厄介だったのは2点。キョンのモノローグという独特の文体をアニメでどう表現するか。これはそのままやるというストレートにして大胆な方法で解決。もう1つは、長編だけでは14話分の放映を満たさないのに、短編はすべて『憂鬱』が終わった後の物語だということ。時系列順にすると、長編→短編ときて、最後が短編という締まりの悪い構成になってしまいます。過剰なまでの親切主義が逆に作品を損ねることも多い昨今、親切さと不親切さのバランス感覚は見事でした。)

■Megamiマガジン、アニメ版監督インタビュー
要約がこちらに掲載されています。
監督:
『笹の葉ラプソディ』をやらなかったのは、長編『消失』とセットだから。
『エンドレスエイト』はやるつもりだったものの、『憂鬱』が全5話から全6話になったのでカット。
個人的には『ヒトメボレLOVER』をやりたい。

谷川流:
アニメ化で一番印象が変わったのはハルヒ。イメージが広がった。
書き下ろし脚本では、原作の1人称を崩して3人称のパートを入れた。

(注:やはり第2期で『消失』のアニメ化を期待してしまいます。3年前の七夕という、ハルヒ世界にとって最も重要な出来事が今回は描かれませんでしたからね。

アニメ版ハルヒでは、カメラの使い方が巧み。随所に「キョンの視点」が挿入され、原作の「1人称性」をうまく表現しています。またキョンのいない場所では物語の進行が描かれません。これも小説の1人称と同じですね。ノベルゲームのアニメ化でも、この手法は使えるのでは?

小説では人称は非常に重要な枠なのに、映像化の際にそれを意識しない場合が圧倒的に多いですね。『ひぐらし』のアニメ版は、それで大きく失敗していました。圭一の心理がきちんと描かれ、視聴者と圭一の心理が一致することが重要なのに、ふつうに客観的に描いて、上滑りしまくり。アニメ版『Fate』も同様の失敗をしていますね。)

Posted by amanoudume at 2006年07月04日 10:42 個別リンク
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コメント

視聴者は続編を熱望し、アニメスタッフもそれを望み、
原作者はアニメから作品世界を広げるインスピレーションを得た。

アニメ版ハルヒは、視聴者、アニメスタッフ、原作者の3者が
作り上げたハッピーな作品だという事がわかりますね。
付いて行けなかった人が嫉妬するぐらいに(笑)

こういった作品は最近ではかなり珍しい部類なんじゃないですかね?

 ちょっと補足を。
『フルメタル・パニック』の製作を京アニが担当したのは『ふもっふ』からですよ。最初のアニメ化はGONZOによってされました。

>注:賀東氏は『フルメタルパニック』『ふもっふ』『セカンドレイド』を京都アニメーションでアニメ化してもらっています。

 という書き方では誤解が生じるのではないでしょうか。

>BAN/さん
まさしくWin-Win-Winの希少な例ですね。あえてアニメ制作と声優を分けても
Win-Win-Win-Winですね。

>kudoさん
ご指摘ありがとうございます。修正しておきました。

ハルヒのEDのハレ晴れユカイの
ダンスパートのフル版って
存在しますか?
EDそのままだと画像挿入部分が
オリジナルでしか踊れないんです
修学旅行で踊ることになって
皆正式verじゃないと踊らないって言うんでよろしくです

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