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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年04月22日

物語を語る媒体としてのゲームの系譜

こちらのサイトがギャルゲー、エロゲーの歴史をまとめています。
初心者のための現代ギャルゲー講座

物語媒体としてのゲームという意味では、アドベンチャーゲーム→サウンドノベルというのが1つのメインストリールです。コンシューマーの場合、アドベンチャーゲーム→RPG
いうもう1つのメインストリームもありますが。
(ドラクエ1はウィザードリィとウルティマの混合物として語られることが多いのですが、アドベンチャーゲームからの進化という側面もあります。和製RPG
の場合は。それはドラクエ1のメニューとコマンドのシステムが、明らかにアドベンチャーゲームチックなことと無縁ではありません。コマンドを選んでなにか
が起きるということを徹底しています。「とびら」や「はなす」→「ひがし」など)
傍流として、アドベンチャーゲーム→御神楽少女探偵団→逆転裁判という流れもあるわけですが、残念ながら売上、一般での話題性(ゲーオタの間での話題性は
あるが……)の面で、とてもメインストリームとはいいがたい。

プレイヤーがテキストを読まない
アドベンチャーゲームがある程度そろった後、何が起きたかというと、
プレイヤーがーテキストをきちんと読まなくなったんですよね。フラグを立てるための単純作業、そして画面に表示される文章。プレイヤーはしだいにこの作業
に慣れ、飽きてしまいました。そこで、ビジュアル的な形式をふくめて、読ませる(or
読みたくなる)ような作りに変わったのがサウンドノベル(ビジュアルノベル)でした。
(過去に何度も引用してますが)
TINAMIX INTERVIEW SPECIAL Leaf 高橋龍也&原田宇陀児 (前篇) 2ページ目>
高橋:ノベルゲームにした利点で言うと、あの当時は単純に全画面表示の
> テキストが目新しいと思ったんです。それが売りになると思っただけだったん
> ですけど、採用した上でのメリットは文字を飛ばす人がいなかったということ(笑)。
> その頃のアダルトゲームでも良いシナリオは結構あったんです。僕はわりと
> 細かく読んでいた方なので「シナリオ良いのになんで話題にならないんだろう」
> と思っていたんですけど、どうやらみんな飛ばして読んでいるらしい。当時の
> ゲームだと文字飛ばし機能は絶対標準装備でしたから。でも『雫』とか『痕』
> はさすがに飛ばす人はいなかったんです。あれは読み飛ばすと全く意味のない
> ゲームですから。
もう1つの方向は、登場人物の会話を読ませるようなゲームシステムの導入です。御神楽少女探偵団の推理トリガー、そして逆転裁判の裁判シーンへと続くわけ
です。ただ、この流れは決定的な解を生み出せているとはいいがたい。それが、御神楽や逆転の不完全さともいえます。
たとえば逆転裁判の探偵パートや、「2」「3」における諸問題にそれが現れています(ネタの問題もふくめて続けるのが苦しいとか、推理だけじゃボリューム
が埋まらないとか)。ここでボクがいっている不完全さというのは、作品および商品パッケージとしてまとめるうえで、従来の(問題のある)やり方を取らざる
を得ない、ということです。
まぁだから、この系譜のゲームがあまり売れていない(一部のオタクと業界人ぐらいしか反応してない)現状はわかるのです。やはり、まだ「次の進化」へ届き
きってない、というのがボクの評価。手厳しいかもしれんけど、「進化」だの「発明」だのという言葉は、それぐらいの跳躍をして、はじめて成り立つ概念で
しょうね。

Posted by amanoudume at 2004年04月22日 16:28 個別リンク