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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年09月03日

幅の広がりが出てきたゲーム開発コミュニティ

今年のCEDECの講義(のレポート)を見るとそう感じます。
例年にもまして、現場のクリエイターの講演が盛況なこと、スクウェアエニックスの和田社長の基調講演があったことなど、イベントしての拡大をハッキリ感じます。残念ながら3年続けて参加できなかったのですが、2001〜2003年頃の内容とは比べ物にならない充実ぶりです。

[CEDEC 2006#07]ニトロプラス弓削田氏が語る,グラフィッカーにとってのプロの仕事
また、東浩紀氏の美少女ゲームについての講演や、ニトロプラスのグラフィっカーである弓削田氏の実践的な講演など、美少女ゲーム方面をカバーしているのも評価できます。

日本にはどうもおかしな偏見があって、美少女ゲームはゲームじゃないみたいな事を言う人たちも世の中にはいらっしゃいます。しかしそういう醜い区分けを行っているのは、世界でも日本ぐらいでしょう。少なくともボクは、欧米のゲーム産業で「バイオレンスゲームは人間の欲望を過度に刺激するくだらないジャンル。あんなものはゲームではない」などと、排斥するような動きを聞いたことがありません。もちろんつまらない意識に囚われているのは、ごくごく一部の人間ですし、そういう人たちが自然消滅しつつあるからこそ、このような流れになっているわけです。

実際、今のPS2市場において、美少女ゲームはかなりのタイトル数が出ていますし、同人発のゲームも無視できない売上を達成しています。国内の総開発能力を高めるためのコミュニティに、美少女ゲーム業界が参加するのは当然のことです。これにさらに、同人ゲームコミュニティとフリーゲームコミュニティを・・・・取り込むところまでいかなくとも、密接な交流をするようになれば、日本のゲーム開発コミュニティは世界最大か最高か最良か、ともかく最上の多様性をもった集団に成長するでしょう。

今後ダウンロード販売やオンラインのゲームコミュニティが成長してくれば、フリーゲーム制作者を取り込む動きは活発になるはず。実際、マイクロソフトはXNA Game Studio Expressのベータ版を公開しました。このような動きは今後も広がると思います。ゲーム開発コミュニティは、ゲーム会社に勤務している人だけのものではありません(そういう限定されたコミュニティも必要ではあるのですが)。色々な方面から多様な人材が集まってくることで、強いコミュニティが生まれて、日本ゲーム産業はますます拡大するはずです。

最近、日はまた昇るを強く感じることが多いですね。


(うーむ・・・・トップページが表示されない不具合が出ていましたが、とりあえず応急対処。Xreaの自動広告とMovableTypeの吐き出すトップページが干渉を起こしていたみたいなんですが、原因がイマイチ不明。3ヶ月に1回ぐらいこういう事が起こるんだよな。バナー広告の表示内容が変わると、自然治癒したりするし・・・・)

Posted by amanoudume at 2006年09月03日 01:59 個別リンク
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コメント

美少女ゲームがゲームとして扱われない理由はやはり「アダルトビデオを映画として扱わない」という感覚と同じ理由の気がします。一言で言えば「こっ恥かしい」とでもいうか。

 私が以前に働いていたナ○コでも、某ギャルゲーを開発する際、当初は周りのスタッフから随分白い目で見られてました(W。ナニやってるんだ、あの部署は・・・っていう視点で。
 でも「面白いものを作る」という信念と情熱はどんなゲームでも高く持っていれば区分けする意味を持たない、そう思います。現に異例なほどよい売り上げであったみたいですし、ユーザーさんの反響もすごく良かったし。

 「こんなのはゲームじゃない」という偏見は、いつの時代も新しいジャンル、異種ジャンルでは付いてまわります。本来もっと自由な発想を持っていい作る側のアタマを柔らかくした方が楽しいと思うのですけど。

 極端な話、ゲーム機で遊ぶことばかりがゲームですらありませんし。

いやぁ、いきなりトップページが消えてたんで何事かと思いました。


美少女ゲームがゲームとして扱われない理由は、ネガティブな意味でのオタク向けゲームという負のイメージがついているから…ですかねぇ。

理解出来ない世界に対して周りが排斥や拒絶を示すのは何も美少女ゲームに限った事ではないですしね。

あとは、ゲームの内容以前に、キャラクターの占める割合が他のゲームに比べて高い点であるとか、
この手の論争では、「萌えキャラがなければ凡庸なゲーム。」
「はじめから一般向けゲームとして作ればいい。」
という反論が常に待っていますし。

DSが有名タレントにプレイさせた広告展開で、
ゲームは子供やマニアだけの遊びではない。とアピールする事に成功したように、
美少女ゲームにもそういった仕掛けを施すことが可能かどうかだと思います。

私はヨイショとかあまり好きじゃないのですが、美少女ゲームの地位向上(?)において、DAKINIさんの存在はかなり大きいのではないかと思います。未だにゲーム業界全体を見ながら美少女ゲームを語れるブロガーって、DAKINIさんくらいしかいないような気がしますから。

ですから、美少女ゲームを笑いの対象にしかできない論者でなく、美少女ゲームと素直に向き合えるDAKINIさんが、Webのゲーム言論界(?)の主導権を握るというのは非常に痛快ですね。まあ、私自身はそれほど美少女ゲームに思い入れはないのですが(『Fate』が面白かったくらい。他のゲーム(『君が望む永遠』とかKey系)は挫折)、ぶっちゃけ、カッコツケ野郎は気に入らないですから。

で、話は変わって、ゲームコミュニティについて。
CEDECでも、同人ゲーム/フリーゲーム関連のセッションがあってもいいのではないかなとか思いました。下の記事の議論を見て、同人ゲームの動向とかも押さえておいた方が良いと思いましたから。しかし、今年のCEDECは凄いですね。素直に感心しました。

> kamo さん

こう言ってはなんですが、今のナムコはオタクに食わせてもらっている
ようなもんですからねえ。それでいて重度のオタク向けコンテンツを
小バカにしているから、オタクにも見捨てられつつあるんでしょうね。

数年前はナムコという名前を聞くと、品質は良さそうという印象が
ありましたが、今ナムコの名前を聞くと、かえって品質が心配になる、
というのが実情ではないかと思います。評価システムを含めて、色々と
見直して欲しい気はします。


> BAN/ さん
ボクも困りました(笑
発熱地帯の出張所をどこかに持っておこうかな。

> ゲームの内容以前に、キャラクターの占める割合が他のゲームに
> 比べて高い点であるとか、

そうですね。東氏の話ともからみますが、ノベルゲームは他のジャンル
と比べて、あまりにも「ゲームらしくない」「能動性が低い」という点で、
特異的です。

けれどもノベルゲームというのはチュンソフトが始めたものな割に、
PS1末期にはすでに衰退していて、PCの方に比重が移ってしまい
ました。コンシューマーではジャンルとして育てられなかったんですよね。
「かまいたちの夜3」が10万本ちょっとという状態を見ると、もはや
ノベルゲームの主導権はPC系美少女ゲーム、フリーゲーム、
同人ゲームに移ってしまったといえます。

また、同人ノベルゲーム出身のライターが、講談社で小説を出版し、
50万部を超えるなど、ゲーム業界の外から見れば、一部のコン
シューマー業界人の偏見は理解不能なもの。いいものはいいよね、
という感覚で動いています。昨今のライトノベルブームにしても、
PC系美少女ゲームのライターがライトノベルを書いているケースが
かなり目立ちますし。

それでいて、最近の「これなんてエロゲ?」的な萌えゲームの氾濫、
一般ゲームの「萌え・エロ」化はどうなんだ、と(笑

ファミ通なんかでも、美少女ゲームは絶対に高得点を取れないように
なってるとしか思えませんし。それでいて、エンターブレインは
美少女ゲーム系のムックだの何だので稼いでいるという・・・・。
チュウチュウ吸わせてもらいながら、プライドだけは妙に高い。
寄生虫のプライドとまでは言いませんがね(笑


>bin3336
「美少女ゲーム」の地位向上という点では、kanose氏が編集長を
務めていたカラフルピュアガール辺りの動きが大きい気はしますし、
ある時期から「エロゲー」「ギャルゲー」を「美少女ゲーム」という言葉に
置き換えようとした人たちの努力が実ったという事もあると思います。

PS2市場のオタク市場化が進む中で、必然的に存在感を増して
いったわけで、やはり良い物は良い、というユーザーの判断の累積、
市場判断こそが保守的なゲーム業界人を駆逐したのだと思います。

> ゲーム業界全体を見ながら美少女ゲームを語れる

まぁカッコつけた方が楽ですし、その方が書いてる事に説得力を
持たせやすいんですよね。東氏にしても、半分ネタキャラっぽく
なってきてる感もありながら、東大、哲学者といったスペックが
あるから、美少女ゲームについて語る事に物珍しさが発生したり、
本人の評価も維持できるわけで。やっぱり世の中、表層の部分で
判断されがちなので、どうしても及び腰になるのは仕方ないですね。

ボクにしたって、あんまり萌えとか語らずに、人当たりも良く、
「てへっ。みんなで仲良くなっていきましょうね〜。へー。色々な
意見があるんですねー。勉強になりますですよ」というような
態度のほうが、敵も作りませんし、アクセス数も伸びやすいし、
素直に受け取ってくれるんでしょうけどね。そんなの、別のキャラ
(人格)でやればいい事ですから。

> 同人ゲーム/フリーゲーム関連のセッション

ですね。フリーゲームとなると、ABA Gamesの長健太氏あたりが
講師の候補になるのかな。

個人的には、今の所、日本ではフリーゲームよりも同人ゲームの
方が市場が元気に思えるので、まずは同人ゲームから講師をと
期待しますが。

投稿したあと、ふと気になって読み返してみたのですが、
リンク先記事の「グラフィッカーの仕事」の、
作業に比重をつける。という点。
これはグラフィックに限らずゲームの全体像にも言える事だと思います。

ゲーム全体で注目して欲しいところはどこか、また、ユーザーが注目する点に力を入れているのか、
そして、全体としてのバランスは取れているか。

今ウケているDSなどのいわゆる軽いゲームはシンプルであるがゆえに、
ゲーム全体での比重がハッキリしています。
ところが、重厚長大路線ではこの比重のバランスが崩れているために負担になっている=敬遠され始めている。と言えるのではないでしょうか?


> 人当たりも良く、
「てへっ。みんなで仲良くなっていきましょうね〜。へー。色々な
意見があるんですねー。勉強になりますですよ」というような
態度のほうが、敵も作りませんし、アクセス数も伸びやすいし、
素直に受け取ってくれるんでしょうけどね。

いやいや、八方美人だとかえって人が寄ってこないですよ。
Web上でモノを語る人が増えていますから、独自の視点とキレが重要だと思います。
よっぽどおかしい事を書いていない限りは、たとえ敵を作っても同数以上の味方を作っているはずです。
実際、下記の引用をよく見かけますしね。
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/08/post_263.html

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