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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年09月24日

草の根映像の今後?

FLASH制作ブームが沈静化したのではないか?という点について、ネット上で興味深い話題が盛り上がっています。

複数のブログが言及していて、いくつかの理由が挙げられています。
中でも大きいのは、見る側の目が肥えてきて、新しい人にとって敷居が上がってしまった事です。FLASHアニメがテレビで放映されるなど、世間的な認知や評価が上がる一方で、草の根っぽさ、良い意味での素人文化が少し失われてきたのかもしれません。

ぶっちゃけ、ボクも最近はFLASH映像を見る頻度は減っていて、特にクオリティが高い物だけ観ています。
見る側として素直に感じるのは、作品を表現するメディアとしてのFLASHが増えていくにつれて、ネタを楽しむメディアとしてのFLASHが減ってきたことです。

そういう意味では、YouTubeの登場も大きいですね。違法性をあまり意識しない形で、みんなが気楽に動画をアップできるようになりました。ネタは鮮度が命ですから、ニュース番組や過去の映像を切り貼りする方がFLASHアニメを作るよりも手早いです。皆さんも時事ネタ等のFLASHを見る機会が減っていないでしょうか? 鮮度命の映像はほとんどYouTubeで済ませられるようになりました。

またアニメのパロディについても同様で、異なる作品の映像と音楽を編集で組み合わせたMADアニメの方が品質の点で優れていますし、オタク受けもします。以前はアニメのオープニングシーンをFLASHで再現した職人さんが注目を集めていました。FLASHでここまで出来るのか!という事自体が新鮮で、興味を持たれたわけです。でもそれもいつのまにか、当たり前のことになってしまいました。

ネットユーザーの大多数は、ネット上のコンテンツに「鮮度」以外の価値を見出していません。その場限りの、せいぜい1週間も持てばいいものです。著作権的にはより黒い方向に近づいたものの、見る側は気にしていません。何というか、もはやユーザーにとって、クリエイターは多くは必要ないのかもしれません。いや、それは言い過ぎなのですが、クリエイターとユーザーの間にいくつか段階があって、その途中の段階の人たちがたくさんいれば、それで回ってしまう。

例えば、
    1次クリエイター
    2次クリエイター (インスパイア、模倣、パロディ、・・・・)
    N次クリエイター?
    ネタFLASH系
    ネタ動画編集
    話題になった動画をアップする人
    YouTubeの動画にリンクを貼って紹介する人
    視聴者
って感じですかね。

「作者」が存在しない方が広まりやすいという意見もあって、なるほど納得です。まぁクリエイティブで飯を食っている人間にとっては、厳しい話ではあるんですが。そこに適応してこそ、ですけどもね。
なぜYouTube動画は伝播するのか?GilCrowsの映像技術研究所

・「〜〜が作った」という情報は無いほうが広がりやすい気がする
  →匿名動画だと無駄な嫉妬、やっかみ、叩きも起きない
・作者のもとを離れた動画は拡散しやすい
  →バイラル広告と同じで作者の意図が見えないほうが拡散しやすい?
  →むしろAAや画像のようにブログや2ちゃんねるなどで共有されてこそ広がる

参考:You Tubeで花開くMADアニメ

Posted by amanoudume at 2006年09月24日 02:50 個別リンク
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コメント

私が思うに「対価がネット上での賞賛しかない」ということも大きいのではないでしょうか?

 膨大な手間と努力をかけて作ったものがあっという間に広がり、それに対して「スゲー」だの「作者は天才」だの言われるのも恐らく数ヶ月。では手元に何が残るかと言われれば・・・ですよね。

 同人誌のように見返りが「お金」として入ってくれば、もっと長く続くかもしれませんが、結局無報酬の仕事というものを本当に「好きなだけ」で続けられる人間というのはごく一部です。

 ある意味、私はファイル共有ソフトやらYouTube普及の未来はこんな感じになってしまう(素材となるクリエイターが儲からないための枯渇)になってしまうんじゃないかと危惧してますが・・・考えすぎですかね?

 有名な言葉「評論家は100人いても釘一本打てない」

どこに書いたらいいのかわからないので、最新記事に書きますね。

ボクは全部買う。・・・・が、それにしてもゲームショウは萌え爆発ですな。

という記事にコメントを書こうと思っていたら記事がなくなっていました。
この記事はどこへいったのでしょう?

掲載していたのは10数分だと思いますが、よく気づかれましたね。
いや、ご迷惑をおかけしました。

ちょっと記事を一度にアップしすぎだと思ったので、25日付けの記事に
回しただけです。

DAKINIさんはじめまして。
いつも楽しく読ませてもらっています。

FLASHについては、「Wiiコン+エロゲ」というタッグで生き返るかもという話がネット上でされてました。
萌えゲでもいいとは思うんですが、ひょんなところからFLASH復権かも知れませんね。
(あくまでWiiがある程度普及しなければなりませんが)

DSブラウザもFLASH対応なら今頃誰かが作っていたかも知れません。

FLASHはあまり詳しくありませんが、思い出したブログの記事があったので、コメントします。(その記事もチェックはされているとは思いますが、一応)

まず、その記事です。

■ワーナーのコンテンツ・プラットフォーム戦略?
http://blogpal.seesaa.net/article/24072741.html

> その結果、素材を使って遊ぶ人達がどんどん増えて、ハルヒってアニメが、一種のプラットフォームになったんです。

それで、連想したのが、下の記事です。

■「汎用機」の時代から「複数の専用機」の時代へ
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/09/post_274.html


> もう1つは「ハードウェアを越えた付加価値」を育てることに注力し、その付加価値の自然な要請にしたがった戦略を取ることです。

要は、ソフトウェア・プラットフォームとか、コンテンツ・プラットフォームとかという流れです。当たり前かも知れませんが、コンテンツ商売の場合、中心となる何らかの「軸」が必要であり、その「軸」における何らかの「規約」や「制限」がユーザーに手軽さと利便性をもたらすということを再認識しました。(もちろん、その上での「自由」が(ある程度)保障されているという前提の話です。例えば、YouTubeの場合、YouTubeというサイト自身が「軸」になっており、そのことがユーザーに利便性をもたらしています。また、当然、ハードウェアも一つの「軸」ですし、ハルヒというキャラクターも一種の「規約」や「制限」です。)

で、FLASHの話に戻りますと、今後のFLASHはゲームの方向に行くのではないかという話をどこかで読みました。(URLは失念)

それで思ったのは、AdobeもFLASHをいう「軸」を最大限に生かすために、FLASH制作ソフトのスタンダード版みたいなものを無料で配って欲しいということです。無料版の場合には、FLASH再生時にリアルタイムでAdobeのサイトから広告を拾いに行って表示し、Adobeに金が入る、というような仕組みにするなど出来ると思うのですが。(プロ版は、クリエーターが広告を入れられるとか(Adobeが広告代理店的なことをやってくれると嬉しい))

FLASHの場合、「鮮度」では、どうしてもYouTubeには勝てないと思いますが、ゲームの場合は何回もプレイしてしまうような「強度」のある作り(=ゲームならではの儲かる作り)が可能なのではないかと思いますし、私はその辺が単なる動画ではない、ゲームの魅力だと思います。というか、簡単にゲームが作れるFLASH制作ソフトを無料で配って欲しいのが本音です。

「FLASHブームは終わった」という今回の話題が広がった時に、でも
FLASHゲームは未開拓だよね、と書いたブログはいくつかありますね。

FLASHは直リンはやめてとかいう暗黙の文化があったり、割と紹介
する側からすると面倒な部分もありますし、プラットフォームとしては
YouTubeの方が便利ですね。

作る側の論理より、言及する側、消費する側の論理が強い、というのは
商業創作に限らず、個人創作にも当てはまることです。クリエイター
地獄は、必ずしもプロにだけ当てはまるわけではない、という事
かもしれません。

マス・アマチュアリズムは最初は、プロとアマという2項的な理解で
進みますが、実際にはアマの中にも階層化が進行しているのだと
思います。

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