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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年10月03日

コンシューマーでもショップ特典が当たり前になるのか!?

エロゲーの常識はコンシューマーの非常識。
普通は大型ショップごとに予約特典が違うんですね。メーカー直販ではテレカ、某ショップではCD、別の某ショップではマウスパッドなんてことも、よくある話です。

日本のコンシューマーゲームでは、ゲーム会社のほうが流通よりもかなり力が強いです。メーカーと流通のどちらの力が強いか、それは地域や業界によって異なります。米国では一般的に日本よりも流通の力が強く、特にウォルマートはメーカーに対してかなり干渉力を持っています。
奥谷海人のAccess Accepted 「米ゲーム業界を影から操るウォルマート」

しかし,ウォルマートはこれら内容の規制だけには留まらず,最近では実際にどのようなソフトを店舗に陳列したいのか,どのようなジャンルを扱いたいのかという要望までも各ゲームソフト販売会社に伝えているらしく,いくつかのメーカーに対しては,実際のゲームデザインまで指定したソフトを作らせているという話もある。大手のメーカーが売れそうもない映画や小説の版権に手を出したり,競うように廉価版や低価格帯のソフトを出し続けている陰には,ウォルマートの要求という要因も潜んでいるのだ。パッケージデザインさえ,プロデューサやマーケティング担当者ではなく,ウォルマートの幹部が決めている会社まであるというから驚きだ。
日本のコンシューマー業界では、ちょっと信じられないような話です。しかしエロゲー業界は、米国と同じように流通が非常に強い力を持っています。メーカーに資金力が無く、流通に資本力があり、開発資金を流通が出しているからです。エロゲー業界では、流通企業が開発会社を抱えているケースが珍しくありません。

また仮に資金を出してもらっていないにしても、数少ない売り場での扱いを良くしてもらったり、できるだけ入荷してもらったりするためには、流通への販促活動が不可欠です。もちろん流通への販促は、コンシューマーゲームの世界でも必要なのですが、エロゲー業界はその比ではないのですね。

さて、なんとメディア秋葉原店がPS2版『ひぐらしのなく頃に』の予約特典として裸エプロンテレカを付けるそうです。ショップ独自の予約特典そのものがコンシューマーでは珍しいのですが、よりにもよって「裸エプロンテレカ」とは!!!
メディオはエロゲーの特典として、裸エプロンテレカを付けることが多く、その筋では有名な店。そしてついにコンシューマーゲームにも裸エプロン。領分を越境するそのパワーには、驚愕するばかりです。
まっ、ボクは裸エプロンには興味ないんで、特にメディオで予約しようとは思いませんが。

それにしても美少女ゲームにおいては、PCゲーム業界とコンシューマーゲーム業界の境界が揺らいでいますね。流通サイドも、より多くの美少女ゲーマーに支持されるべく、いっそうの努力が必要になるのでしょう。こう言っちゃなんですが、コンシューマー業界の流通は売る努力が甘いな、と感じることが多いです。メーカー批判はご立派でも、特典はおろか、手作りPOPの1つも無く、売り場の最適化も不十分、という所が少なくないんじゃないでしょうか。

Posted by amanoudume at 2006年10月03日 01:51 個別リンク
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コメント

え〜と…
昔からありますし
結構普通のことですよね?

ゲーマーズ特典のなんちゃらとか
TUTAYA特典のなんちゃらとか
特におたく御用達のお店で買うとなんか付いてませんでした?

ちょっと違うかもしれないけど、最近ではコレは話題になりました。
http://www.dengekionline.com/data/news/2006/7/28/8a470197903728ec2f2e4aef75c1e12b.html

余談ですが
向こうでは流通様々ですよね。
需要と共にソフトの値段が下げれて
下げた分の差額を補填してもらえるそうで
そしてその究極として返品となるようです。

なんにしても日本じゃ考えられない制度なんで
中古の問題だとかレンタルの話だとか
流通がらみの話を比べるにしても、あまりに違いすぎて
もう、どっから比べていいのか…

文化から?

私はフリーザ様がコンシューマーに対してどうコメントするのかとても楽しみです。

>: banbaki さん

おっとツッコミどうもです。
美少女ゲーム系では、先例はいくつもありましたね。コンシューマー
という時に、ナムコ、セガ、バンダイ、コナミといったメーカーの予約特典の
付け方を念頭においていました。

ARIAについては、まあまさにエロゲ業界的な手法ですね。美少女
ゲームは境界がもっとも薄い領域ですよねえ。


> Albel さん
コンシューマー版ひぐらしは、実は全然期待しないでいます。
その方が心理的なダメージは少ないですからね・・・・。

> なんにしても日本じゃ考えられない制度なんで

異業種の自分の立場から言わせてもらうと、
値下げ補填も、売れ残った商品の返品もないゲームソフトの方が
“考えられない制度”なんですけどね。

返品不可の業態ならその分のリスクを考えて掛け値は安めになるハズですが、
それを考えるとゲームの掛け率は高いと思うし。

流通側の立場で言わせて貰うと、売買契約が買い取り制で相応のリスクを取って仕入れるのだから、MDに口を出すのは本来なら当然の権利、なのではないでしょうか。

ウォールマートくらいになっちゃうと、地域や全国レベルの人権団体や環境保護団体やら色々ウルサイ人たちの声も気にしなければいけないので、ゲームの内容やパッケージにもかなり神経質にならざるを得ない。「殺人ゲームを売ったのはおまえだ」と言われて不買運動を起こされた日には対応コストだけでも膨大になります。

日本の流通は流通で消化仕入れという阿漕な手段でリスクを取ろうとしないですよねえ。これなら原理的には返品が生じないですし(店で売れた分だけ店が仕入れたことになる)、在庫回転率はすごく上がったように見せられるし(仕入れたその日に売れたことになる)。そのくせ、MDには口を出してきます(口を出せる頭脳が残っている所だけですけど)。

ニッチなエロゲーとか同人系も委託販売に似たこの消化仕入れでやってるのかとも思いましたが、ああでもそうしたら力というか経済基盤のないところは持たないか。。。

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