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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年04月01日

GDC2004開催

GamasutraにもGDCの講演記事がふえています。
「Cross-Platform User Interface Development」
なるプラットフォームの開発において、ユーザーインターフェイスの制作について苦労する点を解説しています。基本的には、PCとコンシューマーの違い
(ディスプレイとTVの違い、等)がメインのため、大半の日本のゲーム開発者にとって、直接得られるものは少ないかもしれません。
「Building Big Licensed Games with Big Teams」
近年、欧米において、急速に版権タイトルが増大しており、「欧米では版権タイトルが少なく、オリジナリティーのあるソフトが多い」という古い認識はもはや的外れなものになっています。

そうした状況下、欧米の開発チームは大規模な人員による納期性の高いチーム運営を強いられています。日本の版権タイトルの多くは、映画ほどの巨額の資金が動きませんから、日本の開発者が直接、この運営方法から得るものは少なそうですが。

「Growing a Dedicated Tools Programming Team: From Baldur's Gate to Star Wars: Knights of the Old Republic」
発会社の規模にもよりますが、ツール等の開発環境の整備にかかる人員は年々増大しつつあります。ツールプログラミングチームは一般的に、ゲーム開発チーム
とは異なり、1つのプロジェクトのことだけを考えればよいわけではなく、複数のプロジェクトからの要望(よく矛盾する)に対処しなければなりません。
BioWareといえば、PCゲーマーの間では名を知られたソフトメーカーです。この講演では、ツール専門のプログラマーを社内でもつことが、開発人月を
どれだけ軽減できるかを語っています。ツールチームの受け持つさまざまな役割、開発のどの時期にどんな仕事が発生するか、ツールプログラマに求められるス
キル、ツール開発チームの運営、士気の維持について解説しています。
欧米の開発に比べて「会社」という枠組みが強かった日本では、ツールチーム(専属であれば1人もふくむ)はそれほど珍しい存在ではなく、この講演から直接
的に日本の開発者が得られることは少ないかもしれませんが。
自ら限界と時代の変化を告げるジョン・カーマック

> 今回非常に悲壮に聞こえたのは,「我々(id Software)は,自分自身の成功が作り
> 出した罠にかかった状態で,もはや抜け出せないだろう」という彼の言葉だ。
> つまり,id Software社そのものが"最先端のゲームエンジンを使ったFPSを作る精鋭
> チーム"というブランドになってしまっており,彼はその呪縛に囚われてしまっているというのだ。

> 彼は,開発サイクルとコストが肥大していく現代において,もはやプログラマー個人の
> 能力ではどうすることもできないのを直視しているようだ。「『Commander Keen』や
> 『Wolfenstein 3D』を作っていたときは,6人で自宅にコンピュータを並べて徹夜していた。
> FPSやRPGでは,もうそのようなゲーム作りをすることは不可能だろう

現在のPCのFPSゲームがはまっている罠を的確かつ率直にのべた発言ですね。FPSエンジンの問題点については、すでに何度かのべている通りです。FPSエンジン界の頂点に立っていた人物の口からこのような言葉が飛び出したのは、勇気と誠意ある態度といえます。

ソニー、GDCにて「PS2は2010年まで続ける」と宣言
際、PS2が発売されてからも、PS
Oneはかなり売れていたわけです。低価格ゲーム機市場というものが欧米では確実に誕生していましたし、日本でもかなりの子供がPS1で遊んでいました。
ところが少なくないソフトメーカーは、価格が高く、大人しかもっていない段階のPS2に子供向けのタイトルを投入し、爆死させた苦い経験がありましたね。
EAのジョン・シャッパート氏もまた、次世代機が出ても現行機の市場はすぐに消えないから、一気に移行すると機会損失になると語っていました(この記事の末尾)。

パックマンの生みの親であるナムコの岩谷徹氏 ゲーム開発における心構えや取り組む姿勢について語る
基本的にはCEDECでの講演と同じようですね。

「ゼルダの伝説」のフランチャイズの進化について ”ゼルダらしさ”を損なわず、継承と変革を判断する
海外でブランド力のある「ゼルダ」のプロデューサーの講演だけに、非常に注目度が高かったようですね。関連記事として、講演の中で公開されたゼルダシリーズのタイトル別売上がこちら

「Game Developers Choice Awards」
「Game of the
Year」がスターウォーズゲームかよ! うーん、まぁ今の米国の状況を端的にあらわしているともいえますが。続編と版権タイトルの著しい増加。え? 海
外にはオリジナリティーあふれるゲームが多くて、日本とは違う? へー。いつの時代の話ですか、それ。
もはや、くだらない妄想的根拠をもとに、欧米の優位性を語れる時代ではなくなったのです。続編と版権タイトルの増加、スケジュールと予算の締付けの激化、
人件費の安い地域へのアウトソーシングの増加、パブリッシャーとディベロッパーの対立、……。
nVIDIAのGDC2004講演資料
nVIDIAは早くも講演資料を配布開始したようです。

進む欧米での開発アウトソーシング
近、何度も書いている”ゲーム開発のアウトソーシング”について。日本ののみならず、欧米でも同様の流れはやはり加速しているようですね。仕事はより安い
地域に。日本のゲーム開発者が苦しいとよくいわれますが、欧米のゲーム開発者にも雇用、賃金といった問題は押し寄せ始めているといえるでしょう。

Posted by amanoudume at 2004年04月01日 01:00 個別リンク