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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年02月21日

ワイヤードオンラインゲームからワイヤレスオンラインゲームへ

崩壊の進むMMORPGのビジネスロジック

欧米において、MMORPGのビジネスが次々に破綻しています。Mystのオンラインゲーム版である『Uru: Ages Beyond Myst』があまりにもユーザーが集まらず、サービス停止になりました。去年は『Sims Online』が完全爆死、そして『Star Wars Galaxies』も期待にはまったく届かない状態でした。

すでに去年のE3で、過剰なタイトル数が懸念されていました。あまりにも同じような内容、あまりにも工夫のないゲームデザイン、バブリーな状況に乗っかっただけのバブリーなゲームデザイン、サービスがあふれていました。
まだそれがわからない脳天気系開発者や、脳天気系ライターもいましたが……。毎度毎度のE3病
すね。(なぜ人はE3ではあそこまで愚かになれるのか、興味深いテーマではありますが、ここでは追究しません。あと2ヶ月半もすれば、新しいサンプルデー
タが手に入るでしょう。愚かさをふりまく人々が減ることを期待します)
その時すでに見るべき目をもった開発者は、ダメになると明言していたわけですが、まったくその通りになっていますね。日本においても、『みんなのゴルフ・
オンライン』が爆死。コンシューマーにおけるMMORPGの普及状況は、しばらくは絶望的になりました。SCE的にも、今年はPS2の女性層への拡大、い
きなり頓挫したEyeToyの宣伝、PS10周年、そしてPSPと、他にプロモーションしなければならないテーマが多いため、オンラインゲームに割くプロ
モーション・リソースは去年よりも大幅に削減されるでしょう。実質的には「なかったこと」になっていくでしょう。
明快な現実の前には、百万言(ビジネスロジック)を費やしても説得力は生まれません。

ワイヤードオンラインゲームの破綻

この『Uru』の破綻についての面白い記事がありました。
閑人「MMOゲームはもはやお荷物?」
2chのMMORPG板の書き込みの状況を調べたものです。
> 大抵のユーザーは特定の1タイトルに関連したスレッドにのみ
> 書き込みを行っており、同時に二つ以上のMMOゲームを進
> めるプレイヤーが少ないことが推測できます。
複数のMMOゲームを同時に遊ぶ人は、まずいない、とはいわれていましたが、それが数字の上で示されたといってもいいかもしれませんね。2chとMMOの層はかなりかぶりますし、一定の説得力はあります。

ワイヤードとワイヤレスで分かれた明暗
ワイヤード・オンラインゲームの限界はすでに立証されつつありますが、一方でグローバルとローカルのワイヤレスオンラインゲームが急速に台頭しつつありま す。ローカル・ワイヤレスオンラインゲームについては、すでに任天堂が『ポケモン ファイアーレッド・リーフグリーン』を投入し、100数十万台の普及を 達成しました。 あれだけ莫大な宣伝費をかけたPS2のオンラインゲームは、あのアダプタは今何台でしょうか? ワイヤードオンラインゲームとワイヤレスオンラインゲー ム、どちらがより多くのユーザーから支持され得るのか、はっきり示されたんじゃないでしょうか。本数べースで競うのが無意味なら、利益額で競えばいい。明 らかでしょう。 「ポケモン」があれば売れるのは当たり前? なるほど。しかし「FF」を投入したら、「Sims」を投入したら、「Star Wars」を投入したら、「みんゴル」を投入したら、「売れるのは当たり前」だったのではないですか? 赤字でなくなったという、本来商品としてサービス として当たり前のことが、ニュースになり得る、こんなものがビジネスなんですかねえ。まさに失笑極まれり。 そう、誰もが成功すると思って投入したソフトが成功していない、という事実こそが、ワイヤードオンラインゲームがいかに魅力がないかを示しています。また、どちらが既存のユーザーをよりシームレスに、より無理がなく、オンラインゲームへ移行させられるのか、それも示されました。 無理がない、ということは娯楽において非常に重要なことですね。開発者のゲームデザインにしても、それを楽しむユーザーにとっても。「オンラインになった途端に、名前は同じだけど中身が別物になってしまう」ってのは、どうなんでしょうかね。そんなに中身が違うなら違う名前をつけたほうがユーザーフレンドリーだし、中身が別物のゲームばっかり押しつけるのはそりゃ、ユーザーの期待を裏切っていますよ。ユーザーの期待を裏切らない方向で進化できない、ってのは致命的では。
環境が急速に整いつつあるワイヤレスオンラインゲーム
GBAでのワイヤレスアダプタが短期間に成功をおさめつつあり、また年末にはいよいよソニーもPSPでワイヤレスオンラインゲームに参加します。 さらにいえば、携帯電話のグローバルワイヤレスオンラインゲームも、環境が急速に整いつつあります。auが一部の機種で定額制に移行したのと同様、ついにドコモがFOMAで定額制に踏み切ります。 第三世代携帯電話のシェア争いで、ドコモはauに劣勢を強いられており、もうそろそろ逆襲に転じなければ、未来は見えません。ドコモはすべての機種での定 額制サービスを導入するつもりのようですし、価格は未発表なものの、auの4200円に対抗できる価格にするそうです。 まぁまだまだワイヤードの定額サービスに比べれば高いものの、これによりグローバルワイヤレスなオンラインゲームの浸透が一段と進むことでしょうね。さら にグローバルワイヤレス(携帯電話)対ローカルワイヤレス(携帯ゲーム機)で、サービス、コンテンツ、料金について競争が起こることで、より質の高いもの が生まれる可能性が期待できます。 グローバル対ローカル、3G対WiFiという構図は、作られた感じの強い構図ではありますが、それでも大きな枠組みのレベルでの競争は、 大局的に見れば、コンテンツの発展をうながすはずです。 そういえば、任天堂は過去には、携帯電話に接続するアダプターを発売し、『ポケモン クリスタル』が対応していましたし、ソニーもドコモの携帯電話とつな げるオンラインゲームを発売していました。いずれも数字の面では、成功とは言い難い状況でしたが、グローバルワイヤレスなオンラインゲームを一度試みた両 社が、今ローカルワイヤレスなオンラインゲームに進出しているという状況はなかなか面白いですね。 Posted by amanoudume at 2004年02月21日 12:34 個別リンク
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Listed below are links to weblogs that reference 'ワイヤードオンラインゲームからワイヤレスオンラインゲームへ' from 発熱地帯.
マスカレードネットワークゲームとソーシャルネットワークゲーム
Excerpt: 「ワイヤードオンラインゲーム」or「ワイヤレスオンラインゲーム」という分類をみて、私は、「マスカレードネットワークゲーム」or「ソーシャルネット ワークゲーム」という切り口で、考察してみました。
Weblog: DA見習い+なんちゃってSEのシステム系なブログ!
Tracked: 2004年03月27日 06:58
ネットワークゲームのカタチ
Excerpt: 静かに期待しているホームランド。 初心に還ったRPG「ホームランド」に期待! 「
Weblog: のぶログ
Tracked: 2004年05月30日 21:35

コメント

ワイヤードオンラインとワイヤレスオンラインを対立的に捉えて論ずるのは、かなりプロパガンダちっくに思えますが、それは故意にやってますか?(笑
ワイヤードとワイヤレスは、共に連携して第3の波(死語)を実現するものだと捉えるのが普通かと思うんですが。

wireless onlineはどこからどこまでを指しているのかな。
字義通り?
アプリをdownloadしてくるだけでもwireless online?
任天堂のワイアレスアダプタは携帯のオンラインコンテンツと同じジャンルに入ると?
質問ばかりですいません。

>Waltさん
うーん、正直、語るべきことはすでに語っている気がしますが。まだなお多少の補足が必要ということでしょうか。
ワイヤレスオンラインについては、ほぼ字義通りの意味ですね。まぁ赤外線のようなものは含めていませんが。
標準規格であるか、独自技術であるかは問わず、携帯電話、ワイヤレスLAN関連のことを指しているつもりです。
オンラインサービスという意味では、ダウンロードだけでも、ですね。
例えば、携帯電話のゲームはセガがMMORPG「ポケットキングダム」を展開していたりはしますが、パケット料金の問題もあって、基本的にはiアプリのダ
ウンロードが主体になっています。
ただ、すでにauが定額制サービスを始めており、ドコモも夏から始めるということですから、比重の変動は時間の問題でしかないでしょう。
しかし現実問題としては、短期的には、アプリをダウンロードで販売できることのほうが、ビジネス上は大きな変革を起こし得ます。(追加データの販売を含
め)
また、上記の記事では、携帯ゲーム機はローカルワイヤレス、携帯電話はグローバルワイヤレス、と分類していたはずですが?
結局どの程度広義の枠でくくるのか、という違いにすぎないと思いますね。
1つ忘れてはならないのは、よく論じられる3G対WiFiにしても、現時点ではそもそも対立なんてしようがない、同じ土俵には乗っているとは言いがたい、
ということです。同じサービスを展開できているわけでさえない。
現時点での違い、それぞれの制約、限界をもって、瑣末極まりない現在形のしかもほんの一時の議論を展開するのは、少なくともこのBLOGの本意とするとこ
ろではありません。
携帯電話で展開するゲームと、GBAのワイヤレスアダプタやPSPで展開するゲームは現時点では等質ではないでしょうし、同価格でもありません。しかしそ
れは今や瑣末な差異でしょうね。
3G対WiFiという、現時点では実質的な対立は起きていないが、起きるという前提で語られている2種類のサービスを例に挙げているのは、ボクがそれと同
じような時間認識を持って
語っていることを示すためです(どの程度の未来を見ているのか、ということ)。
# 3Gは料金の低下という道を歩み、WiFiはサービスの
# 長距離化(ホットスポットの整備)という道を歩み、
# それぞれ別の地点から出発して、別の道を歩みながらも、
# 両者は似たような地点を目指す、とはよくいわれますね。
付言すれば、時代というもののムーブメントは、ある閾値を超えてしまえば、たかだか1つ2つの企業の思惑だの戦略だのとは無関係に勝手に転がっていくもの
です。
その時を越えてしまえば、多少のタイムテーブルの遅延はあれど、仮に任天堂だのソニーだのという”たかだかの企業”が地上から消滅してしまったとしても、
それでも誰かか代わりになって歴史を牽引することでしょう。
瑣末な議論が意味をなさない、その時期の到来は、そう遠くはないでしょうね。まさにボクらが生きているのは歴史の瞬間といえるのですよ。
ならば、これは歴史の代弁に他ならないのです。

>鶴見さん
むふふふふふふふふ。
いえいえ、対立軸で捉えるか、相補的に捉えるか、というのは、論者の嗜好による面も大きいですが、大変わかりやすいからですよ。
そして、それこそボクのスタイルではないですか。いつもと変わらないねw
「フェードアウト組」なんて毒舌を撒き散らすこのボクが、「ワイヤードもワイヤレスも相補的だよねー」などと穏当きわまりない発言を繰り返していたら、そ
れは怠慢ですよ、怠慢。
読者の失笑を買ってしまいますw
今まさにホットになりつつあるものと、まぁ無くなったりはしないまでも、ショボンとしているもの。新しいものと古いもの。時代の先端を駆ける者とフェード
アウト組。
まさしく歴史の瞬間に生きる人間の一人として、ワイヤード・オンラインゲームなどというフェードアウト組は、あらん限りの言葉をもって、罵倒の限りを尽く
そうということですよ。
ボクは時代遅れなもの、時代の流れを読めないもの、そういうものが大嫌いです。百万言の毒舌をもって、罵倒の極致を尽くしますよ。だって、どちらがホット
かは明らかですからね。
PCでも、家電でも、ゲーム機でも、あらゆる分野において今、ワイヤレスこそが時代のキーワードなわけです。
ホットでないものなんかにボクは価値は感じませんし、そんなもの毒舌と罵倒の対象でしかありません。
あえてワイヤードオンラインゲームに価値を与えるならば、それはワイヤレスオンラインゲームの”余りカス”だの”補助”だのを行う存在としてのみ。レギュ
ラー選手と永遠の補欠選手の違いは歴然。
もちろん、そりゃまぁ、レギュラー選手と永遠の補欠選手が「共に連携」する必要はあるのかもしれませんが。補欠選手なんてものをマンセーする趣味は毛頭あ
りません。罵倒しつくしますよ。
それが毒舌遣いとしての道なのですよw

ローカル・ワイヤレスオンラインというのは、WiFiもそうですが、技術的には徐々に距離を伸ばしていくアプローチといえます。そして、その上に乗っかる
アプリ、コンテンツにとって都合がいいのは、従来のゲーム作りのノウハウを完全に捨て去ることなく、徐々に変化(進化?)させていくことができる点です。
顔の見える距離(1台のゲーム機のマルチプレイヤー)から、徐々に距離が伸びていく……というアプローチがゆえに、「オンラインになった途端に、名前は同
じだけど中身が別物になってしまう」という罠にハマりにくいのです。
一足跳びに、まったく見知らぬ者同士、顔の見えない者同士の距離に飛んでしまうから、例えばチート、例えばゲームバランス、例えば課金料金、といった様々
な問題に苦しむことになる。ソフト作りに困難はつきものとはいえ、そんな娯楽の周辺問題にほとんどの労力を吸い取られて、本来の娯楽を作る労力がろくに
残っていないのでは、まったく笑えません。
ワイヤレスオンラインゲームが台頭してくることで、ワイヤードオンラインゲームの現在抱える問題点がよりハッキリと浮き彫りになり、もっと引いた視点か
ら、俯瞰できるようになるのではないか。とも思いますね。

名前のない投稿、かつ社員っぽい書き込みでしたので、削除いたしました。もし必要であれば、きちんとハンドル名を入力されて、内容のある書き込みをしてく
ださい。
みんゴルオンラインの追加コースの件ですが、今頃になって初めて追加、というのがやる気の中途半端さをうかがわせますね、ぐらいの感想しかありませんが。
MMOにはつきものの同時接続数は発表しないんですねえw>元記事
>やはり「みんなのゴルフ・オンライン」は
>そう捨てるものじゃないかもしれません。
今頃「やはり」などという感想をもっているのは、社員さんぐらいじゃないでしょうか(藁
終わったソフトを終わった頃に話題にする……社員さんか信者かしりませんが、おつかれさまでございます。恥ずかしくないですか?

あらら、名前なしで投稿してしまったのはまったくの不本意です。大変失礼なことをしてしまいました。日本テレビゲームの発展に興味を持ってる海外ユーザー
だけです。社員さんや信者ではありません。あえていいますとDAKINIさんサイトの読者です(BBS時代から拝見させていただきました)。初発言はこの
様で恥ずかしい限りです。(^^;)
>みんゴルオンラインの追加コースの件ですが、
なるほどですね。すくなくとも現時点でSCEのやる気無さが見えるわけか。しかし、Uru: Ages Beyond
Mystの爆死ぶりに比べるとだいぶましですね。これは日本のテレビゲームは洋ゲームよりちゃんとファンを育てていると解釈したらよろしいでしょうかね。
>MMOにはつきものの同時接続数は発表しないんですねえw>元記事
そうですね。韓国や台湾の場合はよく”最大”同時接続数を発表しています。ただ、現にテレビオンラインゲームの課金制度はPC(特に韓国系)オンライン
ゲームとは違いますので、同時接続数を発表しても簡単に比較できないと思います。また、この記事によりますと、
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20030425/scej.htm
式の発表はまだないものの、現時点では採算ラインをパスしたと言ってもいいじゃないでしょうか。

はじめまして。
ご愛読いただいて、うれしい限りです。古くからの方はご存じのとおり、このとおり、毒舌ぎみではあるわけですがw
そもそも、その「累計プレイヤー数」という言い回しが気になってるんですが。ふつう有料会員数といいますよね。
ちなみにSCEAはネットワークアダプターの出荷台数をもって、「PS2をもっている人の1割がネットワークゲームを遊んでいる」といってましたねw プ
レイヤー人数=出荷台数がSCEJでも同様の法則なのかはしりませんが。でも「みんゴルオンライン」の初回出荷本数はそんなもんでしたっけね。まぁわざわ
ざ「累計」といっているわけですから、彼らは。
実際のところの有料会員が10万人達して、しかも継続する見こみがあって、はじめて「採算ライン」うんぬんというべきでしょうね。ネットワークゲーム関係
は、大本営発表だらけなので、あまり真に受けないほうがよろしいかと。「”大本営でも”、こんな数字なんだ、へー」ぐらいの解釈じゃないでしょうかw
# 「成功例」とされているFF11にしても、PlayOnlineの経費を複数の
# タイトルに分散していることも、黒字化の一因ですからねえ。
# ネットワークゲームとパッケージゲームは会計上の扱いかたに違いが
# ありますから、けっこう何とでもいえちゃうんですよね、現状。
それにしても、トータル赤字(採算ラインに乗って、一定期間継続しなければ黒字にはならない)の状態で、成功だの、マシだの、いうのはちゃんちゃらおかし
い話ですね。まぁPS2オンラインゲームなんてのは、基本的に爆死か、ゾンビ状態か、瀬戸際の攻防ぐらいしかないので、論じるに値せずではないですか。
まぁ、言葉とは裏腹に、あヴぁりさんは「MMORPGって意外といけるんじゃない」というコメントを引き出したがってるような印象を受けますがw いくら
言葉で否定しても、結局、行動で判断されるわけですよ。言葉で否定する前に、行動で示していただければありがたいですね。つまり、もっとまともな根拠を
もって語っていただきたい、ということです。
(それこそ、成果を示さないとリストラされる危険にさらされている社員じゃあるまいし、ということです)