最近の記事
カテゴリー
過去ログ
検索


このサイトについて
このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2004年04月14日

モチベーションの危機?

「クリエイティビティーの危機」について書こうかと思ってたんですけど、それに関連する話題として、まずは「モチベーションの危機」について。
虚妄の成果主義…仕事の満足は「給与より達成感」
> −−それでも成果主義を導入する企業は多い
>  「幻想を抱いているからです。優秀な人材が集まるといわれますが、間違い。
> 就職活動でも、最初は給与水準も気にするでしょうが、最後は面接の雰囲気や
> 会社のビジョンが決め手になる。

>  −−給与制度の問題ではないと
>  「給与制度をいじるのは禁じ手。仕事内容や公平な評価で社員をやる気に
> できないと認めているようなもの。優秀な社員には、トップ自らが高級料亭ででも
> ねぎらって、経営への意見や疑問を聞くだけで、社員は『期待されている』とやる
> 気が出ます。実際、うまい会社は、トップが研修で『会社をこうしたい』とビジョンを
> 話したり、社員の質問に直接答えたりしています。コンサルタントから導入を勧め
> られた経営者は、『バカにするな!』と怒るべきです」

技術系の45%やる気減退 3年前と比較、民間調査
> 成果主義賃金の導入や人員削減が進む中、ソフトウエアやハードウエアの開発、
> 設計など技術立国日本を支える技術系社員の45%が、3年前に比べて仕事
> へのモチベーション(やる気)が下がったと考えていることが13日、リクルートがネット
> 上で運営している「Tech総研」の調査で分かった。

> 低下の理由(複数回答)は、職場の人間関係の悪化を挙げた社員が69%で
> 最も多く「事業戦略の閉塞(へいそく)感が増した」(65%)、「評価・待遇に不満」
> (64%)が続いた。

アニメ界の「寅」が下請けビジネス変えた プロダクション・アイジー社長 石川 光久さん(45歳)
> ――でも、単純作業を嫌う人はいるでしょう。
> 石川 与えるものをはっきりさせればいい。アニメーターに必ずチャンスを与えるのが
> うちの社訓です。その代わり、人を感動させるのが仕事なんだから、感動させられ
> なければ、次のチャンスはないかもしれない。一方、会社には忠実な歯車も必要。
> 工程管理などをする裏方はだれもやりたがらないから、お金などで報いる。

梅田望夫・英語で読むITトレンド「従業員の満足度と企業経営の両立を図るAdobe」>
(1) マネジメントとの間でのトラストが存在すること、(2) 仕事に誇りを持てること、
> (3) 同僚との関係をエンジョイできること。この3点である。
> 「Great place to work」は、ぬるま湯と紙一重の関係にあるわけだが、
> 「You have to be tougher. We identify weak performers. We help them
> either up or out of the company. That was something that the
company > didn't have a very rigorous process [for] in the past.」
> 彼はそこを改め、過去になかった「up or out」(昇進するか去るか)のルールを導入した。
まぁ個人的には、多少の成果主義は必然だと思います。どんなシステムにしたって、評価や待遇の不満は出るものですし。ただ、それ以前に「採算性」を社員一
人一人が意識するような体制は必要でしょうけど。極端な話、ゲーム開発でいえば、モデルが動いているのを見たら、ポリゴン数やデータサイズだけじゃなく
て、お金が見えるぐらいが理想。そんなん考えてたら作れん、という意見はあるでしょうし、いきすぎは危険ですけど。
でも、もうそういうことに適応できない人間は要らないんだ、っていう話はしなきゃダメなんでしょうね。個性幻想というのがあって、「俺の変わりはどこにもいない」という妄想があるわけですけど、「いや、いくらでもいるんだぞ」という現実を突きつける必要があるわけですよ
米国にも中国にも、お前のかわりなんていくらでもいるんだ、っていうね。
まぁこんなことを書くと、感情的になる人もいらっしゃるかもしれませんが。
しかしボクは「売れないとダメだ」とずっと書いてきました。以前のBBS、さらに以前のサイトから一貫して。2、3年前にはまだ甘っちょろい認識の人が多
くて、そういうことを書くと、「売上厨」「売上しか頭にないのか」と叩かれたりしましたけどね。今、こういう状況になって、そういうことをいっていた人た
ちははたしてこの業界に生き残っているのでしょうか? あるいは今もまだそういうことを主張できるのでしょうか?
たしかにつらいでしょう。つらい……。でもそこを越えてこそ届く場所もある、と思います。それこそ幻想かもしれんけど。

Posted by amanoudume at 2004年04月14日 16:58 個別リンク

コメント

 福岡市内のコンシューマ向けゲーム制作会社(ええ、この時点でもう3社に絞りこまれてますが。)が、自社のシステムを説明するときに、おもしろいことを
言っていました。
「我が社の社員は、間違いなくヲタクです。ヲタクなので、引っ込み思案でコミュニケーションがとりにくい所があります。また、自分の意見が取り入れられな
いと、モチベーションが持続できません。だったら、それを解決するシステムを導入するのが社長の仕事だと思います。」
で、導入しているシステムが「3人一組で1チーム」形式。リーダー1人に直属部下2人。会議は原則この3人でやるそうです。(上役会議は、リーダー二人に
統括リーダー1人となるそうで。で、どんどん上に上がっていく。)3人だと絶対に全員しゃべらないと会議が成り立たない。なので、自分の主張が可能にな
り、モチベーションが維持できる、と。
ゲーム業界ならではのモチベーション維持策・会社システムをもっと真剣に考えるべきなのでは?

サイバーコネクトツーさんのお話ですね。
たしか昨年秋のgame++5で講演をされていて、ネット上にレポートが
上がっていたはずです。もちろん当時、興味深く読んでいます。割と有名な話
じゃないかなw
3人1組の構造の他には、プロジェクトが終わった後のリフレッシュ休暇中に
企画書を書かせて、全員の前で発表させる企画コンペを行っているらしい
ですね。次のプロジェクトの元になった企画を書いた人間には、”特別
ディレクション”権が与えられる、とか。
ただし、game++5の開催地が京都で、ゲーム関係者よりもむしろ学生の
参加者が多く、(会社の就職説明会ではありませんが)アピールがかなり
入っていたことは、多少考慮しなければなりませんね。一般に、面白い話ほど
冷静に受け止める必要があります。
まぁ実際には、会社の規模、扱うソフトの規模といったもので、それぞれに
合った方法論があると思いますが、考え方の部分は多くの会社が参考に
できるでしょうね。
>ゲーム業界ならではのモチベーション維持策・会社システム
それぞれの「解」を見つけるべきなのは確かですね。
ただ、基本的には、あまりゲーム会社というものを特殊化せずに考えたほうが
いいと思います。例えばサイバーコネクトツーのような少人数チーム制も、別段、
ゲーム会社ならではというものでもなく、シリコンバレーの企業などではかなり
前から取り入れていたりもします。
あえて一般論として書いているのは、講演等で情報を公開されている会社は
別として、そうでない会社について、あれこれ具体的な話を述べるのは避けて
いるためです。
まぁあえて”浪花節”に興じるのも可能なんですが、それはここでやるべき話だ
とは思ってません。
人間が働いて、そこにモチベーションを感じる、ということは、クリエイティブな
業界であろうと、そうでなかろうと、案外同じものです。
(ところで、もし学生さんでしたら、この話題については、正直あまり”突っ込んだ
議論”をしたいとは思わないので、申し訳ありませんが、控えていただけますか。
そうですね、ゲーム会社かどうかは問わず、せめて社会人2年目以降の人
のみに限定したいところです。)