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このサイトは、ゲーム開発、およびゲーム周辺の周辺技術や動向について日々考察し、毒舌的に物を書き続けることを通して、「ゲームの未来形」という大テーマに対して、何か考えを深められるといいなあ・・・・・・というサイトです。

2006年06月26日

本格化しつつあるゲーム版Web2.0 -ユーザークリエイティビティ編-

言いすぎかも(笑
ゲームにおけるWeb2.0の代表例としてよく挙げられるのは『Second Life』でしょうか。
またハンゲーム的なアバタービジネス、mixi的なポリシーを貫くDSのWifiコネクションも含めていいでしょうね。そもそも、去年散々書きましたけど、オンラインゲームとWeb2.0は類似性、親和性の高い概念ですが。

新清士のゲームスクランブル:オンライン化する次世代機にゲーム版「Web2.0」の片鱗を見る

しかし、一般からのデータ収集には苦労した点も多かったようだ。そもそも、ユーザーがPS2でデータを作成しても、インターネットに接続されているわけではないので、自由に配信できない。スパイクはユーザーから自作の「任務」を収録したメモリーカードを郵送してもらい、データを取り出したあと返却するといった面倒な作業を強いられた。
スパイクの『忍道 戒』には「Mission Editor 匠」というゲーム内の任務をエディットできる機能が付いているのですが、スパイクはユーザーが作った任務を130種類以上集めた『忍道 匠』を今年の3月に発売しています。ユーザーにカスタマイズ機能を開放して、ユーザーのクリエイティビティーを集め、それを販売につなげる。欧米で盛んなMODビジネスと同じですし、今流行の言葉でいえば、「Web2.0」。

PCゲームの世界ではそれこそ80年代から存在しますし、ファミコンの『ロードランナー』『ナッツ&ミルク』『ファミリーベーシック』にも通じるところがあります。また欧米のFPSにおけるMODビジネスの隆盛は、欧米のゲーム産業の成長の一因となった、という見方もあるほどです。
けれども日本のゲーム業界は、ゲーム機を中心に回っていたため、こういう仕組みを本格的にビジネスにつなげていくのはまだこれからの話です。とはいえ、次世代ゲームの1つのポイントになるでしょうね。

(日経はビジネス色の強いメディアですから、記事中で「Web2.0」というネットビジネスでの流行り言葉を使ったのは適切な判断。ゲーム系のライターは「Web2.0」という言葉を使う人はあまりいないんですよね。一般にPCゲームに詳しい人ほど、「Web2.0? ゲーム2.0? なんだ、その浮わついた言葉は。そんなの昔からPCゲームでは当たり前だよ」って態度を取りがち。幼稚な知識自慢というか。素直に言葉を使う人は希少。)

PSP『ロックマンロックマン』が「殿堂入りステージ」を大発表!
『ロックマンロックマン』にもステージエディット機能がついていて、PSPの無線LANでアップロードできます。ていうかPSPソフトのネットワーク対応は、『鬼嫁日記』もそうですが、このアップロード型が主流なんですよね。対戦マッチングが主流のDSのWiFiコネクションとは方向性がかなり異なっています。ソニーと任天堂の性格の違いがよく表れていますね。PSPのネットワーク対応は全然話題になってないのが、ちょっと物悲しいですけども。

メモステ対応していることで『アドベンチャープレイヤー』が出てきた事といい、PSPはエディター機能を備えたゲームが全般的に多い気がします。ゲーム機メーカーは伝統的に、ゲーム機独自の規格を使いたがる閉鎖的な考え方をしていましたが、最近はメモステ、SDカード等のPCやデジカメでも使える規格を積極的に採用しています。この点ではソニーが最も先行していますね。

DSはせっかくタッチペンがあって、エディタと親和性が高いハードなのに、SDカードに対応していないため、データがROMカートリッジの中に閉じがちです。『おいでよ どうぶつの森』のような万人ができそうな「軽いユーザークリエイティビティー」は十分なんですが、PSPのような「濃いユーザークリエイティビティー」は実現できていません。

■同人ゲームとPSP
Web2.0というわけではありませんが、同人ゲームとゲーム機について。日本ではゲーム機が最大にして標準のゲームプラットフォームです。しかし過去20年以上にわたって、ユーザーに開発の自由が与えられてきませんでした。これは、任天堂が始めて、ソニーが受け継いだロイヤリティービジネスの悪しき側面です。この部分をどう修正して、より開放的なビジネスを打ち立てるか。そこが次世代ゲームビジネスの1つの焦点になるでしょう。最近は実用ゲームブームもあって、ゲーム業界外からの関心が集まっていますし、同人ゲームやフリーゲームも育ってきていますからね。

PSPは同人ゲームとの親和性は良いようですね。

ユーザーに勝手アプリを許すという話があったPS3は、積極的に同人ゲームを取り込んでいったらいいと思います。例えば、DVDやブルーレイで焼いたゲームはロイヤリティを徴収し、メモステやHDDで起動するアプリはロイヤリティ無し(ただしSCEのコンテンツ配信サービスを使う場合は手数料をとられる)。まぁそれぐらいのこと、ソニーもスタート時から考えてますよね? あれだけコンピュータ、コンピュータ連呼してるんですから。


とりあえずここまで。
・・・・って、話題が全部PS系になっちゃいましたね。
なんつーか『ピクトチャット』やWiFiコネクションのようなライト&カジュアルなコミュニケーション(クリエイティビティー)は任天堂が圧倒的に強くて、ヘビー&ディープなクリエイティビティーはソニーが強い感じです。両者の方向性の違いが面白い。まぁ任天堂は山内氏が始めたビジネスの枠をなかなか脱せないし、ソニーはハードが売れればそれでいいやという考えが強くなってますからね。

Posted by amanoudume at 2006年06月26日 07:24 個別リンク
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Listed below are links to weblogs that reference '本格化しつつあるゲーム版Web2.0 -ユーザークリエイティビティ編-' from 発熱地帯.

コメント

http://www.jp.opera.com/pressreleases/ja/2006/05/10/
http://www.cubed3.com/news/5329 (英文)

Wii版OperaはAJAX対応で、かつゲームと密接に連携する「可能性がある」ようで。
WiiConnect24といい、コントローラの話題を隠れ蓑に、何か企んでいるかもしれません。

うーむ。
以前ちょっと考えていたことなども思い出したので、少し書きます。(と思ったら、長くなってしまいましたが)

ひとつ前の記事の皆さんの議論なども読んで思ったのですが、結局、(それなりに)PS3を売るためには、SCEは、電通的なトップダウン式マスマーケティングの限界を超えねばならないと思います(マーケティング2.0という用語もあったような)。で、当然、この場合、(特にネット上の)ボトムアップ的口コミがポイントということになります。

具体的に言うと、例えば、同人の場合、著作権的に灰色(あるいは真っ黒)の(特にパロディ)ソフト/MODが出てくるのはほとんど確実でしょうが、それを(youtube的なスタンスで)どう利用して、ある程度コントロールの効く話題のカオスを作るかというのが大きな課題のひとつになると思います。(もちろん危険な橋を渡る側面があるのは否めませんが、正直言って、SCEはなりふり構っている場合でないと思います。よって、エロゲー解禁もすべきでしょう)

で、個人的な意見を言わせてもらうと、ファイルの種類を限定した(公式の)SCE謹製PS3用P2Pファイル共有ソフトを配布するのもありなのではないかと思いました。もっとも、winny方式ではなく、中央サーバを置いて、クレームが来たらそのファイルの流通を一斉にストップできる体勢は作るべきだとは思いますが。(もちろん、それでも別の手段で個人による再配布は可能でしょうが、その場合はSCEに責任は発生しないと思います。アップした個人の特定も可能でしょうし。)

あと、上記のP2Pソフトで欲しいのは、youtubeのようなコメント機能ですね。ファイル一覧のリストのファイルにカーソルを合わせると、そのファイルに関するコメントがポップアップヘルプのように表示できるとかして欲しいですね(大きな問題のひとつであるウィルス対策にもなると思いますし)。各クライアントのコメントの同期に関しては、コメントだけ中央サーバへアップ/ダウンする方式にすれば、問題ないでしょうし。

ついでに言えば、自分が作成したファイルのコメント欄などに広告を表示できるようなシステムにして、アドセンス的に収入を得られる仕組みを入れれば信頼性も少しは上がるかも知れません(というか、Web2.0的な方法論で(各サードが?)ユーザーの商売のあがりをいただけるようなシステムを作るべきだと思います)。

まあ、いろいろ書きましたが、現実的かどうか分からない私の妄想を超えた展開をSCEがしてくれることを期待してます。

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