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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2005年03月28日

新しい「文化」を作っていける快感

パワーハートさんや、Nintendo DS ブログ
んが「探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件」の感想を掲載されています。正直、DSユーザーにはあまり注目されていなかったソフトだったと思うので
すが、意外と(失礼)期待できる内容のようです。
ボクは時間がなくて、15分ぐらいしかやってないんで、感想を書く資格は到底ありませんので、感想を掲載されているサイトを紹介するにとどめておきます。
1本1本のゲームをきっちりクリアする時間はないんですが、なるべく多くのDSソフトをさわっておこうと思っているんです。メニューのインターフェイスや
基本操作を試すだけでも、参考になりますので。

「選択+決定」文化と「選択→決定」文化
複数のゲームを遊んだDSユーザーなら気づいていると思いま
すが、DSの現状として、メニュー1つ取ってもまだ標準の操作系は定まっていないんですよね。大きく分けて2つの方法があって、1つはタッチ1回で次の画
面に行くという方法(ZOO
KEEPER、マリオ64DS、タッチ!カービィ)。もう1つはタッチ1回で説明が出て、次の1回で決定になるという方法です(メテオス)。後者の方法に
は、タッチ1回目で「はい」「いいえ」の選択肢が出てくるという物もあります(メイドインワリオ)。
十字キー+ABボタンの世界では、A) カーソルを合わせる → B) 決定する という流れでした。なので、A) カーソルを合わせる
の時点で、何らかの説明を出すタイミングがあったわけです。マウスの世界も同じで、マウスはカーソルに対して、移動量を相対的に与えていくものですから、
A) カーソルがアイコンの上に来る → B) マウスをクリックする という流れがあるわけです。
ところがタッチパネルの場合、画面に対して直接、絶対値で座標を指定します。A) と B) が同時に来るわけです。A) と B)
の間に説明を入れるという手段が使えないんですね。そのため、説明を間に挟むよりタッチして次に進むサクサクさを重視するか、十字キー文化と同様に「選択
→決定」という段取りをつくって説明を挟むか、2通りの方法に分かれているわけです。
また、アドベンチャーゲームでも、画面をタッチして調べる操作が2種類あります。
1つは「アナザーコード」のようにカーソルが画面内に常に表示されていて、1回タッチするとその点へカーソルが移動して、もう1回タッチするとその場所を
調べる、という方法。ある場所を調べるのにダブルタッチする必要があります。
もう1つは「仮面幻影殺人事件」のように画面をタッチすると1回でその場所を調べる、という方法。カーソルは画面内に表示されておらず、十字キーを押した
時点で出現します。
「十字キー文化」も最初は白紙からスタートした
DSが世に出てきた直後、ゲーム開発者にも2種類の反
応があったわけです。まずは素直に自然に新鮮さを感じ取った人。もう一方は単純に「十字キー文化」と比較して、粗探しをしていた人。ファミコン20年です
から、「十字キー文化」ってのはすごくこなれているんですよね。だからついつい最初から完成度が高かったように錯覚してしまう。歴史を忘れちゃてるわけで
す。
例えば、ボクは先日ファミコンミニの「ゼルダの伝説」を遊ぼうとしたんですけど、ファイルの名前を入れてから、先に進めなかったんですよ。セレクトボタン
で「トウロク オワル」に持っていって、先に進むということを思い出せなかったんです。当時はセレクトボタンでメニューを選択するという操作が普通にあっ
たんですが、今はなくなってるから、とっさに思い出せませんでした。
ファミコンが始まった時には当たり前の操作が10年もすればそうではなくなっている。その間に変遷があったわけで、その変遷を作っていくのが作り手であ
り、そうやって「文化」ができていくんです。
この「文化」をフォーマットとか、慣習といってもいいです。
新しい標準のインターフェイスを手に入れた時、そこで次の文化、次の10年を作ることに快感をおぼえる人もいれば、そうでない人もいます。まっさらな白紙
に線を引いていくことを喜ぶ人もいれば、なんでマス目が印刷されてないんだ!と怒る人もいます。まぁ世の中にどちらの人が多いかは知りませんけど、ボクは
前者の人がなるべくたくさんいたほうが面白いと思います。
ちなみに、ボクが作るならという仮定でいえば(つまりボクの好みは)、メニューにしてもアドベンチャーゲームにしても、「タッチは1回」主義です。別段、
この選択が絶対的に正しいなどとはいいませんし、10年後にはどうなってるかわかりません。開発者によって異なる選択をしているのが現状ですから。
個人的に「タッチは1回」が好きな理由は、世の中のタッチパネルがそうなってるからです。券売機とかATMとか、そういう物って基本的に1回さわったら次
へ切り替わりますよね。タッチパネルの利点というのは、選択+決定が1回で済むことなんで、選択と決定で2アクションかかる文化に合わせちゃうのはどうか
な?と思います。そうなると十字キーでいいじゃん、ということになってしまいそうな気がするんです。
まぁ今は、DSのゲームもタッチパネルと十字キーのコンパチ対応のゲームが多いですし、過渡期なんでしょうね。今後どの文化が主流になるか?生き残るか?
を考えると、なかなか面白い。10年後が楽しみですね。

Posted by amanoudume at 2005年03月28日 13:32 個別リンク
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Listed below are links to weblogs that reference '新しい「文化」を作っていける快感' from 発熱地帯.
「選択+決定」と「選択→決定」
Excerpt:  発熱地帯さんにDSソフトのメニューの操作系についての記事が載っていました。 それによると、メニューの操作などで「タッチ1回で次の画面に行くとい う方法(マリオ64DS等)」と、「タッチ1回で説明が出て、次の1回で決定になるという方法(メテオス)」の大きく分け...
Weblog: Clockwork Nest
Tracked: 2005年04月01日 07:51

コメント

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件 アナザーコードはユーザーからかなり叩かれてましたが、このゲームは高評価のようですね。
やっぱり今時のユーザーは謎解き以上にストーリーがしっかりしている方がいいんでしょうね。

「タッチ!カービィ」は購入して、まだ半分終えた所ですが、
おっしゃる通り、うまい使い方をしていましたね。
(例)3個のセーブファイルは下画面、3個のセーブファイルの説明は上画面。
タッチパネルの場合、他にも「キャンセル」「もどる」アイコンをどこに置くか?も
ゲームによって異なっていますね。
右下、右上、左上というパターンを確認しています。
カービィは右上でしたね。これはピクトチャットも同じ配置でした。
WindowsというかPCのGUIで、ウィンドウを閉じるボタンが右上にあるからかな?
と思いました。

問題はメニューに留まりません。
「カーソル不在」はタッチパネル操作の大きな特徴。
(これはマウスとタッチパネルを峻別するものでもある)
旧来アクションなどにおいて「カーソル=自機」となる
のが常でしたが、それとタッチパネルが組み合わされば
「自機不在のアクション」が誕生しうるわけで。
現在の所タッチパネルの用法は「自機の間接操作」まで
の範疇に収まっていますが、「自機不在のアクション」
の登場には密かに期待をしているところです。

タッチ!カービィのステージセレクトは一回のタッチで説明、もう一度タッチすると決定になっています。
メテオスでも もどるボタンやタブメニュー、ステージセレクトなどは一度のタッチで決定されます。
これらを見るに選択内容に合わせて使い分けて行くようになるのではないでしょうか

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