『ゲド戦記』、公開初日に観てきたんですが、最初に書いた感想がこれ。
ただの駄作orz正直、この1行以上の感想がわきませんでした。なんつーか、普通につまらない、眠くなった、みたいな。で、記事はアップしなかったんですが、竹熊健太郎氏の感想を見て、やっぱり同じことを感じた人はいるなあ、と思いました。
『ゲド戦記』については、途中で寝たのもそうですが、とにかくこう、ものすごく感想の言いづらい作品ですね。単純にいいとか悪いとか以前に、感想書く気力そのものがわかないというか……。ボクはさすがに眠ることはなかったんですが、中盤すげえ退屈で退屈で、席を立ちたくなったのは確か。まぁ宮崎駿監督作品と違って、脇を固めるキャラクターに魅力が無いとか、描きこみに圧倒されるような映像が全然無いとか、細かく挙げていけば、色々書けるんですが。でも書いたってしょうがないじゃん、「普通につまんない。眠くなる。退屈」で十分じゃん、と思っちゃいます。
(ゲームだったら、ただのクソゲー。ボクは「クソゲー」も立派な感想という見解なんですが、「クソゲー」といいたい気分ってのはこういうもんですね。みんな、批評家気取りのおバカさんや、何かっつーと「ユーザーが保守的」なんて言うクリエイターもどきなんて気にせず、つまんないと思ったら「クソゲー」と言おうぜ。つまんないものはさ、言葉を費やしてもらえるだけの価値も無いんだよ)
ネットではジブリ崩壊論が盛んになってますね。一方で「宮崎Jr.擁護派」が色々書いてますが、「そんなにイジめんなよ」「そもそも後継者なんていないんだよ」「初めてであれだけやれれば十分だろ。俺は楽しめた」みたいな意見は見かけるものの、結局のところ、内容を絶賛している人っていないような。
宮崎駿が人を育てるのが下手だという話はえらく有名ですし、ジブリの組織としての問題点を指摘する論考は増えてきています。
さて次の企画は 「Ζガンダム劇場版で見る富野と宮崎の教育観の違い」(続き)
若手がはじめて仕事をやるときには、未熟であって当然。先達がやろうとしていることの70%も出来れば、それだけで才能あるのだが、それを頭ごなしに怒ることはいけない。非常に難しいのだけれでも、正しい方向へ進むように様々な方法を使い、かつ自分のもっている知識をふるい分けながら後進が受け取ってくれるように伝えていくことが非常に重要だ。自分のデッドコピーを作ってもしょうがない。差異と出来に多様性を持つ継承者を山のように作った先達の方が文化戦略的に勝つのは間違いないということか。
愛・蔵太の少し調べて書く日記 「日本のロケット開発の失敗・成功例と現状から、日本のアニメについて考える。」
「失敗してもたいしたことはない」環境で、フォーミュラ・パターンなものの作りかたを勉強する場がある、ということは、人材育成の裾野を広げる意味があるので、実際には「人材育成」なんてことは言うほどには簡単ではないんでしょうが、「才能(センス)のある人間に、商業的価値のある作品を作るコツを教える」という点では、ものすごく意味があるわけですね。特に「ローコスト」というのも重要かもしれません。結局、言っていることはみんな同じで、失敗を許容しないと、人は育たない。だからいずれ組織がもたなくなる。まぁもちろん机上の理論としては、失敗ゼロで人が育てばそれに越したことは無いんですが。そんな事あるわけない。
というか、失敗しなきゃ身につかないのが人間でしょう。人間ってのはそれぐらい物覚えが悪い生き物だと思うんですけどね。最近「失敗学」なんかが流行ってるのも、バブル崩壊からの長い不景気の間に、日本企業が失敗を許容しない組織になってしまったことの反省からきているわけですよね。
うーん、だから「どうやって失敗させないか」ではなくて、「どうやって失敗させるか」が重要なんでしょうね。こう書くと、積極的に失敗させよう、陥れようとしているかのように読めますが、そうじゃなくて。フォロー可能な程度に失敗させる、より正確に言えば、フォロー可能な程度には好きにさせるのがいいんじゃないか、と。まあ本当に放っておくと、あさっての方向へ行っちゃうこともあるわけで、実際にはなかなか難しいんですけれども。
んー。色々書きたいこともありますが、それは控えておいて。ゲーム業界について、すごく大雑把にいえば、予算が低い携帯ゲーム機のプロジェクトを増やすのがいいんじゃないかと思いますね。「据置→携帯」シフトが進んでいる今は、人材育成のチャンスだと思います。例えば、重厚長大の極みをいくスクウェアエニックスなんて、もっと携帯ゲーム機のラインを増やしたらいいんじゃないかなあ・・・・。1本3年弱の大作RPGばっかりじゃ、そりゃ失敗できないし、人も育ちませんよ。
Posted by amanoudume at 2006年08月03日 18:48 個別リンク
コメント
ゲーム業界は大作物や続編ばかりで、
冒険しなくなりましたね特に、
バンダイナムコのティルズシリーズの、
乱発は酷いもので見ていられない。
でもゲームはご指摘の通り、
携帯ゲームという道があるけど、
アニメの方は海外に仕事丸投げで、
比較にならない位心配です。
投稿者: うれっこ | 2006年08月04日 00:42
携帯ハード(特にDS)自体が、今まで路線を踏襲したところで太刀打ちできなくなってますから。
それならば若手の育成場と割り切ってチャレンジャブルなソフトで攻めていく
という方向転換でもしない限り、長期的に見て生き残れないですよね。
投稿者: BAN/ | 2006年08月04日 14:36
今年、ナムコを辞めたものですが、ナムコは現在、開発者の携わったゲームの売り上げによってボーナスにえらい差が出る「成果主義」を導入しています。
が・・・これが完全に悪い方向に向かっています。つまり売り上げが見込めるシリーズモノ、続編に希望者が集中し、乱発状態になっています。
また、さらに悪いことにナムコという会社は非常に保守的で企画にGOサインが出るまでが長い(平均で2年近く)という足の重さがそれに拍車をかける結果になっています。
よく考えたら太鼓の達人も塊魂も、その他ナムコの往年のヒット作はどれも「他より抜きん出たアイデア」作品が多かっただけに、今の状態ではジリ貧なのは目に見えてます。
私の携わったアーケードギャルゲーも販売前は社内で相当「こんなの売れるわけがねえ」という批判的な意見が支配的だっただけに、革新的なソフトを許さない土壌は辛かったです・・・今後バンダイのお荷物として切り捨てられるか、またはセガのように復活するかは社員の柔軟性とそれを許し、うまくコントロールできる組織が出来ればよいのですが。
まあ、見限った私が言うのもアレですけど(W
投稿者: キヨスキ | 2006年08月06日 02:27
>キヨスキさん
バンダイナムコは「成果主義」の失敗例としてよく挙げられますね・・・・。
スクウェアも売上で報酬をかえて、ボロボロになってたのになあ・・・・。
組織内の過剰な競争を煽るやり方、あまり上手くいかないですよね。
ナムコの噂は色々聞くわけですが、なんか経営陣が「コンサル馬鹿」に
騙されてるような気が。(まぁ現代的な企業にしようという試み自体を
すべて悪とみなす必要は無いんですが)
企業が不調な時は、そういう輩が寄ってくるわけですが、撥ね退けないと
ダメですよねえ。あんな連中にゲーム会社の良い経営がわかるわけ
ないんだから(笑
溺れる者は藁をも掴むというやつでしょうか。以前も書いてますが、
基本は「種は必ず社内に落ちている」と経営者が社員を信じることですよね。
内部から湧き上がる物でなければ、本当の力にはならないんですし。
まあ革新的なソフトをぽんぽん許すような企業なんてまず無いのは確か
ですけども。今は成功している任天堂だってラインナップのうちの一部ですし。
個人的にナムコに感じるのは、微妙に中途半端な「新しいゲーム」が
多いなあ、と。DSでも意欲的といえば意欲的に新しいゲームを作って
いると思うんですが、ある枠からはみ出ないんですよね。
新しい「アクションゲーム」、新しい「パズルゲーム」、新しい「既存の
ジャンル」みたいな。まー、バンダイというかqbの例ですが、ボクは
「メテオス」のどこが新しいのか、わからなかった人間なんで(笑
ゲームの作り手の考える新しさが、はたしてゲームにあまり興味の
無い人たちにとっても新しいと感じられるものなのか。ゲームに詳しいから
そのゲームを「新しい」と判断できるというような「新しさ」。それは本当に
新しいのか。少なくともある枠の中だけで通用する新しさですよね。
「3つ揃えたら、消えるんじゃなくて、打ちあがる」って、それが新しいと
わかる人は、落ち物パズル知ってる人だけですからね・・・・。
まぁ水口氏の出した枠がそもそも「落ち物パズル」だったらしいですが、
なんかよくわかりませんよね。
普通の人はテトリス+WiFiで喜んで遊んでいるわけでしょう。そう考えると、
少なくともユーザーを楽しませるという事と、新しいルールをひねったり、
いじったりする事の間には、何の関係もないんですよね。
うちのコメント欄の議論でいえば、ゲームの作り手はユーザーに
「Exciting」を提供することに偏りすぎていたんじゃないかということですね。
もうちょっと「Fun」「Interesting」に戻ってもいいんじゃないか、と見直す
時期に入ったのかなーと思います。
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/07/pcds.html#comment-2511
投稿者: DAKINI | 2006年08月06日 06:04
結局「成果」というのを「報酬」にのみ頼った考え方だから破綻したのかもしれません。>ナムコ
例えばそれまで手取り月30万だった人がヒット作を出して50万になったとします。その瞬間は嬉しいはずです。で、それが当然と思ってしまい、次回40万になった時、どう感じるか?「次こそはがんばろう」と思うより「やる気出ない」と、なりがちです。数字とは案外そんなもので。
仕事のやりがい、というのは、金銭面より内容やユーザーの評価の方が大きいものです。特に遊びを作るメーカーにはこれが非常に大切ですから。
もちろん、優れた業績を出した人にボーナスを多く出すのは当然ですが(それがボーナスという本来のシステム)それは「最低限の賃金を確約した上での」プラスマイナスでないとやる気が削がれます。
成果主義を金でしか考えられない経営コンサルティング会社とは根本的に違います。お遊びで経営は出来ませんが、遊び心を忘れたらゲーム会社としては崩壊します。
投稿者: か | 2006年08月06日 13:44