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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年11月30日

RPGの終わりの始まりか、始まりの終わりか。

堀井雄二氏がかなり昔からドラクエをフル3D化したがっていたのは割と有名な話・・・・だったはずなんですけど、PS1「ドラクエ7」が保守的な作りに
なっていたこともあって、割と忘れられているのかもしれませんね。
日々つれづれさんの11月29日の日記
> 「(「VII」は)実は「マリオ64」のような3Dアドベンチャーの形も考えているんです。
> 元々僕はAVGを作っていたのですが、限界を感じてRPGに転向しました」
> (ゲーム批評14号)。

物語伝達の媒体としてのゲーム
> 宮本:N64のはじめの頃、ドラクエの堀井さんにマリオの
> 試作品を見せたんですよ。堀井さんも、一気に3Dに走
> るんですよ。 この感じでドラクエがやれたら全然違うって。
> でもやっぱりまともにここに入ってくるとドラクエじゃなくなる
> から、まだまだですよ、って止めたんですが、止めたせいで
> PSへ行っちゃったかもわかりませんけど(笑)。正直すぎた
> かも。
> あの冷静な堀井さんでさえもほとんど現実に近い感じの
> ところに自分のキャラクターを全部置いてみるということに
> すごく興味を持っていました。
> 糸井: したいんですよ、たぶん。
> 岩田: たぶん、シナリオを書くひとの本質的な欲望だと思いますよ。
ほぼ日MOTHER3開発中止座談会
り引用)
堀井雄二氏が「ドラクエ7」で本当に作りたかった部分は、戦闘が始まるまでの最初の島の冒険(数時間)だったんじゃないか、と思います。あのアドベン
チャーゲーム的な部分だけを3Dで作ろう、というのが当初の願望だったんじゃないか、と。かなり想像入ってますが。
PS1の性能を考えると、やりたいことを抑えたのは適切な判断だったと思いますが、おそらく「次はガマンしたくない」というフラストレーションがプログラ
ム開発会社の変更、という事態に至ったんじゃないかな。箱庭アクションゲームが世に出てから8年、前作「7」からのスパンは4年、レベル5と出会ってから
ならおそらく3年未満、ドラクエのエンジンのベースになったと思われる「ダーククロニクル」の発売からは2年。構想という意味では、ゲーム史史上最長の熟
成期間であり、同時に、開発の規模や制作されたボリュームを考えると、非常にハイスピードの開発だったともいえます。熟成された欲望と若い開発パワーの理
想的融合。
アドベンチャーゲーム→和製RPG→ドラクエ8。ドラクエと名のつく以上、それはRPGと呼ばれざるを得ませんし、RPGとして商品化されざるを得ません
し、RPGとして消化されざるを得ませんが、そこに宿った「欲望」は「第3段階の何物か」なのでしょう。それゆえに、これは明らかに未来への道なのでしょ
う。

補足1 未来のゲーム今、ちょっと「未来への不信感」みたいなものがゲーム業界にありますね。ハードの性能が上がっても仕方がないとか、
開発費がかかってしょうがないとか、リアリティを突き詰めるのが是か非かとか、まぁ色々いわれていますよね。MMORPGも欧米では縮小ぎみですし。ビジ
ネスの話をすると、確かにあまりいい未来がない。しかし本質的な問題は、未来に何をつくりたいか?という「欲望」があるかないか、なんですよね。ここでい
う欲望は、グラフィックチップの性能が上がってプログラマーが喜ぶ、みたいな話ではなく、どういう世界を、どういう娯楽を生み出したいのか、という強い願
望とビジョンのことです。
特に日本では、未来感が不足しているムードなわけです。不景気だとか、開発力の効率化がどうこう言われてますが、もっとも深刻なのは「未来のゲーム」を生
み出す欲望力が弱くなっていることです。要素技術の話はできます。2年後にこれぐらいグラフィック処理が上がるから、そうしたらこういうことができるね、
とか、そういう話は。しかしそこで止まってしまう。
「Half-Life2」が去年、あまりFPSに興味のない人にまで注目されたのは、そこに「未来のゲーム」があるという感じが(E3の時点では)あった
からです。もっとも、延期だの流出だの、ゴタゴタしているうちに、化けの皮が剥がれちゃいましたけど。
補足2 始まりの終わりシームレスなRPGは、例えば大多数のMMORPGのように、HDDのある状況では割と実現されていますが、それ
以外の状況では不完全すぎる物ばかりですね。いまだにユーザー層が限定的ですし。ゲーム性の要素や、技術的な要素はあるけれども、数多くのユーザーが楽し
める娯楽には結実していない。雑な言い方をすれば、「ドラクエ登場前のRPGと同じ状況」でしょう。
いわゆる「和製RPG」を開始したのはドラクエですが、世の中にはRPGというものはすでに存在していたわけです。当時、ボクは小学生だったのですが、
PCゲーム雑誌などで開発者やライターの人が「RPGは昔からあった。新しくもなんともない」「ファミコンのRPGなんてショボい」「本当のRPGはこっ
ち」等々、書きまくっていたわけです。ボクは子供心に思ったんですよ、そんなに先進的な”PCのRPG”はどうしてドラクエほどワクワクしないし、楽しく
冒険できないんだろう、と。
もちろん、その後、彼らがどうなったかは歴史が教えるところです。消えちゃいましたよね。
彼らは表層を見て物をいったり、1つの要素を取り出してみて、これは新しいとか、古いとかはいえました。知識はありましたし、それに振り回されちゃう程度
には知恵もありました。けれども、真にあたらしい物の誕生の瞬間を理解することはできませんでした。フェードアウトしちゃったわけです。
おそらく今、ボクらが目にしているもの、体験しているものは、劇的かつ瞬間的に終わる「誕生」ではありません。かなり長い年月をかけて、真にあたらしい物
へと至る第一章であり、なだらかに浮上する飛翔なのでしょう。なぜなら、タイトルの重みというものがあるから、「ポートピア」が出た時や「ドラクエ」が出
た時のようには、あたらしく始められないからです。しかし、そうであっても、今回の「一歩」は非常に大胆な前進。
巨大な3D空間を移動するゲームは珍しくもありません。けれども、それならなぜ、ワクワクしないのか。作業感が増して、つらくなっていくのか。要素はあれども、娯楽に達せず。かくして「ドラクエ8」によって、はじめて娯楽という領域に達しました。

補足3 ドラクエ1に見るアドベンチャーゲームの名残り
「物語を語る媒体としてのゲームの系譜」
り抜粋
ドラクエ1はウィザードリィとウルティマの混合物として語られることが多いのですが、アドベンチャーゲームからの進化という側面もあります。和製RPGの
場合は。それはドラクエ1のメニューとコマンドのシステムが、明らかにアドベンチャーゲームチックなことと無縁ではありません。コマンドを選んでなにかが
起きるということを徹底しています。「とびら」や「はなす」→「ひがし」など

Posted by amanoudume at 2004年11月30日 00:00 個別リンク
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コメント

なんか内容の無い、アンチdakiniさんなだけの書込みがあって、正直うざいですね。dakiniさんが挑発的な文章を書いているのも原因かも知れませ
ん。でもそこが面白い所だと思います。口調の柔らかいdakiniさんはdakiniさんじゃない(笑
様子見してましたが、各地で絶賛されていますし、私も購入してみようと思います。

製作者のやりたかった事がやれるようになってきたというのは素晴らしい話ですよね。
「時代を感じる」という表現はおかしいのかもしれませんが何となくそういうのを感じます。
・・・そして面白いゲームを作れる人とそうでない人の差が更に広まる訳ですな。

 なんか、久々に攻略本無しでクリアしてみたくなるゲームだな、と。次の場所に行くのが楽しみっていうのは、ドラゴンクエスト2のルプガナに船を取りに行
く時以来ですねぇ。1のリムルダールに鍵を買いに行く時もそうでしたが。

主観的な評価(感想)はさておき(興味無いというの
ではなくて、すでに語られ尽くしたを感じたため)、
ビジネスとして見た場合の今回のDQ8については
どう思われますか?

>あれれさん
んー、話題の変更の提案だと思います。
すみませんが、それには応じかねます。
今の話題に興味が無かろうと、話が出尽くしたと判断されようと、無理に
話題を継ぎ足して、コメント欄を伸ばす必要性は感じません。
ビジネスについて、もし書きたい何かがボクの中に沸いてくれば、いずれ書く
でしょう。書かないかもしれませんが。
正直、BLOGのコメント欄って、BLOGの記事そのものに比べると、ずっと
読まれる率が下がるので、話題・ネタを変えるなら、新規に記事を起こした
ほうが合理的なのです。
# それと、質問だけでなく、まずご自分の意見を表明するのが
# (議論の矛先を変えたい場合の)筋なのではないでしょうか?

>>amadanさん
この記事に無関係な投稿を続けておられるので、前回の記事のコメント欄に移動させました。
まずもって、意図的な誤読をされているとしかボクには思えないのですが。あるいはかなり思い込みが強く、他人の文章を一度こう、と解釈したらそこで思考が
固定されてないでしょうか?今回の記事と前回の記事で、ボクはまったくもって主張を変えてはいません。
技術の要素としては、PCゲームやコンシューマーゲームの中ですでに実現されているものがあるが、冗長なだけであったり、移動が楽しくなかったりしてい
て、ただの巨大な空間にすぎない、という認識です。ドラクエはそれを超えている、という内容なのですが。
> 彼らは表層を見て物をいったり、1つの要素を取り出してみて、これは新しいとか、
> 古いとかはいえました。知識はありましたし、それに振り回されちゃう程度には
> 知恵もありました。けれども、真にあたらしい物の誕生の瞬間を理解することは
> できませんでした。フェードアウトしちゃったわけです。
PCもコンシューマーも含めた上で、真にあたらしい物=ドラクエという認識は変わってません。意図的な誤読を繰り返されても困りますね。
前回の記事については、ささやかなフォローをコメント欄で行っており、十分でしょう。
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<広大さ>
只今Lv.21 さんの投稿のニュアンスが近いです。単純に面積だけのことを言っているのではないのです。なので、こう書いたわけですが。。。
>巨大な3D空間をシームレスにつなげる
>というゲームは何本も世に出ていますが、
例えば
・巨大→移動がかったるい ではなく、楽しく歩けること
・「見える所には行ける」という思想の徹底
などを評価して、「突き詰めるとこういうところまで来れる、という偉大な実例」と賞賛したわけです。
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最後に、繰り返しますが、「粘着や荒らしを相手にするのも限度があります。」
コメント欄を見る限り、うざがっている方々もいらっしゃるので、amadanさんへのレスはこれで最後とし、後の書込みはただの粘着として処理させていた
だきます。意図的な誤読にもとづいた投稿は、以後すべて削除いたします。

横から失礼。
FF11等のMMORPGでも、遠くの景色は書割の絵になっていて、そこには行けなかったり、突然遠景が表示されたりするものが大半だと思います。遠景が
見えて、そこに行ける、DQの「見える範囲には行ける」という点は確かに優れていると思います。

すみません、こちらは特に意見はありません。
単にどう考えられているのか聞きたかっただけですので
話の腰を折るような感じでしたらすみませんでした。