少し前に紹介した「下流社会」が割と売れていて、紹介した甲斐があったなあと思ったので、また1冊紹介したいと思います。
最近、あちこちのブログで「ブルーオーシャン」という言葉を目にする機会が増えていますよね。大雑把に言ってしまえば、ゼロサムゲーム的な消耗戦的な競争が続く既存の「レッドオーシャン」ではなく、イノベーティブで競争のない新しい「ブルーオーシャン」で勝負すべきだ、という内容です。
ゲーム業界の人でも読んでいる人が増えていて、オンラインゲーム「グラナダ・エスパダ」の開発者Kim Hakkyu氏や、米国任天堂の副社長Reggie Fils-Aime氏が講演の中で取り上げています。
●4gamers: 基調講演でKim Hakkyu氏が強調した「ゲームとBlue Ocean戦略」とは?
●NINTENDO INSIDE: 米国任天堂Reggie Fils-Aime副社長Gamers Summit講演要旨
同氏はまず,「例えば,あるMMORPGのクエストが100個以上だと発表すれば,ほかの会社は200個以上だと言うとか, またマップが数Kmに達するゲームだと言えば,ほかの会社はそれ以上のサイズを企てるといったことは,結局全員にとって非生産的な出血競争に過ぎないのです」と述べ,「くだんの書籍で,作者はそんな無意味な競争をRed Oceanと表現しました。そしてそれと相反する状況,すなわち誰も考えつかなかった新しい分野で,競争相手なしに高い成果を得ることがBlue Oceanです」と,とても易しく説明する。
この5年間、「イノベーションのジレンマ」や「ブルーオーシャン戦略」のような本が注目されてきた要因は、結局のところ、アジアが市場としても競争相手としても台頭してきたからなんでしょうね。もう1つは、チープレボリューションによって、誰でも同じような品質の物を作れるようになってしまったことです。
○単純な品質向上では(消費者から見て)差がつかない
○価格競争が起きやすい
そのため、新しい市場の創造によって企業を成長させよう、という主張が強くなってきたわけです。
また、新しい市場を生み出すのは、必ずしも「技術革新」だけの問題ではない、という指摘も出てきています。そうした「技術はあるが、生まれていなかった市場」を生み出した過去の戦略を分析して、ポイントを整理したものがつまり「ブルーオーシャン戦略」ということになるわけです。
まぁそれをゲームデザインに適用すると、「テトリスの10年」の話につながってくるような気もします。
●ゲームのマボロシ 「ゲームデザインのこれから(8) 材料はあるがレシピが無い」
●Classic 8-bit/16-bit Topics 「テトリスの10年」