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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年11月06日

満ちる。

ゲームとアニメの補完空間に溺れまくった!

『うたわれるもの』終了。
ここ数日まったく更新しませんでしたが、その間ずっとうたわれていました。
(参考:うたわれるもの、購入決定

いやー、非常にすばらしい出来ですね。もっと早く遊んでおけばよかった。
PS2版には新キャラのカムチャタールが追加されていて、いい感じにクロウのエピソードを膨らませてくれていますから、PS2版には満足ですね。PC美少女ゲームの移植というと、メモリの厳しさもあって、ロードがうっとおしい事もあるんですが、そんな心配はなく、きわめて快適に遊べましたし。あえていえば、アドベンチャーゲームパートで行き先を選ぶ部分、「さて次はどうするかな」の選択が出てくるまでの妙に長い間が気になりましたが。

ゲーム自体は20数時間で終わるのですが、並行でアニメ版も観ていましたから、少し時間がかかりました。ゲームを進めて、アニメを少し観て、ゲームを進めて、アニメを観ての繰り返し。ゲームとアニメの相互補完のループに耽溺していたわけで、まさにメディアミックス万歳であります!

購入をためらっている人はとりあえずアニメの1話、2話を観ることをオススメしておきます。物語の続きが気になったら、ゲームを買えばいいんじゃないかな。ゲーム内ではチュートリアル面にすぎなかった、森の主であるムティカパ(白虎)との戦いが、アニメでは迫力あふれる戦いに描かれています。また、ムティカパを神の使いとあがめていた村人たちが退治しようと決意するまでの過程や、いざトドメを刺す時に躊躇し、退治した後に罪悪感を抱く様子が非常に丹念に表現されています。この部分は原作を完全に凌駕していると思います。

『うたわれるもの』は、記憶を失った男が辺境の村に住む少女に助けられた所から始まり、全土統一に至るまでの戦記物にスケールアップし、最後は○○的な世界観につながっていく、壮大な物語。記憶喪失、獣、仮面、戦記、というと何となくグインサーガを思い出しもしますが(笑

アニメは2クール、26話あっても、全体に駆け足で進めざるを得ず、取りこぼしたエピソードがいくつもありますが、長大なストーリーをうまくまとめています。ゲームはSRPGで、戦闘部分は抽象化されているので、アニメを観るとそこが見事に補完されます。特にカルラの豪腕ぶりは、アニメ版でよりいっそう引き立っています。一方、時間の制限がなく、各キャラごとのエピソードを描きこめるゲーム版は、キャラの造詣を深く掘り下げてくれます。特に中盤から登場するトウカは、ゲームをやらないと、魅力の半分も伝わらないでしょう。
というわけで、ゲームとアニメの素敵な補完っぷりに大満足なボクでした。


全世界の「xxxxな人たち」へ

ところで最近よく言われることですが、日本の萌えオタコンテンツは全世界で通用するんですよね。
実際、海外ゲーマーがXBOX360版『アイマス』の海外での発売を熱望したり、日本人に生まれたかったと悶えているわけです。また欧米に限らず、韓国も同様。韓国ユーザーにとって美少女ゲームの代表作が『Fate / stay night』であり、NCSoftの元開発者が美少女スポーツゲームを作っていたり、「韓国のTYPE-MOON」をめざしてノベルゲーム開発に乗り出している会社がいたり。

結局のところ、どの地域にも一定数の「xxxxな人たち」はいるんですよね。ある層を狙うというのは、ある地域の「xxxxな人たち」へ向けて作るのではなく、全世界の「xxxxな人たち」へ向けて作る方が正しいのかもしれません。

任天堂のタッチジェネレーションにしても、最初は「日本だけの成功事例」と認識されていましたよね。しかし欧州の非ゲーマー層、北米の非ゲーマー層に向けてプロモーションしていくうちに、徐々に浸透していき、欧州の『nintendogs』300万本、『脳トレ』のロングランヒットにつながりました。当初はPSP有利といわれた欧米市場でも、ハッキリとDS優勢に傾いているのが現実。「日本は特殊な市場」という世迷言を一蹴する現象が頻繁に起きています。

そもそも『ポケモン』が良い事例だったはずなのですが、子供は年齢が低く、文化に深く依存していないから、というもっともらしい小理屈で片付けられてしまいがちでした。しかし他にも事例はあります。昔は和製RPGは日本以外では売れないといわれていましたが、『FF7』以降、和製RPGは欧米でも売れています。表現の向上で記号性が薄れただけでなく、ローカライズに力を注ぐようになったためです。『キングダムハーツ』の成功など、実際には日本の優良コンテンツは全世界どこででも通用しています。

オタであれ、非オタであれ、ライトユーザーであれ、ゲーマーであれ、全世界あらゆる地域にそういう人たちは存在するわけで、今後は「全世界のxxxxな人たち」に向けて意識的にソフト開発していくケースが増えるんじゃないかと思います。

もっとも「xxxxな人たち」の市場における比率は、各地域で異なっているのも確かですけどね。DSの勢いも、日本>欧州>北米ですし。具体的には、プロジェクトの予算や、ローカライズコスト、ポテンシャル市場の規模との兼ね合いになります。しかしまぁ各論はさておいて、日本向け/欧米向けというくくり方ではなく、(日欧米の)xxxxな人たち/(日欧米の)○○○○な人たちというくくり方で市場を捉える見方が今後ますます強まっていくと思います。

Posted by amanoudume at 2006年11月06日 21:33 個別リンク
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