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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年03月22日

チェック・ゲームズその3

「塊魂」、日曜日に近所の別の店に行って買ってきました。
ゲームショウの体験版の頃よりずっと遊びやすくなっている気がします。
L3とR3の同時押し(はっきりおぼえてませんが、体験版にはなかったはず?)や、
王子ジャンプがいいですね。
世界観が素敵極まってますしね。
王子様も、王様も素敵ですね。
王様の台詞がすばらしすぎます。電波な人、ボクは大好きですね。
電波テキスト、マンセー。
「ドリラー」「もじぴったん」「太鼓」「塊魂」と、
まぁクセの強いものも混じってますけど、
親しみやすいラインナップが揃ってきましたね。

復活への予感を日増しにふくらませるナムコ
往年のナムコのイメージが徐々に蘇ってくるのを予感させま
す。
一時期、CGを前面に押し出しすぎて、最初は良かったけど、「かっこいい→え?実はアニオタ?→怖い→とっつきにくい」と、イマイチ手の伸ばしにくいブラ
ンドになってましたが、最近はいいムードが出てきました。
しかし現在、PS2がファミリー層を十二分に取り込んでいるとは言いがたいため、この手のソフトは不利な状況が続いています。「太鼓」はそれでも売れたわ
けですが、本来のポテンシャルはもっと大きかったはず。
一方、ファミリー層に強いとされるGCも、ソフト市場が活性化しているとは言いがたいわけで、こういう状況だと、ファミリー層を余さず取り込むためにはマ
ルチプラットフォームが妥当な戦略なのでしょうね。「もじぴったん」「ドリラー」はそうなっていましたし、「太鼓」もまぁ「ドンキーコンガ」という形に変
わって出てきたといえるわけで、実際40万本弱の実売を達成していました。
プラットフォームホルダー同士のあさましい競争になど縛られず、むしろその競争を利用するぐらいの姿勢で、すばらしいソフトがファミリー層へ浸透していく
ことを期待したいです。長期的に見れば、それが子供のゲーム離れを防ぐ効果をもたらし、ゲーム市場の地盤沈下を防ぐはずです。分裂した市場に対して、機会
損失をおこさずにゲームを売っていくことは、非常に重要なテーマだと思います。
「厳しさ」ではなく、「ゆるさ」に向かった素敵なゲームデザイン
話がそれましたね。
このゲーム、「転がして物を巻き込む」というアイデアぐらいなら、誰でも考えつきそうなものですけど、実際まとめるのは大変だったと思います。物理系の技
術って、誰でも思いつくんだけど、実際ゲームにまとめるのは非常に厄介ですよね。多くの会社が関心をもっているにも関わらず、なかなか製品にならないの
が、困難さを証明しています。
その難業を成し遂げたのは、さすが!の一言です。
あまり厳密なゲーム性にこらずに、原理的な楽しさをのばす形でシンプルにまとめたことが、空中分解しなかった最大の勝因だと思います。ゲーム的にはかなり
覚えゲーですけど、にもかかわらず、シビアな難易度にならずにゲームに「ゆるさ」が生まれているのが素晴らしい。音楽(歌)もいい感じで、ゆるーい気分で遊べます。オブジェクトのデザイン、王子様のデザイン、王様の台詞、全部がゆるゆる、ユンユンな感じで、まったりと楽しめます。

チェック・ゲームズその2
書いたとおり、今クラシカルな「いい子、いい子」ゲームって、割と行き詰まってきてますよね。例えば、1つの現象としては、難易度的に失敗するケースがか
なり増えています。無論、それはいろんな要因がありますし、たまたまということもあるでしょう。ただ、3D化にともない、またユーザー層が拡大するについ
て、またユーザーの生活スタイルが変化するにつれて、タイトなゲームが成功しにくくなっている気がします。
遊ぶ側はもっと「ゆるさ」を求めているんでしょう。「無双」「GTA」を始め、近年ヒットしたゲームはいずれも、「ゆるさ」がありまし
た。売上を大きく落としている続編タイトルは、まぁそれぞれの完成度も要因でしょうが、「ゆるさ」がないんだと思います。
物理を利用したゲームって、大抵、「厳しい」方向にいっちゃうんですよね。レースゲームやスポーツゲームが顕著で、物理性の高いゲームほど、難しく作って
ます。「塊魂」はそっちにふらず、「ゆるめる」方向にいってますね。これが面白い点ですね。(もしかすると、そこで好き嫌いは分かれるのかもしれませんけ
どね)
もちろん、そのゆるさが逆にゲームとしては、物足りなさにつながる危険もあります。ゲームその物を解く達成感は少し薄くなっているんですけど、雪だるま式
に大きくなっていく塊がその分、達成感を満たしてくれる。そこでバランスが取れていますね。そこのさじ加減は微妙で、そこが大きく化けるか、そこまで届か
ないかの1つの分水嶺になるのでしょう。

売れてほしいソフトだから、商品論がもうひとふんばりほしかった
商品という意味で1つ苦しいな、と思
うのはボリューム。
作品としてはこれはこれでいいし、個人的にはあまり時間もないから、こんなもんでいいんですが、作り手が口コミでじわじわ浸透していくことを狙っているな
ら、もっとボリュームはあったほうがいい。口コミソフトの1つの大前提はボリューム。「こんな物も巻き込めるんだ」というのが楽しさの1つなだけに、ボ
リュームを用意するにはひたすらオブジェクトの物量勝負になって、つらいのはわかります。でも、そこが口コミ・ヒットになるかどうかのネックだと思うと、
実に残念。
好きなように遊べばいい、というのは、作品論としては正しいかもしれないけど、商品論としてはまちがい。売れてほしいソフトだからこそ、あえて書きます
が、ボリュームはもっとあったほうが良かった。それと、2Pモードはメインメニューから行ける作りのほうが良かった気もします。まぁ、おまけですよ、って
ことなんでしょうけど、接待ゲームとして使えるなら、ボリューム不足は補える可能性もあるだけに、もっと練ってほしかった気がします。
大変素敵な作品なのはまちがいないです。ただ、商品として見た時、もうひとふんばりしたら、大ヒットする確率が上がったと思うと、やや残念ではあります。もちろん、現状でも化ける確率はまだまだあります。がんばってほしいですね。

Posted by amanoudume at 2004年03月22日 18:52 個別リンク

コメント

このゲームに注目しているプランナーは知り合いにも結構いた気がするんですが、
なぜ注目なんですかね?
私はぴんとこなかったんですが。
やってつまらなかったわけではないですが、売れない臭強いというか。

また、問題なのはボリュームでない気が。
ボリュームで行くよりも、ワンアイデアだけで儲けられる販売形態が実現されることがない限りキツいという気がするんですがね。
300円で1000万人にやってもらうような商売の形向きのソフトという印象。
(そこまでのパワーがあるのかどうかはまた別の話ですが)

根本的にぴんとこなかったなら無理に書き込まなくていいですよ。議論のための議論に陥るだけではないかと思います。

>ワンアイデアだけで儲けられる販売形態が実現されることがない限り

この一文、結局、e-toさんが可能性を感じていないということを言い換えているだけにすぎないように感じました。大して面白くないんだけど……まあ300円なら、という。

どう可能性を感じているかは、すでに上の記事で書いたとおりです。不毛な書き込みには以上のレスで充分でしょう。

同僚が遊んでいるのを後ろで見ていたのですが、
一般人に遊ぶ(買う)前に感情移入させるための
とっかかり(買おうと思わせる動機付け)が
弱いというか、見当りませんでした。
(まさか、あの歌手達がそれに当たるのかなぁ?)
ビデオゲーム勃興期ならともかく現在では、
感情移入のとっかかりが無くては、
いくらゲームシステムの新規性が素晴らしく
ても、それが動機付けになる業界人や
マニアだけに受けて終ってしまう可能性が
高く、苦しいと思います。

あと、主観論になってしまいますが、
PS2がファミリー層を取り込んでいないというより、
このゲームの世界観自体が「違いの分かる
大人の笑い」的な匂いがして、ファミリー層
とは相容れないような気がします。
「パラッパ」とかとは紙一重の違いで、
一般人のいない向こう側へ行ってしまった
感じがするのですが。シュールな笑いは
人を選んでしまうので難しいです。

状況論として比較するなら、ビデオゲーム勃興期というより、PS1バブル時との
比較のほうが適切な気はします。

>紙一重の違い

まぁ娯楽では、わずかなテイストの差で、大きな客層を逃すということは珍しく
ないのは事実です。

とはいえ、では現在のPS2市場でパラッパみたいなソフトが受けるかといえば、
そういうことも望み薄なわけです。まず最初に”層が薄い”という冷酷な現実が
あり、それがゆえにさらにテイストの差による売上の差が大きい、という解釈の
ほうが妥当な気はします。

また、この種のテイストの議論は、やや後付け臭くなりがちですね。「パラッパ」も
あとには、いくらでも理論が出てきたわけです。

結局、ある程度、近いレンジにいくつもソフトを投げてみるしかないんじゃない
ですか。結果的に、「ドリラー」「もじぴったん」「太鼓」「塊魂」といったタイトルを
次々投入しているナムコは、いずれ大きな見返りを得ると思いますね。(すでに
「太鼓」で得ているよりさらに大きな)

まぁ結果的には、TTNMさんのおっしゃるような「紙一重の違い」で一般人に
受けたものもあれば、まだ受けるかどうかわからないもの(塊魂)もあるわけでしょうが。

しかし例えば「パラッパ」の「紙一重」を真実、発売前に見抜いた人がどれだけ
いたんでしょうか? 結果が出ればそれはなんとでもいうでしょう。あまり個々の
ソフトだけの結果論的に見すぎるのも、時に偏りを生む危険はありますね。
ソフト群としてどうか、という見方も大切です。当時のSCEJは「パラッパ」だけを
単独で投入したわけでもなんでもありません。これは忘れてはいけないポイントですよ。

そしてボクがしている市場性、客層の議論はあくまで、群として見た場合に、
ふさわしい客層はどこか?ということです。(実際、上記の記事中で、他の
ソフト群とあわせて語っているのはそのせいです)

>そしてボクがしている市場性、
>客層の議論はあくまで、群として見た
>場合に、ふさわしい客層はどこか?

う〜ん、群として、市場性・客層の面で
「ドリラー」「もじぴったん」「太鼓」「塊魂」
が同一集合に入っている感じがしないのです。ナムコ自身は同一のつもりでやっている
可能性もあると思いますが。

「ゲーム性が素(す)に近い形で投げ出され
ている」と言う点では共通点はあると思うの
ですが、それが同一の客層を呼ぶかというと
その限りではない気がするのです。

話をファミリー層に限って言えば、
太鼓のCMのように「おじいちゃんとその
孫娘」が一緒に、「ドリラー」「もじぴったん」
「塊魂」を遊んでいる情景が思い浮かばない
のです。いや、そういう時代も来るのかも
しれませんが…。

うーん、なんていうか、どの程度の範囲でまとめているかの違いでしかない
ような気がしますが。

結果を見ると、「太鼓」は親子という意味で、ファミリー層の中核付近に位置し、
その他のソフトはその外周にあるとはいえますね。そりゃ、おじいさんと孫娘が
いっしょにドリラーをやっている光景はイメージしにくいですよ。

ただ、例えば「マリオパーティ」のようなパーティゲームは「ファミリー層」向けのタイトル
ですが、なにもおじいちゃんと孫娘や、家族連れだけが買うわけではありません。
友達がきた時の接待ゲームとして、大人のユーザー(特に女性)が買っていたり
するわけです。たしか、2割〜3割程度、というデータがどこかに出ていたように思います。

その接待ゲーム購入層は、落ち物などのパズルゲーム購入層とかなりかぶったりも
します(もじぴったん、ドリラー)。

そのさらに外周に「塊魂」は位置するのでしょうし、おそらく「パラッパ」の初期ユーザーは
その少し内側に位置したのでしょうね。そしてそこから、ファミリー層の中核へと向かって、
伝播していったのでしょう。

ユーザー層は地続きであって、そこを「切り分けて」評価することもできるし、「地続き性」
に注目することもできます。
実際のところ、切り分けた議論がおこなわれることが多いとは思いますし、それは
当然だと思います。ですが、それでは単一のソフトの当たり外れにばかり意識が
いきすぎる危険性もある、とボクは思っています。

また、現実には、「ユーザー像」は単一ではなく、まぁ比率の偏りはあるにせよ、
複数の年齢層のオーバーラップがあるわけです。
そうしたファクターは、単一のソフトを議論するときには、近似的に無視できるかも
しれませんが、ソフト群として見た場合には、無視できないのでは、ということです。

ですから、1企業のソフト投入戦略としては、近いところ、地続きのところにソフトを
投下するのは妥当であろう、といっているわけです。ボクは”ピンポイント的な”市場性を
議論してはいないのです。