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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年08月08日

ここ7ヶ月間のゲーム業界シェア(国内)

「データの祠」さんにここ7ヶ月間のゲーム業界のシェアが掲載されています。

踏みとどまれるかどうかという競争
1位が任天堂でシェア2割、2位がポケモンでシェア1割。あわせて3割かよ。 しかし任天堂が強すぎるというより、他がダメになってるだけですけどね。市場が厳しくなっている中、維持できている者とズルズル落ちていっている者の差が 出始めているのでしょう。日本のゲーム業界のみんなに落下重力がかかっていて、あとはどれだけ落ちないで踏みとどまれるか。そういう競争になっています。 別に任天堂がひとり素晴らしわけでもなんでもない。どこが一番マシか、という状態なんですよ。 スクエニ、カプコン、コナミ、バンダイはまだ踏みとどまれています。しかしその中でコナミは以前にくらべて、順位や存在感が落ちています。きびしい時代の 始まり。ズルズル落ちるか、踏みとどまるか、この1〜2年が節目になるんじゃないかな。
「ユニーク」という言葉をつぶやく者が一番マンネリな罠

SCEJは9位。もはや見る影もない。PS1時代の成功体験にもっともしがみついている会社。「バブルの時代の一発屋さん」たちに権限をもたせすぎているのが問題なのでしょうね。一発屋さんたちはかつてはユニークなソフトを作っていたのかもしれませんが、いまや「ユニークゲーム」というジャンルのソフトを作っているだけ。「ユニーク」という言葉の定義から明らかなとおり、「ユニーク」という基準は常に変動するんです。

影響力のありそうな人物がこういうことをいっているようではねえ……
まぁインタビューしたライターの文章のまとめ方の問題なのかもしれませんが。インタビューされる側とする側の現状認識がもろに出ていますね。以前、「昔は
売れていたけど、今はサッパリなギャグマンガ家」へのインタビューを読んだことがありますが、内容がそっくりです。とても笑える。さすがは「ユニーク」で
いらっしゃる。やーれやれ。
まぁ、厳しいですよね、「ユニーク」というのは。うっかりすると、「今のSCEは1回受けたギャグを何度もくりかえす痛いオヤジ」なんていわれてしまう。
もう2〜3年いわれ続けてますが、いまだに反省がありません。「保守的」という言葉を愛するように連呼する人間がもっとも「保守的」というのと、よくにた
症状でしょうね。やーれやれ。

なぜ逆転したのか、答えは明白
ナムコとセガはコーエーより順位が下ですか。この数年で逆転してしまい
ましたね……。ナムコは「塊魂」を始め、いいソフトも作ってるんですけど、雑なソフトの数がはるかに上回っています。みんな「ナムコ」という名前で出され
ているわけですよ。もう少し自分にきびしくあってほしい。今年〜来年が正念場でしょう。
セガにいたってはサミーに負けてるし。そりゃ去年ああいうことになるわけですよ。納得の極み。「売れる」とか「売れない」以前に、どうしてあそこまで「楽
しくないソフト」をいっぱい世に出しているのか。まぁ他のゲーム開発者のBLOGを読むと、「開発者のこだわり」とか、「硬派なゲームづくり」なんかはあ
るらしいですね。
しかし、遊んでいてつらいだけのソフトばっかりですよ。たまに「つらくないソフト」が出たかと思えば、「つらくないけど楽しくもないソフト」ですし。
「ちっ、今時のユーザーちゃんにあわせて、ラク〜にしてやったぜ。感謝しろよ」などと舌打ちしながら作ったようなソフト。あるいは「オタクなユーザーちゃ
んにあわせて、女の子を出してやったぜ。釣られて買えよ、バカめ。中身はむつかしーけどな。ケケケ」みたいなソフトもありましたね、去年の年末。
あるいは「オタクに媚びなきゃ売れねーから、媚びてやったぜ。ありがたく受け取れよ、ホラ」ってソフトもありますねえ。……ああ、これはナムコもよくやっ
てしまうんですよねえ。お客に「寄生」して生きている分際で、やたら偉そうというか。いったい何様なんだろうなー。ゲームって娯楽のはずなんだけど、ボクの知らない間に別の何物かにかわってしまったんでしょうかね?

地球上でどれだけの人間がゲームをつくっていると思っているのか

以前「我々はいまだゲームを知らない」
もかきましたが、ゲームづくりの腕、あきらかに全体的に落ちてきてますよ、日本は。欧米が良くなったのはたしかですが、それだけで差がうまったんじゃな
い。日本が落ちたんです。
まぁ日本のゲームって、「普通にできている」ことはできているんです。でも「普通」って言葉は最悪なんですよ。要するに他が劣化したら、ずるずるずるずる
「普通」の基準も劣化していくわけじゃないですか。「普通でいいよ」って言ってると、結局、自分の基準より下のものしかできないんです。いつのまにか劣化
して、売上も下がって、また劣化して、また売上も下がって……。
「自分が劣化している」と自覚しないと、ずるずる落ちる一方なんです。劣化重力というものをつねに自覚していないといけない。それを忘れ
たらダメですよ。自分が普通だとか、劣化しないとか、そういう錯覚に身をゆだねていたらダメです。人間、生きていたら、どんどん劣化していくんです。
一昔前はともかく、今はもう欧米でも、中国でも、韓国でも、台湾でも、インドでも、中東でも、世界中のあちこちでゲームが作られているわけです。地球上で
いまどれだけの人間がゲームを作っていると思っているのか。「普通」なんてものは、別に日本人が作らなくたって、もっと安く他の地域で作れるわけです。
「どこでだって作れるようなゲーム」はまさしくどこでだって作れるんです。そんなもの、日本人の開発会社にふらずに、もっと安い地域の開発会社にふればい
い。
日本がゲームを作らなくても世界は何も変わらないのであれば、その会社がゲームを作らなくても何も変わらないのであれば、お前1人がゲームを作らなくたっ
て何も変わらないのであれば、本当に仕事なんてなくなっちゃうんです。いまや、それが可能な時代になったんですから。
これはボクの人生論ですが、ボクらは「地球にいったい何人の人間がいると思っている? お前1人がいなくたって地球の重さは変わらない」という言葉を突き
つけられて生きているんです。それに抗って生きられないなら、さっさとフェードアウトしたほうがいい。生きてたって何の意味もない。数十億の人類なんても
んより、人間1人のほうが重い。そのありえない価値を立証してこそ、人生は意味をもつ。
結局、自分の価値を立証できない国が、会社が、開発者がどんどん落ちている、それだけのことなんですよ。たとえば20位に「日本一ソフトウェア」の名前が
しっかり入っていますね。日本中ぜーんぶひっくるめて、それで20位ですよ。数年前にはありえなかったランキング。いまやそれが現実のものになりました。
なぜか?
簡単ですよ。
踏みとどまって価値を立証してきた者と、ずるずる落ちていった者の違い。ただ、それだけです。

Posted by amanoudume at 2004年08月08日 08:35 個別リンク
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2nd Q はダラダラだったなー。
Excerpt: 第2四半期はかなり下方修正しなけりゃいけないですが。単純に中だるみ。なので、どっかに書いておかないと忘れるので、プロフィールに書きます。まずは、 基本的なことを。 朝は6時に起きる 暇があったら本を読む 1分以内に終わることはスグやる まずは、基本的で実...
Weblog: kenyamの日記:wah-wah pedal
Tracked: 2005年06月19日 14:51