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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年07月24日

線を引いているのはいつだって業界人の側

ゲーム業界でも「Web2.0」という言葉を抵抗感なく受け入れていく人々が目立ってきました。

1.BBAのSIG-OG第9回はWeb2.0をメインテーマに

ブロードバンド推進協議会(BBA)のオンラインゲーム専門部会(SIG-OG)が第9回研究会を開催。Web2.0時代のオンラインゲームがメインテーマだったようです。
オンラインゲームはWEB2.0をめざすのか? SIG-OG第9回・山口浩氏講演

山口氏は最初に、オンラインゲームはウェブサービスである、という視点を提示した上で、WEB2.0の特徴である「チープ革命」「総表現社会」「マス・コラボレーション」という現象が、オンラインゲームにどのような影響を与えるについて論述した。

韓国MMORPGの行き詰まりは日本の未来を示すのか SIG-OG第9回・魏晶玄氏講演

魏氏はWEB2.0の特性を「開放性」「参加」「共有」「連結」という4つのキーワードで説明。実例として、韓国の検索ポータル「Naver」における「知識in」(チシギン)サービスについて紹介した。

また記事の締めくくりとして、ゲームライターの小野憲史氏が両氏の講演内容をうまくまとめています。

今回の両氏の講演は、共にオンラインゲームを「ゲーム」としてだけ捉えると、視野狭窄を招いてしまう、という点で共通していた。一方でテレビゲームを「ゲーム」としてだけ捉えると、縮小再生産に陥ってしまう、というのは日本のゲーム開発者の共通意識だったはずである(「脳トレ」などのヒットも、こうしたゲームデザインにおけるラジカルな思想が背景にある)。伝統的なコンソールビジネスがオンラインで「テレビゲーム2.0」になりえるか。大きな課題だろう。
みなさんもご存知のとおり、任天堂のTouch Generations!、Web2.0のゲームへの取り込み、シリアスゲームへの注目など、ゲームの定義を幅広く捉え直そうという動きがゲーム開発者の間で活発になっています。また、そうしたゲームの定義を広げるようなソフトの中から、市場で大ヒットを飛ばす例が目立ちます。ユーザーもゲームの拡大を歓迎している証左でしょう。


2.Game Watch編集部もWeb2.0時代のオンラインゲームを特集

SIG-OGだけでなく、メディアの側にもWeb2.0への敏感な反応が見られます。Game Watch編集部がWeb2.0時代のオンラインゲームについての連載記事を始めました。色々と模索はあるかもしれませんが、新しい動きに素直に反応しようという姿勢は大いに賞賛すべきでしょう。
アラン・ブラフォードの「OnlineGame 2.0」論

ゲーム系メディアはこれまで、ややゲーム業界用語にこだわりすぎた感があります。そのせいで、世の中の人たちからゲームは特殊だねと思われる反面、時代遅れだね、ビジネスにならないね、無関心でも構わないね、何してるかよくわからないね、と負のイメージが広がっていきました。

世間の人たちに受け入れられている新しい言葉を素直に使ったほうがいいでしょう。最近では、ゲーム開発者も、ゲームメディアも、最近はゲームの外へ向かっていく動きが顕著になってきました。ゲームとそれ以外のメディアの間に、勝手に線を引いていたのは業界人の側なんです。


関係ないけど
「マスプロモーション衰退後の世界」の後編を早く書け!とツッコまれそうですが、それはさておき、

こういうのを見ていると、もっともらしいプロモーション論がえらく遠くの言葉に聞こえてくるから不思議です。アキバに限らず、ショップのPOP文化は、いつも軽快で良いですな。ジャンルだの、ユーザーだの、嗜好だの、企業の側が勝手に引いた境界線を軽々と飛び越える。線を引いているのは、いつだって業界人の側なんだよな。

Posted by amanoudume at 2006年07月24日 23:43 個別リンク
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コメント

そういや、脳トレが売れた時も「脳トレはゲームじゃない。」と騒いでいる人達がいましたね。

そうやって、境界線の向うだからというのは錯覚でしかないんですよね。
自分で引いた境界線なんて他者から見れば関係ないですもん。

小泉首相の「自衛隊がいるところは非戦闘地帯」並に馬鹿げた理論です。

>BAN/さん

まあ、そうですね。
おそらく各社で『脳トレ』の分析は進んでいる『はず』で、当然
あれが非ゲームの皮をかぶったゲームである事は常識レベル
だと『思いたい』です。

でもその割に、脳トレのフォロワーと言われているDSの一群の
脳鍛ゲームは、どれもこれも『脳トレ』以前のIQゲームの作り
なんですよね。
実は、『脳トレ』以後に出た脳鍛ゲームはことごとく、『脳トレ』
以前のゲームデザインのままなんです。それが一番ビックリです。

PCソフトをそのまま持ってきてるから、ああなっちゃってるのか、
それとも、まさか、もしかして、本気で分析できてないのか。
それで「ライトユーザーを相手にするならプロモが・・・・」と言って
るのだとしたら、本気で救いがたい。

2匹目のどじょう、パクリが良い事か悪い事か以前に、そもそも
パクる事さえできていないのが今のDS市場だと思います。

少年マンガ風に言えば、
『技の形ではない、その魂をしかと見るのだ!』
ですよね。

形を真似ても本家より売れないのは当たり前で、そこに気付かないと今度は
「任天堂ハードだと分が悪い論」というこれまた都合の良い論理にしがみつく。

論理で喜ぶのは“盲目的なゲーム信奉者達”であって消費者じゃない。という事にそろそろ気付くべきだと思いますね。

DAKINIさんBAN/さん、こんにちは。

脳トレやった事ないので憶測ですが、
脳トレを買っても少しだけ遊んで
すぐに遊ばなくなったなどの
買って後悔した人も大勢いるのではと
私は推測しています。
実際のところはどうなんでしょう?
買った人の多くの人が満足して
今も遊んでいるのでしょうか。

「『境界線』を引くのはいつも業界人」

この言葉ずしりと来ました〜。

GMS(イトーヨーカ堂とかイオンとかそういうのです)をやっている知人が、「お料理ナビでしょ〜?あれ、肉売り場の冷蔵ケースのところで実演付きで置きたいんですよ〜。勿論本体も一緒にね!でもDS、あの商品、数が確保出来ないでしょ。。。残念なんだよなあ。。実演したら、肉ついでに買っちゃう若い奥さん絶対いるのに!」と。

消費者の側からみれば、その商品がどのカテゴリーに属すか、というのは売り場を探すときには重要ですけど、興味のあるなし、ではあまり関係ないのですよね。必要なものがわかりやすいところ、振れやすいところにあればいい。売り場を探すときには必要なカテゴリー知識、というのも、売り手が作り上げた売り場、というこちらがわの事情があるからで、買う側から言えば売る側に合わせるために仕方なく持っているようなもの。

ゲームなの?ツールなの?と言う議論は買う側には全くないわけで、調理に使うものだったら肉と一緒に野菜と一緒に売っていれば便利、それだけ。

ゲームだからゲーム売り場、玩具売り場に置きますね。とこちら側が境界線を規定してしまった途端に、目に触れなくなってしまう危険をはらんでいるわけです。

マリオブラザースもね、そのGMSの人の話だと、「あれ、キャラクタ商品でしょ?」だそうです。

じゃあ、脳トレはどこに置きたいの?って聞いたら、「あれは絶対ウォーキングシューズと一緒に並べる」だそうです。高齢者層が趣味のウォーキングに靴を買いにくるのだそうで。そこで「脚だけぢゃなくて、頭も鍛えてくださいね」。このセリフでコロリと言っちゃう、いや逆に言えば、それだけ頭の切れが悪くなってきていることに切実に悩む高齢者層がいるとのこと。

こちら側の都合がどんどん通用しなくなっている、プロモーションとはちょっと違う切り口ですが、事象がいろんなところで見受けられますねえ。

境界線、自分で引いちゃっているものがないか、ちょっと点検してくる!

>44Aさん

脳トレが口コミでじわじわ売れたことや、「もっと脳トレ」も売れている
事を考えれば、買ってすぐにやめてしまった人が大勢いるとは到底
思えませんが、どういう根拠でそういう憶測をされたのでしょうか?
単にご自分の趣味に合わないからであれば、あまり個人的な趣味を
普遍的な趣味と混同しない方がよろしいかと。


>ぶらりん さん

その方のおっしゃる通りですね。
なんか、こう、やっぱり歴史も20年以上となると、頭が堅いというか、
「ゲームってこういう物」っていうイメージが染み付いて、本人がどれほど
柔軟に物事を受け入れているつもりでも、実際には出来ていない。
そういう人はたくさんいると思います。

>44Aさん

>脳トレやった事ないので憶測ですが

こういう注釈を入れるのであれば
まずはやってみて下さい。
DSを持っていればDSステーションで体験版がDL出来ますよ。
そうすればもう一段高いレベルの議論が出来ます。

DSを持っていないというのであれば、
なぜDSが売れているかを考えてみて下さい。

他の人はこうじゃないか?という憶測よりも、自分で感じた生の声の方が言葉に力がありますよ。
その上であなたがツマラナイと思うから他にもそういう人がいるはずだというのならその意見にも耳を貸しましょう。


ちなみに、多くの人が満足しているか?ですが、
続編の「もっと〜」の売上が証明していますね。
つまらなければ続編が売れるハズないですから。

DAKINIさんBAN/さん、こんにちは。
根拠ですが、健康器具として売れているのだと思います。
健康器具はとりあえず試してみようと人が多いですから。
某掲示板の感想を読んでみると、
遊び続けている人はちらほらいるようですが、
やめている合わなかった人も割といるようです。
もっとの方にはドクターマリオが入っていてそればかりやっている人などの意見も多いです。
任天堂も海外で販売するようですがボケ防止のための品として宣伝するようです。
私もその方が買い手にとっても良いと思います。

>某掲示板の感想

どこの掲示板かは知りませんが、2chあたり(2chを「某掲示板」
という人が割といるので推測です)のユーザーと脳トレの主要
ユーザーは全然異なっているように思えますが。

まあ、いずれにしろ、もっともらしい説得力のある事を書くには、
ご自身が体験してみるのが一番だと思います。

いずれにしても、すぐに飽きるような物があれだけ長期間、口コミで
売れる事は考えにくいし、説得力をもたないと思います。

これ以上、やっていない人の空論を書かれても、発展的な議論に
ならないと思いますので、打ち切らせていただきます。

ありゃ。DAKINIさんに先を越されました→議論打ち切り。

「健康器具として売れた」結構じゃないですか?
健康器具で2年で1000万台売れた商品って思いつきます?
自分は思いつきませんよ。

ゲーム的な要素と健康器具的要素、そしてWeb2.0の結集がDSだとするならば、
それこそ「ゲームが境界線を越えた」と御自身で答えを導き出せるじゃないですか。

脳トレはゲームじゃないとしたうえでの
「買ったユーザーは楽しめているの?」という質問だと思いますが、
同じ事がゲームにも言えるんですよ。

「DQやFFを買ったユーザーは最後までプレイしているの?」

全員が(特にライト層は)クリアしているわけではないでしょう。
あなたの理論ではDQやFFをクリアしていない人は次回作は買わないという事になりますが、現実は売れています。

ゲーム(コンテンツ)ってのは、その中身だけじゃないんですよ。
その内容(話題)を共有出来るからこそ注目されるんです。
(それをユーザーが積極的に推し進めればWeb2.0的になる)

DQやFFが“ゲーマーの枠”を飛び越えて話題になるように、脳トレも様々な消費者の話題になったから売れているんです。

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