2年前、ライトノベル解説本ブームが巻き起こり、『ライトノベル☆めった斬り』『このライトノベルがすごい』『ライトノベルキャラクターズ完全ファイル』等々、多数の解説本が出版されました。でも正直いってボクはどれも買いませんでした。興味も起きませんでした。どのライトノベルが面白いか、とか、どの作家が注目なのか、とか、そういう情報はわざわざ本で読まなくても、自分がたくさん本を読んでいればおのずとわかりますし、評判にしたってネットで調べられるからです。
ソフトバンク新書から刊行された、この『ライトノベル「超」入門』は、そんなボクでも他人にオススメしたくなる一冊です。ライトノベル作家でありSF作家でもある新城カズマ氏が、「で、要するにライトノベルってなによ?」という疑問に簡潔かつ的確に答えています。
このブログを一昨年、去年から読んでいる人はご承知の通り、かなり内容が変わってきています。年が明けてから、ライトノベルとエロゲー(特にノベルゲーム)の比重が高くなり、4月に入るやハルヒ、ハルヒ、ハルヒ、・・・・。ゲーム系ブログの皆さんがこぞってE3について感想を書いているにもかかわらず、E3もスルー。「中の人が変わったんじゃないか?」「頭を机の角にぶつけたんじゃないか?」「変な女にネクタイを掴まれて首を絞められたんじゃないか」「奇怪な女に『活動の邪魔だから』と言われてゲーム会社辞めたんじゃないか?」・・・・と思われても仕方がない状態です。
しかしボクは昔からライトノベルをたくさん読んできましたし、エロゲーもがっちり遊んでいたわけで、今までは特に触れてこなかっただけです。では、どうして表に出すようにしたのか。その辺は、読者の方々の想像におまかせしますが、「こいつが壊れたラジオのように繰り返し書いているライトノベルって?」と少しでも興味をもった方には一読をオススメします。特に、自分ではライトノベルを読んでいる時間があまり無い、けれどもどんなものかは関心がある、という人には最適だと思います。
最終章の「ゼロジャンル」についての考察も鋭いです。最近のライトノベルの青春小説化、私小説化を感じている人たちには共感できる話だと思います。たしかにライトノベルと一般小説の隙間を埋める作品群が生まれ始めていますし、そこに一段広い読者層を獲得するチャンスがありそうな気はしますね。アニメ化ばっかりされていたライトノベルにも、実写化の路線が見えてきたわけですし。
参考
エレホン番外地: 新城カズマ『ライトノベル「超」入門』感想リンク集