『ミステリックサイン』、予想以上に面白い回でした!
事件の不思議怪奇奇妙な雰囲気が演出されていて、良かったです。さすがのクオリティ。事件解決後、キョンが事件の裏を推察するときの余韻の残る演出が特にグッド。この『ミステリックサイン』でSOS団の事件解決の基本形が確立します。長門が事件を解決し、古泉が補助&解説フォロー、キョンは巻き込まれ、朝比奈さんは役立たず、ハルヒは何も知らないまま事件解決。
原作では今回のエピソード以降、長門の感情が垣間見える(気がする)ようになると共にメインヒロイン化が進み、『消失』でピークに達します。3巻『退屈』以降、最も内面の変化が激しいキャラです。ハルヒの成長は、原作1巻、2巻でほぼ達成されているから、必然的に成長するヒロインが必要だったのかもしれません。原作ファンで一番人気は、3人娘のうちダントツで長門でしょう。長門とキョンのカップリング支持者が増えていき、長門=パートナー派と長門=娘派のような分裂と過激な内部闘争も見せつつ(嘘)、今に至ります。
ハルヒと長門の成長を細かいエピソードは除いて大雑把に時系列順に並べてみます。
<ハルヒの成長の軌跡>
1巻 『憂鬱』
3巻 『退屈』 → 『涼宮ハルヒの退屈』
2巻 『溜息』
6巻 『動揺』 → 『ライブアライブ』
5巻 『暴走』 → 『射手座の日』 P.126〜130
8巻 『憤慨』 → 『ワンダリング・シャドウ』 P.166〜174
<長門の成長の軌跡>
3巻 『退屈』 → 『ミステリックサイン』
3巻 『退屈』 → 『孤島症候群』 P.280〜282
5巻 『暴走』 → 『エンドレスエイト』
5巻 『暴走』 → 『射手座の日』
4巻 『消失』
6巻 『動揺』 → 『ヒトメボレLOVER』
7巻 『陰謀』 第一章(P.102〜104)、第二章(P.159〜160)
8巻 『憤慨』 → 『編集長★一直線!』 P.86〜98
え? 朝比奈さんはどうした?って。朝比奈さんはSOS団のマスコットキャラだから成長しなくていいんです。むしろどんどんドジっ娘&役立たずキャラになっているので。『ミステリックサイン』の頃は長門/朝比奈/古泉/キョンの4人がハルヒに見つからないように再集合していたのに、『ワンダリング・シャドウ』では朝比奈さんまで「出番が無い」と排除されてますからね。まー、当時の自分が役立たずだったという苦い思いが、おそらくその後の朝比奈さんの成長のバネになったんじゃないか、と思いますけども。
明白な成長がなくっても、愛くるしいからいいんですよ。
今回も、ハルヒに賞味期限切れの和菓子を食べさせられそうになって嫌がる朝比奈さん、カマドウマにおびえてキョンの腰にしがみついている朝比奈さん、と朝比奈さんの無能ドジだめっ娘的な愛くるしさが超絶。こんなにかわいい声を出すから、永遠の役立たずキャラのポジションを脱却できないんですが〜。