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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年07月11日

ゲーム1.0→ゲーム2.0の大きなポイント

うーむ・・・・

今さらですが、7月2日の日曜日からアクセス解析の設定を変えました。今までは割とズサンで、トップページへのアクセスのみを集計/解析してました。なので、はてなブックマークやニュースサイトから個別の記事に直接飛んできて、その記事を読んで帰った人はまったく捕捉していませんでした。言ってしまえば、常連の読者の人数だけを把握していたわけです。

しかし最近、はてなブックマークの「人気エントリー」に取り上げられる記事が増えていることもあって、1度ちゃんと調べてみたわけですが・・・・トンデモねー! 思った以上に「注目された個別の記事だけを読む人」が多いですね。そっかー、ボクのブログ、こんなに読者いたんだ、って感じ。何を今さらなことを言ってるんだろうね、ボクはorz

特に『ハルヒ』関連がえらい事になってました。もう、うちはゲーム系ブログじゃないな・・・・。ハルヒは別格とはいえ、かけている労力に対するリターンが違いすぎ。うーむ。E3特需(E3の時期になるとゲーム系サイトへのアクセス数が増える)の比じゃないぞ、これ。もうゲーム系ブログやめていいですか?


仮想現実なんぞより、半現実や現実の方が面白い

それはそうと、春以降、ハルヒとゲームの両方を取り扱っていてハッキリ感じたのは、ゲームって今マニアの間での話題作が無いなあ、ってこと。市場全体でいえば、DS Liteが馬鹿みたいに売れてるし、『Newスーパーマリオ』『テトリスDS』とゲームらしいゲームも好調に売れているんですが、マニア発の話題作が全然見当たりません。ごく一部の間で評判がいいソフトはありますが。それがホントにミニマムなんですよね。すげー小さい固まりがあちこちにバラバラに散らばっている感じ。

いや、別にさ、『ハルヒ』だって一般に届くとは微塵も思わないんですよ。でもアニオタの間では独占的・圧倒的に話題になりました。ポストエヴァかどうかの論争はさておいても、00年代の代表的な作品にはなったし、少なくともマニア層は「席巻した」。『ハルヒ』以前/以後という認識さえ生まれるかもしれない。

今そういうものがゲームにあるのか、というのが疑問なんです。去年の『ワンダ』も『ICO』のファン+α止まり、『FF12』にしても、話題だったかというと疑問です。いや、市場規模は『ハルヒ』より断然大きいはずですが。ゲーオタ界を席巻したという感じは全然ありません。ネットの一部で評価について論争があったし、擁護派の人がクリアしたら「なんだ、あの中途半端なストーリーは!」とコロッと転じたり、微笑ましい一幕はあったけどさ。

まあ理由は色々とあるんでしょうね。
ハードの交代期だから注目作が出てきにくいとか、ソフトよりハードの方が話題になってるとか。
つーか、良くも悪くもクタタンやイワっちほど立ってるキャラって、今のマニア向けゲーム市場に存在するの? まー、ぶっちゃけ、ゲームやるよりゲーム機戦争というメタゲームの方がずっと面白いんだろうね。クタタンより面白いキャラなんて、テレビゲームの中には存在しないよね、みたいな。こういったブログを見ても思いますが、ネタが尽きないあたり、ライブ感もばっちりですよね。

結局、ネット時代のユーザーの、しかもマニア層の需要を満たすほど、ゲームが話題を創出できていないんですよね。すぐに消費されてしまうし。仮想現実なんぞより、半現実や現実の方がよほど面白い。そう言われても仕方ない現状。鮮度不足、ライブ感不足。ディスクに焼いただけの中身ではユーザーの消費速度にはるかに及ばない。MMORPGがどうの、対戦がどうの、という以前に、もっと単純な話として、鮮度不足を補う手段としてネット対応が必要になってきた。そこがポイント。MMORPGや対戦マッチングなんて、じつはどうでもいい各論。


「鮮度」と「ライブ感」がゲーム2.0の特徴

「10年前の状況と似てきましたね」のコメント欄でボクが書いたことを再掲します。

>なにかこう、他業種にも参考になるような気がしましたので。

ゲームというのは元々少ないリソースで何度も反復して遊ばせるという事をやってきたメディアですから、その辺りのノウハウはやはりかなりの物があると思います。10年前に、ゲームらしくないゲームの一大ブームが起きたのですが、ディスク内のリソースで楽しませるという点では、やっぱり「いわゆるゲーム」にはなかなか勝てなかった。2、3年もしたら飽きられてしまいました。

今は、ネットの常時接続が当たり前になってきて、継続的に内容が更新されるようになったため、Web上のさまざまな娯楽に対して、「限定されたリソースで最大限楽しませる」というゲームの優位性が薄らいでいる状態です。

しかし、ゲーム開発者も学んでいますから、今後オンライン対応が進むことで、ゲームが巻き返していくのかな、と思います。また同時にWeb上のサービスもゲームから「ゲームデザイン」を学んでいくのかな、と思います。
ゲームも謙虚にWebサービス等他業種から吸収すべきノウハウがありますし、同時にWebサービス等の他業種もゲームから謙虚に学ぶことがあるのでしょうね。

例えば、ゲームウォッチの頃を思い返してみてください。容量が無かったため、多くのゲームは内容が短く、同じステージをくり返していました。そこで敵のスピードや出現頻度を徐々に上げていくことで、変化を作りました。難易度変化は単調上昇ではなく、ある周期で上昇しては一度低下し、しかし長期的には上昇している、という緩急がついていました。グラフィックを増やさないで変化をつけることに工夫があったわけです。

しかしユーザーの消費の速度が上がったため、ゲーム開発者の持つノウハウの優位性は今や急速に瓦解しています。また「より少ないコストで鮮度を保ち続ける」ノウハウを、ゲーム開発者はほとんど持っていません。オンラインゲームでさえ、まだまだ稚拙な段階にあります。雑誌、テレビ番組、Webサービスといった産業の持つノウハウには全然及びません。また、鮮度を保つためのあらゆる努力を供給者が行うのは無理があります。そこでユーザークリエイションが重要になるわけで、ゲーム業界の中から「Web2.0」という言葉が飛び出してくるのも自然なことです。

平たく言えば、
  ゲーム1.0時代のノウハウ = 限られたリソースで最大限ユーザーを飽きさせない
  ゲーム2.0時代のノウハウ = ユーザーコミュニティによって鮮度を保ち続ける
という事です。ゲーム屋はWebから鮮度の技術を学び、Web屋はゲームからインタラクティブの技術を学ぶ。お互いに学びあい、協調しあい、そして競争する。今はそういう時代です。


補足:YouTubeの足元にも及ばないゲーム業界

今回の内容は「You Tubeで花開くMADアニメ」の続きと言えます。さて現状、ゲーム業界はYouTubeの足元にも及びません。

というのは、話題そのものに加わるための敷居を下げる必要があるからです。MMORPGが伸び悩むのも当然です。参加者の間でしか話題が回らず、しかも参加する敷居が高いんですから。有料課金もそうだし、アイテム課金制にしたって始めるの面倒でしょ。MODにしても、改造というコンセプトに立つがゆえに、ソフトを買わなきゃ動かせません。でも、それってホントは論外なんですよね。海外ではそれでも成り立っちゃって、所詮あんな程度で満足しちゃいました。で、それを見てマンセーしてる日本人もいるわけ。信じられない。

例えば、『ハルヒ』のDVDを買わなければ、YouTubeで『ハルヒ』の動画を観られないし、『ハルヒ』のMADアニメも観られない、なんて馬鹿げてるでしょ。ところがゲームの世界では、そういう比較をできない人が結構いる。そういう事をやったら駄目だと最初から思ってるんです。「Web2.0なんてPCゲームはとっくにやってる。MODがある」とか真顔で言っちゃう。あれだけ長いことやってて、あんな程度にしか広がらないことに、疑問を持たない。もっと広がるはずだよね、とは思わない。

それが今のゲーム業界の病気なんです。
複雑な仕掛けと大量の仕込みで物事を動かすのが当たり前になっちゃった。だからWeb2.0が注目されても、「ゲームの方がWebより歴史が長いんだ。あんな単純な仕組みから学ぶ事なんて無い」などと真顔で書くゲームデザイン学生が湧いてきちゃう。単純な仕組みでゲームの何倍もの参加者を動員できるなら、そこは大いに尊敬するところでしょうに(笑 いつのまにか、複雑な仕組みを作ったらエラいとか、たくさんの人間がかかわって一緒に汗を流すのが美しいとか、そんな価値観がはびこっちゃった。今のライトゲームブームにしても、ゲーム業界の「複雑な仕組みを考えた俺は天才。ついてこれないユーザーが悪い」「作り手の流した汗は聖水」という歪んだ考え方へのカウンターと言えるんですがね。

Posted by amanoudume at 2006年07月11日 08:30 個別リンク
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コメント

> うーむ。E3特需(E3の時期になるとゲーム系サイトへのアクセス数が増える)の比じゃないぞ、これ。もうゲーム系ブログやめていいですか?

え〜っ

ゲーム系なのに脱線するから面白いんじゃないですか(笑)

ゲーム系のブログが熱く語ってる「ハルヒ」ってなんだ?と、
2.0ブームに乗って言うなら「ブログ2.0」ってな具合に。
(ブログ自体が2.0的なんでそれをさらに2.0と言うのもおかしな言い方ですが)

ここのエントリーでも、ゲーム系ではないブログを引用して、「外の世界ではこういう認識なのに当時者はなんて鈍いのか」って指摘したりもしているわけですし。

コメントするこちらとしてもゲームと絡めてそっち方面に言及する方がやり易いです。

昨日から拝見させていただきはじめた新米読者ですが、
お話、一々ごもっともです。

ハルヒは2,3話みて、所詮秋葉系止まりと思っていたのですが、
エヴァとの比較という話まででてくるなら全て観るべきなのかなと思いました。

そうなんですよね・・・事実は小説より奇なり、 現実には作り物より面白いものが沢山ある。
今まで技術的に出来なかった為伝達されなかった事が
技術の革新により、作り物と一緒に怒涛の如く溢れてきてしまった。
それと戦わないといけないというのは
ゲームに限らず、多くの作り物供給者にとって
強烈な試練だと思います。
ちょっと途方に暮れますねw

比較文学とは言いませんが、アニメとゲーム、映画とテレビのように比較分析の手法を使ってゲームなりアニメを語っておられるから面白いのだと思います。

そのためにはサイトを訪れる人も両方の知識をある程度育てる必要がありますしね。ハルヒなんてこのサイトで見なければ完全に関心の外でしたわん。

ということで、どちらか片方に絞ってしまったらきっとサイトの訪問者は減るまではないにしても、今ほど興味をそそられなくなるのではないでしょうか。

境界領域を漂うからこそ面白いというのがひとつの面白さだと思います。

どこかでいずれソフトがフリーになる時が来るんじゃないか?って話がありましたね。
あの話を思い出しました。
急には無理でしょうけど敷居の低さを利用したビジネススタイルがそのうち確立されていくかもしれませんね。
一時期話題になったアフィリエイトでしたっけ?あれも一種のモデルなんじゃないかなー、と思ったり。

>ゲームやるよりゲーム機戦争というメタゲームの方がずっと面白いんだろうね

これはちょっと思いました。
熾烈な競争は見ているだけで面白いというのはあるでしょうけど。
観客席で応援の末乱闘なんていうグダグダな足の引っ張り合いなんかが展開されてたりしてて、それを更に外野から見て嘲笑したりあるいは面白そうだから加わったり。
更にそれを遠くから見て苦笑したりとか。
良くも悪くも話題というか話の種になりますし。
自分のサイトやブログを持っていればそこでネタにする事もできますし。
今現在求められているのは要するにそういう柔軟性なんでしょうね。
でもゲームじゃ実現は難しい、じゃあ何で代替するのか?
自分には見えませんけれど、DAKINIさんには見えているんでしょうか。

わたしも初めまして。
最近のゲーム業界の変化が面白くて、
しばらく前から読ませて頂いてます。

ゲームより現実の方が面白いと言っちゃうと身も蓋ないなあと思いますが(笑)、ゲームもメディアである以上、いわゆる「時代性」ってやつを内包するであろうので、
時代の変化(他メディアの変化のみならずもっと広い世界の変化)にしっかりアンテナを張り、より柔軟に細やかに今求められているものを発信しなければいけないんじゃないの?というのには同意できます。
それがおっしゃるような鮮度であり、消費スピードが桁違いになった、いわば「情報の大量消費社会」である現在求められている娯楽の姿なのかなと思います。
ある意味、娯楽の微分といいますか。

テレビや映画以外のメディアで言うと、
漫画が月刊誌の時代から週刊誌の黄金時代になったように、
あるいは一年モノが当たり前だったアニメが1クール2クールといった作品が増えてきた(ハルヒなんてエヴァの半分+1話ですよ)ような変化がゲームにも起こっているのかもしれませんね。

ついでに。
今週の東洋経済に岩田氏のインタビューが載ってまして、
すぐに変化に対応できる人なかなか対応できない人というのは、能力どうこうや良い悪いではなく単なる個人差です。
すぐに腑に落ちる人もいれば、5回言って腹の底から理解できる人もいる。
だから私は社内では同じ事を何回も言うんです。
社長は同じ事何度も言う人だなあと思われてるはずです(笑)
とおっしゃられてたんですが、
「他人に自分の意図が伝わらないのは自分の伝え方が悪いからである」とまず考えられる人であり、
「どんな正論も相手に聞く体勢が整っていないと伝わらない」ことをわかっている人のようですので(これは他のインタビューより)、任天堂という会社全体で他よりも早く変化についていくことができたのかもしれないとちょっと感心しました。
って、これはゲーム(クリエイター)とユーザーの間にも言えることかもしれませんね。

>BAN/ さん
>ぶらりんさん

ありがとうございます。
まぁそうなんですよね。越境性が面白いから、ボクもそういうスタンスを
貫いています。なかなか理解されにくいんですが。わかりにくいですからね。

年頭、ゲーム以外のネタを多く扱うようにしたら、強い抵抗を感じた人も
いらっしゃって、「付いていけない」とか「レベルが落ちた」みたいな
コメントが投稿されたこともありました。

それぞれのジャンルのバランスは、読者の比率を見て決めようかな、
とか思ってます。ボクは根本はゲームで、一番評価が高いのは
ゲームの記事だと思ってたんですが、どうもそうでもない(笑

去年のWeb2.0関連、今年のハルヒ関連といい、こう言っちゃなんですが、
どちらかというと、サブだと思って書いたものの方が案外、良い反応が
やってくるんですね。不思議なお誘いがあったり、原稿の依頼が来たり、
取材の申込みがあったり。
まあ、そういう余禄を目的にしているわけではないんですが、1つの
評価としてみると、考えるべきものがあるな、と。
あるいは、ゲームへの注目度そのものが如実に現れているのかも
しれませんが。


>takeさん
> エヴァとの比較という話まででてくるなら全て観るべきなのかなと思いました

正直、エヴァとの比較はボクは半信半疑の立場です。でもネット上では
(一部で)盛り上がってますね。

謎を拡散させるエヴァの手法に対して、広げつつもキレイに畳み込んだ
点で、高く評価しています。けれども、オタク論的な意味合いで比較する
のは、ちょっと行き過ぎかなあ、と。ハルヒって、根っこは普通の良質な
ジュブナイルですから。

今は普通の良質なジュブナイルの方が評価される時代なのかなあ、と。
その辺りは、新城カズマのライトノベル「超」入門のゼロジャンルに
ついての議論とも合わせて、消化したいところです。


>黒箱さん

その答えがWii Connect24なんですYO!
な、なんだってーーーーー!!
などと書くと、ただの任天堂ファンブログになっちまいますね(笑
あれも仕組みの発表だけで、まだ中身が不明ですから、わかりません。
どういう風に使ってほしいか、任天堂がわかりやすく伝える事が
できるか。それがユーザーにマッチするか。興味深いです。

ま、冗談はさておき。
さすがに(誰でも見られる)ここに答えを書くのは無理です。けれども、
そんなに難しい話ではなく、あくまでシンプルアンサーですよ、と。


>ふろすとさん

HAL研が潰れかけた時に社長になってますから、苦労が違うんで
しょうね。ふつうあれだけ成功すれば、天狗の鼻が長くなるもんですが。

> 同じ事を何回も言うんです

ボクもブログをやってると、他人を説得する一番の方法は、それしか
無いと実感します。経営者の仕事はまず社内を説得する事なのだと
よくわかる記事でした。

ボクは仕事でやってないから、忍耐が足りません(笑
ついつい「1.0野郎はフェードアウトしちゃえば?」と書きたくなります。

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