VAIOシリーズの秋モデルが発表されましたが、「VAIO type T」において、ついにSDカードに対応するようになりました。デジカメ市場におけるシェアを考えれば、当然の判断です。しかしこれまでソニーは、ユーザーの利便性を犠牲にしてでも、「オールソニー」の方針を貫いてきたわけで、大きな方針転換が起きています。
ソ
ニーはこれまで、自社の規格であるメモリースティックにこだわってきたわけだが、記録媒体としてメモリースティックを採用しているのは、ソニーのデジタル
カメラやオーディオプレーヤーくらいで、他社から登場しているコンシューマ向けデジタルカメラの多くは、SDメモリーカードを採用している。
なぜ松下が勝ち、ソニーは降参したのか。理由はいくつもあげられるでしょうが、松下の戦略性が非常に高かったのは確かです。
R30::マーケティング社会時評 書評:「中村邦夫 『幸之助神話』を壊した男」
石全体のつながりを読みながらどこに石を置くのかが、きわめて重要なのだ。中村を見ていると、非常に戦略的に判断して手を打っていることがわかる。「エンパワーメント」を鼓吹し、組織戦略に重点を置いているようでいて、ここぞというときは自ら果断に動く。そしてこの後、社長就任後数ヶ月経った頃に敗退寸前のデジタルスチルカメラ市場への再挑戦を指示したエピソードが続く。
松下の3Dバリューチェーンの中で特に重要な役割を果たすのはSDカードである。利用領域の広がりを見せるSDカードを使い、デジタル化された家電を「統一された・簡単な手段」でネットワーク化することで「分かりやすく・使いやすい端末機器」の実現を図る。松
松下の中村社長は、時代をよむ見事な戦略家。一方、出井氏はユーザーと時代を無視した夢想家でした。ここでもう1人、偉大なトップを引き合いに出しましょう。もちろんアップルのジョブズです。
iPodはポータブルオーディオプレイヤーとして成功しただけでなく、リビングと車の間をつなぐネットワークの橋渡しで、重要なポジションを占めつつあります。
渡辺聡・情報化社会の航海図 「アップルは何ビジネスを営んでいるのか」
国
内の自動車メーカーからもカーステレオへのiPodサポートを発表されている。リビングと車を繋ぐネットワークの橋渡し機能で重要な役割をアップルが担っ
ていくことになる。
こうなってくると、携帯電話が単なる電話ツールでなくなってしまったのと同じように単なる音楽プレイヤーとは言い難い。車とPC(もしくはホームネット
ワーク)とのやり取りを行い、かつ単体でも持ち歩けるパーソナルストレージとなってくる。人によっては、音楽再生機能はおまけとなる。