この話題しつこく書いてますが(笑、ゲーム系アナリストの平林久和氏も同じような認識を述べておられますね。
「E3縮小=北米ゲームバブルの崩壊の証」という意見が短期間のうちに増え続けています。逆の意見はまったくといっていいほど見当たりません。去年の日本に続いて、北米でも今年大きな変化が起こりつつある、と日本のゲーム業界人は察知し始めました。もはや去年までの「北米のゲーム業界はずっと成長する。日本のゲーム業界は北米を見習うべき」という電波理論はズタボロの完全崩壊。日本のゲーム市場はいまや、最先端の変化を表すアンテナ市場として機能しています。
羽振りがよくて豪邸に住んでいるけど、借金だらけの芸能人みたいになりつつあるアメリカゲーム市場を予感させます。
アメリカの日本化が進んでいるのではないかと。以前、こんなことを書いたことがあるんですが、簡単に言うとアメリカのゲームソフト市場はバブルだったんですね。
(略)
かつて日本が経験した5つの苦しみはアメリカ産業界を襲うはずです。
また、新清士氏がE3縮小と世界各地の展示会の競争について、簡潔にまとめています。E3の後釜に座るのがどこの展示会かはわかりませんが、日本のCEDECはますます成長し、東京ゲームショウも注目度が高いです。
「E3」縮小につけこめるか――世界的に激戦化するゲーム展示会
「CEDEC」が大規模化を進めている。参加者は約1800人と日本ローカルなカンファレンスでありながらも、数年前に比べ倍増し、世界のゲームカンファレンスの中で、最も大きなものの一つと考えていい存在にまでなってきた。来年からは他のイベントと統合することで、さらに国際競争力をもったイベントに成長するわけで、誰が見ても「拡大」なのは明らかです。
今年9月に行われるTGSについて言えば、E3縮小とは関係なく盛況だろう。任天堂の「Wii」の詳細のプレス発表は9月に予定されており、TGSでは「PS3」についての基調講演がある。CEDECからTGSまで、日本のゲーム業界に世界の注目が集まる熱い月がやってくるのは間違いないからだ。
もちろん世の中には、強化策を弱体化といい、合併を縮小といい、統合を縮小というような感性も存在するのでしょうね。はてなブックマークを見ると、あのRanTairyu氏が「縮小だと思うけど、俺は」と書いておられます。便利ですね、主観的な言い方って。DSは欧州でも北米でも売れているわけで、データが出てきているにもかかわらず、「DS海外は売れるかどうか個人的に不明」という表現も素敵きわまりない。客観的なデータなど知らない、俺は知らない、と書けば、そりゃ何でも書けますから。結局、DS路線が全世界で成功しつつある今、客観的なデータでは議論できないわけで、「俺は思う」「個人的に不明」という主観的な言説を述べるしか方法が無いのでしょう。
何の根拠も無い言説なんて、所詮そんなもんです。
まぁはてなブックマークの一部に見られる、超主観的ゲーム業界分析はまだ可愛げがあります。
しかし、急速に常識が塗り替えられているとはいえ、ゲーム業界にもいまだ、そのような人物はいるでしょうね。大きな変化が起こる時、変化についていけずに、旧来の考え方にしがみつく人というのは常に存在します。ある時点までは、それは仕方ない事とみなされます。変化はあまりに急激だからです。しかしある程度時間が経過して、それでもなお変化に背を向けるなら、そういう人が、部署が、会社が、業界内でどのような末路をたどるか。最後まで語るまでもないでしょう。
参考