ナンバーポータビリティがいよいよ始まったわけですが、キャリア間の競争が活発になるのは良いことです。
下馬評ではauが優勢という見方が多かったですね。auのブランド戦略はここ数年かなり成功していましたし、auに乗り換える「きっかけ」を待っていたユーザーも潜在的に多かったと思われます。
ネット評判記 No.92 番号ポータビリティ制度の鍵は様子見の「浮動層」のゆくえ
実際、始まってみると、事前予想の通りの展開。auが先行している感じです。
au、MNPを使った転入ユーザーが10万人突破
ソフトバンクは安売りイメージ戦略で、マスメディア的な話題はさらったものの、ドコモやauからの移行はさほどでもないみたいですね。まぁネットでは説明不足と批判が高まっていますし、ユーザーが安さだけを求める時代でもありませんからねえ。マスメディアを動員しての煽りが通じにくい時代ですし、ユーザーはあくまで冷静ということでしょう。
「携帯電話よりも安い料金で似たようなサービスをしたのが、根本的な失敗だった」と語る。PHSはその価格競争力で一時的な注目を集めたものの、携帯電話キャリアの対抗値下げによって優位性が薄れた。そうなると「PHS=安い携帯電話」のイメージは、かえってPHSサービスのブランド力を落としてしまい、次第にユーザーが離れる要因になってしまう。
しかし、キャリアを変えたいと思っているユーザーの人数はマスメディアが煽っているほど多くないというアンケート結果も出ています。
制度開始直前! 番号ポータビリティ制度の利用意向調査 - CNET Japan
番号が一緒でもメールアドレスが変わるから困るという意見はよく聞きます。ポータビリティでの需要増を見込んで、携帯電話向けにサブアドレスを提供するサービスが増えているみたいですが、まだ認知度が低いのかもしれません。
livedoor ニュース - さくらインターネット、ナンバーポータビリティをにらんだ携帯向け無料メールアドレス&転送サービス
ボクはそういう使い方をしないから、何ともいえないんですが、ケータイのサブアドレスってどの程度浸透してるんでしょうかね? かなり以前から存在はしましたけど、どうも使い勝手悪そうなイメージがあって。なんつーか、ケータイユーザーにとっては(公式の使い勝手の良い)メールアドレスを複数持てることの方が売りになるような気がするんですけどね。ただの知り合いか、ちょっと仲のいい人か、親友か、家族か。相手によってアドレスを使い分けたいというのが、今のユーザーの感覚じゃないですか。
オンラインゲームに適しているプラットフォームはどれか? という設問に答えるなら、1番はPCで、2番は携帯電話・・・・というのが普通の回答です。しかしここにきて、携帯ゲーム機が急激に伸びています。
PCの場合、かなり手頃な値段で定額制のサービスが受けられますし、ネットが生活に溶け込んでいる現状では、実質無料でオンラインゲームを楽しむことができます。実際、ハンゲームの成功を受けて、会費制のオンラインゲームが減り、無料+アイテム課金のオンラインゲームが増えています。PCは当分の間、オンラインゲームに最適のプラットフォームでしょう。
携帯電話はネットへの常時接続性という点ではPC以上です。持ち運びできることもあって、まさに「いつでも、どこでも」を実現したプラットフォームといえます。ただ、一方で、通信するたびにパケット代がかかるというビジネスモデルのため、携帯電話のゲームは長らくiアプリのダウンロードが中心でした。
定額制があるといっても、定額制の金額そのものが高いため、まだまだパケット代を無視したサービスは導入しにくいのが現状です。最近では、新規加入者の4分の1が定額制に入っているそうですが、ヘビーユーザーが中心のため、よりリッチなゲームをダウンロードするという方向性です。今後、キャリア間の競争が激化することで、定額制の料金も値下がりすると思いますが、3Gの携帯網に莫大な資金を投じたキャリアは、なるべく値下げしたくないというのが本音でしょう。
携帯ゲーム機は、携帯電話のようなグローバルなネットワークは持っていませんが、パケット代を気にしないですむのが利点です。また据置ゲーム機と異なり、持ち運びできるため、家庭にWiFi環境が無くてもホットスポットに行けばネット接続できます。専用機のため、インターフェースが統一されていますし、テストがしやすいのも利点です。
DSは国内500万台を超えて、なおも勢いが止まらず、とうとう国内の在庫が尽きてしまうほどです。出荷状況にもよりますが、1月中に600万台、年度内700万台というのも十分ありえる数字でしょう。ネットワーク機能を標準搭載したゲーム機が日本でここまで普及したのは初めてのことです。PC、携帯電話に続く、巨大なオンラインゲームプラットフォームが誕生したといって差し支えないでしょう。
グローバルなネットワークをもつ一方、パケット代が発生する携帯電話と、ローカルなネットワークを主体とするものの、無料ですむ携帯ゲーム機。現状では、それぞれに向き不向きがあります。
例えば、すれ違い通信はパケット代を気にしなければならない携帯電話では実装しにくいものです。また、DSの「ピクトチャット」はタッチパネルが標準搭載されていない携帯電話では実現しにくいアプリです。タッチパネル搭載の端末はあっても多種類ある中のいくつかの機種に限られているため、専用のアプリを開発するメリットが薄いし、ユーザーも限定されてしまいます。
携帯電話のネットワークゲームの問題点とWiFiベースのネットワークゲームの優位性については、去年の5月に書いた「ワイヤレス・エンターテインメントという未来」にまとめています。
当時は「携帯電話では実現しにくい娯楽」という切り口で書きましたが、逆に携帯電話側からすれば「携帯ゲーム機では実現しにくい娯楽」を追求したほうがいい、ということになります。携帯電話のほうが向いていることを携帯ゲーム機でやる必要は無いし、携帯ゲーム機のほうが向いていることを携帯電話でやる必要もないわけです。
では、携帯電話の優位性は何かというと、主に3つです。
●100%ネットワーク常時接続 (→Web経由でのデータベースへのアクセス性)
●位置情報 (2007年以降、3G携帯は原則GPS機能搭載へ)
●カメラ
PCは現時点で最強としても、携帯電話と携帯ゲーム機のどちらがよりオンラインゲームに向いているかを論じる気はありません。携帯電話のようなグローバルネットワークだからできる娯楽、携帯ゲーム機のような無料のローカルネットワークだからできる娯楽。それぞれの優位性を伸ばす形で、いろいろなアプリケーションとサービスが生まれることを期待します。
もちろん、将来的には両者の差は縮まっていきます。しかしどちらにしろ、ワイヤレスエンターテインメントについては、日本は欧米よりも圧倒的に先行しています。例えば、ピクトチャット、すれ違い通信、WiFi Connectionは国内のライトユーザー市場の拡大に大きく寄与しました。娯楽産業における世界戦が激化していく中、日本の優位性はどこか?ということを認識しておくのは重要なことです。
ビデオiPodの品薄っぷりがスゲーことになってます。
「デジモノに埋もれる日々」さんの初回出荷じゃない!? 「iPod Video に浸る週末」は泡と消えたか・・・を読んで、あわてて出荷予定日を確認。ガッデーム、24日だよ、マジか! 週末ゲットして、来週月曜に会社に持っていこうと思ってたのに。
ううっ、早朝起きてすぐに注文したのに・・・・。nanoにくらべて出荷少ないってのが如実にわかりますなあ。つーか、日本での需要がアップルの予想を凌駕しまくりってことですな。
●PCWatch 「ビデオiPod、本日発売。すでに完売!?」
●アキバBLOG 「動画再生対応の新型iPod(iPod with Video) 秋葉原でも発売開始→完売」
週末はおとなしく執筆にはげんでいよう・・・・。
さっそく買っちまったわけですが、なにか?
しかしボクは8月、9月、10月、毎月iPod買ってますね。すごいなあ。もうこのままの勢いでmacに乗り換えちゃおうかな?なんて思ったりもしますが。ハンゲームがmacに対応していたらねえ・・・・。
●AVWatch 「Apple、QVGA液晶搭載MPEG-4/H.264対応の新「iPod」」
●AVWatch 「Apple、iTMSで1本1.99ドルの動画配信サービスを開始」
●narinari.com 「アップル、ビデオ再生に対応した新型「iPod」を正式発表。」
●CNet Japan 「速報:アップル、ビデオiPodと新型iMacを発表」
アップルは従来のiPodをすべてビデオiPodにリプレースするようです。つねにラインナップをシンプルに保つのも、アップルらしいですね。
○旧iPod→iPod Photo統合→ビデオiPod
○iPod mini→iPod nano
○iPod Shuffle
また旧iPodに比べて、かなり薄くなっているのも見逃せないポイント(厚みは大幅減、幅も少し小さく、高さが少し長く)。それにしても、軽いなあ。DSやPSPより全然軽い。
次はFLASHを再生できるようにしてほしいですなー。正直、動画よりもFLASHのほうが観たいのですが、時間が無いんですよ。iPodでの再生は今の所不可能ですが、iTunesでFLASHを管理する方法を提案している方がいらっしゃいます。
webdog 「iTunesにFlashをポッドキャスティングする方法。ゲームも可能」音
楽業界の既得権益をぶち壊したアップルには、映像業界ならびにゲーム業界の既得権益もぶっ壊していただきたいものです。ゲーム機業界のロイヤリティビジネ
スなんて一日も早く、無くなるべきですから。ゲーム機メーカーのケツに火をつけられるのは、やはりゲーム機業界外の企業なのかな、と思います。
先日、チャットしてて話題に上がったのが、聞くだけゲーム「リアルサウンド」は実は携帯ゲーム機向けだったんじゃないか、ということ。ふつう携帯ゲーム機
は両手を使いますから、電車の中で椅子に座って遊びます。携帯電話だと片手で遊べますから、立って吊り革に捕まったまま遊べます(でも椅子に座って遊ぶ人
が多いかな)。ただ画面があると、歩きながら遊ぶのは難しい。でも「リアルサウンド」ならだいじょうぶ。
そうしたら、iPod で「リアルサウンド」をやるべきだ、という話を見つけました。
ARTIFACT@はてな 「今こそ飯野賢治氏はリアルサウンドを出すべきだ」
iPodで音声ゲームについては、ベストセラー本ゲーム化会議でも言及していたのを思い出しました。
ベストセラー本ゲーム化会議 「第11回 夜のピクニック」
麻野 というのは、ひとりで歩いてる時ってだんだん疲れてきて、会話はしてるんだけど、人の顔は見てなかったりする。一緒にてく
てく歩きながら、結局じぶんだけの世界の中にいる。この快感を表現するのがたぶんいちばんいい、ゲームにするんだったらどうしたらのがいいのかってずっと
考えてるんだけど。
米光 万歩計と連動させればいいのかな。歩数がデータになって、そのたまり方によって物語が展開する。休んでると展開しない。
現状だとインタラクティブ性が無いのがネックになりますが、「iPodが携帯ゲーム機になる日」で書いたように、iRiver のポータブルオーディオプレーヤーでFLASHが動くような時代ですから、iPod で音声ゲームが遊べるのもそれほど遠いことではないかもしれません。
そういや、動画が観られるいiPodがいよいよ登場する可能性が高いらしいですね。アップルがiPod PhotoをiPodに統合すると発表した段階で、予期できたことではありますが。
iRiverがmpeg4再生機能をもつポータブルオーディオプレーヤー「U10」を発表しました。オーディオプレーヤーにカラー液晶が載れば、次に動画再生に行くのは自然な進化ですが、さらにFLASH lite 1.1
にも対応している点が見逃せません。FLASH lite
は携帯電話のような組み込み機器向けに作られた規格。携帯電話でもいまやFLASHゲームが増えています。
これでポータブルオーディオプレーヤーが携帯ゲーム機、携帯電話と並んで、ゲームプラットフォームとして立ち上がったといえます。iRiver製品だけで
は弱いものの、iPodでFLASHが動くようになれば、プラットフォームとしては強大。iPod Photoのカラー液晶が標準化され、iPod
PhotoがiPodとなった今、次は動画再生とFLASH再生に進むのは時間の問題でしょう(ジョブズはかつてiPod
Videoの可能性を一度否定してますが、必要な性能を十分なコストで実現できなかった時点での話)。
iPodに標準でついているゲームは数も少なく、画面もチープですが、FLASHが動けば、ゲームの数は飛躍的に増大し、画面もそれなりに豊かになりま
す。
(参考:iPod mobileさん 「iPodの裏技 ゲームを増やす」)
iRiverの製品は、PSPに比べると画面が小さいものの、反面ポケットに収まりますし、動画/音楽/FLASH/テキストをすべて表示可能、とメディ
アプレーヤーとしてのキャパシティはPSPごときの比ではありません。UMDなどというつまらないフォーマットを作る前に、ソニーはこういう製品を作るべ
きでしたね。
まぁそれと長期的な観点では、今のゲーム機というのはROMカートリッジやディスクを差し替えないとゲームを切り替えられないの
で、そこが不便ですよね。携帯ゲーム機といえども、ゲームを差し替えて立ち上げて・・・・遊ぶまでにけっこうかかる。乱暴な言い方をすると、今のゲーム機
はまさに「ゲーム」を前提にしていて、30分とか1時間とか、熱中して遊ぶタイプのソフトに向いている形態なんです。元々、玩具でしたからね。
ゲーム版iPodみたいにメディアレス配信を前提にしたハードがあって、音楽を切り替える感覚でゲームを変えられたら、この手のソフトはもっと可能性を発
揮すると思います。1分とか5分でいいよ、という感覚ですね。「未来のゲーム」はスタイルの変革によって幅を広げていくと思います。
さらに、1つのゲームの裏でもう1つのゲームが動いているという環境があれば、遊びの幅はもっと広がるでしょう。
「フォアグラウンドとバックグラウンド」より。
2年前にBBSで示した例の1つは、ゲームアプリとエージェントソフト(任意たんみたいなもの)を両方常駐させるという形態。他実際、現時点でも、フォアグラウンド
の例を出すとすると、複数のペットゲームを同時に動かすという形態がわかりやすいかもしれません。たとえば携帯機上に、シーマンとピカチュウとペット動物
がいて、全部持ち歩けて、ボタン1つで別のペットゲームに切替えられるというプレイ環境。
高年齢者向けの市場の開拓に注目が集まりつつあります。
2007年以降、いわゆる「団塊の世代」が定年退職を迎えます。この年代が多額の貯金をもっていることもあり、市場開拓の余地はまだまだある、と考えるの
は当然でしょう。
切込隊長BLOG 「2007年問題は日本の文化消費を押し上げるか?」
当然、携帯電話もこの層を狙って、商品を投入しています。
神尾寿の時事日想 「そろそろ真剣に「新シルバー層向けUI」を考えよう」
しかしその結果、団塊の世代は「ややこしい」ことが分かるのだという。彼らは従来の“高齢者”の概念に収まらないのだ。詳しく書
くと長くなるので割愛するが、端的に言うと、「シルバー向けを意識させるものは嫌がられる」のだという。さらに趣向にまとまりがなく、ニーズが多様化して
いる。55歳から65歳までの彼らは、枯れることを拒絶しているのかもしれない。
新シルバー層向けのUIの重要性は、何も日本の中に閉じたものではない。先進国の多くが高齢化社会の傾向を示しており、今後、
ITテクノロジーになじんだ世代も高齢化を迎える。
特に北米市場では、ベビーブーマーの高齢化がすぐそこに控えている。彼らは日本の団塊の世代と同じく、アンチエイジング、すなわち「枯れることを拒絶して
いる」。ITやデジタルAVにもなじんでいる。しかし、高齢化とともに洗練や使いやすさを求めるようになる彼らに、今のWindowsのような
PCのUIが応えられるか疑問だ。
世界的な「先進国の高齢化」が起きる時、一足先に高齢化社会を迎えた日本のUI技術は大きな価値を持つのではないか。新シルバー層向けUIは将来、日本の
IT産業にとって重要な武器になる。
ここ1〜2年ほどの間、日米の向かっている方向の違いを実感している人は多かったのではないでしょうか。日本企業と米国企業の関心の違い、ユーザーの関心の違い、市場傾向の違い。ゲームの世界でも、ゲーム以外の世界でも、日本と米国の関心の違いが顕在化していました。
たとえば、2004年春、1年と少し前に梅田さんが書かれた以下の記事も、大いに納得できたものです。
梅田望夫・英語で読むITトレンド 「連載1周年:日本にとって米国のIT産業は絶対ではなくなった」
要旨は、日本はインターネットの「こちら側」に、米国はインターネットの「あちら側」にイノベーションを起こそうとしている、そ
こが日米の違いの本質ではないかということ。「こちら側」とは、インターネットの利用者、つまり我々一人一人に密着したフィジカルな世界。「あちら側」と
は、Googleに代表されるような、インターネット空間に浮かぶ巨大な「情報発電所」とも言うべき、大規模コンピューティング設備のことである。
日本と米国の違いは、高速ブロードバンドの普及率の違い(米国の回線は本当に遅い・・・)や、高性能携帯電話の普及率の違いにとくに顕著にあらわれています。
ゲームに関連するところでは、携帯電話ゲーム市場の大きさは全然違いました。日本ではかなり早い段階から大手ソフトメーカーが市場進出していましたが、米国では大手パブリッシャーは自社ソフトのライセンスはおこなっていたものの、自社でソフト供給はしていませんでした。
ところが最近、事情が変わってきました。米国の大手パブリッシャーが携帯電話ゲーム市場に目を向けはじめました。たとえば、EAがクアルコムと提携して、BREWベースでゲームを供給すると発表しました。EAは重厚長大〜中規模のゲームを重点的にリリースしている企業で、どちらかというと「軽い」市場への関心は薄いパブリッシャーでした。また、THQなどのほかの大手パブリッシャーも、携帯電話ゲームの配信を強化しています。
要因はいくつかあると思います。
●高性能携帯電話の普及。日本に比べればはるかにおそいものの、
時間がたてば普及する。
●据置ゲームのリスク、参入障壁が高まるにつれて、小さい開発会社
にとって、チャレンジしやすく、のし上がるための「軽い」市場が必要に
なっていた。携帯ゲーム機、携帯電話がその役割をはたす。
●日本にかぎらず、アジア市場では携帯電話は無視できない存在。
無視しつづければ、未来を失う段階に達した。
また今月、Googleがケータイ対応サイトの検索サービスを開始したのも見逃せないニュースです。といってもこのGoogleの対応は、日本の感覚からすれば明らかに「おそい」です。鈍重の極み。ただし、Googleは本社が米国にあり、日本個別のサービスや「日本が先行し、米国がおくれている分野」には、とことん「ニブい」企業です。
インターネットの「あちら」側に関心を集中させている代表格であり、「こちら」側の代表格である携帯電話への関心がもっとも薄かった企業でもあります。Googleはとてつもなく頭が良すぎるがゆえに、とてつもなくニブい一面があります(関連:人の見えないGoogleの限界)。サービス内容そのものよりも、あのニブチンが動いたことの方がはるかに面白い。
EAにしても、Googleにしても、自分たちの得意とする分野では先進的ですが、ケータイについてはものすごくニブい企業です。先鋭的な企業が未来を唱えるよりも、鈍感な企業が動き始めたという事実のほうが、米国企業の変化を示す例としてはインパクトがあります。
携帯アプリの大手ポータルサイト「アプリ★ゲット」を運営するスパイシーソフトが、携帯アプリの専門誌を7月1日に創刊。首都圏のコンビニで販売するそうです。
かつてファミコンが登場し、それから数年して「ファミマガ」「ファミ通」といった、定期的に刊行される専門誌が登場したことが思い起こされます。
アプリ★ゲット(PC版)
スパイシーソフト株式会社
カメラ付きの携帯電話が普及して、それを使ったゲームが出始めているようですね。
一番わかりやすいのは「モンスターファームPOP」でしょう。このシリーズ、初代はCDを入れると、データを読み取ってモンスターを生み出すのが売りでしたが、「POP」はカメラで撮った画像からモンスターを生み出します。
ITmediaがプレイレポート記事の連載を始めています。
モンスターファームPOPの隠し情報教えます
画像の明るさ/暗さや、全体的な色調(黄色っぽい、白っぽい、等)といった情報(もちろん他にもパラメータはいくつもあるでしょう)を元にモンスターを生
成しているようですが、特定の画像を撮影したときに生まれるモンスターもあるらしく、「どういうCDを入れたら、どんなモンスターが生まれるか?」仕組み
を推測(想像)しながら試行錯誤する遊びが、見事に携帯電話でよみがえっています。
画像認識の技術は最近、かなり上がってきてますし、カメラを使うことで、初代を超える可能性をもったといえます。
カメラ付き携帯電話で使われる最近の画像処理は、「美白化処理」や顔認識、人の顔の動き検出、画像認識など。これだけハードが世の中に出回れば、自然とソ
フト技術も広がっていくのでしょうね。
セキュリティーブームもあって、指紋、静脈、顔による認証の技術は盛んですね。
○携帯でなぜ顔を認識できるのか?〜OKAO Vision開発者に聞いてきました
○IT用語辞典 e-words 「顔認証」の関連ニュース
○“Amazon.co.jp”、携帯電話向け新サービス“Amazonモバイル”を提供開始
美白化の流れでは、以前面白いなと思ったのはhirax.netさんの美人化フィルター(有名すぎるほど有名ですが)。
○hirax.net:美人の微分方程式
○hirax.net:帰ってきた「美人フィルタ」で眉毛処理 編
昨日、「狭くなりすぎた「ゲーム機」ビジネス」で書いたことの補足。
PodCasting はWEBラジオを iPod に自動的にダウンロードして、好きなときに聞けるようにしたものですが、同じような発想で PodSites というものもあります。こちらはWeb サイトを iPod にダウンロードして好きなときに読めるようにするもの。ただ現状では、PodSites用に整形したテキストのみ読める、と制限がついています。
しかしこういうサービスであれば、PSPのほうがはるかに有望。公衆無線LANが普及している韓国ではUMDにてWEBブラウザを提供しているわけですが、日本でもWEBブラウザを同梱したほうがいい。
というより、ファームウェアップデートで本体標準機能として、WEBブラウザを提供すべきでしょう。メモステ内のhtmlファイルを閲覧できるようにしておけば、巡回ソフトにPSPへの自動転送機能を加えるだけで、朝巡回ソフトが落としたニュースサイトやブログの情報を電車内でゆっくり読めるようになります。常時接続、ブロードバンドが普及して、巡回ソフトは流行らなくなったものの、実際には1日に1度ネットでニュースを見ればいいという層は多い。
また、しばらくは山の手線圏内に限定されますが、ライブドアの公衆無線LANサービスはPSPにとって朗報でしょう。ノートPC、PDAと並んで、PSPが公衆無線LAN利用の有力端末になりえるからです。
以前書いた「ワイヤレス・エンターテインメントという未来」から引用します。
山手線を始めとする主要な路線の駅で、PSPからWEBが見られるぐらいのサービスは始めてほしい。それとPSPからの接続のデフォルトはSo-netにしてしまい、PSPからのアクセスなら月会費無料というサービスもありえるだろう。ライブドアと提携して、PSPからのアクセスなら値引きするとか、PSPからのアクセスなら1ヶ月間無料とか、そういうキャンペーンを打ってもいいでしょう。いずれにしても、このタイミングで動かなければただのバカでしょうね。もっとも怠慢な技術者は、常に怠惰ではありますが。彼らがもっと先見性に富み、挑戦的で勤勉なら、ここまでPSPは失墜しなかったでしょう。
PSPでネット接続したら、自動的に「無料」でSo-net会員になる。以前、ソニーがニフティを買収するという話があったが、そんな金があるなら、こういうことに使え、といいたい。
そもそも、ライブドアが大規模な公衆無線LANを始めるのは、以前から噂が流れていました。遅くともライブドアがSkypeに手を出した時点で見えていましたし、どれだけ遅くともパワードコムとの提携した時点で、かなり確定していたはず(R30::マーケティング社会時評「ライブドアはテレビより前に電話を潰しますのか」)。
一昨年から書いていたことだが、ローカルワイヤレス・ネットワークゲームが急速に立ち上がりつつある。それまでは携帯電話というグローバルワイヤレスなプラットフォームしかなかった。携帯電話は距離の点で非常にすばらしいネットワークを持っているものの、一方でパケットを飛ばすたびにお金を取られるという制約がある。そのためダウンロード型のiアプリが主体だった。定額制が始まったことで、携帯電話向けのMMORPGの可能性が一時期取り沙汰されたけれど、定額料金そのものがまだまだ高いこともあって、まだまだダウンロード型のiアプリが強いのが現状だ。
いわゆるWiFiのようなローカルワイヤレス・ネットワークは距離に限界がある一方で、無料のネットワークを提供できるという強みがある。また契約などの手続きが要らない(省き得る)。誰でも自由にネットワークに参加できる。こうしたWi-Fiの特徴はどちらかというと、日本よりも米国のほうが正しく捉えていて、携帯電話大国と化した日本以上に、Wi-Fiの可能性を信じている。
梅田望夫・英語で読むITトレンド「Wi-Fiと音楽配信が米国で盛り上がる二つの理由」
Wi-Fiが面白いのは、Wi-Fi技術やWi-Fi利用形態の現在の状態が面白い
からなのではなく、オープンワイヤレス・ネットワークを作り得る可能性ゆえだ、
そのオープンという意味は「open to innovation」という意味だ、と。
1.
任天堂のワイヤレス通信に賭ける意気込みはめざましい。任天堂はまず最初、GBA向けにワイヤレスアダプターを提供した。GBA末期だから今さら感もあったが、なんとポケモンと同梱すると発表した。これによって、全世界で数百万人のユーザーがワイヤレス通信を体験することが保証された。
2.
その後、DSが発表され、DSにはワイヤレス通信が標準搭載されることになった。さらに本体には「ピクトチャット」を内臓。お絵かきチャットはPCなどにもあったが、携帯端末で無線通信でやると、あそこまで楽しいコミュニケーションツールになったわけだ。この手の「お互いに時間を共有するタイプのネットワークゲーム」は、じつは携帯電話は苦手である。
というのは、携帯電話は基本的にパケット代を取るからだ。定額制はあるが定額料金そのものがまだ高いし、まさか定額制の人に限定してアプリケーションを展開するわけにもいかない。ここは、無料のローカルワイヤレス・ネットワークが優位性を発揮する部分で、そこを生かしたアプリケーションだからこそ、携帯電話というワイヤレス端末がこれだけ普及していても、新鮮な遊びたりえたわけだ。
3.
また、任天堂は初期タイトルから、「1本のゲームソフトで数人が遊べる」環境を提供した。じつはGBAでも同じことができた。たとえば、据置ゲームでは、1本のソフトに複数のコントローラがあって、複数人で遊ぶことができる。要はそういうプレイ環境を携帯機で作っただけの話である。ただ、GBAは基本的にケーブル通信だったので、ケーブルで接続しないと対戦できなかった。
子供ならケーブルを持ち歩くのはまあ十分可能だが、大人が遊ぶには敷居が高い。あまり浸透していなかったのではないか。実際、ゲームマニアのBLOGを見ても、GBAでも1本のゲームソフトで数人が遊べたことを知らない人が意外といた。結果として、よりいっそう対戦ゲームを遊びやすくなった。
4.
そして「nintendogs」ではすれ違い通信を実現し、まさに新しい遊びを実現した。これも、「ピクトチャット」と同じく、無料のワイヤレスネットワークでなければ難しい。有料では敷居が高くなり、あまり広がらないだろう。ここでも、ローカルワイヤレス・ネットワークの本質が活かされている。
5.
さらについ昨日発表された、WiFiの無料アクセスポイントを全国に1000箇所設置する構想も、任天堂にしてはなかなかアグレッシブな施策といえる。先日のGDCでは、WiFiネットワークを利用したゲームとして、「どうぶつの森」が発表されている。「どうぶつの森」は販売実績が50万本以上の有力タイトルであり、根強いファンがいて、しかもゲームの中に「お手紙」や「お出かけ」といったネットワークゲーム的な遊びが含まれている。かねてからユーザーコミュニティでは、オンライン対応を希望していた筆頭のソフトでもある。発売されれば、日本国内だけで50万人・・・・とまではいかなくても、かなり近い人数がWiFiネットワークを体験することになる。これはかなりインパクトのある数字だと思う。
あくまで個人的な見解にすぎないが、この5つの施策を俯瞰してみれば、もはや任天堂は「ゲーム会社」というより「ワイヤレス・エンターテインメント企業」といったほうが正確だと思う。しかもこのうち2番〜4番の3つの施策は、DS発売からわずか半年以内に実現されたものだ。一昔前の任天堂からは考えられないスピード感である。
(まぁ「コミュニケーション・エンターテインメント企業」でもいいのだが、「エンターテインメント」という抽象的な単語にさらに「コミュニケーション」という抽象的な単語を重ねるのは、個人的には好みではない。また成長の原動力はあくまで「ワイヤレス」だから、そこを強調したほうが適切な表現だと考えた。)
1.
一方、SCEはPSPのワイヤレス通信を有効活用しきれていない。任天堂の「1本のゲームで複数の人が遊べる」仕組みと同じなゲームシェアリングは、本体発売には間に合わず、対応ソフトが非常に少ない。通信対応ソフトの大半が対応しているDSとは対照的だ。
2.
また、キャラクター的には枯れてきているとはいえ、かつてはコミュニケーションを遊びに取り入れた「どこいつ」も、旧態然とした遊び方にとどまり、「5年間停止していたのか?」と思わざるを得えない。最近、「nintendogs」のすれ違い通信が話題になっているが、ああいう遊びは「どこいつ」でもやれたはずだ。数年前には積極的に新しい遊びに取り組んだのに、今ではせっかくの無線通信を生かせていない。開発者のクリエイティビティーが低下したというほかない。
3.
ただし、WiFi経由でのネット対戦やWEBブラウザはPSPの方がDSより若干進んでいる。そこはアドバンテージ。ただし、上記のように任天堂は満を持してキラータイトルを準備中だ。それまでにPSPでどんなタイトルが出てくるのか? 今の所、対応ゲームはそれほど多くないし、魅力に欠けている。実際、「ワイプアウト」も「ダービータイム」も全然売れていない。
4.
一番やる気が感じられないのは、韓国ではPSPを公衆無線LANと連携させるのに、日本ではその気配がまるでないことだ。日本のほうがインフラが整っていないという事情はわかるが、それを踏まえたうえで、最低限のアクセスポイントを提供しようとする任天堂とくらべ、あまりにネガティブだ。ハイスペックな機械も、アプリケーションとサービスが無ければ意味がない。
個人的な感想をいえば、任天堂の1000箇所のアクセスポイントも決して多くはない。ただ、まぁ、任天堂はまだゲーム機メーカーの枠にとどまっているから、インフラを自前で整えても、後で回収するのが難しい。だからまさか1社で日本に公衆無線LAN網を築くわけにはいかない。おのずと自然なサイズが決まる。
一方、ソニーはここでグループのスケールメリットを存分にいかせるはずだ。相手より優位に戦える場所でしっかりポイントを稼がなければ、競争には永遠に勝てない。というより、PSPを無線LAN端末の最有力候補に押し上げるぐらいの勢いで取り組んでほしいものだ。
例えば、JRと提携して、山手線を始めとする主要な路線の駅で、PSPからWEBが見られるぐらいのサービスは始めてほしい。それとPSPからの接続のデフォルトはSo-netにしてしまい、PSPからのアクセスなら月会費無料というサービスもありえるだろう。PSPでネット接続したら、自動的に「無料」でSo-net会員になる。以前、ソニーがニフティを買収するという話があったが、そんな金があるなら、こういうことに使え、といいたい。
ゲーム部門とネット部門を両方抱えるソニーグループでなければできない芸当を見せてほしい。コストは広告費でまかなえばいい。広告のバナーデータはキャッシュしておき、ブラウザの立ち上げ、接続、ロード時間などの待ち時間に広告を表示する仕組みにする。
ISP各社は接続料が伸び悩んでいることもあって、ポータルサイト事業に舵を切っている。ネット広告を新しい収益源と見込んでいる。So-netも遅まきながら、路線転換を始めたばかりだ。い
つもながら、動くのが遅いが。どういうわけか、ソニーはネットに関してはつねに鈍い。しかし今でもソニーにしかできないビジネスというのもあるはずだ。
かつて、ソニーはSo-net会員がPS2をネット接続端末として利用できるように「PS2ポータルサイト」を用意したが、なんとも中途半端な対応だった。PS2のネットビジネスが悲惨な末路を迎えたのは、誰もが知るところだが、こんな半端な連携しかできないなら、当然である。
公衆無線LANはこれまで少なからぬ会社が挑んできたものの、いまだ誰も成功していない。一夜にして最有力候補に踊り出ようというぐらいの気合がほしいものだ。別にこういう内容でなくてもかまわない。所詮こういう場所に書くようなアイデアである。穴も多い。要は、それぐらいの大規模なサービスの1つも打ち上げなければ、PSPという機械は性能を活かしきれないまま死んでしまうぞ、ということである。
ソニーグループ内でPSPという端末を活かした有機的な連携サービスのアイデアが次々と湧いていて、PSPの付加価値を高めるようなプランが進行しているのであれば、それでいい。きちんと知恵をしぼれば、1、2分で考えたようなアイデアよりも、もっと実現性が高くて、かつ大胆不敵なプランが出てくるはずだ。
しかしどんなに良いアイデアが出てきても、グループ各社の軋轢で潰れてしまったり、「コストが……」「技術が……」という小利口なツッコミだけは元気で、議論そのものがろくに起きていないのであれば、嘆かわしい事態だ。
この記事では、主にローカルワイヤレス・ネットワークにしぼって語った。結果として、ローカルワイヤレス・ネットワークにおいてアグレッシブな企業と、非常に消極的な企業について語ることになった。グローバルワイヤレス・ネットワークにはふれなかった。
しかし勘違いしてほしくないが、グローバルな携帯電話とローカルなワイヤレスLANのどちらが良いかとか、どちらが覇権を握るか、ということを議論する記事ではない。携帯電話大国の日本では多くの人の答えは知れているし、梅田望夫氏のBLOGにあるとおり、オープンイノベーションを信奉する米国ではWiFiと答える人が少なくないだろう。
グローバルワイヤレス・ネットワークとローカルワイヤレス・ネットワークは現状では良い補完関係にあるといえる。携帯電話のようなグローバル網だからできる娯楽、携帯ゲーム機のような無料のローカル網だからできる娯楽。それぞれの優位性を伸ばす形で、いろいろなアプリケーションとサービスが生まれてほしい。
もちろん、定額制の定額料金が値下がりしていくにつれて、両者の差は縮まっていく。その先に、最終的にどうなるかは、また別の記事で書いてみたい。重要なのは、両者が優位性を発揮しつつ画期的な新しいエンターテインメントを生み出していくことだ。なぜなら携帯電話にしても、携帯ゲーム機にしても、圧倒的に日本が先行している分野だからだ。はっきりいって、米国は物の数ではない。また、将来のアジア市場をにらんでも十分有望である。
昨今、日本のゲーム会社は欧米で市場シェアを失い、据置ゲーム機の主導権も米国(マイクロソフト)に奪われる可能性が高くなっている。そこでヒステリックに似非ナショナリズムに走るのは愚劣の極みである。重要なのは、自分たちが、国が、産業が、絶対的な優位性を発揮できる場所を見つけることだ。そういう場所を見つけ、そこにリソースを集中することで、圧倒的な競争力が生まれる。競争力の源泉を掘り当てることが、次の10年、20年の繁栄につながるのだ。
参考:
発熱地帯「ワイヤードオンラインゲームからワイヤレスオンラインゲームへ」
1月3日に掲載した「コミケでDS」に続き、ピクトチャット関連のニュースをまとめました。
任天堂、ピクトチャットを使った色々な遊び方を公開
Touch-DS.jpにて、「How to Chat!DS」と「Chat!Chat!Chat!」の2つのコーナーを公開。
「How to
Chat!DS」では、「大人数ゲーム!」「パラパラまんが!」「にらめっこ!」の3つの遊び方が紹介されています。イベントや飲み会等で楽しめる、パー
ティゲーム的な遊びが中心になっています。「Chat!Chat!Chat!」では実際にユーザーがピクトチャットを遊んでいる姿を連載しています。
また、同サイトではピクトチャットを使った新しい遊び方を募集していて、採用者には宮本茂氏のサイン入りDSがプレゼントされるそうです。第1回の募集が
1月16日締切り、第2回の募集が1月30日締切りです。
第4回日本オタク大賞、個人賞に受賞
みのうら賞を受賞。ゲーム機としてのDSよりも、コミケでのピクトチャットが面白かったとのこと。
(コミケでのDSの人気ぶりについては、「コミケでDS」に
簡単にまとめています)
DSは購入者に女性が多く、ライト層の開拓に積極的ですし、GBAからの流れもあって当然のように子供層も多い。しかし予想以上にオタク層からも支持され
ていますね。なかなか面白い現象。オタク層はイベント好きですから、イベント向きのDSが好感されたのでしょうね。また、今までの実績というか、「逆転裁
判」などの手堅いソフトラインナップが「いずれ買ってもいい」という安心感を生んでいたことも大きいでしょう。
「ピクトチャット」を筆頭に、DSのワイヤレス通信機能はイベント向きですね。
PSP購入の行列でも、「ピクトチャット」で仲良くなっている人たちがいたわけですが、コミケでもやはり活躍していた模様です。ピクトチャットはやはり本体内蔵というのが強いですね。発売から1ヶ月経たずして、すでに日本だけで128万人ものピクチャ人口がいるわけですし。
○【コミケで】ニンテンドーDS持参【ピクトチャット】
○minori(ソフトメーカー) 冬コミでnbkz氏がトークショー&ピクトチャット
○帽子屋インサイド(12/21の日記) 「大合奏!バンドブラザーズ」の楽譜データを配布
○神聖マルチ王国(12/31、1/2の日記) バンブラの曲配布、ピクトチャットでさくらたんの萌え絵交換
○G-Greats 『大合奏バンドブラザーズ』とニンテンドーDSを持ってる方へ曲データ配布
○NGM 「冬コミをワイヤレス通信の巨大実験場として考える」
○抱き枕総合研究所 2004年冬コミレポート
「DS コミケ バンブラ」や「NDS コミケ」等
で検索すると、けっこうたくさんのBLOGが見つかります。今の所、ワイヤレス通信をもっとも活かしているソフトは「ピクトチャット」と「バンドブラザー
ズ」の2本ですね。どちらもあまり「ゲーム」っぽくないのも共通しています。
DSは狭い意味での「ゲーム」よりも、広い意味での「娯楽に使えるアプリ」向きなのかもしれません。短期間に「ゲーム」や「ゲーム機」の定義を広げつつあ
ります。
夏コミ、東京ゲームショウ、冬コミでは、さらに普及台数が増えているでしょうから、もっと大勢で楽しめるかもしれませんね。また、ワイヤレス通信を活かし
たデータ配布にも期待を寄せたいところです。ゲームショウでは、携帯電話の待受け画像の配布は珍しくありませんが、会場で体験版を配布したり、追加データ
を配布するのもアリでしょうね。
<追記>DSで通信がワイヤレス化することで、ゲームシェアリングの良さを実感する大人が増えたのも新しい現象ですね。GBAの頃にも、
誰か1人がソフトを持っていれば、他人のGBAに転送していっしょに遊ぶことはできましたが、ケーブルが必要だったため、実際には子供ぐらいしか利用して
いませんでした(大人がいつもケーブルを持ち歩くわけにはいかんよな・・・・)。
また、見知らぬ人といっしょに遊べるようになった点も見逃せませんね。課金なしのワイヤレス通信が広がることで、今後どんな娯楽が生まれるかが興味深いで
す。
欧米において、MMORPGのビジネスが次々に破綻しています。Mystのオンラインゲーム版である『Uru: Ages Beyond Myst』があまりにもユーザーが集まらず、サービス停止になりました。去年は『Sims Online』が完全爆死、そして『Star Wars Galaxies』も期待にはまったく届かない状態でした。
すでに去年のE3で、過剰なタイトル数が懸念されていました。あまりにも同じような内容、あまりにも工夫のないゲームデザイン、バブリーな状況に乗っかっただけのバブリーなゲームデザイン、サービスがあふれていました。
まだそれがわからない脳天気系開発者や、脳天気系ライターもいましたが……。毎度毎度のE3病で
すね。(なぜ人はE3ではあそこまで愚かになれるのか、興味深いテーマではありますが、ここでは追究しません。あと2ヶ月半もすれば、新しいサンプルデー
タが手に入るでしょう。愚かさをふりまく人々が減ることを期待します)
その時すでに見るべき目をもった開発者は、ダメになると明言していたわけですが、まったくその通りになっていますね。日本においても、『みんなのゴルフ・
オンライン』が爆死。コンシューマーにおけるMMORPGの普及状況は、しばらくは絶望的になりました。SCE的にも、今年はPS2の女性層への拡大、い
きなり頓挫したEyeToyの宣伝、PS10周年、そしてPSPと、他にプロモーションしなければならないテーマが多いため、オンラインゲームに割くプロ
モーション・リソースは去年よりも大幅に削減されるでしょう。実質的には「なかったこと」になっていくでしょう。
明快な現実の前には、百万言(ビジネスロジック)を費やしても説得力は生まれません。
この『Uru』の破綻についての面白い記事がありました。
閑人「MMOゲームはもはやお荷物?」
2chのMMORPG板の書き込みの状況を調べたものです。
> 大抵のユーザーは特定の1タイトルに関連したスレッドにのみ
> 書き込みを行っており、同時に二つ以上のMMOゲームを進
> めるプレイヤーが少ないことが推測できます。
複数のMMOゲームを同時に遊ぶ人は、まずいない、とはいわれていましたが、それが数字の上で示されたといってもいいかもしれませんね。2chとMMOの層はかなりかぶりますし、一定の説得力はあります。
ITmediaのイー・アクセス、「定額IPモバイル電話」に意欲に
よれば、イー・アクセスが「定額IPモバイル電話」に向けた実験を開始すると発表。具体的なスケジュールは未定なものの、最初の1年で実証実験を行い、2
年後には東京、大阪などの大都市圏でサービスを開始することを狙っているそうだ。
携帯電話のグローバルワイヤレスネットワークは、ネットワーク構築にコストをかけているため、それを回収する意味でも、そうそう定額化は難しい。とはいえ
競争の激化にともない、流れとしては確実にそちらに向かいつつある。
一方、定額IPモバイル電話は、ワイヤレス端末でホットスポットにアクセスし、ホットスポットからは既存の定額ネットワーク(ADSL網)に乗せるため、
定額サービス化がやりやすいとされている。この場合、データ通信がベースになっているため、音声通話は音声データのやりとりという形になる。
両者の向かうところは結局、定額化された低価格なワイヤレスネットワークサービスであって、どちらが先にそこにたどり着き、顧客を獲得するかの勝負にな
る。現時点では、ADSL事業者は実験段階であり、実質的な勝負は起きていない。ただ、今後2年間でもっともフォーカスが当たる競争領域なのは間違いな
い。
ゲーム業界においても、GBAのワイヤレスアダプター、ソニーのPSPのワイヤレスLANなど、携帯ゲーム機のワイヤレス通信搭載はスタンダードになりつ
つある。携帯ゲーム機はこれまで、全世界共通の規格だっ
た。TVのNTSC、PALのような区別はないし、任天堂とソニーの2陣営は存在するが、携帯電話に比べればベンダの数が少ないから、各ベンダにあわせて
開発しなければならない負担も少ない。
そういう開発のしやすさと、すでに獲得しているユーザーの人口を考えれば、比較的短期間にワイヤレスネットワークゲーム市場が成立する可能性はかなり高い
と期待できる。さらに、任天堂とソニーの競争がその流れをさらにブーストするだろう。マイクロソフトは完全にフェードアウトしそうだが。まぁいつだってマ
イクロソフトは後から他社の真似をするしか芸がないのだ……。