「データの祠」さんにここ7ヶ月間のゲーム業界のシェアが掲載されています。
SCEJは9位。もはや見る影もない。PS1時代の成功体験にもっともしがみついている会社。「バブルの時代の一発屋さん」たちに権限をもたせすぎているのが問題なのでしょうね。一発屋さんたちはかつてはユニークなソフトを作っていたのかもしれませんが、いまや「ユニークゲーム」というジャンルのソフトを作っているだけ。「ユニーク」という言葉の定義から明らかなとおり、「ユニーク」という基準は常に変動するんです。
影響力のありそうな人物がこういうことをいっているようではねえ……。
まぁインタビューしたライターの文章のまとめ方の問題なのかもしれませんが。インタビューされる側とする側の現状認識がもろに出ていますね。以前、「昔は
売れていたけど、今はサッパリなギャグマンガ家」へのインタビューを読んだことがありますが、内容がそっくりです。とても笑える。さすがは「ユニーク」で
いらっしゃる。やーれやれ。
まぁ、厳しいですよね、「ユニーク」というのは。うっかりすると、「今のSCEは1回受けたギャグを何度もくりかえす痛いオヤジ」なんていわれてしまう。
もう2〜3年いわれ続けてますが、いまだに反省がありません。「保守的」という言葉を愛するように連呼する人間がもっとも「保守的」というのと、よくにた
症状でしょうね。やーれやれ。
以前「我々はいまだゲームを知らない」で
もかきましたが、ゲームづくりの腕、あきらかに全体的に落ちてきてますよ、日本は。欧米が良くなったのはたしかですが、それだけで差がうまったんじゃな
い。日本が落ちたんです。
まぁ日本のゲームって、「普通にできている」ことはできているんです。でも「普通」って言葉は最悪なんですよ。要するに他が劣化したら、ずるずるずるずる
「普通」の基準も劣化していくわけじゃないですか。「普通でいいよ」って言ってると、結局、自分の基準より下のものしかできないんです。いつのまにか劣化
して、売上も下がって、また劣化して、また売上も下がって……。
「自分が劣化している」と自覚しないと、ずるずる落ちる一方なんです。劣化重力というものをつねに自覚していないといけない。それを忘れ
たらダメですよ。自分が普通だとか、劣化しないとか、そういう錯覚に身をゆだねていたらダメです。人間、生きていたら、どんどん劣化していくんです。
一昔前はともかく、今はもう欧米でも、中国でも、韓国でも、台湾でも、インドでも、中東でも、世界中のあちこちでゲームが作られているわけです。地球上で
いまどれだけの人間がゲームを作っていると思っているのか。「普通」なんてものは、別に日本人が作らなくたって、もっと安く他の地域で作れるわけです。
「どこでだって作れるようなゲーム」はまさしくどこでだって作れるんです。そんなもの、日本人の開発会社にふらずに、もっと安い地域の開発会社にふればい
い。
日本がゲームを作らなくても世界は何も変わらないのであれば、その会社がゲームを作らなくても何も変わらないのであれば、お前1人がゲームを作らなくたっ
て何も変わらないのであれば、本当に仕事なんてなくなっちゃうんです。いまや、それが可能な時代になったんですから。
これはボクの人生論ですが、ボクらは「地球にいったい何人の人間がいると思っている? お前1人がいなくたって地球の重さは変わらない」という言葉を突き
つけられて生きているんです。それに抗って生きられないなら、さっさとフェードアウトしたほうがいい。生きてたって何の意味もない。数十億の人類なんても
んより、人間1人のほうが重い。そのありえない価値を立証してこそ、人生は意味をもつ。
結局、自分の価値を立証できない国が、会社が、開発者がどんどん落ちている、それだけのことなんですよ。たとえば20位に「日本一ソフトウェア」の名前が
しっかり入っていますね。日本中ぜーんぶひっくるめて、それで20位ですよ。数年前にはありえなかったランキング。いまやそれが現実のものになりました。
なぜか?
簡単ですよ。
踏みとどまって価値を立証してきた者と、ずるずる落ちていった者の違い。ただ、それだけです。