ITmedia 「アップル、iTMSを日本で開始――100万曲・中心価格150円でスタート」つ
いに日本でも、ITunes Music
Storeがスタートしました。SMEが不参加など、若干楽曲の選択肢が制限されているものの、100万曲という大量の品揃え、90%の曲が150円、
10%の曲が200円という価格設定は、音楽業界への「黒船」として十二分にインパクトのある内容です。
実際、なんと4日間で100万曲の販売を達成し
ました。
アップルは日本において、巨大なコンテンツ配信サービスを構築したことになり、これが音楽にとどまらず、映像、書籍、ゲームに範囲が広がる可能性はきわめ
て高いです。秋に発表されると噂されている動画再生可能のiPodが出れば、当然、映像の販売も開始するでしょう。
またそれだけの性能があれば、FLASHプレイヤーを動かすことも技術的には可能です。FLASHゲームが遊べるなら、短期間に数百万台クラスの携帯ゲー
ム機が立ち上がるかもしれません。しかもソフトはすべてiTMSで購入可能。流通コストがかかりません。パッケージ流通ではありませんから、販売価格も
100円程度から始められるでしょう。
(iPod
Linuxなんてものもありますから、専用のOSとネイティブアプリを供給することで、Macを超える新しいコンピューティング・プラットフォームを立ち
上げることも技術的には可能です。)
想像と予想をふくらませるなら、これから数年の主要なゲームプラットフォームホルダーは
○ドコモ (携帯電話キャリア)
○ハンゲームを運営するNHN (PC。オンラインゲームポータル)
○アップル (オーディオプレーヤー)
○ソニー (据置ゲーム機)
○マイクロソフト (Xbox Live!)
○任天堂 (携帯ゲーム機)
の6社になるでしょう。
このリストに対しては、「ドコモだけじゃないぞ、auもあるぞ」とか色々な意見が出てくると思います。もちろんこの6社だけが競争のプレーヤーになるわけではありません。あくまで、最低限どの辺りで視野に入れておく必要があるか?ということを示しただけです。
そして最初の3社はすべて
1) オンラインでソフトを配信し
2) 課金システムを持ち、
3) 専用機ではないがゆえに暇つぶし(「ながら」)として強力で、
4) フリーでコンテンツを配布されても困らない (ロイヤリティー以外に儲ける手段がある)
という共通点があります。
ロイヤリティーという古い制度に依存している「ゲーム機」ホルダーと、ゲームビジネスの古い常識にとらわれない「非ゲーム機」ホルダーの違いがよくわかると思います。
今となっては、PSPを批判しているブログの1つとして認識されてしまいましたが、かつてはかなり肯定していた時もありました。2004年1月11日、まだPSPの具体的なプランが発表されず、憶測や噂が流れていた頃です。
「No Royaltyに近づいていくゲーム機ビジネス」
PSPの価格は39,500円に近い - ハードウェア単独で利益を出していく
SCEEのCEOクリス・デアリング氏のMCVに対するインタビューによれば、PSPの価格は300ポンド(59,300円)より200ポンド
(39,480円)に近いとのこと。またPSPのビジネスモデルは、ハードで儲けずロイヤリティーで儲ける従来のビジネスとは異なり、ソフトのロイヤリ
ティーを下げるかわりにハードウェア単体で利益を出していくビジネスになるそうです。
かみそりはただ同然で売って、かみそりの刃で儲ける。プリンタの消耗品ビジネスを代表に、コモディティ化したハードウェア事業の
ビジネスモデルを考えるときには、必ず出てくる古典的な「かみそりとかみそりの刃」の話。その逆をジョブズはやっているというのが、この冒頭の真意。
アップルの第1四半期(10-12月)の結果。平均400ドルで75万台のiPodを売り、99セントで3000万曲を売ったが、iTunesからの儲け
はほとんどなかなく、iPodこそアップルの収益性に貢献している。
どうもアップルは、ハードから儲けを出す方法を見つけ出したらしい。iTunesをロス・リーダーとして、iPodを売りまくっている。言い換えれば、デ
ジタルプロダクト(音楽)がコモディティになり、ハードこそマージンが出る場所。